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ハリー・ポッターと秘密の部屋 (映画)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ハリー・ポッターと秘密の部屋
Harry Potter and the Chamber of Secrets
監督 クリス・コロンバス
脚本 スティーヴ・クローヴス
原作 J・K・ローリング
製作 デヴィッド・ハイマン
製作総指揮 クリス・コロンバス
マーク・ラドクリフ
マイケル・バーナサン
デヴィッド・バロン
出演者 ダニエル・ラドクリフ
ルパート・グリント
エマ・ワトソン
ケネス・ブラナー
ジョン・クリーズ
ロビー・コルトレーン
ワーウィック・デイヴィス
リチャード・グリフィス
リチャード・ハリス
ジェイソン・アイザックス
アラン・リックマン
フィオナ・ショウ
マギー・スミス
ジュリー・ウォルターズ
デイビッド・ブラッドリー
トム・フェルトン
ショーン・ビガースタッフ
ロバート・ハーディー
シャーリー・ヘンダーソン
ジェマ・ジョーンズ
ミリアム・マーゴリーズ
マーク・ウィリアムズ
音楽 ジョン・ウィリアムズ
撮影 ロジャー・プラット
編集 ピーター・ホーネス
製作会社
配給 ワーナー・ブラザース
公開 アメリカ合衆国の旗イギリスの旗 2002年11月15日
日本の旗 2002年11月23日
上映時間 161分(オリジナル劇場版)
174分(ロングバージョン)
製作国 イギリスの旗 イギリス
アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
言語 英語
製作費 $100,000,000[1]
興行収入 世界の旗$879,928,511
イギリスの旗 $88,174,230
アメリカ合衆国の旗カナダの旗$262,641,637[1]
日本の旗 173億円[2][3]
前作 ハリー・ポッターと賢者の石
次作 ハリー・ポッターと
アズカバンの囚人
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ハリー・ポッターと秘密の部屋』(Harry Potter and the Chamber of Secrets)は、J・K・ローリング1998年の同名小説を原作とする、監督クリス・コロンバス、脚本スティーヴ・クローヴスによる、2002年のファンタジー映画である。デヴィッド・ハイマン製作のこの作品は、『ハリー・ポッターと賢者の石』(2001年)の続編で、ハリー・ポッター映画シリーズの第2作である。この映画ではダニエル・ラドクリフハリー・ポッター役で主演し、ルパート・グリントエマ・ワトソンがそれぞれ彼の親友ロン・ウィーズリーハーマイオニー・グレンジャー役を演じた。物語は、ハリーがホグワーツ魔法魔術学校に入学して2年目、サラザール・スリザリンの継承者が「秘密の部屋」を開き、ホグワーツの生徒たちを石化させる怪物を解き放つところから始まる。

本作は、ワーナー・ブラザース・ピクチャーズにより2002年11月15日にイギリスとアメリカで公開された。批評家たちは、その深みのある筋書きや美術セット、若い観客に相応しい物語を称賛し、批評的にも商業的にも成功を収め、全世界で8億7900万ドルの興行収入を上げ、2002年の興行収入第2位の映画となった。本作は、英国アカデミー賞プロダクションデザイン賞英語版音響賞英語版視覚効果賞英語版など、多くの賞にノミネートされた。続編は『ハリー・ポッターとアズカバンの囚人』(2004)である。

