コンテンツにスキップ

英文维基 | 中文维基 | 日文维基 | 草榴社区

群馬郡

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
群馬県群馬郡の範囲(黄・薄黄:第1次・第2次ともに所属 桃:第1次のみ所属 水色:第2次のみ所属 薄黄:後に他郡に編入された区域)

群馬郡(ぐんまぐん)は、群馬県上野国)にあった

郡域

[編集]

1896年(明治29年)に発足した当時の郡域は、現在の行政区画では概ね以下の区域に相当する。

  1. 烏川以東
  2. 石原町、乗附町、寺尾町、聖石町、片岡町一 - 三丁目、八千代町一 - 四丁目および城山町一・二丁目の一部)

歴史

[編集]
上野三碑の一つ、金井沢碑神亀3年(726年)に建てられた石碑で、刻まれた「群馬」の用例は在地のものとして最古のものである[1]

飛鳥藤原宮出土の木簡に、「上毛野国車評」と書かれたものが見つかっている。群馬はもともと、上毛野国(後の上野国)の(後の郡)としてある「車(くるま)」という地名であった。

評が郡に変わって車郡になってから、奈良時代713年(和銅6年)に好字二字で地名を表すことになったとき、群馬郡(くるまのこおりくるまぐん)に改名されたと推測されている。字の選択にあたっては、この辺りが馬産地であったことが考慮されたと思われる。

「ぐんま」の読みは後になって生まれたもので、「くるま」は江戸時代まで使われていた。「ぐんま」に確定したのは明治時代からである。

和名類聚抄に群馬郡のとして長野、井出、小野、八木、上郊、畔切、島名、群馬、桃井、有馬、利刈、駅家、白衣が挙げられている。

群馬郡(第1次)

[編集]
所属町村の変遷は東群馬郡#郡発足までの沿革西群馬郡#郡発足までの沿革をそれぞれ参照

群馬郡(第2次)

[編集]
1.高崎町 2.佐野村 3.倉賀野町 4.岩鼻村 5.大類村 6.滝川村 7.京ヶ島村 8.東村 9.元総社村 10.新高尾村 11.中川村 12.塚沢村 13.六郷村 14.長野村 15.久留馬村 16.室田村 17.倉田村 18.車郷村 19.箕輪村 20.相馬村 21.上郊村 22.堤ヶ岡村 23.国府村 24.総社町 25.金古町 26.清里村 27.駒寄村 28.古巻村 29.明治村 30.桃井村 31.豊秋村 32.渋川町 33.伊香保町 34.金島村 35.長尾村 36.白郷井村 37.小野上村 41.片岡村(紫:高崎市 桃:前橋市 赤:渋川市 黄:吉岡町 橙:榛東村 水色:佐波郡玉村町 38は吾妻郡高山村)
1.高崎町 2.佐野村 3.倉賀野町 4.岩鼻村 5.大類村 6.滝川村 7.京ヶ島村 8.東村 9.元総社村 10.新高尾村 11.中川村 12.塚沢村 13.六郷村 14.長野村 15.久留馬村 16.室田村 17.倉田村 18.車郷村 19.箕輪村 20.相馬村 21.上郊村 22.堤ヶ岡村 23.国府村 24.総社町 25.金古町 26.清里村 27.駒寄村 28.古巻村 29.明治村 30.桃井村 31.豊秋村 32.渋川町 33.伊香保町 34.金島村 35.長尾村 36.白郷井村 37.小野上村 41.片岡村(紫:高崎市 桃:前橋市 赤:渋川市 黄:吉岡町 橙:榛東村 水色:佐波郡玉村町 38は吾妻郡高山村)
平成の大合併前の自治体(番号なし。紫:高崎市 青:群馬町 薄紫:箕郷町 青紫:榛名町 黄緑:倉渕村 桃:前橋市 赤:渋川市 黄:吉岡町 橙:榛東村 茶:伊香保町 緑:子持村 赤茶:小野上村 水色:玉村町)
平成の大合併前の自治体(番号なし。紫:高崎市 青:群馬町 薄紫:箕郷町 青紫:榛名町 黄緑:倉渕村 桃:前橋市 赤:渋川市 黄:吉岡町 橙:榛東村 茶:伊香保町 緑:子持村 赤茶:小野上村 水色:玉村町)
