榛名神社
榛名神社 | |
---|---|
境内 | |
所在地 | 群馬県高崎市榛名山町849番地 |
位置 | 北緯36度27分31秒 東経138度51分8秒 / 北緯36.45861度 東経138.85222度座標: 北緯36度27分31秒 東経138度51分8秒 / 北緯36.45861度 東経138.85222度 |
主祭神 |
火産霊神 埴山姫神 |
社格等 |
式内社(小) 上野国六宮 旧県社 |
創建 | (伝)用明天皇元年(586年) |
本殿の様式 | 春日造 |
例祭 | 5月15日 |
地図 |
榛名神社(はるなじんじゃ)は、群馬県高崎市にある神社。式内社、上野国六宮で、旧社格は県社。
祭神
[編集]赤城山・妙義山と共に上毛三山の一つとされる榛名山の神を祀る神社で、現在の主祭神は火の神・火産霊神と土の神・埴山姫神である。水分神・高靇神・闇靇神・大山祇神・大物主神・木花開耶姫神を合わせ祀る。
中世以降は「満行権現」と称され、「元湯彦命」が祭神とされていた。『榛名山志』には東殿・饒速日尊、中殿・元湯彦命、西殿・熟真道命と記されている。明治元年に現在の二柱に改められた。
歴史
[編集]綏靖天皇の時代に饒速日命の御子、可美真手命父子が山中に神籬を立て天神地祇を祀ったのが始まりといわれ、用明天皇元年(586年)に祭祀の場が創建されたと伝えられる。
延長5年(927年)完成の延喜式神名帳に上野国十二社として位置づけられている。古くから神仏習合が定着し、山中には九世紀ごろの僧坊とされる巌山遺跡がある。
南北朝時代ごろから上野寛永寺の下に属し、高崎市中里見町の里見山阿弥陀院光明寺から別当が派遣されて管理がされてきた。
近世は東叡山輪王寺宮兼帯所となり、榛名山巌殿寺・満行宮と称していた。 明治3年5月10日、榛名山取締に命ぜられた新居守村の神仏分離により仏教色が廃され、元の榛名神社の社号に復した。
2017年度から2025年度にかけて群馬県内にある文化財の修復事業としては過去最大規模となる総額23億円をかけて百数十年ぶりに大修理を行う。17年度から19年度までに国祖社・額殿、20年度から21年度までに双龍門、21年度から25年度までに本社・幣殿・拝殿、23年度から25年度までに神楽殿の工事を行う予定である[1]。
文化財
[編集]重要文化財(国指定)
[編集]- 榛名神社 6棟(建造物) - 内訳は次の通り。平成17年12月27日指定[2]。
- 本社・幣殿・拝殿(合わせて1棟) - 春日造本社と入母屋造拝殿の間を幣殿でつないだ複合社殿で全体としては権現造。棟札により文化3年(1806年)の建立と判明する。屋根を銅板葺きとし、柱、梁などの各所に華やかな彩色と彫刻を施している。本社は背後の御姿岩と接続しており、御姿岩内の洞窟に御神体を祀っている。
- 国祖社及び額殿(合わせて1棟) - 本社・幣殿・拝殿の向かって左に建つ。国祖社は元々勝軍地蔵と阿弥陀仏を安置していた本地堂で、享保年間(1716 - 1735年)の建築、接続する額殿は文化11年(1814年)の建築。本来は神楽拝観所。
- 神楽殿 - 明和元年(1764年)の再建。舞台は板張りで三方吹放ちとして、格天井には花鳥図や神楽面が描かれている。
- 双龍門 - 安政2年(1855年)の建立。入母屋造銅板葺きの四脚門。竜の彫刻や水墨画が施されていることから双龍門と呼ばれるようになった。
- 神幸殿 - 安政6年(1859年)の建立。神幸祭のとき神輿が出御しとどまる社殿。古制により彩色は施されていない。
- 随神門 - 弘化4年(1847年)の建立。入母屋造、瓦棒銅板葺きの八脚門。元来は仁王門、神仏判然令が出されたとき隋神門と呼ばれるようになった。
-
拝殿・幣殿・本社・御姿岩
-
拝殿の彫刻
-