あらすじ

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スタッフ

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キャスト

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役名 俳優 日本語吹替
ハリー・ポッター ダニエル・ラドクリフ 小野賢章
ロン・ウィーズリー ルパート・グリント 常盤祐貴
ハーマイオニー・グレンジャー エマ・ワトソン 須藤祐実
アルバス・ダンブルドア リチャード・ハリス 永井一郎
ミネルバ・マクゴナガル マギー・スミス 谷育子
ルビウス・ハグリッド ロビー・コルトレーン 斎藤志郎
学生時 マーティン・ベイフィールド
セブルス・スネイプ アラン・リックマン 土師孝也
ギルデロイ・ロックハート ケネス・ブラナー 内田直哉
ドビーの声 トビー・ジョーンズ 高木渉
ドラコ・マルフォイ トム・フェルトン 三枝享祐
ネビル・ロングボトム マシュー・ルイス 上野容
ジニー・ウィーズリー ボニー・ライト 高野朱華
ポモーナ・スプラウト ミリアム・マーゴリーズ 山本与志恵
フィリウス・フリットウィック ワーウィック・デイヴィス
アーガス・フィルチ デイビッド・ブラッドリー 青野武
マダム・ポンフリー ジェマ・ジョーンズ 麻生美代子
マダム・ピンス サリー・モルトモア
バーノン・ダーズリー リチャード・グリフィス 楠見尚己
ペチュニア・ダーズリー フィオナ・ショウ さとうあい
ダドリー・ダーズリー ハリー・メリング 忍足航己
モリー・ウィーズリー ジュリー・ウォルターズ 一龍斎貞友
アーサー・ウィーズリー マーク・ウィリアムズ 梅津秀行
フレッド・ウィーズリー ジェームズ・フェルプス 尾崎光洋
ジョージ・ウィーズリー オリバー・フェルプス
オリバー・ウッド ショーン・ビガースタッフ 川島得愛
ビンセント・クラッブ ジェイミー・ウェイレット 忍足航己
グレゴリー・ゴイル ジョシュア・ハードマン 海宝直人
シェーマス・フィネガン デヴォン・マーレイ 渡辺悠
ディーン・トーマス アルフレッド・イーノック 山本隆平
パーシー・ウィーズリー クリス・ランキン 宮野真守
リー・ジョーダン ルーク・ヤングブラッド 進藤一宏
ケイティ・ベル エミリー・デイル
アンジェリーナ・ジョンソン ダニエル・テイラー
ラベンダー・ブラウン キャスリーン・コーリー
コリン・クリービー ヒュー・ミッチェル 有馬優人
マーカス・フリント ジェイミー・イェイツ 天田真人
ジャスティン・フィンチ=フレッチリー エドワード・ランデル 海宝直人
スーザン・ボーンズ エレノア・コロンバス
ペネロピー・クリアウォーター ジェンマ・パドリー
アーニー・マクミラン ルイス・ドイル
ハンナ・アボット Charlotte Skeoch
ほとんど首無しニック ジョン・クリーズ たかお鷹
嘆きのマートル シャーリー・ヘンダーソン 坂本千夏
コーネリウス・ファッジ ロバート・ハーディ 篠原大作
グレンジャー氏 トム・ナイト
グレンジャー夫人 ヘザーブリーズデール
メーソン氏 ジム・ノートン
メーソン夫人 ヴェロニカ・クリフォード
キングス・クロス駅の駅員 ハリー・テイラー 石住昭彦
ボージン(未公開シーン) エド・チューダー=ポール
アーマンド・ディペット アルフレッド・バーク
アラゴグの声 ジュリアン・グローヴァー 益富信孝
組分け帽子の声 レスリー・フィリップス 石森達幸
ジェームズ・ポッター エイドリアン・ローリンズ
リリー・ポッター ジェラルディン・ソマーヴィル
ルシウス・マルフォイ ジェイソン・アイザックス 諸角憲一
トム・マールヴォロ・リドル クリスチャン・コールソン 石田彰
ギャリック・オリバンダー ジョン・ハート

制作

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衣装デザインおよび美術デザイン

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映画で使われた空飛ぶフォード・アングリア英語版

プロダクションデザイナーのスチュアート・クレイグは、1作目では見られなかった新しい要素をデザインするため、この続編に戻ってきた。クレイグは、アーサー・ウィーズリーのマグルへの関心に基づいて、建築廃材を利用して垂直に建てられた隠れ穴を設計した[4]。ウィーズリー氏の空飛ぶ車は、1962年式フォード・アングリア英語版 105Eから作られた[5]。「秘密の部屋」は、長さ76メートル (249 ft)以上、幅36.5メートル (119.8 ft)以上の大きさで、この物語のために作られた最大のセットだった[6]組分け帽子グリフィンドールの剣が置かれているダンブルドアの校長室も、この映画のために作られた[7]

