コンテンツにスキップ

英文维基 | 中文维基 | 日文维基 | 草榴社区

ズート・アリュアーズ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
『ズート・アリュアーズ』
フランク・ザッパスタジオ・アルバム
リリース
ジャンル フュージョンコメディ・ロックハードロックプログレッシブ・ロック
時間
レーベル ワーナー・ブラザース・レコード
ライコディスク(リイシュー)
プロデュース フランク・ザッパ
専門評論家によるレビュー
チャート最高順位
  • 16位(ノルウェー[1]
  • 17位(スウェーデン[2]
  • 61位(アメリカ[3]
  • フランク・ザッパ アルバム 年表
    ボンゴ・フューリー
    (1975年)
    ズート・アリュアーズ
    (1976年)
    ザッパ・イン・ニューヨーク
    (1978年)
    テンプレートを表示

    ズート・アリュアーズ[4](Zoot Allures)は、フランク・ザッパ1976年に発表したアルバム。収録曲の大部分はスタジオ録音だが、「ブラック・ナプキンズ」は1976年2月3日大阪厚生年金会館におけるライブ音源が使用されている[5][6]

    内容

    [編集]

    本作は、当初ディスクリート・レコード英語版から2枚組LPとして発売される予定だったが、最終的には1枚となり、発売元もワーナー・ブラザース・レコードに変更された[7]。後のリマスターCDは、ザッパの他のアルバムと同様ライコディスクから発売された。

    収録曲の全てに参加したのはザッパとテリー・ボジオで、「拷問は果てしなく」「ワンダフル・ワイノ」は彼らだけでレコーディングされた[5][6]。彼ら以外の参加者は曲によって異なる。また、本作からの第1弾シングルとしてリリースされた「ファインド・ハー・ファイナー」には、キャプテン・ビーフハートがハーモニカで参加している[8]。なお、ジャケットには、当時ザッパのバンドに加入したエディ・ジョブソンパトリック・オハーンが写っているが、この二人は本作には参加していない[9]

    「ブラック・ナプキンズ」は本作のライブ音源がレコードでの初披露であるが、ライブでは1975年10月より頻繁に演奏された曲で、次作のライブ・アルバム『ザッパ・イン・ニューヨーク』(1978年)と同じショウで録音された1976年の音源はアルバム『オン・ステージVol.6』(1992年)に、1988年のライブ音源は『メイク・ア・ジャズ・ノイズ』(1991年)に、それぞれ収録された。スタジオ録音のヴァージョンは発表されていない[10]。「拷問は果てしなく」は、本作に先行して1975年4月から5月に行われたキャプテン・ビーフハートとのツアーで、彼のボーカルをフィーチャーして、「Why Doesn't Somebody Get Him a Pepsi?」というタイトルで披露された[11]。1991年にリリースされた未発表ライブ音源集『オン・ステージ Vol.4』には、ビーフハートが歌った初期ヴァージョンが収録されている[12]。「ワンダフル・ワイノ」は、マザーズ・オブ・インヴェンションのベーシストだったジェフ・シモンズのソロ・アルバム『Lucille Has Messed My Mind Up』の収録曲を改作したもので、1970年よりマザーズのツアーで演奏されていた[13]

    評価

    [編集]

    François Coutureはオールミュージックにおいて5点満点中4点を付け「ユーモアが完全に排除されたわけではないが、『ズート・アリュアーズ』は、よりシリアスなロック・アルバムとして突出している」と評している[9]。また、D. J. Considineは1995年7月9日付のThe Baltimore Sun紙において、ザッパの代表作の一つとして本作を挙げ「かなりダークなアルバムで、汚らしい皮肉と悪意に満ちた嫌味に満ちているが、その一方で、驚くほどファンキーなリズム・ワークや、ザッパの雄弁なギター・ソロが誇示されている」と評している[14]

    収録曲

    [編集]

    特記なき楽曲はフランク・ザッパ作。

    1. ワインド・アップ・ワーキン・イン・ア・ガス・ステイション - "Wind Up Workin' in a Gas Station" - 2:29
    2. ブラック・ナプキンズ - "Black Napkins" - 4:14
    3. 拷問は果てしなく - "The Torture Never Stops" - 9:45
    4. ミズ・ピンキー - "Ms. Pinky" - 3:40
    5. ファインド・ハー・ファイナー - "Find Her Finer" - 4:07
    6. フレンドリー・リトル・フィンガー - "Friendly Little Finger" - 4:17
    7. ワンダフル・ワイノ - "Wonderful Wino" (Jeff Simmons, Frank Zappa) - 3:38
    8. ズート・アリュアーズ - "Zoot Allures " - 4:13
    9. ディスコ・ボーイ - "Disco Boy" - 5:09

    参加ミュージシャン

    [編集]

    脚注

    [編集]
    1. ^ norwegiancharts.com - Frank Zappa - Zoot Allures
    2. ^ swedishcharts.com - Frank Zappa - Zoot Allures
    3. ^ Frank Zappa | Awards | AllMusic
    4. ^ 日本初回盤(P-10266W)では『虚飾の魅惑』という邦題が付いていたが、後の再発CDで原題の片仮名表記に変更された。
    5. ^ a b リマスターCD(VACK-5126)英文ブックレット内クレジット
    6. ^ a b Zappa* - Zoot Allures (CD, Album) at Discogs
    7. ^ リマスターCD(VACK-5126)ライナーノーツ(岸野雄一、1994年10月)
    8. ^ Find Her Finer – Frank Zappa | AllMusic - Review by François Couture
    9. ^ a b Zoot Allures - Frank Zappa | AllMusic - Review by François Couture
    10. ^ Black Napkins – Frank Zappa | AllMusic - Song Review by François Couture
    11. ^ The Torture Never Stops - Frank Zappa | AllMusic - Song Review by François Couture
    12. ^ You Can't Do That on Stage Anymore, Vol. 4 - Frank Zappa | AllMusic - Review by François Couture
    13. ^ Wonderful Wino - Frank Zappa | AllMusic - Song Review by François Couture
    14. ^ Frank Zappa Albums Worth Money | Among 53 albums reissued, some are worth your money - Baltimore Sun - article by J. D. Considine - 2014年12月3日閲覧