国祖社及び額殿
-
神楽殿
-
双龍門
-
神幸殿
-
随神門
国の天然記念物
[編集]- 榛名神社の矢立スギ - 武田信玄が戦勝祈願をし、境内の木に矢を射たてる矢立神事を行ったことに由来する。樹高55メートル、周囲9.4メートル。昭和8年4月13日指定[3]。
群馬県指定文化財
[編集]- 重要文化財(有形文化財)[4]
- 関流算額 文化八年銘 - 文化8年(1811年)に石田玄圭一徳門人により奉納されたもの。昭和51年5月7日指定。
- 鉄燈籠 - 鉄燈籠としては群馬県内最古のものといわれる。笠の部分は後世の補作。昭和57年4月20日指定。
- 榛名神社文書 - 平成13年3月23日指定。
- 榛名神社神宝殿(附 竣工碑1基) - 平成28年9月13日指定[5]。
- 重要無形民俗文化財[4]
- 榛名神社神代神楽 - 神楽は男舞21座、巫女舞15座の36座で構成される。平成15年9月19日指定。
高崎市指定文化財
[編集]- 重要文化財(有形文化財)[6]
- 榛名神社の懸仏 - 榛名歴史民俗資料館に保管。昭和44年2月10日指定。
- 榛名神社萬年泉碑 - 昭和57年4月1日指定。
- 天神峠の石燈籠 - 昭和57年4月1日指定。
- 史跡[6]
- 榛名神社御旅所跡 - 昭和44年2月10日指定。
- 榛名山番所跡 - 昭和57年4月1日指定。
- 名勝[6]
- 榛名神社九折岩・鞍掛岩 - 平成2年4月9日指定。
- 天然記念物[6]
- 榛名山岩脈 - 昭和63年5月16日指定。
- キヨスミコケシノブ自生地 - 平成2年4月9日指定。
- 天然ヒノキの群落 - 昭和63年5月16日指定。
年間祭儀
[編集]- 「」括弧がある祭は神職のみ
- 1月1日 - 歳旦祭:天下泰平と国家安穏、かつ崇敬者の安泰繁栄の祈願祭
- 1月3日 - 氏子・崇敬者への年頭祈願祭
- 1月15日 - 「筒粥(つつがゆ)神事:1年間の豊作凶作を占う」
- 2月3日 - 節分祭
- 2月15日 - 御神楽(みかぐら)始祭:太々御神楽を奏上
- 2月17日 - 祈年祭(としごいのまつり):作物の豊作を祈る祈願祭
- 5月1日 - 「御嶽(みたけ)祭神事」
- 5月5日 - 端午祭
- 5月8日 - 神幸祭:神輿渡御と小神楽奏上
- 5月15日 - 還御祭:神輿還御
-
還御祭5月15日
- 5月15日 - 春季例祭:国・氏子・崇敬者の安泰繁栄を祈る春の祭典
- 6月5日 - 粽祭(ちまきまつり):1年間の邪気を祓い、家業の繁栄を祈る
- 6月30日 - 大祓、道饗祭、鎮火祭
- 10月9日 - 秋季例祭:国・氏子・崇敬者の安泰繁栄を祈る秋の祭典
- 11月23日 - 新嘗祭:秋の初穂を供えて、豊作御礼の祭典
- 12月31日 - 「天狗祭神事」
- 12月31日 - 大祓、道饗祭、鎮火祭:心身の穢れを払い、また安全火防の祈願
- 毎月1日と15日 - 「月次祭(つきなみさい):氏子と崇敬者の安泰繁栄祈願」
他の榛名神社
[編集]当社より勧請を受けた同名社が、群馬県を中心として日本各地にある。
脚注
[編集]- ^ 榛名神社を大修復へ 重文4棟に23億円 高崎 上毛新聞 2017年1月1日
- ^ 榛名神社 - 国指定文化財等データベース(文化庁)
- ^ 榛名神社の矢立スギ - 国指定文化財等データベース(文化庁)
- ^ a b 高崎市の文化財 県指定(高崎市ホームページ)。
- ^ 平成28年9月13日群馬県報 (PDF) より群馬県教育委員会告示第3号(群馬県ホームページ)。
- ^ a b c d 高崎市の文化財 市指定(高崎市ホームページ)。
参考文献
[編集]- 「新指定の文化財」『月刊文化財』507号、第一法規、2005
外部リンク
[編集]- 榛名神社 - 公式サイト