ブロードウェイ・ザ・ハード・ウェイ
『ブロードウェイ・ザ・ハード・ウェイ』 | ||||
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フランク・ザッパ の ライブ・アルバム | ||||
リリース | ||||
録音 | 1988年2月 - 6月 | |||
ジャンル | ハードロック、プログレッシブ・ロック、アート・ロック、コメディ・ロック | |||
時間 | ||||
レーベル | バーキング・パンプキン・レコード | |||
プロデュース | フランク・ザッパ | |||
専門評論家によるレビュー | ||||
フランク・ザッパ アルバム 年表 | ||||
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『ブロードウェイ・ザ・ハード・ウェイ』[1](Broadway the Hard Way)は、フランク・ザッパが1988年に録音・発表したライブ・アルバム。オリジナルLP(D1-74218)は9曲入りだったが[2]、1989年にライコディスクから発売されたCDは17曲入りとなっている[3]。
内容
[編集]ザッパは1988年に生涯最後のワールド・ツアーを行い、本作には主にボーカル入りの新曲が収録された[4]。ただし、ウォーターゲート事件を題材とした「ディッキーズ・サッチ・アン・アスホール」は1973年末にマザーズ・オブ・インヴェンションのツアーで演奏されており[5]、1989年に発売されたライブ・アルバム『オン・ステージVol.3』には当時のヴァージョンが収録されている[6]。また、CDに追加収録された曲の中にはザッパの旧作の再演もあり、「アウトサイド・ナウ」はアルバム『ジョーのガレージ Acts II & III』(1979年)、「ホット・プレート・ヘヴン・アット・ザ・グリーン・ホテル」は『ダズ・ヒューモア・ビロング・イン・ミュージック?』(1986年)で発表された曲である。
ザッパは1988年のアメリカ合衆国大統領選挙に合わせて本作をリリースしており[7]、LPの見開きジャケットの内側には、ロナルド・レーガンが1988年の共和党全国大会で語った「Facts are stupid things.」というフレーズが引用されている。「ホエン・ザ・ライズ・ソー・ビッグ」や「ジーザス・シンクス・ユーアー・ア・ジャーク」は共和党から大統領選挙に出馬しようとしたテレビ伝道師パット・ロバートソンを批判した曲で[8][9]、「ライミン・マン」は民主党から出馬しようとした牧師ジェシー・ジャクソンを批判した曲である[10]。また、「プロミスキュアス」は、レーガン政権時の公衆衛生局長官だったC・エヴェレット・クープを批判した内容で、1988年2月26日の公演でしか演奏されなかった[11]。
「マーダー・バイ・ナンバーズ」はポリスのカヴァーで、テレビ伝道師のジミー・スワガートを題材としており[4][12]、1988年3月のシカゴ公演においてスティング本人がゲスト・ボーカリストとして参加して[12]、その時の音源が本作のCD版に収録された。
なお、1988年のワールド・ツアーで録音されたライブ音源は、本作の他に『ザ・ベスト・バンド』(1991年)、『メイク・ア・ジャズ・ノイズ』(1991年)といったライブ・アルバムにも収録された。
評価
[編集]スティーヴ・ヒューイはオールミュージックにおいて5点満点中4点を付け「ザッパの政治的な洞察の多くは的を射ており、更に幾らかのジョークも織り交ぜられて、『ブロードウェイ・ザ・ハード・ウェイ』は、彼が1960年代より後に発表した政治的な作品の中でも、特に秀逸で、特に知性を刺激する作品の一つに仕上がっている」と評している[4]。
収録曲
[編集]特記なき楽曲はフランク・ザッパ作。
LP
[編集]サイド1
[編集]- "Elvis Has Just Left the Building" - 2:24
- "Planet of the Baritone Women" - 2:48
- "Any Kind of Pain" - 5:42
- "Jesus Thinks You're a Jerk" - 9:15
サイド2
[編集]- "Dickie's Such an Asshole" - 6:37
- "When the Lie's So Big" - 3:38
- "Rhymin' Man" - 3:51
- "Promiscuous" - 2:03
- "The Untouchables" (Nelson Riddle) - 3:05
CD
[編集]- エルヴィス・ハズ・ジャスト・レフト・ザ・ビルディング - "Elvis Has Just Left the Building" - 2:24
- プラネット・オブ・ザ・バリトン・ウィメン - "Planet of the Baritone Women" - 2:48
