リービング・ラスベガス
リービング・ラスベガス | |
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Leaving Las Vegas | |
監督 | マイク・フィギス |
脚本 | マイク・フィギス |
原作 | ジョン・オブライエン |
製作 |
リラ・カゼス アニー・スチュワート |
製作総指揮 |
ペイジ・シンプソン スチュアート・リージェン |
出演者 |
ニコラス・ケイジ エリザベス・シュー |
音楽 | マイク・フィギス |
撮影 | デクラン・クイン |
編集 | ジョン・スミス |
製作会社 | ユナイテッド・アーティスツ |
配給 |
MGM/UA Distribution Co. 日本ヘラルド映画 |
公開 |
1995年10月27日 1996年9月14日 |
上映時間 | 111分 |
製作国 |
アメリカ合衆国 フランス イギリス |
言語 | 英語 |
製作費 | $4,000,000 |
興行収入 | $32,029,928[1] |
『リービング・ラスベガス』(Leaving Las Vegas)は、1995年製作のアメリカ映画。ジョン・オブライエンの半自伝小説を原作にマイク・フィギスが映画化した。 ラスベガスを舞台に、脚本家であったアルコール依存症の男性と娼婦のラブストーリー。
ニコラス・ケイジは第68回アカデミー賞で主演男優賞を、第53回ゴールデングローブ賞で主演男優賞を獲得した。
ストーリー
[編集]ハリウッドで売れっ子脚本家だったベン(ニコラス・ケイジ)は酒が原因で会社をクビになり、金銭面で救いを求めた友人にも拒絶され、妻子も逃げていった。ベンは会社から退職金がわりの小切手を手にしたことで、死ぬまで酒を飲み続けようと決意し、映画の街ロサンゼルスから、酒を24時間飲めるカジノの街ラスベガスに車を走らせ、寂れたモーテルに滞在する。
ベンはネオン輝くラスベガスの街を車で走らせていたある日、路上で高級娼婦のサラ(エリザベス・シュー)と出会い、1時間500ドルの口約束を結び、モーテルの一室に連れ帰り、一夜を共にする。
翌日、帰宅したサラは、ロシア系マフィアのユーリ(ジュリアン・サンズ)に一晩の稼ぎが悪いと脅され、再びネオンの街へ客を探しに出掛けていく日常に戻る。数日後、マフィアの仲間に追われているユーリは、自身の身に危険が迫ったことを察知し、サラに別れを告げる。
晴れて自由の身になったサラは、ベンのいるモーテルにふたたび戻り、絶望の中で見つけた孤独同士の2人の不思議な関係が始まるが、「一緒に暮らそう」と言い出すサラに、ベンは一緒に暮らす条件として「絶対に酒をやめてと言うな」と念を押す。果たして、退廃の街を舞台に出会った2人の真実の愛の物語の行方は・・・。
キャスト
[編集]※括弧内は日本語吹替
- ベン・サンダーソン - ニコラス・ケイジ(山寺宏一)
- サラ - エリザベス・シュー(勝生真沙子)
- ユーリ - ジュリアン・サンズ(田中正彦)
- ピーター - リチャード・ルイス(稲葉実)
- マーク・ナスバウム - スティーヴン・ウェバー(家中宏)
- デビー - エミリー・プロクター
- テリー - ヴァレリア・ゴリノ(湯屋敦子)
- ラスベガスのバーテンダー - グレアム・ベッケル
- 銀行出納係 - キャリー・ローウェル
- ミスター・シンプソン - トーマス・コパッチ
- モブスター - エド・ローター
- モブスター - マイク・フィギス
- カウンターの男 - R・リー・アーメイ(大塚周夫)
- バーの娼婦 - マリシュカ・ハージティ
- バーテンダー - ダニー・ヒューストン
- 女主人 - ローリー・メトカーフ
- バイカー・バーのバーテンダー - ジュリアン・レノン
- モールの男 - ボブ・ラフェルソン
- タクシー運転手 - ザンダー・バークレー(目黒光祐)
- タクシー運転手 - ルー・ロウルズ
原作者/ジョン・オブライエン
[編集]1960年5月11日、アメリカのレイクウッド (オハイオ州)で生まれる。レイクウッド高校を78年に卒業した翌年、19歳でリサ・カークウッドと結婚し、法律事務所で職に就くが、この頃からアルコール依存症となる。
83年に夫婦でロサンゼルスに移り住み、カリフォルニア大学ロサンゼルス校に入学し、ジョンは作家を目指す。
90年、妻リサのために、半自叙伝となる小説『リービング・ラスベガス』をカンザス州の小さな出版社ウォーターマーク・プレス社より刊行したが、売れ行きは2千部にも満たない状況だった。92年に映画化の話が持ち上がった後、ニューヨーク州の出版社グローヴ・プレス社がペーパーバッグの版権を買い取り、同小説を安価なペーパーバックで刊行。
ジョンは小説執筆のために、治療を受けながら一時的に禁酒(88年から90年)に成功したが、再び飲酒を始め、92年に妻リサと離婚。
映画化が94年3月に決定したが、その2週間後となる4月10日にジョンは拳銃で頭を打ち抜いて自殺した。部屋に残されていたのは、ピザの箱と半分空になったウォッカのボトルだけだった。享年34歳。
サウンドトラック
[編集]マイク・フィギスとは映画『ストーミー・マンディ』(1988年)以来の親交があるスティングがジャズ・スタンダード3曲を歌い上げている。「エンジェル・アイズ」(1953)はマット・デニスの楽曲。「マイ・アンド・オンリー・ラブ」(1953年)はロバート・メリンとガイ・ウッドが手掛けた楽曲。「ロンサム・オールド・タウン」(1930年)はチャールズ・キスコとハリー・トビアスが作った失恋ソングで、過去にデューク・エリントン、リナ・ホーンもカバーしている。なお、この3曲はフランク・シナトラが過去にすべてカバーしている。
