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2000年中華民国総統選挙

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
2000年中華民国総統選挙
2000年中華民國總統選舉
中華民国
1996年 ←
2000年3月18日
→ 2004年

投票率 82.69%(増加 6.65%)
 
候補者 陳水扁 宋楚瑜
政党 民主進歩党 無所属
副総統候補者
呂秀蓮

張昭雄
得票数 4,977,737 4,664,932
得票率 39.30% 36.84%

 
候補者 連戦 許信良
政党 中国国民党 無所属
副総統候補者
蕭万長

朱恵良
得票数 2,925,513 79,429
得票率 23.10% 0.63%

 
候補者 李敖
政党 新党
下位候補者
馮滬祥
得票数 16,782
得票率 0.13%

地域別得票結果
陳水扁・呂秀蓮  宋楚瑜・張昭雄
連戦・蕭万長

選挙前総統

李登輝
中国国民党

選出総統

陳水扁
民主進歩党

2000年中華民国総統選挙(2000ねんちゅうかみんこくそうとうせんきょ、: 2000年中華民國總統選舉、正式名称: 第10任總統副總統選舉)は、2000年民国89年)3月18日中華民国台湾)で行われた、総統副総統(第10期)を選出する選挙である。

選挙原則が採用されてから2回目の直接選挙であり、台湾史上初めて政権交代が実現した選挙である。

概要

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民主進歩党(民進党)の陳水扁呂秀蓮が39.3%の得票率で当選し、次点は無所属の宋楚瑜張昭雄で得票率は36.8%と、僅差の選挙戦となった。長期に渡り政権を担当してきた中国国民党(国民党)は連戦蕭万長を擁立したが、得票率は23.1%と第3位となった。

この選挙では、国民党に所属していた宋楚瑜が李登輝総統・党主席と対立、同党を離党して無所属で総統選挙に立候補し、国民党支持者の票が二分されたことが民進党勝利の要因となった。国民党内部の対立原因は1998年に李登輝が台湾省虚省化(行政機能の凍結)を実施し、初の民選省長であった宋楚瑜を解任したことにある。その後宋楚瑜は平静を装っていたが、連戦が国民党の公認候補に指名されたことで国民党を離党、無所属での出馬を表明した。総統選立候補には有権者100万人の署名が必要だったが、宋陣営はこの署名も集めている。

民進党でも内部分裂が発生し、元党主席の許信良が出馬を表明し、陳水扁と党公認候補の地位を争った。民進党党則では公職選挙への公認に制限が設けられ、1998年に台北市長選挙で再選を狙ったが落選した陳水扁は公認候補の資格がなかった。しかし陳水扁の支持率の高さから党則改定を行い、民進党の公認候補に陳水扁が決定した。この経緯に不服だった許信良は民進党を離党、無所属で出馬した。

選挙結果は接戦で民進党候補が当選し、初めて政権の座を追われることになった国民党では党主席である李登輝の責任を問う声が大きくなり、また外省人が中心に国民党支持者が国民党中央党部前で李登輝の党主席辞任を求めるデモを行った。デモへの参加者は連戦支持者より宋楚瑜支持者が多かったと言われている。これにより李登輝は任期途中で党主席を辞任し、連戦が党主席に就任した。

一方次点となった宋楚瑜は選挙後に親民党を結成した。当初連戦に反発し離党した宋楚瑜は対立関係にあったが、2001年に李登輝が国民党を離党し、両陣営の対抗勢力として民進党の陳水扁政権が浮上するに伴い両党は接近し、「泛藍」が形成されることとなった。また李登輝派の一部は台湾団結連盟を結成、民進党と共に「泛緑」と称されるようになった。

選挙制度

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総統候補は副総統候補とペアで出馬し、比較多数の候補ペアを当選者とする。中華民国憲法の規定により、任期は4年、再選は1度。

