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2016年中華民国総統選挙

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
2016年中華民国総統選挙
2016年中華民國總統選舉
中華民国
2012年 ←
2016年1月16日
→ 2020年

投票率 66.27%(減少 8.11%)
 
候補者 蔡英文 朱立倫 宋楚瑜
政党 民主進歩党 中国国民党 親民党
民国党
副総統候補者
陳建仁

王如玄

徐欣瑩
得票数 6,894,744 3,813,365 1,576,861
得票率 56.12% 31.04% 12.84%

地域別投票結果
蔡英文・陳建仁  朱立倫・王如玄
宋楚瑜・徐欣瑩

選挙前総統

馬英九
中国国民党

選出総統

蔡英文
民主進歩党

2016年中華民国総統選挙(2016ねんちゅうかみんこくそうとうせんきょ、: 2016年中華民國總統選舉、正式名称: 第14任總統副總統選舉)は、2016年民国105年)1月16日中華民国台湾)で行われた、総統副総統(第14期)を選出する選挙である。また、選挙原則(普通平等直接秘密選挙)が採用されてから6回目の選挙である。2016年中華民国立法委員選挙も同時に行われ、2012年総統選挙と同様のダブル選挙となった。

中華民国憲法の「総統と副総統の任期は4年、再選は1度」という規定により、現職であった馬英九(第12、13期総統)はこの選挙に立候補できない。

概要

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民主進歩党蔡英文中国国民党朱立倫親民党宋楚瑜を大差で破り当選を果たした[1]。蔡英文は、全22県市の中うち18県市で朱立倫の得票を上回り、得票差25%強(300万票以上)で大量リード当選を果たした。蔡英文は中華民国初の女性総統となった。

史上初、台湾の二大政党の候補者がともに女性となったが(民進党候補の蔡英文、国民党元候補の洪秀柱)、洪秀柱は大陸との統一発言などで支持が著しく低迷し、10月17日、国民党は党主席の朱立倫を新たに総統候補に指名し直した[2]。国民党は朱立倫の下で巻き返しを図ったが、支持を取り戻すことができなかった。

蔡英文は、1996年総統選挙李登輝が次点と32.9%の大差で当選して以来、初めて25%以上の大差をつけての当選となった。

選挙制度

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総統候補は副総統候補とペアで出馬し、比較多数の候補ペアを当選者とする。

選挙権は、自由地区(台湾地区)に6ヶ月以上在住する20歳以上の中華民国国民に与えられ、在外住民も選挙権を有する。

被選挙権は、自由地区に6か月以上在住し、中華民国国民として15年以上経過した40歳以上が被選挙人として登録できる。ただし、中華民国国籍を回復、帰化した者、大陸地区中華人民共和国香港マカオ)から移住してきた国民は被選挙人として登録できない。

立候補にあたって政党(直近の国政選挙で5%以上の得票)からの推薦を得るか、複数の政党による推薦(推薦政党の直近国政選挙の得票数合計が5%以上)が必要である。

無所属で立候補する場合は被署名推薦と呼ばれ、前回総統選挙の有権者の1.5%の署名を中央選挙委員会に提出する必要があり、署名の結果をもって、立候補資格を得ることが可能となる[3]

候補者

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1 2 3
中国国民党 民主進歩党 親民党 民国党
総統候補 副総統候補 総統候補 副総統候補 総統候補 副総統候補
朱立倫 王如玄 蔡英文 陳建仁 宋楚瑜 徐欣瑩
新北市長
党主席
労働部労工会主任委員 行政院副院長
党主席
衛生福利部長 台湾省長
党主席
立法委員
党主席

民主進歩党

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2015年2月11日告示の民進党総統選予備選挙に立候補登録したのは蔡英文の1人のみだったため、3月16日から18日の間に行われる予定だった予備選挙は中止され、4月15日、蔡が正式に民進党総統候補に登録された[4]

11月16日、蔡英文は中央研究院前副院長の陳建仁を副総統候補とすることを発表した[5]

中国国民党

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2015年4月8日告示の国民党総統選予備選挙には、洪秀柱と楊志良の2人が立候補登録したが、楊志良は予備選挙に必要な15000人分の党員の署名を集められなかったため、7月19日、洪秀柱が正式に国民党総統候補に登録された[6]

10月2日、洪秀柱は「中華民国憲法は最終的な統一の考えで、中国を統一するのは中華民国政府である」と語り、台湾世論の間で大きな論争を巻き起こした。この両岸提案は国民党内部関係者からも疑問視され、ついに10月17日、国民党は臨時大会を開催し、洪秀柱の国民党総統候補への指名廃止を91.13%の賛成で決定し、朱立倫への指名を全会一致で承認した。

11月18日、朱立倫は弁護士の王如玄中国語版を副総統候補に擁立すると発表した[7]

親民党・民国党

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2015年8月6日親民党主席の宋楚瑜は、自身3度目となる総統選への立候補を表明した。11月18日、親民党主席の宋楚瑜が副総統候補に立法委員徐欣瑩を擁立すると発表した[8]

