レイ・ブラッドベリ
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レイ・ブラッドベリ Ray Bradbury | |
---|---|
1975年 | |
誕生 |
1920年8月22日 アメリカ合衆国、イリノイ州ウォキーガン |
死没 |
2012年6月5日(91歳没) アメリカ合衆国、カリフォルニア州ロサンゼルス |
職業 | 小説家、詩人 |
国籍 | アメリカ合衆国 |
ジャンル | SF、幻想文学、ホラー、ミステリー |
代表作 | 『華氏451度』、『火星年代記』 |
署名 | |
公式サイト | Ray Bradbury |
ウィキポータル 文学 |
レイ・ダグラス・ブラッドベリ(Ray Douglas Bradbury、1920年8月22日 - 2012年6月5日[1])は、アメリカ合衆国の小説家、詩人。
経歴
[編集]1938年から1942年まで新聞の販売をしており、その間にヘンリー・ハースとの共作の「振り子」が『スーパー・サイエンス・ストーリーズ』に掲載され、プロ作家になった。
1947年、処女短編集『黒いカーニバル』(Dark Carnival)をアーカム・ハウスから刊行した。続いてダブルディから刊行された『火星年代記』『刺青の男』で名声を得る。
1947年、1948年に、アメリカの年間短編傑作集(いわゆるO・ヘンリー賞)に2年連続で作品が収録された(1947年に「集会」が収録、1948年に「発電所」が第三席で入賞)[2]。1954年、アメリカ芸術文学協会賞、カリフォルニア・コモンウェルズ・クラブのゴールド・メダル賞を受賞した。
またハーマン・メルヴィル原作、ジョン・ヒューストン監督の映画『白鯨』の脚本を担当した。
晩年はロサンゼルスに在住し、著作活動を続けた。2012年6月5日に91歳で死去[3]。
特撮監督のレイ・ハリーハウゼンとは高校時代からの友人である。
作品リスト
[編集]長編
[編集]- 『火星年代記』(The Martian Chronicles)
- 『華氏451度』(Fahrenheit 451)
- 『たんぽぽのお酒』(Dandelion Wine)
- 北山克彦訳 晶文社、1971
- 『ハロウィーンがやってきた』(The Halloween Tree)
- 伊藤典夫訳 晶文社、1975
- 『何かが道をやってくる』(Something Wicked This Way Comes)
- 『死ぬときはひとりぼっち』(Death is a Lonely Business)
- 小笠原豊樹訳 サンケイ出版、1986。文藝春秋、2005
- 『黄泉からの旅人』(Graveyard for Lunatics: Another Tale of Two Cities)
- 日暮雅通訳 福武書店、1994。文藝春秋、2005
- 『塵よりよみがえり』(From the Dust Returned)
- 中村融訳 河出書房新社、2002、河出文庫、2005、新版2024
- 『さよなら、コンスタンス』(Let's All Kill Constance)
- 越前敏弥訳 文藝春秋、2005
- 『緑の影、白い鯨』(Green Shadows, White Whale)
- 川本三郎訳 筑摩書房、2007
- 『さよなら僕の夏』(Farewell Summer)
- 北山克彦訳 晶文社、2007
短編集
[編集]- 『黒いカーニバル』(Dark Carnival)
- 伊藤典夫訳 早川書房、1972 のちハヤカワ文庫
- 『刺青の男』(The Illustrated Man)
- 小笠原豊樹訳 早川書房、1960 のち文庫
- 『太陽の黄金の林檎』(The Golden Apples of the Sun)
- 小笠原豊樹訳 早川書房、1962 のち文庫
- 『十月はたそがれの国』(The October Country)
- 『メランコリイの妙薬』(A Medicine for Melancholy)
- 吉田誠一訳、早川書房、1961 のち文庫
- 『よろこびの機械』(The Machineries of Joy)
- 吉田誠一訳 早川書房、1966 のち文庫
- 『ウは宇宙船のウ』(R Is for Rocket)
- 大西尹明訳 創元推理文庫、1968 のち創元SF文庫
- 『スは宇宙(スペース)のス』(S Is for Space)
- 一ノ瀬直二訳 創元推理文庫、1971
- 『キリマンジャロ・マシーン』(I Sing the Body Electric)
- 伊藤典夫ほか訳 早川書房、1981 のち文庫
- 『歌おう、感電するほどの喜びを!』(I Sing the Body Electric)
- 伊藤典夫ほか訳 ハヤカワ文庫、1989
- 『ブラッドベリは歌う』(I Sing the Body Electric!)