選挙権は、自由地区(台湾地区)に6ヶ月以上在住する20歳以上の中華民国国民に与えられ、在外住民も選挙権を有する。

被選挙権は、自由地区に6か月以上在住し、中華民国国民として15年以上経過した40歳以上が被選挙人として登録できる。ただし、中華民国国籍を回復、帰化した者、大陸地区中華人民共和国香港マカオ)から移住してきた国民は被選挙人として登録できない。

立候補にあたって政党(直近の国政選挙で5%以上の得票)からの推薦を得るか、複数の政党による推薦(推薦政党の直近国政選挙の得票数合計が5%以上)が必要である。

無所属で立候補する場合は被署名推薦と呼ばれ、直近立法院選挙有権者の1.5%の署名を中央選挙委員会に提出する必要があり、署名の結果をもって、立候補資格を得ることが可能となる[1]

候補者

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中国国民党 民主進歩党
総統候補 副総統候補 総統候補 副総統候補
連戦 蕭万長 陳水扁 呂秀蓮
副総統
党副主席
行政院長 台北市長
立法委員
桃園県長
立法委員
新党 無所属
総統候補 副総統候補 総統候補 副総統候補
李敖 馮滬祥 宋楚瑜 張昭雄
作家 立法委員 台湾省長
元中国国民党秘書長
長庚大学学長
無所属
総統候補 副総統候補
許信良 朱恵良
桃園県長
元民主進歩党主席
立法委員

中国国民党

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民主進歩党

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新党

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無所属ほか

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無所属または得票率5%未満の政党からの立候補者は、中央選挙委員会へ2000年1月16日までに届け出を提出した。

直近の立法院選挙の有権者(14,712,126人)の1.5%(220,682人)の署名が必要で、2陣営を立候補者として受理された[2]

総統・副総統選挙立候補署名結果
候補者 所属政党 署名者数 受理可否
総統 副総統 提出署名者数 不認可署名者数 確定署名者数
宋楚瑜 張昭雄 無所属 1,068,888 119,665 949,223
許信良 朱惠良 無所属 348,100 63,201 284,899
鄭邦鎮 黃玉炎 台湾建国党 1 0 1
章強 梁熾誠 無所属 0 0 0
賴正義 李祖杰 無所属 0 0 0
邵建興 彭勝遙 無所属 0 0 0

選挙運動

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選挙結果

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全国集計

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e • d  中華民国の旗 2000年中華民国総統選挙 2000年3月18日施行)
候補者 所属政党 得票数 得票率
総統 副総統
陳水扁 呂秀蓮 民主進歩党 4,977,737 39.30%
  陳・呂 (39.30%)
  宋・張 (36.84%)
  連・蕭 (23.10%)
  許・朱 (0.63%)
  李・馮 (0.13%)
宋楚瑜 張昭雄 無所属 4,664,932 36.84%
連戦 蕭万長 中国国民党 2,925,513 23.10%
許信良 朱恵良 無所属 79,429 0.63%
李敖 馮滬祥 新党 16,782 0.13%
有効票数(有効率) 12,664,393 99.04%
無効票数(無効率) 122,278 0.96%
投票者数(投票率) 12,786,671 82.69%
棄権者数(棄権率) 2,676,711 17.31%
有権者数 15,463,382 100.0%
出典:中央選挙管理会 選挙資料庫 (繁体字中国語)

