天竜二俣駅
天竜二俣駅 | |
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駅舎 | |
てんりゅうふたまた TENRYŪFUTAMATA | |
◄上野部 (1.8 km) (0.6 km) 二俣本町► | |
所在地 | 浜松市天竜区二俣町阿蔵114-2 |
所属事業者 | 天竜浜名湖鉄道 |
所属路線 | ■天竜浜名湖線* |
キロ程 | 26.2 km(掛川起点) |
電報略号 | マタ |
駅構造 | 地上駅 |
ホーム | 2面3線 |
乗車人員 -統計年度- |
126人/日(降車客含まず) -2018年- |
開業年月日 | 1940年(昭和15年)6月1日[1] |
備考 |
直営駅 *1987年までは国鉄二俣線の遠江二俣駅[1]。 |
天竜二俣駅(てんりゅうふたまたえき)は、静岡県浜松市天竜区二俣町阿蔵にある、天竜浜名湖鉄道天竜浜名湖線の駅である。天竜浜名湖鉄道の本社も設けられており、天竜浜名湖線の中心的な駅となっている。
歴史
[編集]開業を機に天竜川の筏(木材流送用)を引き入れるため貯木場が建設された。そして引込線を設け木材の貨物輸送を行っていた[2]。
なお、1930 - 1935年にはこの駅からやや離れた二俣本町駅寄りの場所に、光明電気鉄道の二俣口駅が置かれていた。現在もプラットホームの跡が残されている。また同駅より北寄りに離れた場所には、同駅を起点とする予定であった佐久間線(未成線)のトンネルが残されているが、入口は封鎖されている。
年表
[編集]- 1940年(昭和15年)6月1日:国有鉄道二俣線遠江森駅 - 金指駅間の開通時に[3]、遠江二俣駅(とおとうみふたまたえき)として開業(一般駅)[1]。同時に遠江二俣機関区を開設。
- 1958年(昭和33年)11月1日:遠州鉄道の気動車が西鹿島駅から当駅まで乗り入れ。
- 1966年(昭和41年)10月1日:遠州鉄道の気動車乗り入れ廃止。
- 1982年(昭和57年)11月1日:貨物の取扱を廃止(旅客駅となる)[4]。二俣線の駅で最後まで貨物の取扱を行っていた。
- 1984年(昭和59年)2月1日:荷物扱い廃止[1]。
- 1987年(昭和62年)3月15日:二俣線が第三セクター鉄道に転換され、天竜浜名湖鉄道の駅となる[1][3]。同時に天竜二俣駅に改称[1]。
- 1998年(平成10年)12月11日:機関車転車台、機関車扇形車庫、運転区事務室、運転区浴場、運転区休憩所が登録有形文化財として登録される(官報での告示は12月25日)。
- 2011年(平成23年)1月26日:本屋、上り上屋およびプラットホーム、下り上屋およびプラットホーム、敷地内の揚水機室、高架貯水槽が登録有形文化財として登録される[5][6]。
- 2021年(令和3年)
- 2023年(令和5年)
駅構造
[編集]2面3線のホームを有する地上駅であり、直営駅で、開業当時からの瓦葺き木造の駅舎がある。
駅舎よりの1番線は上り列車専用、2番線は下り列車専用、3番線は主に下り列車が使用するが、上り方にも出発信号機があるため、上下両方向の列車が入線可能な配線となっている。以前は駅舎の東側に1面1線の貨物ホームが設置されていたが、1982年に使用停止となり撤去された。また構内には長い有効長を持つ広い留置線があったが、国鉄時代の貨物輸送廃止や第三セクター移管などによって遊休地となっていたため、車両の留置に必要な部分を残して住宅地として売却されている。
改札外で売店・みやげ物屋「てんはまや」[14]とラーメン屋「ホームラン軒」[15]が営業している。てんはまやでは天竜浜名湖鉄道のオリジナルグッズや各種コラボレーショングッズの販売もしている。
駅構内で足こぎミニトロッコ(数十メートル乗って走れる)、腕木式信号機やタブレットキャッチャーなどを展示している。
