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欧勝海成矢

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
欧勝海 成矢
基礎情報
四股名 深沢 → 欧深沢 → 欧勝海
本名 深沢 成矢
愛称 フカ、ショーミ
生年月日 (2001-05-12) 2001年5月12日(23歳)
出身 石川県河北郡津幡町
身長 184cm
体重 149kg
BMI 44.01
所属部屋 鳴戸部屋
得意技 左四つ・寄り
成績
現在の番付 西十両9枚目
最高位 西十両9枚目
生涯戦歴 126勝73敗30休(27場所)
優勝 三段目優勝1回
序二段優勝1回
データ
初土俵 2020年3月場所
備考
2024年12月23日現在

欧勝海 成矢(おうしょううみ せいや、2001年5月12日 - )は、石川県河北郡津幡町出身で、鳴戸部屋所属の現役大相撲力士。本名は深沢 成矢(ふかさわ せいや) 。身長184cm、体重149kg、血液型はA型[1]。最高位は西十両9枚目(2025年1月場所)。

来歴

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入門前

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3人兄弟の次男[2]で、実家は上矢田温泉「やたの湯」[1]。兄の影響で相撲を始めて[3]、小学校1年次から津幡町少年相撲教室に通った[1]。小学校6年次にわんぱく相撲ベスト16、津幡町立津幡南中学校3年次に全国都道府県中学生相撲選手権大会団体優勝、全国中学校相撲選手権大会団体準優勝の実績を残している[1]。中学校卒業後は、少年相撲教室の1年先輩の大の里の誘いで新潟県立海洋高等学校に進学し[3]、3年次に選抜高校相撲十和田大会で団体準優勝などの実績を残した[1]。当初「将来は地元で子供を指導できれば」程度の選手でしかしかないと自己評価していた[4]が、高校卒業後は大学進学も選択肢に入る中で、大相撲の15代鳴戸(元大関・琴欧洲)の勧誘を中学生時代から受けていたため、鳴戸部屋へ入門することになった[3]

入門後

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2020年3月場所で初土俵。同年11月場所では、同部屋の欧鈴木と優勝決定戦を戦い、寄り切りで勝って序二段優勝を決めた[5]。その後三段目も1場所で通過し、2021年3月場所で幕下に昇進した。幕下2場所目の同年5月場所は左足首の負傷で途中休場し、初土俵以来初の負け越しとなった[6]。休場明けの翌7月場所から四股名を「欧勝海」に改名した[7]。師匠の現役時代の四股名から「欧」と「勝」を入れ、出身高校の名前の1文字であり海が好きなことに因んで「海」を入れたものである[6]。改名場所からは2場所続けて勝ち越していたが、自己最高位の西幕下7枚目だった同年11月場所は1番目の相撲で左肩の靭帯を部分断裂して2番目から休場となり、5番目と6番目の相撲は再出場して取ったが7番目の相撲は再度休場となった[8]。翌2022年1月場所も2番相撲から途中休場となり、その後は完治を目指して手術を受けたため2場所連続で全休[9]。関節唇の手術から復帰した同年7月場所は西序二段6枚目で1番目の相撲から4連勝で勝ち越したが、鳴戸部屋関係者の新型コロナウイルス感染判明に伴って5番相撲から休場となった[10]。三段目に復帰した9月場所は東三段目78枚目で7戦全勝優勝を決めた[11]。幕下に復帰した同年11月場所以降も勝ち越しを続け、2023年11月場所では西幕下2枚目で4勝3敗の成績を残し、場所後に行われた番付編成会議で、2024年1月場所での新十両昇進が決定した[12]

十両昇進後

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新十両昇進会見では初土俵からの3年半を「長いようで短かった」と振り返り「(大の里には)まだまだ負けているんで、早く追いつきたい」と意気込んだ[13]。11月場所の際に母が目の手術で入院すると聞くと「ここで(昇進を)決めなきゃいけない」と気合が入ったという[2]。1月場所は、14日目に関取として初めての勝ち越しを決めた。勝ち越しの際には「場所前には『勝ち越して、地元に元気を与えられるように』と言っていたので、それがかなえられてよかった。来場所にもつながる内容で良かった」と能登半島地震に遭った故郷を想うコメントを残した[14]。 また、翌場所は自己最高位の東十両11枚目まで番付を上げ、10日目には当時193cm、167kgの巨漢である獅司を豪快に吊るなど力強い相撲もあったが、14日目に白熊に上手投げで破れ自身初の皆勤負け越しが決定、千秋楽も敗れ6勝9敗。