県市別

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2000年中華民国総統副総統選挙各県市投票結果
県市 有権者数 宋楚瑜張昭雄 連戦蕭万長 李敖馮滬祥 許信良朱惠良 陳水扁呂秀蓮 無効票 投票率 次点との得票差
得票数 得票率 得票数 得票率 得票数 得票率 得票数 得票率 得票数 得票率
台北市 1,914,915 631,538 39.79% 347,564 21.90% 1,876 0.12% 8,723 0.25% 597,465 37.64% 12,449 83.53% -34,073
台北県 2,437,456 812,821 40.26% 451,707 22.37% 2,384 0.12% 10,641 0.53% 741,596 36.73% 22,711 83.77% -71,225
基隆市 275,256 106,032 47.01% 48,545 21.52% 295 0.13% 1,116 0.49% 69,555 30.84% 1,958 82.65% -36,477
宜蘭県 325,691 86,549 33.05% 51,082 19.51% 350 0.13% 736 0.28% 123,157 47.30% 2,029 81.03% 36,608
桃園県 1,134,413 413,370 43.83% 208,881 22.15% 1,140 0.12% 20,581 2.18% 299,120 31.72% 11,628 84.16% -114,250
新竹県 295,192 128,231 51.58% 51,442 20.69% 309 0.12% 7,093 2.85% 61,533 24.25% 2,607 85.10% -66,698
新竹市 249,395 88,412 42.83% 46,234 22.40% 292 0.14% 1,746 0.85% 69,760 33.97% 2,185 83.65% -18,652
苗栗県 390,780 160,533 49.54% 71,798 22.20% 399 0.12% 3,931 1.22% 86,707 26.81% 3,298 83.59% -73,826
台中県 992,527 318,499 38.10% 206,832 24.74% 1,176 0.14% 4,304 0.51% 305,219 36.51% 9,344 85.17% -13,280
台中市 636,533 217,486 41.37% 111,391 21.19% 616 0.12% 2,463 0.47% 193,796 36.86% 5,000 83.38% -23,690
彰化県 896,075 251,310 33.71% 191,685 25.71% 1,070 0.14% 2,811 0.38% 298,571 40.05% 7,997 84.08% 47,261
南投県 383,478 144,863 46.94% 56,025 18.15% 395 0.13% 914 0.30% 106,440 34.49% 2,622 81.17% -38,423
雲林県 538,140 114,188 27.70% 102,177 24.78% 975 0.24% 1,230 0.30% 193,715 45.99% 3,298 77.23% 79,527
嘉義県 410,702 85,890 26.98% 73,409 23.06% 561 0.18% 920 0.29% 157,512 49.49% 3,006 78.23% 71,622
嘉義市 183,325 43,773 29.34% 34,670 23.24% 169 0.11% 448 0.30% 70,124 47.01% 1,134 82.00% 26,351
台南県 789,844 136,217 21.10% 159,443 24.70% 1,164 0.18% 1,582 0.25% 347,210 53.78% 5,531 82.44% 210,993
台南市 508,517 114,299 27.53% 107,679 25.93% 580 0.14% 1,408 0.34% 191,261 45.06% 3,282 82.30% 76,962
高雄市 1,042,117 259,023 29.78% 208,544 23.97% 877 0.10% 3,103 0.36% 398,381 45.79% 8,103 84.25% 139,358
高雄県 874,875 206,616 28.43% 174,021 23.95% 1,024 0.14% 2,478 0.34% 342,553 47.14% 5,851 83.73% 135,937
屏東県 647,524 131,371 25.48% 142,934 27.73% 692 0.13% 1,939 0.38% 238,572 45.28% 4,008 80.23% 107,201
台東県 177,706 109,962 58.81% 36,042 19.28% 194 0.10% 736 0.39% 40,044 21.24% 1,418 68.95% -35,811
花蓮県 252,771 63,913 52.78% 28,659 23.66% 136 0.11% 294 0.24% 28,102 23.20% 2,201 74.84% -69,918
澎湖県 64,887 17,723 39.55% 10,418 23.25% 64 0.14% 119 0.27% 16,487 36.79% 388 69.66% -1,236
金門県 35,808 19,991 81.81% 3,543 14.50% 37 0.15% 105 0.43% 759 3.11% 214 68.84% -19,232
連江県 4,698 2,362 73.31% 787 24.43% 7 0.22% 8 0.25% 58 1.80% 16 68.92% -2,304
出典:中央選挙管理会 選挙資料庫 (繁体字中国語)

脚注

[編集]
  1. ^ 總統副總統選舉罷免法 - 全國法規資料庫。
  2. ^ 中央選舉委員會第 268 次會議紀錄 第四案”. 90年以前會議紀錄. 中央選挙委員会 (2000年1月21日). 2012年1月15日時点のオリジナルよりアーカイブ。2011年12月3日閲覧。

関連項目

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外部リンク

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