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機動戦士ガンダム 復讐のレクイエム

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
復讐のレクイエムから転送)
機動戦士ガンダム 復讐のレクイエム
ジャンル ロボット
アニメ
監督 エラスマス・ブロスダウ
脚本 ギャビン・ハイナイト
キャラクターデザイン マヌエル・アウグスト・ディシンジャー・モウラ(メイン)
コザキユースケ
メカニックデザイン 山根公利
音楽 ウィルバート・ロジェ2世英語版
アニメーション制作
製作 バンダイナムコフィルムワークス
配信サイト Netflix
配信期間 2024年10月17日 -
話数 全6話
関連作品
テンプレート - ノート
プロジェクト アニメ
ポータル アニメ

機動戦士ガンダム 復讐のレクイエム』(きどうせんしガンダム ふくしゅうのレクイエム、英語: Gundam: Requiem for Vengeance)は、サンライズSAFEHOUSE共同制作による日本のアニメーション番組。アメリカ合衆国の世界的な定額制動画配信サービスNetflix」にて配信されるWebアニメ

ギャビン・ハイナイト脚本・共同製作総指揮による全6話のロボットアニメである。ガンダムシリーズのうち世界観宇宙世紀」を舞台とする作品の1つで、一年戦争のヨーロッパ戦線を描く。

概要

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スタッフ
企画 バンダイナムコフィルムワークス
脚本 ギャビン・ハイナイト
キャラクターデザイン マヌエル・アウグスト・ディシンジャー・モウラ(メイン)
コザキユースケ
メカニカルデザイン 山根公利
撮影監督 笠岡淳平
アニメーションプロデューサー 由良浩明
音響監督
音楽 ウィルバート・ロジェ2世英語版
監督 エラスマス・ブロスダウ
製作 彌富健一
製作総指揮
  • 浅沼誠
  • 小形尚弘
  • 櫻井大樹
  • ギャビン・ハイナイト
制作
製作 バンダイナムコフィルムワークス

アメリカ合衆国ゲームエンジンUnreal Engine 5」を使用したCGアニメーション作品。スタッフは多国籍で、脚本および共同での製作総指揮は、『トランスフォーマー サイバーバース』やビデオゲームMarvel's Spider-Man』などを務めた米国のギャビン・ハイナイト。ハイナイトはこの番組は『機動戦士ガンダム サンダーボルト』と『機動戦士ガンダム 第08MS小隊』に影響を受けたと語っている[1]

メカニカルデザインは、『機動武闘伝Gガンダム』『機動戦士ガンダム 第08MS小隊』『機動戦士ガンダムSEED』シリーズなどに携わった山根公利音楽は、ビデオゲーム『コール オブ デューティ ワールドウォーII』や『Destiny2 孤独と影』などに携わった米国のウィルバート・ロジェ2世英語版監督は、ビデオゲーム『ライズ:サン・オブ・ローマ』や『CRYSIS』などを手掛けたドイツのエラスマス・ブロスダウ。主演モーションキャプチャーモデルおよび声優は、オーストラリア女優シリア・マッシンガム。

2023年7月2日から5日までの4日間にわたりカリフォルニア州ロサンゼルス郡ロサンゼルス市ロサンゼルス・コンベンション・センターで開催されていた「Anime Expo 2023」にて、制作の決定が発表された。音楽録音はオーストラリアで、モーションキャプチャーアフレコは日本で行われた。時差の影響から、スタッフのビデオ会議は大変であったという[2]

あらすじ

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地球から最も遠い位置にあるスペースコロニー群「サイド3」がジオン公国を名乗り、地球連邦政府に独立戦争をしかけてから11か月が経過した地球のヨーロッパ戦線。ジオン欧州方面軍の第七混成機動旅団は、東欧のクルジュ=ナポカ基地を地球連邦軍から奪還する任務のために増援部隊を派遣する。ルウム戦役で戦果を挙げたイリヤ・ソラリ率いるレッド・ウルフ隊の活躍によって基地は奪還されるが、その晩に基地は連邦陸軍の最新鋭モビルスーツ(MS)ガンダムEXの奇襲を受けて壊滅状態となる。

当時は連邦軍によるオデッサ攻略作戦発動直前の状況であり、ジオンの敗勢が決定的段階を迎える中、ソラリたち生存者はガンダムを擁する連邦陸軍の追撃を受けながら、生き残るために死闘を繰り広げる。