東十両13枚目となった5月場所、初日から3連敗し、中日から2度目の3連敗で10日目に負け越し決定、翌日も敗れ4連敗で9敗となった後、12日目から3連勝で盛り返したものの、千秋楽に幕下の木竜皇に敗れ5勝10敗、十両在位3場所で幕下へ陥落した。

西幕下3枚目となった7月場所、3勝2敗から對馬洋栃大海との十両戦に連勝し5勝2敗で終え、場所後の同月31日の番付編成会議で再十両昇進が決定した[15]。9月場所は西十両14枚目の地位で土俵に上がり、13日目に負け越しが確定、千秋楽には幕下の若碇に敗れ6勝9敗に終わり、「来場所の幕下転落を余儀なくされる状況」と報じられた[16]。場所終了直後には同津幡町出身で、津幡町少年相撲教室で小学生のころからの1年先輩である幼馴染の大の里の幕内優勝パレード旗手を務めた[17]。しかし他力士の成績との兼ね合いで11月場所は同じ西十両14枚目に残留となる。11月場所は左肩にテーピングをして土俵に上がり[18]、10日目終了時点で9勝1敗と十両優勝争い首位タイであったが、11日目から途中休場[19]、14日目から再出場し10勝3敗2休に終わる。

2025年1月場所は前場所から番付を5枚上げ西十両9枚目となる。

取り口

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基本的には四つに組み合うのが主体であり、立ち合いまわしを引いて一気に出るのが良いパターンであるが、途中がっぷりに組む合う展開も多い。 右四つ・寄りを得意としているが、立ち合い相手の流れとなり左四つとなるパターンも多いため実況などでは「なまくら四つ」と言われることも多い。 また、土俵際で逆転の投げを打つことや吊り身に攻めることもある。

エピソード

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  • 2024年11月場所直前の11月9日、部屋の九州後援会から唐津くんちの2番曳山「青獅子」をデザインした化粧廻しが贈られた。化粧廻しの制作費約240万円のうち半分を唐津市と玄海町がプロスポーツ交流事業として支援している[20]
  • 高校生の頃に「能水商店」の人気商品「ごっつぁんシリーズ」の開発に高校の食品科学コースで学ぶ相撲部員の立場で携わっており、パッケージには当時の欧勝海の姿が描かれている。関取昇進後には販促イベントにも協力している[16]

主な成績

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2024年11月場所終了現在

通算成績

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  • 通算成績:126勝73敗30休(28場所)

各段優勝

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  • 三段目優勝:1回(2022年9月場所)
  • 序二段優勝:1回(2020年11月場所)

場所別成績

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欧勝海 成矢
一月場所
初場所(東京
三月場所
春場所(大阪
五月場所
夏場所(東京)
七月場所
名古屋場所(愛知
九月場所
秋場所(東京)
十一月場所
九州場所(福岡
2020年
(令和2年)
x (前相撲) 感染症拡大
により中止
西序ノ口15枚目
5–2 
東序二段79枚目
6–1 
西序二段6枚目
優勝
7–0 
2021年
(令和3年)
東三段目15枚目
5–2 
東幕下53枚目
5–2 
西幕下33枚目
2–2–3 
東幕下52枚目
6–1 
東幕下23枚目
6–1 
西幕下7枚目
2–2–3 
2022年
(令和4年)
東幕下21枚目
0–2–5 
西幕下56枚目
休場
0–0–7
東三段目36枚目
休場
0–0–7
西序二段6枚目
4–0–3[注 1] 
東三段目73枚目
優勝
7–0 
東幕下54枚目
4–3 
2023年
(令和5年)
西幕下45枚目
5–2 
西幕下29枚目
5–2 
東幕下22枚目
4–3 
西幕下16枚目
4–3 
西幕下11枚目
5–2 
西幕下2枚目
4–3 
2024年
(令和6年)
西十両13枚目
8–7 
東十両11枚目
6–9 
東十両13枚目
5–10 
西幕下3枚目
5–2 
西十両14枚目
6–9 
西十両14枚目
10–3–2[21] 
2025年
(令和7年)
西十両9枚目
 
x x x x x
各欄の数字は、「勝ち-負け-休場」を示す。    優勝 引退 休場 十両 幕下
三賞=敢闘賞、=殊勲賞、=技能賞     その他:=金星
番付階級幕内 - 十両 - 幕下 - 三段目 - 序二段 - 序ノ口
幕内序列横綱 - 大関 - 関脇 - 小結 - 前頭(「#数字」は各位内の序列)