選挙結果

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全国集計

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e • d  中華民国の旗 2016年中華民国総統選挙 2016年1月16日施行)
候補者 所属政党 得票数 得票率
総統 副総統
蔡英文 陳建仁 民主進歩党 6,894,744 56.12%
  蔡・陳 (56.12%)
  朱・王 (31.04%)
  宋・徐 (12.84%)
朱立倫 王如玄 中国国民党 3,813,365 31.04%
宋楚瑜 徐欣瑩 親民党 民国党 1,576,861 12.84%
有効票数(有効率) 12,284,970 98.69%
無効票数(無効率) 163,292 1.31%
投票者数(投票率) 12,448,262 66.27%
棄権者数(棄権率) 6,334,729 33.73%
有権者数 18,782,991 100.0%
出典:中央選挙委員会 選挙資料庫(繁体字中国語)

県市別

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2016年中華民国総統副総統選挙各県市投票結果
県市 有権者数 朱立倫王如玄 蔡英文陳建仁 宋楚瑜徐欣瑩 無効票 投票率 次点との得票差
得票数 得票率 得票数 得票率 得票数 得票率
台北市 2,175,986 546,491 37.49% 757,383 51.96% 153,804 10.55% 22,540 68.03% 210,892
新北市 3,204,367 709,374 33.34% 1,165,888 54.79% 252,486 11.87% 26,481 67.23% 456,514
基隆市 306,548 68,357 35.29% 93,402 48.22% 31,955 16.49% 2,432 63.99% 25,045
宜蘭県 369,211 59,216 25.38% 144,798 62.06% 29,288 12.56% 3,188 64.05% 85,582
桃園市 1,627,598 369,013 34.39% 547,573 51.03% 156,518 14.58% 11,898 66.66% 178,560
新竹県 412,731 94,603 35.28% 114,023 42.52% 59,510 22.20% 3,803 65.89% 19,420
新竹市 328,580 71,771 32.42% 113,386 51.22% 36,198 16.35% 3,138 68.32% 41,615
苗栗県 448,520 107,779 37.55% 130,461 45.45% 48,788 17.00% 3,652 64.81% 22,682
台中市 2,138,519 430,005 29.82% 793,281 55.01% 218,810 15.17% 19,800 68.36% 363,276
彰化県 1,022,962 193,117 28.80% 378,736 56.47% 98,807 14.73% 10,921 66.63% 185,619
南投県 415,122 83,604 32.08% 136,104 52.23% 40,868 15.69% 3,649 63.65% 52,500
雲林県 566,207 86,047 24.93% 218,842 63.41% 40,236 11.66% 4,997 61.84% 132,795
嘉義県 430,885 65,425 23.38% 182,913 65.37% 31,469 11.25% 4,295 65.93% 117,488
嘉義市 210,758 38,822 27.95% 83,143 59.86% 16,926 12.19% 1,492 66.61% 44,321
台南市 1,528,246 219,196 22.07% 670,608 67.52% 103,432 10.41% 12,457 65.81% 451,412
高雄市 2,254,324 391,823 26.00% 955,168 63.39% 159,765 10.61% 18,117 67.64% 563,345
屏東県 689,170 121,291 26.99% 285,297 63.49% 42,768 9.52% 5,595 66.01% 164,006
台東県 179,547 43,581 44.62% 37,517 38.41% 16,565 16.96% 1,208 55.07% -6,064
花蓮県 267,862 73,894 47.72% 57,198 36.94% 23,751 15.34% 2,342 58.68% -16,696
澎湖県 84,222 12,564 29.48% 21,658 50.81% 8,401 19.71% 643 51.37% 9,094
金門県 111,386 24,327 66.10% 6,626 18.00% 5,852 15.90% 599 33.58% -17,701
連江県 10,240 3,065 68.60% 739 16.54% 664 14.86% 85 44.46% -2,326
出典:中央選挙委員会 選挙資料庫(繁体字中国語)

脚注

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  1. ^ 向井ゆう子 (2016年1月17日). “台湾総統選、民進党の蔡英文主席当選…初の女性 : 国際”. 読売新聞. https://web.archive.org/web/20160116115743/http://www.yomiuri.co.jp/world/20160116-OYT1T50155.html 2016年1月17日閲覧。 
  2. ^ 台湾与党、朱氏を総統選候補に指名 エース投入で巻き返しへ (日経新聞 2015年10月17日)
  3. ^ 總統副總統選舉罷免法 - 全國法規資料庫。
  4. ^ 2016總統及立委提名名單公告”. web.archive.org (2015年6月12日). 2024年1月2日閲覧。
  5. ^ 台湾:野党・民進党の副総統候補に陳建仁氏64歳”. 毎日新聞. 2015年11月23日閲覧。
  6. ^ 中央日報網路報-即時新聞”. web.archive.org (2015年9月23日). 2024年1月2日閲覧。
  7. ^ 朱立倫宣布 副手王如玄 - Rti 中央廣播電臺 新聞頻道”. web.archive.org (2015年11月19日). 2024年1月2日閲覧。
  8. ^ 与党・国民党、副総統候補に王如玄氏 女性の権利拡大などに尽力”. フォーカス台湾. 2015年11月23日閲覧。

関連項目

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外部リンク

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