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名鉄1000系電車 (1200系・1800系・1380系) (1030系・1230系・1850系) パノラマSuper | |
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1000系「パノラマSuper」 | |
基本情報 | |
製造所 | 日本車輌製造 |
主要諸元 | |
編成 |
4両編成(全車特別車編成・1380系) 6両編成(一部特別車編成) 2両編成(1800系・1850系) |
軌間 | 1,067mm |
電気方式 |
直流1,500V (架空電車線方式) |
車両定員 | 編成表を参照 |
自重 | 編成表を参照 |
車体 | 普通鋼 |
搭載数 | 4基 / 両 |
保安装置 | M式ATS |
名鉄1000系電車(めいてつ1000けいでんしゃ)は、名古屋鉄道(名鉄)が1988年から運用している電車である。
名鉄では初のビジネス特急車として[1]登場した車両で、一般公募により「パノラマSuper」という愛称がつけられた[2]。当初は全車両が指定席専用車両であったが、その後の特急施策の変更に伴い[3]、1991年には一般席車両として1200系・1800系が増備された[1]。2008年には特別席(指定席)車両のみで組成された編成は全車両が運用から外れ[4]、一部の車両では2015年からリニューアルが開始されている[5]。
本項では、7500系の廃車発生品を流用した増備車の1030系・1230系・1850系、さらに先頭車化改造された1380系についても記述する。また、名鉄の社内では5000系以降の高性能車について「SR車」[注釈 1]と呼称している[7]ことに倣い、本項でもそのように表記し、特定の編成について記す場合は、豊橋向きの先頭車の車両番号をもって編成呼称とする(例:豊橋向き先頭車の車両番号がク1001の編成であれば「1001編成」)。
登場の経緯
[編集]名鉄は1961年に特急車両として7000系「パノラマカー」を登場させており[8]、一部の車両は1980年代後半においても特急専用車に改装の上使用されていた[9]。しかし、高度経済成長や科学技術の進歩に伴い生活水準が向上すると[8]、登場以来25年を経過した「パノラマカー」は特急車として見劣りすることは否定できず[8]、後継特急車の登場が望まれていた[9]。また、名鉄の走る名古屋都市圏はマイカーの普及率が高い上に道路整備水準も高く[9]、マイカーにとって走りやすい環境が整っていた[9]。
名鉄では1984年に8800系「パノラマDX」を登場させていた[9]が、こうした環境下、「パノラマカー」の後継特急車では鉄道に旅客を誘致するため、乗車意欲をそそるスタイルやデザイン、静かでゆとりのある座席空間の確保に努めることになった[10]。
この構想のもと、折りしも西部線(旧名岐鉄道敷設区間)と東部線(旧愛知電気鉄道敷設区間)の直通運転、いわゆる「東西直通運転」から40周年となる[8]1988年に登場したのが、1000系「パノラマSuper」である。
車両概要
[編集]1000系は4両編成で登場し、当初は全車両が指定席車両であったが、1991年に一部の編成が一般席車両1200系を4両連結した6両編成に組成変更され、1992年には7500系の機器を流用した6両編成が1030系・1230系として増備された。1800系は1991年に2両編成で登場し、1992年には7500系の機器を流用した編成が1850系として増備された。
1000系は系列中に4形式、1200系は系列中に5形式、1030系・1230系は系列中に6形式が、1800系と1850系は系列中に2形式が存在する。形式の詳細については車両形式一覧を、編成については編成表を参照。
車体
[編集]構体
[編集]先頭部
[編集]内装
[編集]主要機器
[編集]電装品
[編集]台車
[編集]運転室
[編集]その他機器
[編集]増備途上での変更点
[編集]沿革
[編集]車両データ
[編集]車両形式一覧
[編集]1000系・1030系・1200系・1230系・1800系・1850系には以下のような車両形式が存在する。
1000系・1200系
[編集]- ク1000形
- 1000系の編成において豊橋側の先頭車となる制御車 (Tc1) 。指定席車両。
- モ1050形
- 1000系の編成において中間に組み込まれる電動車 (M2) 。電動車ユニットの豊橋側の車両である。指定席車両で、車掌室を設けている。
- モ1150形
- 1000系の編成において中間に組み込まれる電動車 (M1) 。全車指定席の4両編成では電動車ユニットの岐阜側の車両、一部指定席の6両編成では電動車ユニットの豊橋側の車両となる。指定席車両。
- ク1100形
- 1000系の編成において、全車指定席の4両編成では岐阜側の先頭車となる制御車 (Tc2) 。一部指定席の6両編成では豊橋側の先頭車となる。指定席車両。
- モ1250形
- 1000系の一部指定席6両編成において中間に組み込まれる電動車 (M1') で、モ1050形との組成により電動車ユニットで岐阜側の車両となる。一般席車両で、便所を設けている。
- モ1350形
- 1000系の一部指定席6両編成において中間に組み込まれる電動車 (M2') で、モ1150形との組成により電動車ユニットで岐阜側の車両となる。一般席車両で、車掌室を設けている。
- サ1200形
- 1000系の一部指定席6両編成において中間に組み込まれる付随車 (T) 。一般席車両で、豊橋側先頭車がク1000形の編成では1200番台の車両番号、豊橋側先頭車がク1100形の編成では1300番台の車両番号となる。
- モ1450形