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ホーム
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足こぎミニトロッコ(2006年8月)
「本屋」「上り上屋およびプラットホーム」「下り上屋およびプラットホーム」と[11]、敷地内の「揚水機室」「高架貯水槽」が国の登録有形文化財として登録されている[6][11]。
のりば
[編集]ホーム | 路線 | 方向 | 行先 |
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1 | ■天竜浜名湖線 | 上り | 掛川方面 |
2・3 | 下り | 新所原方面 |
車両基地
[編集]駅東側に天竜浜名湖鉄道の車両基地(機関区)を併設しており、夜間滞泊の基地としても使われている。全車が両運転台のディーゼルカーとなった現在でも、蒸気機関車時代の扇形庫と転車台がそのまま使用されている[3]。
文化財
[編集]当駅では以下の施設が文化財などの登録・認定を受けている(車両基地のものも含む)。
- 駅本屋[6][16]
- 上り上屋及びプラットホーム[6][17]
- 下り上屋及びプラットホーム[6][18]
- 運転区事務室[19]
- 運転区休憩所[20]
- 運転区浴場[21]
- 運転区揚水機室[6][22]
- 運転区高架貯水槽[6][23]
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転車台と扇形庫
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運転区建物群
駅弁
[編集]- まいたけ弁当(土曜・休日発売)
利用状況
[編集]『浜松市統計書』によれば、2006年度の乗車人員は1日平均147人で、天竜浜名湖線の駅の中では10番目[要出典]。
近年の乗車人員は以下の通りである。
乗車人員推移 | |
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年度 | 一日平均乗車人員 |
2006 | 147 |
2007 | |
2008 | 133 |
2009 | 124 |
2010 | 113 |
2011 | 137 |
2012 | 123 |
2013 | 117 |
2014 | 123 |
2015 | 129 |
2016 | 129 |
2017 | 134 |
2018 | 126 |
駅周辺
[編集]天浜線の拠点駅であるが、天竜区の二俣市街地の南東にあり、住宅・商店が点在する程度である。二俣市街地は隣の二俣本町駅の方が近い。
- 天竜警察署
- 機関車公園 - 駅の北側に位置し、蒸気機関車のC58形389号機を静態保存。
- 阿蔵駅前広場 - 旧国鉄キハ20形気動車とナハネ20形寝台客車を展示。
- 浜松市天竜図書館
- 浜松市秋野不矩美術館
バス路線
[編集]遠鉄バスの「天竜二俣駅」停留所があり、進行方向により駅前ロータリーまたは駅前の道路上にのりばがある。
駅前ロータリー:30磐田天竜線 二俣・山東行き
駅前道路上:30磐田天竜線 ららぽーと磐田(一部便は経由無し)・磐田駅行き
隣の駅
[編集]脚注
[編集]- ^ a b c d e f 石野哲 編『停車場変遷大事典 国鉄・JR編』 II(初版)、JTB、1998年10月1日、95頁。ISBN 978-4-533-02980-6。
- ^ 『天竜市史』下巻(1988年)488-489頁
- ^ “日本国有鉄道公示第143号”. 官報. (1982年10月30日)
- ^ “天浜線の31施設が、新たに国の有形文化財に登録へ”. 浜松市産業部観光・シティプロモーション課 (2011年1月4日). 2022年1月24日閲覧。