リンディ・ヘミングスは『秘密の部屋』の衣装デザインを担当した。彼女は、すでに確立されたキャラクターの外見の多くを残し、この続編で登場する新しい人物に焦点を当てることにした。ギルデロイ・ロックハートの衣装は、他の登場人物の「暗く、落ち着いた、または地味な色」とは対照的に、明るい色を取り入れた。ギルデロイ・ロックハート役のケネス・ブラナーは、「私たちは、時代遅れの男前と、ホグワーツに溶け込めそうな人を掛け合わせたものを作りたかった。」と語っている[8]。ヘミングスは、ルシウス・マルフォイの衣装も完璧に仕上げた。当初の構想の1つはピンストライプ英語版のスーツを着用していたが、彼の貴族としての資質を際立たせ、「古い感覚」を反映させるために、毛皮と蛇の頭の杖に変更された[8]

撮影

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前作の公開からわずか3日後、2001年11月19日に主要撮影が開始された[9]第2班英語版は、主に空飛ぶ車の場面の撮影を、その3週間前から開始していた[10]。撮影は、主としてハートフォードシャー州リーブスデン・スタジオで行われ[11][12][13]マン島でも行われた[14]キングス・クロス駅9と3/4番線ホーム英語版の撮影場所として使われたが、外観の撮影にはセント・パンクラス駅が使われた[15][16]グロスター大聖堂[17]ダラム大聖堂[18]アルニック城[19]ラコック修道院英語版[20]オックスフォード大学ボドリアン図書館[21]とともに、ホグワーツ魔法学校の舞台として使われた。隠れ穴英語版は、リーブスデン・スタジオ前にある、アボッツ・ラングレー村英語版のジプシー通りに建てられた[13]

ロジャー・プラットは、『秘密の部屋』を「登場人物と物語の成長」を反映し、前作よりも「暗くエッジの効いた雰囲気」を出すために、撮影監督として起用された[8]クリス・コロンバス監督は、より自由な動きができるように手持ちカメラを採用したが[22]、彼はこれを「(彼の)映画監督としての出発点」であると考えている[8]ケンブリッジ大学の言語学教授フランシス・ノーラン英語版は、映画の中で蛇が話す言語であるパーセルタングを創った[23]。主要撮影は2002年7月に終了した[24][25]

音響設計

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『ハリー・ポッターと秘密の部屋』で起こる出来事のため、本作の音響効果は前作よりもはるかに雄大なものとなった。サウンド・デザイナー兼共同監修のサウンド・エディターであるランディ・トムは、カリフォルニアのスカイウォーカー・サウンドで初期の構想を練り、イギリスのシェパートン・スタジオ英語版で主要な作業を行ったあと、この続編に戻りPro Toolsを使って仕事を完成させた[26]

トムは暴れ柳に声を与えようと、自分の声を遅くして、周波数ごとに調整し、低音を強調した、深いうなり声を出した。マンドレイクについては、「『うーん、こんなの聞いたことがない』と思えるような珍しい音にする」ために、赤ちゃんの泣き声と女性の叫び声を組み合わせた[26]

トムはバジリスクを、「巨大な蛇ですが、ドラゴンのようでもあり。あのような歯を持っている蛇はそうそういませんし。シューという音を出したり、唸り声を上げたりしなければなりませんし、最後には苦痛を感じることもありました」といい、挑戦だと述べた。トムは自分の声と、虎の咆哮や、馬や象の声を混ぜ合わせた[26]

特殊効果・視覚効果

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ロンドンで開催されたワーナーブラザース スタジオツアーロンドン-メイキング・オブ・ハリー・ポッターでの不死鳥のフォークス、ドビー、アラゴグ