- 1000系の一部指定席6両編成において中間に組み込まれる電動車 (M2') で、モ1400形との組成により電動車ユニットを構成する。一般席車両で、豊橋側先頭車がク1000形の編成では1450番台の車両番号、豊橋側先頭車がク1100形の編成では1550番台の車両番号となる。
- モ1400形
- 1000系の一部指定席6両編成において岐阜側の先頭車となる制御電動車 (Mc1) で、モ1450形との組成により電動車ユニットを構成する。一般席車両で、豊橋側先頭車がク1000形の編成では1400番台の車両番号、豊橋側先頭車がク1100形の編成では1500番台の車両番号となる。
1030系・1230系
[編集]いずれの車両も、7500系の機器を流用した。
- モ1130形
- 1030系の一部指定席6両編成において豊橋側の先頭車となる制御電動車 (Mc1) で、モ1180形との組成により電動車ユニットで豊橋側の車両となる。指定席車両。
- モ1180形
- 1030系の一部指定席6両編成において中間に組み込まれる電動車 (M2) で、モ1130形との組成により電動車ユニットで岐阜側の車両となる。指定席車両で、便所を設けている。
- モ1380形
- 1030系の一部指定席6両編成において中間に組み込まれる電動車 (M1') で、モ1230形との組成により電動車ユニットで豊橋側の車両となる。一般席車両で、車掌室を設けている。
- モ1230形
- 1030系の一部指定席6両編成において中間に組み込まれる電動車 (M2') で、モ1380形との組成により電動車ユニットで岐阜側の車両となる。一般席車両で、車両番号は1330番台となっている。
- モ1480形
- 1030系の一部指定席6両編成において中間に組み込まれる電動車 (M1) で、モ1430形との組成により電動車ユニットで豊橋側の車両となる。一般席車両で、車両番号は1580番台となっている。
- モ1430形
- 1030系の一部指定席6両編成において岐阜側の先頭車となる制御電動車 (Mc2) で、モ1480形との組成により電動車ユニットで岐阜側の車両となる。一般席車両で、車両番号は1530番台となっている。
1800系
[編集]- ク1800形
- 1800系の編成において豊橋側の先頭車となる制御車 (Tc) で、一般席車両。
- モ1900形
- 1800系の編成において岐阜側の先頭車となる制御電動車 (Mc) で、一般席車両。
1850系
[編集]いずれの車両も、7500系の機器を流用した。
- モ1850形
- 1850系の編成において豊橋側の先頭車となる制御電動車 (Mc1) で、一般席車両。
- モ1950形
- 1850系の編成において岐阜側の先頭車となる制御電動車 (Mc2) で、一般席車両。
編成表
[編集]脚注
[編集]注釈
[編集]出典
[編集]- ^ a b 鉄道ピクトリアル 通巻624号 石本俊三『車両総説』 (1996) p.40
- ^ 鉄道ジャーナル 通巻262号 名古屋鉄道(株) 技術部車両課『名鉄1000形の概要』 (1988) p.75
- ^ 鉄道ピクトリアル 通巻624号 外山勝彦『私鉄車両めぐり (154) 名古屋鉄道』 (1996) p.198
- ^ 鉄道ピクトリアル 通巻816号 外山勝彦『名古屋鉄道 現有車両プロフィール2009』 (2009) p.261
- ^ 鉄道ダイヤ情報 通巻378号 『DJ NEWS FILE』 (2015) p.75
- ^ 鉄道ピクトリアル 通巻624号 外山勝彦『私鉄車両めぐり (154) 名古屋鉄道』 (1996) p.211
- ^ 白井良和『私鉄の車両11 名古屋鉄道』 (1985) p.110
- ^ a b c d 白井良和・諸河久『日本の私鉄4 名鉄』 (1989) p.33
- ^ a b c d e 鉄道ジャーナル 通巻262号 名古屋鉄道(株) 技術部車両課『名鉄1000形の概要』 (1988) p.77
- ^ 鉄道ジャーナル 通巻262号 名古屋鉄道(株) 技術部車両課『名鉄1000形の概要』 (1988) p.78
参考文献
[編集]書籍
[編集]- 白井良和、諸河久『日本の私鉄4 名鉄』保育社、1989年。ISBN 4586507802。
- 徳田耕一『名鉄パノラマカー』JTBパブリッシング、2008年(原著2001年)。ISBN 9784533037276。
雑誌記事
[編集]- 石本俊三「車両総説journal=鉄道ピクトリアル」第624号、電気車研究会、1996年7月。
- 名古屋鉄道(株) 技術部車両課「名鉄1000形の概要」『鉄道ジャーナル』第262号、鉄道ジャーナル社、1988年8月、76-79頁。
- 外山勝彦「私鉄車両めぐり (154) 名古屋鉄道」『鉄道ピクトリアル』第624号、電気車研究会、1996年7月、184-216頁。
- 外山勝彦「名古屋鉄道 現有車両プロフィール2005」『鉄道ピクトリアル』第771号、電気車研究会、2006年1月、203-252頁。
- 外山勝彦「名古屋鉄道 現有車両プロフィール2009」『鉄道ピクトリアル』第816号、電気車研究会、2009年3月、259-307頁。
- 「名古屋鉄道 特急車両カタログ」『鉄道ダイヤ情報』第140号、交通新聞社、1995年12月、24-45頁。
- 「7000系”パノラマカー”・1000系”パノラマSuper”バリエーションと細部に迫る!」『鉄道ダイヤ情報』第290号、交通新聞社、2008年6月、26-33頁。
- 「DJ NEWS FILE」『鉄道ダイヤ情報』第378号、交通新聞社、2015年10月、72-81頁。
関連項目
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