- 中村保男訳 サンリオSF文庫、1984
- 『とうに夜半を過ぎて』(Long After Midnight)
- 小笠原豊樹訳 集英社、1978 のち文庫、河出文庫、2011
- 『万華鏡 ブラッドベリ自選SF傑作選』(The Vintage Bradbury)
- 『十月の旅人』(The October Game and Other Stories)
- 伊藤典夫訳 大和書房、1974 のち新潮文庫、ハヤカワ文庫、2016
- 『火の柱』(Pillar of Fire and Other Plays)
- 伊藤典夫訳 大和書房、1980
- 『火星の笛吹き』(The Piper)
- 仁賀克雄編訳 徳間書店、1979 のち文庫、ちくま文庫
- 『悪夢のカーニバル』(A Memory of Murder)
- 仁賀克雄訳 徳間文庫、1984
- 『恐竜物語』(Dinosaur Tales)
- 伊藤典夫訳 新潮文庫、1984
- 『バビロン行きの夜行列車』(Driving Blind)
- 『夜をつけよう』(Switch on the Night)
- 今江祥智訳 BL出版、1998
- 夜のスイッチ 北山克彦訳 晶文社、2008
- 『二人がここにいる不思議』(The Toynbee Convector)
- 伊藤典夫訳 新潮文庫、2000
- 『瞬き(まばたき)よりも速く』(Quicker Than the Eye)
- 『社交ダンスが終った夜に』(One More for the Road)
- 伊藤典夫訳 新潮文庫、2008
- 『猫のパジャマ』(The Cat's Pajamas)
- 中村融訳 河出書房新社、2008、河出文庫、2014
- 『永遠の夢』(Now and Forever)
- 北山克彦訳 晶文社、2010
ノンフィクション、エッセイ、および伝記
[編集]- 『ブラッドベリがやってくる - 小説の愉快』(Zen in the Art of Writing)
- 小川高義訳、晶文社、1996
- 『ブラッドベリはどこへゆく - 未来の回廊』(Yestermorrow)
- 小川高義訳、晶文社、1996
- 『ブラッドベリ、自作を語る』サム・ウェラー共著、小川高義訳、晶文社、2012
- その他、短編多数
- 徹底的なインタビューに基づいた評伝
タイトル
[編集]- 『太陽の金の林檎』(The Golden Apples of the Sun、1953年)のタイトルは、アイルランドの詩人ウィリアム・バトラー・イェイツの詩『さまようイーンガスの歌』(The Song of Wandering Aengus )から採られている。
- 『歌おう、感電するほどの喜びを!』(I Sing the Body Electric、1969年)のタイトルは、ウォルト・ホイットマンの詩集『草の葉』に所収されている「アダムの子どもたち」(Children of Adam)内の一編の詩のタイトルから採られている。
- 『何かが道をやって来る』(Something Wicked This Way Comes、1962年)のタイトルは、ウィリアム・シェイクスピアの戯曲『マクベス』の第4幕第1場において、洞窟の中に潜んだ3人の魔女のうちの一人がマクベスが近づいたことを察し、“By the pricking of my thumbs, Something wicked this way comes. Open, locks, whoever knocks.”(親指がぴくぴく動く、何か悪いものがこっちに近づいて来るな、抜けろ、かんぬき、誰でもいいぞ)と発した箇所からの引用である。ちなみに、アガサ・クリスティの推理小説『親指のうずき』(By the Pricking of my Thumbs、1968年)も同じ箇所の台詞から採られている。
映画化された作品
[編集]- 『原子怪獣現わる』(The Beast from 20,000 Fathoms)1953年(米) 監督:ユージン・ルーリー :短編「霧笛」 (The Fog Horn) の映画化
- 『華氏451』(Fahrenheit 451)1966年(仏) 監督:フランソワ・トリュフォー 出演:オスカー・ウェルナー、ジュリー・クリスティ
- 『いれずみの男』(The Illustrated Man)1968年(米) 監督:ジャック・スマイト 出演:ロッド・スタイガー
- 『何かが道をやってくる』(Something Wicked This Way Comes)1983年(米) 監督:ジャック・クレイトン 出演:ジェイソン・ロバーズ、ジョナサン・プライス
- 『サウンド・オブ・サンダー』(A Sound of Thunder)2005年(米) 監督:ピーター・ハイアムズ 出演:エドワード・バーンズ、キャサリン・マコーマック、ベン・キングズレー 『雷のような音』(短編小説集『太陽の黄金の林檎』収録)の映画化。
漫画化された作品
[編集]備考
[編集]- マイケル・ムーア監督の映画『華氏911』のタイトルはブラッドベリの長編小説『華氏451度』を元にしている。なお、このことについて、当のブラッドベリは「了解もなしに、数字だけを変えて題名を使った」とムーアを非難、映画の内容についても「わたしの意見とは何の関係もない」と難色を示した。
- カート・ウィマー監督の映画『リベリオン』(原題:Equilibrium、2002年)は『華氏451度』へのオマージュである。
- 1992年に発見された小惑星9766番は「ブラッドベリ」と命名されている。
- キュリオシティの火星軟着陸地点は「ブラッドベリ・ランディング(Bradbury Landing)」と命名された。
- 日本においても多大な影響をもたらし、例えば『万華鏡』は手塚治虫の『火の鳥』宇宙編の粉本として知られる。
出典
[編集]- ^ “Ray Bradbury” (英語). 2012年6月12日閲覧。
- ^ 各文学賞受賞作家一覧 "O・ヘンリ賞(オー・ヘンリー賞)"
- ^ “Reports: Ray Bradbury dead at 91” (英語). ナショナル・ポスト. (2012年6月6日) 2012年6月6日閲覧。
外部リンク
[編集]- Ready? Begin! - Ray Bradbury 公式ウェブサイト