視覚効果の制作には、映画が完成する2002年10月9日までの9ヶ月間かかった[22][27]インダストリアル・ライト&マジックミル英語版ムービング・ピクチャー・カンパニー(MPC)、シネサイトおよびフレームストアが作品中の約950の視覚効果ショット[注 1]を手掛けた[28][29]。Jim Mitchellとニック・デイヴィスが視覚効果スーパーバイザーを務めた。中でも、彼らはCGキャラクターである屋敷しもべ妖精ドビー、バジリスク、およびピクシー妖精などの制作を担当した[28]。MPCのChas JarrettはCGスーパーバイザーとして、本作でCGを使用しているショットのアプローチを監督した[30]。70人のスタッフで、2001年9月から2002年10月までに同社は251ショットを制作し、そのうち244ショットが本作に採用された[31]

視覚効果チームは、不死鳥のフォークス、マンドレイク、アクロマンチュラアラゴグ、およびバジリスクの最初の25フィート (8 m)を考案した[28][32]、クリーチャー効果スーパーバイザーのニック・ダッドマン英語版と協力した。ダッドマンによれば、「アラゴグはクリーチャー部門にとって重要な挑戦だった」という。この巨大な蜘蛛は、高さ9フィート (3 m)、脚の長さ18フィート (5 m)で、それぞれを別のチームのメンバーが制御しなければならなかった。アラゴグ全体の重さは4分の3トンある[28]。アニマトロニクスのアラゴグをセットで操作するには、15人以上の人手が必要だった[33]

暴れ柳の場面には、プラクティカル・エフェクト[注 2]と視覚効果の組み合わせが必要だった。特殊効果スーパーバイザーのジョン・リチャードソンと彼のチームは、空飛ぶ車にぶつけるために機械操作の枝を作った[34]。シェパートン・スタジオには3分の1スケールのセットが組み立てられ、100フィート (30 m)以上の高さに見えるよう遠近感を強調し木の上部3分の1が実物大で作られた。中庭と木は3Dで作られました。中庭と木は3Dで作られた。一部のショットはすべてデジタルで行われた[31][35]。Jarrett氏は、この場面の「最大の課題」はレンダリングであったと指摘し、「あまりにも多くのことが起こっていた。本当に膨大な量だった。[35]」と理由を挙げた。

音楽

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前作の作曲を担当したジョン・ウィリアムズが、『ハリー・ポッターと秘密の部屋』の作曲をするため戻ってきた。ウィリアムズは『スター・ウォーズ エピソード2/クローンの攻撃英語版』と『マイノリティ・リポート』の作曲を完了し、『キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン英語版』の作曲に取り掛かるところだったため、本作の作曲は難しいことが判った。そのため、ウィリアム・ロス英語版を起用し、ウィリアムズが機会があるたびに作曲していた素材に『賢者の石』のテーマを編曲してもらうことにした[36]。サウンドトラック・アルバムは2002年11月12日に発売された[37]

配給

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マーケティング

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この映画の映像は2002年の夏にオンラインで公開され始め、映画館では「スクービー・ドゥー」の公開と同時に特報が公開された[38]。この映画を基にしたビデオゲーム英語版が2002年11月初旬にエレクトロニック・アーツからゲームキューブPlayStation 2Xboxなど複数のゲーム機で発売された[39]。また前作で決めた販売計画の成功を継続し、タイアップ商品であるレゴの「秘密の部屋」が品薄になったとの報道があった[40]

映像ソフト

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この映画は、VHSテープと、拡大された場面や削除された場面、インタビューを含むフルスクリーン/ワイドスクリーンデジパック仕様2枚組特別版DVDの両方が、イギリス、アメリカ、およびカナダで2003年4月11日に最初に発売された[41]。2007年12月11日にはBlu-ray版が発売された[42]。2009年12月8日には、新しい映像、テレビ・コマーシャル、削除された場面を編集した拡大版、および長編スペシャル「Creating the World of Harry Potter Part 2: Characters」を収録したアルティメット・エディションが発売された[43]。拡大版の上映時間は約174分で、以前に一部のテレビ放送で上映されていた[44]