イーグルスのドン・ヘンリーが歌う「降っても晴れても」(1946年)は、ハロルド・アーレンとジョニー・マーサーがミュージカル『セントルイス・ウーマン』のために手掛けたラブ・ソングで、過去にビル・エヴァンスやサラ・ヴォーンもカバーしている。
同サントラに収録のヴォーカル曲は、スティングの3曲とドン・ヘンリーの1曲以外に、ニコラス・ケイジが口ずさむ1分ほどの「リディキュラス」、パラディノスが1994年にリリースしたアルバム『Travelling Dark 』収録曲の「ゴーイング・サウス・フォー・ア・ホワイル」の計6曲となっており、その他の楽曲はすべてマイク・フィギスが担当した。
# | タイトル | Performer | 時間 |
---|---|---|---|
1. | 「Intro Dialogue」(dialogue) | Nicolas Cage as Ben Elisabeth Shue as Sera | |
2. | 「エンジェル・アイズ Angel Eyes」 | スティング | |
3. | 「Are You Desirable?」 | Mike Figgis | |
4. | 「Ben & Bill」(dialogue) | Nicolas Cage as Ben | |
5. | 「Leaving Las Vegas」 | Mike Figgis | |
6. | 「Sera's Dark Side」 | Mike Figgis | |
7. | 「Mara」 | Mike Figgis | |
8. | 「Burlesque」 | Mike Figgis | |
9. | 「On The Street」(dialogue) | Nicolas Cage as Ben Elisabeth Shue as Sera | |
10. | 「Bossa Vega」 | Mike Figgis | |
11. | 「Ben Pawns His Rolex/Sera Talks to Her Shrink」(dialogue) | Nicolas Cage as Ben Elisabeth Shue as Sera | |
12. | 「マイ・ワン・アンド・オンリー・ラブ My One and Only Love」 | スティング | |
13. | 「Sera Invites Ben to Stay」(dialogue) | Nicolas Cage as Ben Elisabeth Shue as Sera | |
14. | 「降っても晴れても Come Rain or Come Shine」 | ドン・ヘンリー | |
15. | 「Ben and Sera – Theme」(dialogue) | Nicolas Cage as Ben Elisabeth Shue as Sera | |
16. | 「リディキュラス Ridiculous」 | ニコラス・ケイジ | |
17. | 「Biker Bar」 | Mike Figgis | |
18. | 「Ben's Hell」 | Mike Figgis | |
19. | 「ロンサム・オールド・タウン It's a Lonesome Old Town」 | スティング | |
20. | 「Blues For Ben」 | Mike Figgis | |
21. | 「Get Out」 | Mike Figgis | |
22. | 「Reunited」 | Mike Figgis | |
23. | 「Sera Talks to the Cab Driver」(dialogue) | Elisabeth Shue as Sera Lou Rawls as Concerned Cabbie | |
24. | 「She Really Loved Him」 | Mike Figgis | |
25. | 「ゴーイング・サウス・フォー・ア・ホワイル I Won't Be Going South For a While」 | The Palladinos |
評価
[編集]レビュー・アグリゲーターのRotten Tomatoesでは54件のレビューで支持率は89%、平均点は7.60/10となった[2]。Metacriticでは23件のレビューを基に加重平均値が82/100となった[3]。
備考
[編集]- 撮影には通常の35mmフィルムの代わりにスーパー16フィルムが用いられた[4]。
- シェリル・クロウが1993年に発表した「Leaving Las Vegas」(邦題は「さらばラス・ヴェガス」)は、原作となったジョン・オブライエンの小説から取られた。オブライエンと、曲の共作者の一人、デヴィッド・ベアウォルドは友人同士であった[5]。
脚注
[編集]- ^ “Leaving Las Vegas (1995)” (英語). Box Office Mojo. 2020年2月16日閲覧。
- ^ “Leaving Las Vegas (1995)”. Rotten Tomatoes. Fandango Media. 2022年6月14日閲覧。
- ^ “Leaving Las Vegas Reviews”. Metacritic. CBS Interactive. 2022年6月14日閲覧。
- ^ Roger Ebert. “Cage relishes operatic role in tragic 'Leaving Las Vegas'”. Chicago Sun-Times 2006年12月9日閲覧。
- ^ Leaving Las Vegas by Sheryl Crow - Songfacts