群馬郡役所
  • 明治29年(1896年
  • 明治33年(1900年)4月1日 - 高崎町が市制施行して高崎市となり、郡より離脱。(5町32村)
  • 明治38年(1905年)4月1日 - 室田村が町制施行して室田町となる。(6町31村)
  • 大正10年(1921年)4月1日 - 箕輪村が町制施行して箕輪町となる。(7町30村)
  • 大正12年(1923年)4月1日 - 郡会が廃止。郡役所は存続。
  • 大正15年(1926年7月1日 - 郡役所が廃止。以降は地域区分名称となる。
  • 昭和2年(1927年)4月1日 - 塚沢村・片岡村が高崎市に編入。(7町28村)
  • 昭和14年(1939年10月1日 - 佐野村が高崎市に編入。(7町27村)
  • 昭和17年(1942年)7月1日 - 「群馬地方事務所」が高崎市に設置され、本郡を管轄。
  • 昭和24年(1949年)10月1日 - 渋川町・伊香保町・金島村・古巻村・豊秋村・駒寄村・明治村・桃井村・長尾村・白郷井村・小野上村の2町9村の区域をもって北群馬郡を設置。(5町18村)
  • 昭和26年(1951年)4月1日 - 六郷村が高崎市に編入。(5町17村)
  • 昭和29年(1954年)4月1日 - 総社町・東村・元総社村が前橋市に編入。(4町15村)
  • 昭和30年(1955年
    • 1月20日(4町12村)
      • 清里村および新高尾村の一部(大字鳥羽)が前橋市に編入。
      • 中川村および新高尾村の残部(大字新保田中・新保・日高・中尾)が高崎市に編入。
    • 2月1日(4町12村)
    • 3月1日 - 久留馬村が榛名町に編入。(4町11村)
    • 4月1日(4町8村)
      • 箕輪町・車郷村が合併して箕郷町が発足。
      • 金古町・堤ヶ岡村・国府村が合併して群馬町が発足。
    • 8月1日 - 長野村が高崎市に編入。(4町7村)
  • 昭和31年(1956年9月30日(4町5村)
    • 大類村が高崎市に編入。
    • 滝川村・京ヶ島村が合併して群南村が発足。
  • 昭和32年(1957年
    • 3月30日
      • 相馬村の一部(大字広馬場)が北群馬郡桃井村と合併し、改めて北群馬郡桃井村(現榛東村)が発足、郡より離脱。
      • 相馬村の残部(大字柏木沢)が箕郷町に編入。(4町4村)
    • 4月1日 - 上郊村の一部(大字中里・保渡田・井出)が群馬町、残部(大字生原)が箕郷町に分割編入。(4町3村)
    • 8月1日(4町2村)
      • 群南村の一部(大字宇貫および八幡原の一部)が佐波郡玉村町・上陽村と合併し、改めて佐波郡玉村町が発足、郡より離脱。
      • 岩鼻村の一部(大字綿貫・栗崎)が群南村、残部(大字岩鼻・台新田・東中里・矢中)が高崎市に分割編入。
    • 10月15日 - 群南村の一部(大字板井)が佐波郡玉村町に編入。
  • 昭和34年(1959年)4月1日 - 箕郷町の一部(大字柏木沢の一部)が桃井村に編入。
  • 昭和38年(1963年3月31日 - 倉賀野町が高崎市に編入。(3町2村)
  • 昭和40年(1965年9月1日 - 群南村が高崎市に編入。(3町1村)
  • 平成8年(1996年7月1日 - 倉淵村が倉渕村に改称。
  • 平成18年(2006年
    • 1月23日 - 箕郷町・群馬町・倉渕村が高崎市に編入。(1町)
    • 10月1日 - 榛名町が高崎市に編入。同日群馬郡消滅。