日本ではワーナー・ブラザース・ホームエンターテイメントよりブルーレイ、DVDが発売。

  • ハリー・ポッターと秘密の部屋 特別版(DVD2枚組、2003年4月25日発売)
  • ハリー・ポッターと秘密の部屋 1枚組版(DVD1枚組)
  • 【初回限定生産】ハリー・ポッター DVD特別版 ツインパック(4枚組)
  • ハリー・ポッターと秘密の部屋 ブルーレイ(1枚組)
  • 【数量限定生産】ハリー・ポッターと秘密の部屋 ブルーレイ アルティメット・コレクターズ・エディション(3枚組、2009年12月23日発売)
  • 【数量限定生産】ハリー・ポッターと秘密の部屋 DVD アルティメット・コレクターズ・エディション(4枚組、2009年12月23日発売)
  • ハリー・ポッターと秘密の部屋 コレクターズ・エディション(Blu-ray版:3枚組 / DVD版:4枚組、2016年3月23日発売)
  • ハリー・ポッターと秘密の部屋 〈4K ULTRA HD&ブルーレイセット〉(3枚組、2017年12月20日発売)

評判

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興行成績

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『ハリー・ポッターと秘密の部屋』は、2002年11月3日にオデオン・レスター・スクエア英語版世界初公開され[45]、2002年11月15日にイギリスとアメリカで公開された[46]。この映画は公開と同時に複数の記録を更新した。北米では、この映画は公開初週の週末、3,682の映画館で8,840万ドルの興行収入を記録し、『スパイダーマン』、『ハリー・ポッターと賢者の石』に次いで当時3番目に大きな開演となった[47]。また、連続しない2週間の週末で興行収入首位を獲得した[48]。イギリスでは、この映画はそれまで『賢者の石』が持っていたオープニング記録をすべて破った。試写会を含むオープニングで1890万ポンド(1ポンド191.01円換算で約36億1009万円)、試写会を除くと1090万ポンド(同20億8201万円)の興行収入を記録した[49]。イギリスでの興行収入は5,480万ポンドで、これは当時、イギリスでの歴代興行収入の第5位だった[50]

この映画は全世界で合計8億7,900万ドルの興行収入を記録した[51][52]。これは『ロード・オブ・ザ・リング/二つの塔』に次いで、2002年の全世界での興行収入の第2位であり[53]、また『スパイダーマン』、『二つの塔』、『スター・ウォーズ エピソード2/クローンの攻撃』に次いで、2億6,200万ドルで同年の北米における興行収入の第4位を記録した[54]。しかしアメリカ以外ではこの年の第1位の映画であり、『二つの塔』の5億8,450万ドルに対し、6億1,700万ドルを記録した[55]

批評家の反応

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Rotten Tomatoesでは、この映画は238件のレビューに対して82%の支持率を得ており、平均評価は7.2/10となっている。Rotten Tomatoesの「批評家の総意(CRITICS CONSENSUS)」は「若い観客にとってはより魅力的かもしれないが、『秘密の部屋』は前作よりも暗いが活気があり、第1作の世界観を広げ向上させている。」と解釈している[56]Metacriticでは、35人の批評家による加重平均得点が100点満点中63点であり、「おおむね好意的な評価」となっている[57]CinemaScoreによる調査では観客はハリー・ポッターシリーズの中で唯一「A+」を与えた[58]

ロジャー・イーバートは、『秘密の部屋』に4つ星中の星4つを与え、特にセットデザインを賞賛した[59]。「エンターテインメント・ウィークリー誌」は、この映画が前作より優れており、より暗いと称賛した。「そしてその中でも今回の『ハリーポッター』が非常にうまくいっているのは、観客にとって、より暗く、より恐ろしい雰囲気を深めていることだ。これは本来あるべき姿だ。ハリーの物語は、より暗くなると考えられる。」[60]リチャード・ローパーは、コロンバス監督の演出と映画が原作に忠実であることを称賛し、次のように述べている。「クリス・コロンバス監督は、物語に忠実というだけでなく、それを映画の時代に合わせた本当に素晴らしい仕事をしています。」[61]バラエティ誌は、この映画は過度に長いが、より暗く劇的だと称賛し、原作とは別に映画独自の命を与える自信と見え隠れする才能は『賢者の石』が成し得なかったものだと述べている[62]。『ニューヨーク・タイムズ』のA・O・スコットはこう述べている。「興奮を感じるのではなく、打ちのめされ、疲れ果てたように感じるかもしれないが、最終的にはそれほどひどく失望することはないだろう。」[63]