登場人物

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キャスト(声優)名は英語版 / 日本語版の順で表記。

イリヤ・ソラリ
モーションキャプチャーモデル、声 - シリア・マッシンガム(Celia Massingham)[3] / 森なな子[4][5]
ジオン公国軍MS部隊「レッド・ウルフ隊」の隊長を務める女性大尉。コードネームは「レッド・ウルフ・アルファ」。当初所属していた宇宙軍から、欧州方面軍の第七混成機動旅団に編入されてきた。
かつては有名なヴァイオリニストであり、夫で同じ音楽家のダルトンや息子と生活していた。独立戦争が始まってからは息子を両親に預けて従軍するが、本編の数か月前にダルトンを空爆で失う。強い意志と周囲への気遣いに満ちた温和な人物でもあり、部下たちの信頼も厚い。
任務中に連邦軍のブービートラップや襲撃、ガンダムEXとそのパイロットの存在を感知するなど、ニュータイプの素質をうかがわせる描写がある。
ニーランド・ルショーン
声 - ラバンス / 石毛翔弥[4][5]
レッド・ウルフ隊パイロットの一員である青年少尉。高いMS操縦技術の持ち主で、地球降下前に上げた戦功を評価されて現在の階級に昇進する。短気な皮肉屋ながら仲間からの信頼は厚く、軍への忠誠心も高い[4]
クルジュ=ナポカ基地を襲撃してきたガンダムEXにビーム・サーベルで乗機を撃破されるものの生還し、戦友を失った心理外傷に苦しみながらもソラリたちと行動する。
リード・ゲルフィ(チャブス)
声 - ジェイムズ・ワット / 真木駿一[4][5]
レッド・ウルフ隊副官を務める中尉で、ソラリの最古参の部下。緊迫した状況でも屈託なくユーモアをふるまうムードメーカーで、卓越した技量を有するエースパイロットでもある[4]
ガンダムEXに応戦しようとした直後、ビーム・ライフルで乗機ごと撃ち抜かれて戦死する。
ケイル・ザヴァレタ
声 - ダニエル・ウィッシーズ / 綿貫竜之介[4][5]
レッド・ウルフ隊の選抜射手を務める少尉。敵を冷静かつ容赦なく始末する。周囲には金目当てで軍人になったと公言しているが、ジオン独立にかける強い思いを抱いている[4]
ゲルフィを撃破したガンダムEXを狙撃するも返り討ちに遭い、マニピュレーター(手)でコックピットを押し潰され戦死する。
アンダー・ヒートン
声 - アンドリュー・ウォルナー / 原良丞[4][5]
機甲大隊でマゼラ・アタックの操縦士を務める少尉。いつかは自身もMSを操縦したいと思っている。ガンダムEXの攻撃で原隊からはぐれ、ソラリたちに同行する[4]
オニー・カスガ
声 - マックスウェル・パワーズ / 大塚剛央[4][5]
勢力の別け隔てなく医療を行う組織「UMRC」に参加している医師。負傷兵をひとりでも救いたいという思いで活動する平和主義者。ガンダムEXの襲撃に巻き込まれたことがきっかけでソラリたちに同行する[4]
ヘイリー・アーフン
声 - ジェシカ・スパイス / 河瀬茉希[4][5]
機甲科歩兵第1中隊に所属する少尉。実力と経験に優れたな生粋の軍人で、上官からの度重なる叱責と懲罰を受けてもくじけず、ピンク髪・鼻ピアス・全身タトゥーの独自のパンクスタイルを貫いている。ガンダムEXの襲撃で原隊が壊滅したため、ソラリたちに同行する[4]
アルフィー・ザイドス(ギアヘッド)
声 - モリス・シェルトン / 中博史[4][5]
旅団支援コマンド所属でメカニックを務める技術大尉。経験豊富かつ物腰穏やかな老兵で、ソラリとは旧知の仲である。卓越した整備技術をもちながら、志願して後方のリサイクル・センターに勤務していた。乗機を失ったソラリやルショーンのために、自身の腕を生かして組み上げた無識別型ザクIIを与える[4]
ジョシュア・スタイン
声 - チャック・ジョンソン / 上田燿司
第七混成機動旅団クルジュ=ナポカ奪回大隊指揮官。
ロルフ・ロネ
声 - クリス・パーハム / 大塚芳忠[4][6]
リサイクル・センター駐留部隊を率いる旅団支援コマンドの少佐。かつては有能な指揮官だったが、長い地球勤務と戦局の悪化による心労から酒浸りとなり、現実的な判断力を失っている[4]。部隊の存在を連邦に隠匿するという事なかれ主義に固執しており、無識別型ザクを組んで基地を守ろうとするソラリやザイドスと対立する。
ユーリ・ケラーネ
声 - デリック・ドーバー / 上恭ノ介[4]
OVA『機動戦士ガンダム第08MS小隊』から登場[6]。ジオン軍欧州方面軍師団長を務める少将。連邦が発動したオデッサ作戦への対処に追われるなかで[4]、敵の主力になると予想されるMS「ジム」の奪取と構造解析を発案し、リサイクル・センターで偶然再会した旧知[4]のソラリに任務を依頼する。
ロフト中尉
声 - マクスウェル・パワーズ / 濱野大輝
ジオン軍グフカスタム部隊「ミッドナイターズ」の指揮官。
ガンダムパイロット[注 1]
声 - コール・ヤドン / 浦和希[4]
連邦軍MSガンダムEXのパイロットを務める少年。本名や年齢、出自に至る経歴がいっさい不明で[4]、高い予知能力や反応速度をもつニュータイプ。一方で部隊の仲間とは馴染めず、待機中は独り携帯ゲーム機に興じている。ジオン軍との戦闘中に敵側であるソラリの精神と感応し合っていく。