変遷表

[編集]
自治体の変遷
明治22年4月1日 明治29年4月1日 明治29年 - 大正15年 昭和元年 - 昭和19年 昭和20年 - 昭和29年 昭和30年 - 昭和35年 昭和35年 - 昭和64年 平成元年 - 現在 現在
西群馬郡 高山村 明治29年4月1日
吾妻郡へ移行
吾妻郡
高山村
吾妻郡
高山村
吾妻郡
高山村
吾妻郡
高山村
吾妻郡
高山村
吾妻郡
高山村
吾妻郡
高山村
東村 明治29年4月1日
群馬郡発足
東村 東村 昭和29年4月1日
前橋市に編入
前橋市 前橋市 前橋市 前橋市
総社町 総社町 総社町
元総社村 元総社村 元総社村
清里村 清里村 清里村 清里村 昭和30年1月20日
前橋市に編入
新高尾村 新高尾村 新高尾村 新高尾村 昭和30年1月20日
前橋市に一部編入
昭和30年1月20日
高崎市に一部編入
高崎市 高崎市 高崎市
中川村 中川村 中川村 中川村 昭和30年1月20日
高崎市に編入
六郷村 六郷村 六郷村 昭和26年4月1日
高崎市に編入
高崎市
佐野村 塚沢村 昭和14年10月1日
高崎市に編入
高崎市
佐野村 佐野村 昭和2年4月1日
高崎市に編入
片岡郡 片岡村 片岡村
西群馬郡 高崎町 明治33年4月1日
市制
高崎市
長野村 長野村 長野村 長野村 昭和30年8月1日
高崎市に編入
大類村 大類村 大類村 大類村 昭和31年9月30日
高崎市に編入
倉賀野町 倉賀野町 倉賀野町 倉賀野町 倉賀野町 昭和38年3月31日
高崎市に編入
岩鼻村 岩鼻村 岩鼻村 岩鼻村 昭和32年8月1日
高崎市に一部編入
高崎市
昭和32年8月1日
群南村に一部編入
昭和40年9月1日
高崎市に編入
京ヶ島村 京ヶ島村 京ヶ島村 京ヶ島村 昭和31年9月30日
群南村
群南村
滝川村 滝川村 滝川村 滝川村
昭和32年8月1日
旧滝川村の一部(宇貫と八幡原の一部)玉村町と合併
昭和32年10月15日
旧滝川村の一部(板井)玉村町へ編入
佐波郡
玉村町
佐波郡
玉村町
佐波郡
玉村町
久留馬村 久留馬村 久留馬村 久留馬村 昭和30年3月1日
榛名町に編入
榛名町 平成18年10月1日
高崎市に編入
高崎市
室田村 明治38年4月1日
町制
室田町 室田町 昭和30年2月1日
榛名町
碓氷郡 里見村 碓氷郡 里見村 里見村 里見村
烏淵村 烏淵村 烏淵村 烏淵村 昭和30年4月1日
倉淵村
倉淵村 平成8年7月1日
倉渕村に改称
平成18年1月23日
高崎市に編入
西群馬郡 倉田村 明治29年4月1日
群馬郡発足
倉田村 倉田村 倉田村
金古町 金古町 金古町 金古町 昭和30年4月1日
群馬町
群馬町 群馬町
堤ヶ岡村 堤ヶ岡村 堤ヶ岡村 堤ヶ岡村
国府村 国府村 国府村 国府村
上郊村 上郊村 上郊村 上郊村 昭和32年4月1日
群馬町に編入
昭和32年4月1日
箕郷町に編入
箕郷町 箕郷町
箕輪村 大正10年4月1日
町制
箕輪町 箕輪町 昭和30年4月1日
箕郷町
車郷村 車郷村 車郷村 車郷村
相馬村 相馬村 相馬村 相馬村 昭和30年3月30日
箕郷町に編入
昭和30年3月30日
桃井村に編入
昭和34年8月1日
榛東村に改称
榛東村 榛東村 北群馬郡
榛東村
桃井村 桃井村 桃井村 昭和24年10月1日
北群馬郡が分立
桃井村 桃井村
駒寄村 駒寄村 駒寄村 駒寄村 昭和30年4月1日
吉岡村
吉岡村 平成3年4月1日
町制施行
北群馬郡
吉岡町
明治村 明治村 明治村 明治村
伊香保町 伊香保町 伊香保町 伊香保町 伊香保町 伊香保町 平成18年2月20日
渋川市
渋川市
長尾村 長尾村 長尾村 長尾村 昭和35年9月1日
子持村
子持村
白郷井村 白郷井村 白郷井村 白郷井村
小野上村 小野上村 小野上村 小野上村 小野上村 小野上村
渋川町 渋川町 渋川町 昭和29年4月1日
渋川市
渋川市 渋川市
金島村 金島村 金島村
古巻村 古巻村 古巻村
豊秋村 豊秋村 豊秋村

行政

[編集]
群馬郡(第2次)長[2]
氏名 就任年月日 退任年月日 備考
1 深谷徳三郎 明治29年(1896年)4月1日[3] 明治30年(1897年)6月12日
2 森重毅 明治30年(1897年)6月12日 明治31年(1898年)10月4日
3 利根川孫六 明治31年(1898年)10月4日 明治35年(1902年)4月30日
4 今村眞橘 明治35年(1902年)4月30日 明治39年(1906年)6月16日
5 橋本求 明治39年(1906年)6月16日 明治44年(1911年)1月19日
6 樫田三郎 明治44年(1911年)1月19日 大正元年(1912年)12月17日
7 直井三郎 大正元年(1912年)12月17日 大正2年(1913年)6月30日
8 中西銈也 大正2年(1913年)6月30日 大正5年(1916年)7月28日
9 橋本直次郎 大正5年(1916年)7月28日 大正13年(1924年)10月4日
10 安間喜太郎 大正13年(1924年)10月4日 大正13年(1924年)12月17日
11 細野重晴 大正13年(1924年)12月17日 大正15年(1926年)7月1日[4] 郡役所廃止により、廃官

脚注

[編集]
  1. ^ 金井沢碑”. 高崎市. 2019年4月22日閲覧。
  2. ^ 群馬県群馬郡教育会 1925, pp. 906–907.
  3. ^ 国立国会図書館デジタルコレクション”. dl.ndl.go.jp. 2023年9月24日閲覧。
  4. ^ 国立国会図書館デジタルコレクション”. dl.ndl.go.jp. 2023年9月24日閲覧。

参考文献

[編集]
  • 「角川日本地名大辞典」編纂委員会 編『角川日本地名大辞典』 10 群馬県、角川書店、1988年6月1日。ISBN 4040011007 
  • 旧高旧領取調帳データベース
  • 群馬県群馬郡教育会 編『群馬県群馬郡誌』群馬県群馬郡教育会、1925年。doi:10.11501/1020918 

関連項目

[編集]
先代
-----
行政区の変遷
- 1878年 (第1次)
次代
東群馬郡西群馬郡
先代
西群馬郡片岡郡
行政区の変遷
1896年 - 1949年 (第2次・分割前)
次代
群馬郡(第2次)・北群馬郡
先代
群馬郡(第2次)
行政区の変遷
1949年 - 2009年 (第2次・分割後)
次代
(消滅)