改名歴

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  • 深沢 成矢(ふかさわ せいや)2020年3月場所
  • 欧深沢 成矢(おうふかさわ -)2020年7月場所 - 2021年5月場所
  • 欧勝海 成矢(おうしょううみ -)2021年7月場所 -

脚注

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注釈

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  1. ^ 2019新型コロナウイルス感染者と濃厚接触した可能性があるため5番相撲から休場

出典

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  1. ^ a b c d e 「春場所全新弟子名鑑」『相撲』2020年4月号、ベースボール・マガジン社、107頁。 
  2. ^ a b 平山連. “母が入院すると聞いた欧勝海「ここで決めなきゃいけない」決意通りの十両昇進を決めた先場所 - 大相撲裏話 - 相撲・格闘技コラム : 日刊スポーツ”. nikkansports.com. 2024年7月28日閲覧。
  3. ^ a b c 「十両以下各段優勝力士喜び詳報」『相撲』2020年12月号、ベースボール・マガジン社、69頁。 
  4. ^ 幕下欧勝海、憧れた同郷先輩・大の里の高校へのスカウトが入門のきっかけに 関取の座つかみ「いずれは幕内で対戦したい」【大相撲】 中日スポーツ・東京中日スポーツ 2023年11月8日 06時00分 (2024年11月10日閲覧)
  5. ^ 欧深沢が序二段優勝「複雑さ半分」同部屋決戦制す」『日刊スポーツ』2020年11月22日。2021年5月2日閲覧。
  6. ^ a b 「相撲部屋聞き書き帖」『相撲』2021年9月号、ベースボール・マガジン社、83頁。 
  7. ^ 【名古屋場所新番付】元小結の常幸龍、千代鳳らが十両から幕下に陥落」『日刊スポーツ』2021年6月21日。2021年6月21日閲覧。
  8. ^ 「相撲部屋聞き書き帖」『相撲』2022年9月号、ベースボール・マガジン社、83頁。 
  9. ^ 「相撲部屋聞き書き帖」『相撲』2021年9月号、ベースボール・マガジン社、83頁。 
  10. ^ 新十両欧勝馬がコロナ感染 鳴戸部屋勢9日目から休場/名古屋場所」『サンスポ』2022年7月17日。2022年9月4日閲覧。
  11. ^ 欧勝海が全勝で三段目優勝「うれしいです」元大関琴欧洲の師匠鳴戸親方が見守る中での快勝喜ぶ」『日刊スポーツ』2022年9月23日。2022年9月23日閲覧。
  12. ^ 尊富士&欧勝海ついに初の関取の座に 力士4人が十両昇進 初場所番付編成会議」『日刊スポーツ』2023年11月29日。2023年11月29日閲覧。
  13. ^ 実藤健一. “新十両の欧勝海、初土俵から3年半、左肩大けが乗り越え「長いようで短かった」 - 大相撲 : 日刊スポーツ”. nikkansports.com. 2024年7月28日閲覧。
  14. ^ 鎌田直秀. “新十両の欧勝海勝ち越し「元気与えられるように…良かった」故郷石川・津幡町にも吉報届け笑顔 - 大相撲 : 日刊スポーツ”. nikkansports.com. 2024年7月28日閲覧。
  15. ^ sumokyokaiの2024年7月31日9時38分(JST)のツイート- X(旧Twitter)
  16. ^ a b "海洋高出身の十両・欧勝海"第二の故郷"能生で決意新た 大の里効果で「ごっつぁんカレー」注文殺到". Sponichi Annex. スポーツニッポン新聞社. 28 September 2024. 2024年10月28日閲覧
  17. ^ 大の里の優勝パレード旗手に十両欧勝海「ずっと憧れの人」小学生のころから相撲教室で1学年後輩 日刊スポーツ 2024年9月22日21時1分 (2024年9月23日閲覧)
  18. ^ 十両・欧勝海が無傷9連勝も「自分の思った相撲じゃない」 左肩にはテーピング 2024年11月18日 16時26分スポーツ報知 (2024年11月20日閲覧)
  19. ^ 十両で首位タイの欧勝海が休場 左肩などにテーピングして臨むも 秋場所では大の里のVパレード旗手 2024年11月20日 10時8分スポーツ報知 (2024年11月20日閲覧)
  20. ^ 大相撲九州場所で宿舎の縁 唐津くんちの化粧まわし、欧勝海関に 朝日新聞DIGITAL 森田博志 (2024年11月10日閲覧)
  21. ^ 左肩関節唇損傷のため11日目から休場。14日目から再出場

関連項目

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外部リンク

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