登場兵器

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機動戦士ガンダム』などの一年戦争を舞台とする作品に登場するMSをベースに、山根公利による独自の解釈を交えたデザインの一部変更が行われている。

ジオン公国軍の兵器

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MS-06F ザクII F型
ジオン軍主力MSであるザクIIの標準タイプ。MSとしての高い機動性と汎用性で一年戦争時の地球連邦軍と渡り合い、同じジオン製の後継機や連邦側のMS開発の参考となる。
ソラリ機
コードネームは「レッド・ウルフ・アルファ」。隊長機らしい複数の頭部アンテナと、狼の爪をモチーフにしたつま先のペイントが特徴[4]
ルショーン機
コードネームは「レッド・ウルフ・チャーリー」。ショルダーアーマーがレッド・ウルフの部隊色で塗られているが、戦歴が浅いためあまりカスタムされていない[4]
チャブス機
コードネームは「レッド・ウルフ・ブラヴォー」。頭部も部隊色で染められ、ショルダーアーマーには威嚇用のスパイクが増設されている[4]
ケイル機
コードネームは「レッド・ウルフ・デルタ」。こちらは手にも部隊色が施され、専用照準器を追加した中 - 長距離用のロングライフルを装備している。[4]
MS-06Rb 無識別型ザクII
乗機を失ったソラリとルショーンのために、アルフィーがリサイクル・センター内のジャンクパーツを組み合わせて作成した機体。どちらの機体も、レッド・ウルフの特徴である赤いスパイク・アーマーが装着されている。寄せ集めパーツの機体でありながらも、アルフィーの尽力によって通常機と同等の性能を有している。またビーム兵器を少しでも防ぐための措置として、戦車用履帯などから流用した素材が各部に張り付けられている[4]
MS-06Rb-a ソラリ機
胸や腰の一部に履帯、右肩に二重装甲式の対ビーム用シールドが取り付けられている[4]
MS-06Rb-b ルショーン機
こちらは左腕に履帯付きシールドを装備する[4]
MS-07B-3 グフカスタム
ザクに次いで開発されたグフの改良型。従来の近距離戦用武装に加えて、絶大な火力をもつ遠距離用ガトリング・シールドを装備する[4]。本作では「ミッドナイターズ」に複数が配備され、ガンダムEXやジムを迎撃する。
MS-05A ザクI
ジオン軍がザクIIより以前に開発した最初期のMSで、「旧ザク」とも呼ばれる。ザクIIの登場で退役が進みながらも、前線で配備されている機体は多い[4]
MS-06V ザクタンク
ザクの上半身に、マゼラ・アタックの車両部分であるマゼラ・ベースを組み合わせた急造機。余剰パーツで組まれた現地改修機であるため、現場の創意工夫でさまざまなバリエーションが生み出されている[4]