- ^ a b c d e f g 文化財を登録有形文化財に登録する件 (平成23年文部科学省告示第2号) 『官報』 平成23年(2011年)1月26日付 号外・第16号 pp.46-51
- ^ 【おもてなし魅せどころ】天竜浜名湖鉄道(浜松市など)「エヴァ」の聖地巡礼で沸く『日経MJ』2021年11月14日(観光・インバウンド面)[要ページ番号]
- ^ “アニメ映画「エヴァ」モデル地 天竜二俣駅に「巡礼」続々、転車台見学ツアー急増”. あなたの静岡新聞. (2021年4月10日). オリジナルの2021年4月10日時点におけるアーカイブ。 2022年1月24日閲覧。
- ^ a b c “駅名を「第3村」に変更!?…天竜二俣駅がエヴァンゲリオンの聖地に ファン「映画で見たそのままの景色。感動」 浜松市”. LOOK. 静岡朝日テレビ (2021年12月2日). 2022年1月24日閲覧。
- ^ “浜松にエヴァ劇場版の「第3村」駅”. 浜松経済新聞 (2021年8月4日). 2021年11月24日閲覧。
- ^ a b c “「エヴァ」映画モデル 天竜二俣駅の看板を第3村に交換”. 中日新聞Web. (2021年8月2日). オリジナルの2021年8月2日時点におけるアーカイブ。 2022年1月24日閲覧。
- ^ “天竜二俣駅→「第3村駅」再び!! 天竜浜名湖鉄道と遠州鉄道で「エヴァ列車」発進 11月17日から”. ねとらぼ (2021年11月17日). 2021年11月24日閲覧。
- ^ a b “浜松・天竜二俣駅の副駅名が「どうして!?信康」に 駅構内を「信康」一色に演出”. 浜松経済新聞. (2023年3月23日) 2023年3月23日閲覧。
- ^ “ショップについて”. てんはまやONLINE. てんはまや. 2021年8月21日閲覧。
- ^ “路線と駅情報 > 天竜二俣”. 天浜線公式サイト. 天竜浜名湖鉄道株式会社. 2021年8月21日閲覧。
- ^ 天竜浜名湖鉄道天竜二俣駅本屋 - 文化遺産オンライン(文化庁)
- ^ 天竜浜名湖鉄道天竜二俣駅上り上屋及びプラットホーム - 文化遺産オンライン(文化庁)
- ^ 天竜浜名湖鉄道天竜二俣駅下り上屋及びプラットホーム - 文化遺産オンライン(文化庁)
- ^ 天竜浜名湖鉄道運転区事務室 - 文化遺産オンライン(文化庁)
- ^ 天竜浜名湖鉄道運転区休憩所 - 文化遺産オンライン(文化庁)
- ^ 天竜浜名湖鉄道運転区浴場 - 文化遺産オンライン(文化庁)
- ^ 天竜浜名湖鉄道運転区揚水機室 - 文化遺産オンライン(文化庁)
- ^ 天竜浜名湖鉄道運転区高架貯水槽 - 文化遺産オンライン(文化庁)
- ^ “近代化産業遺産群 続33” (PDF). 経済産業省. p. 39. 2022年1月24日閲覧。
- ^ 天竜浜名湖鉄道機関車転車台 - 文化遺産オンライン(文化庁)
- ^ 天竜浜名湖鉄道機関車扇形車庫 - 文化遺産オンライン(文化庁)
- ^ 『JTB時刻表 2024年3月号』JTBパブリッシング、2024年、266頁。
関連項目
[編集]- 日本の鉄道駅一覧
- 天竜線 - 佐久間線の先行路線として開設された国鉄バス路線。その後は遠州鉄道を経て、現在は水窪タクシーに引き継がれている。
- 中部の駅百選 - 当駅も選定されている(第1回)。
- シン・エヴァンゲリオン劇場版 - 車両基地がニアサードインパクトの避難民村「第3村」として登場する。
外部リンク
[編集]- 天竜二俣駅 - 天竜浜名湖鉄道
- 天竜浜名湖鉄道天竜二俣駅本屋 - 国指定文化財等データベース(文化庁)
- 動画で見るニッポンみちしる 天竜二俣駅 - NHKアーカイブス
- “【停車場ストーリー】天竜浜名湖鉄道・天竜二俣駅”. MSN産経ニュース. (2008年4月5日). オリジナルの2008年5月13日時点におけるアーカイブ。