- エニィ・カインド・オブ・ペイン - "Any Kind of Pain" - 5:42
- ディッキーズ・サッチ・アン・アスホール - "Dickie's Such an Asshole" - 5:45
- ホエン・ザ・ライズ・ソー・ビッグ - "When the Lie's So Big" - 3:38
- ライミン・マン - "Rhymin' Man" - 3:50
- プロミスキュアス - "Promiscuous" - 2:02
- ジ・アンタッチャブルズ - "The Untouchables" (N. Riddle) - 2:26
- ホワイ・ドント・ユー・ライク・ミー? - "Why Don't You Like Me?" - 2:57
- ベイコン・ファット - "Bacon Fat" (Andre Williams, Dorothy Brown, Frank Zappa) - 1:29
- ストールン・モーメンツ - "Stolen Moments" (Oliver Nelson) - 2:57
- マーダー・バイ・ナンバーズ - "Murder by Numbers" (Sting, Andy Summers) - 5:37
- ジェゼベル・ボーイ - "Jezebel Boy" - 2:27
- アウトサイド・ナウ - "Outside Now" - 7:49
- ホット・プレート・ヘヴン・アット・ザ・グリーン・ホテル - "Hot Plate Heaven at the Green Hotel" - 6:40
- ホワット・カインド・オブ・ガール? - "What Kind of Girl?" - 3:17
- ジーザス・シンクス・ユーアー・ア・ジャーク - "Jesus Thinks You're a Jerk" - 9:15
参加ミュージシャン
[編集]- フランク・ザッパ - リードギター、ボーカル
- アイク・ウィリス - ギター、ボーカル
- マイク・ケネリー - ギター、シンセサイザー、ボーカル
- ボビー・マーティン - キーボード、ボーカル
- スコット・チュニス - エレクトリックベース
- チャド・ワッカーマン - ドラムス
- エド・マン - パーカッション
- ウォルト・ファウラー - トランペット
- ブルース・ファウラー - トロンボーン
- ポール・カーマン - アルト・サックス
- アルバート・ウィング - テナー・サックス
- カート・マクゲットリック - バリトン・サックス
- エリック・バクストン - ボーカル
- スティング - ボーカル (on "Murder by Numbers")
脚注
[編集]- ^ 旧規格の日本盤CDでは『ブロードウェイ・ザ・ハードウェイ』と表記されていたが、2002年の再発CD(VACK-1260)で現行表記に変更された
- ^ Frank Zappa - Broadway The Hard Way (Vinyl, LP, Album) at Discogs
- ^ Frank Zappa - Broadway The Hard Way (CD, Album) at Discogs
- ^ a b c Broadway the Hard Way - Frank Zappa | AllMusic - Review by Steve Huey
- ^ Dickie's Such an Asshole - Frank Zappa | AllMusic - Song Review by François Couture
- ^ You Can't Do That on Stage Anymore, Vol. 3 - Frank Zappa | AllMusic - Review by François Couture
- ^ 日本盤CD(VACK-1260)ライナーノーツ(大山甲日、2002年8月)
- ^ When the Lie's So Big - Frank Zappa | AllMusic - Song Review by François Couture
- ^ Jesus Thinks You're a Jerk - Frank Zappa | AllMusic - Song Review by François Couture
- ^ Rhymin' Man - Frank Zappa | AllMusic - Song Review by François Couture
- ^ Promiscuous - Frank Zappa | AllMusic - Song Review by François Couture
- ^ a b Sting Helps Spice Up Zappa's Saucy Concert - Chicago Tribune - article by Chris Heim - 2014年12月14日閲覧