地球連邦軍の兵器

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RX-78(G)E ガンダムEX
地球連邦製MSのうち、地上戦に特化したプロトタイプの1機。敵地深部への強行偵察や後方かく乱のために運動性と行動時間を重視しており、軽量なモジュール装甲とアフターバーナー付きの背部スラスターカバーノズルが採用されている。偵察機としての性能を高める目的で頭部のセンサーが増設され、センサーの切り替えに応じて複眼式カメラアイの点灯部分が変化する。終戦後の混乱で開発資料すべてが破棄されたため、機体の詳細は不明のままとなっている[7]
武装は、RX-78 ガンダムのバルカン砲に代わる頭部機関銃4門、バックパック右側のパージ機能付きベルト給弾式ショルダー・ガトリングと左側の展開式ラックに収納されたビーム・サーベル3本、MSを一撃で破壊可能なビーム・ライフル、可動性を優先して減量された本体装甲を補うためのスライド展開式シールド[7]
劇中では、高い機動性やビーム兵器の破壊力、ザク・マシンガンや砲弾の直撃にも耐える強靭な装甲でジオン側のザクやグフを圧倒し、連邦の「白い悪魔」としての強さと恐怖が描かれる[6]
RGM-79 ジム
ガンダム開発の経験をもとに開発された、地球連邦軍の主力量産型MS。ガンダムから性能を落としながらも量産性が高められ、機体の大量生産によって連邦軍の勝利に貢献する[4]
RTX-440-B 陸戦強襲型ガンタンクB型
ザクに対抗するために試作戦闘車を改修した機体。先行機体よりも足回りが簡略化され、長砲身の実弾砲を右肩に一門、両腕はマニュピュレーターの代わりにランチャー装備となっている[4]。レッド・ウルフ隊によって無限軌道を次々に破壊され機動力を失う。

各話リスト

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話数サブタイトル
日本語版サブタイトル
EPISODE 01HAUNTED FOREST
呪いの森
EPISODE 02BROKEN
打ち砕かれて
EPISODE 03JUNKYARD
くず鉄置き場
EPISODE 04NIGHT CALLER
夕闇の来訪者
EPISODE 05THE RIVER
EPISODE 06CONVOY TO OBLIVION
撤退への道

商品展開

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ほかの「ガンダムシリーズ」と同じく、1/144スケールのプラモデルガンプラ)「HG(ハイグレード)シリーズ」が発売された。組み立てははめ込み式のスナップフィット方式が基本だが、一部には接着剤が必要なモデルもある。

脚注

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注釈

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  1. ^ 字幕上では「フィニックス」と表記されている

出典

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  1. ^ Gundam: Requiem for Vengeance Animation Project Announced” (英語). Anime News Network (2024年10月17日). 2024年10月17日閲覧。
  2. ^ 『機動戦士ガンダム 復讐のレクイエム』を発表&主演キャストらが登壇!「Anime Expo 2023」フォトレポート | GUNDAM.INFO”. GUNDAM.INFO | 公式ガンダム情報ポータルサイト. 2023年12月4日閲覧。
  3. ^ Celia Massingham [@celia.massingham] (2023年7月4日). "Thrilled to finally announce Gundam: Requiem for Vengeance. It was such an incredible experience working on this unique and loved series. Can't wait to share more!" (英語). Instagramより2024年3月24日閲覧
  4. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t u v w x y z aa ab ac ad ae af ag ah 機動戦士ガンダム 復讐のレクイエム 公式サイト”. サンライズ. 2024年10月14日閲覧。
  5. ^ a b c d e f g h 機動戦士ガンダム 復讐のレクイエム:日本語版本予告公開 “白い悪魔”ガンダムEX登場 無識別型ザクII(ソラリ機)が立ち向かう”. MANTANWEB (2024年10月2日). 2024年10月9日閲覧。
  6. ^ a b c ユーリ・ケラーネら『機動戦士ガンダム 復讐のレクイエム』新キャラクター&追加キャスト公開!NYCC2024のオフィシャルレポートも到着!”. GUNDAM.INFO. 創通・サンライズ (2024年10月21日). 2024年10月21日閲覧。
  7. ^ a b 『プラモデル「ガンダムEX 」解説書』BANDAI SPIRITS〈HG(ハイグレード) 1/144スケールモデル〉、2024年10月。 

外部リンク

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