ローリング・ストーン」誌のピーター・トラヴァースは、この映画は長すぎて原作に忠実すぎると非難した。「またしても、クリス・コロンバス監督はローリングにかしこまって、創造性を抑え込み、3時間近くも映画を引きずらせた」と[64]。「ロサンゼルス・タイムズ」のケネス・トゥーラン英語版は、「既視感の繰り返しで、あなたが第1作についてどういう意見を持っていても、それが賛成でも反対でも、この作品の感想になりそう」といい、この映画を陳腐な展開とみなしている[65]

受賞歴

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『秘密の部屋』は、英国アカデミー賞の3部門、プロダクションデザイン賞英語版音響賞英語版、および視覚効果賞英語版)にノミネートされた[66]。この映画は6つのサターン賞にもノミネートされた[67]。また、第1回視覚効果協会賞では2つの賞にノミネートされた[68]放送映画批評家協会英語版は、ファミリー映画賞作曲賞英語版を授与し[69]、デジタル演技賞(トビー・ジョーンズ)にもノミネートされた[70]

授賞式の日付 部門 受賞者 結果 Ref.
アマンダ賞英語版 2003年8月22日 Best Foreign Feature Film ハリー・ポッターと秘密の部屋 ノミネート [71]
ボギー賞英語版 2002 Bogey Award in Platinum ハリー・ポッターと秘密の部屋 受賞 [72]
英国アカデミー賞 2003年2月23日英語版 プロダクションデザイン賞英語版 スチュアート・クレイグ ノミネート [66]
音響賞英語版 ランディ・トム, Dennis Leonard, John Midgley, Ray Merrin, Graham Daniel and リック・クライン ノミネート
視覚効果賞英語版 Jim Mitchell, ニック・デイヴィス, ジョン・リチャードソン, Bill George and Nick Dudman ノミネート
クリティクス・チョイス・アワード 2003年1月17日 ファミリー映画賞 ハリー・ポッターと秘密の部屋 受賞 [69]
作曲賞英語版 ジョン・ウィリアムズ 受賞
デジタル演技賞 トビー・ジョーンズ ノミネート [70]
Broadcast Music Incorporated Film & TV Awards英語版 2003年5月14日 BMI Film Music Award ジョン・ウィリアムズ 受賞 [73]
ゴールデン・リール賞英語版 2003年3月22日 Best Sound Editing – Foreign Film英語版 ランディ・トム, Dennis Leonard, Derek Trigg, Martin Cantwell, Andy Kennedy, Colin Ritchie, Nick Lowe ノミネート [74]
GoldSpirit Awards英語版 2003 Best Recording Edition ジョン・ウィリアムズ bronze [75]
Best Sci-Fi/Fantasy Theme bronze
グラミー賞 2004年2月8日 映画・テレビサウンドトラック部門 ジョン・ウィリアムズ ノミネート [76]
ヒューゴー賞 2003年8月28日 - 9月1日 映像部門 長編部門 ハリー・ポッターと秘密の部屋 ノミネート [77]
日本アカデミー賞 2003年3月7日 外国作品賞 ハリー・ポッターと秘密の部屋 ノミネート [78]
ニコロデオン・キッズ・チョイス・アワード 2003年4月12日英語版 Kids' Choice Award for Favorite Movie英語版 ハリー・ポッターと秘密の部屋 ノミネート [79]
ロンドン映画批評家協会賞 2003年2月12日英語版 British Supporting Actor of the Year ケネス・ブラナー 受賞 [80]
MTVムービーアワード 2003年5月31日英語版 Best Virtual Performance トビー・ジョーンズ ノミネート [81]
オンライン映画批評家協会 2003年1月6日英語版 Best Visual Effects英語版 ジョン・リチャードソン ノミネート [82]
サターン賞 2003年5月18日英語版 ファンタジー映画賞 ハリー・ポッターと秘密の部屋 ノミネート [67]
若手俳優賞 ダニエル・ラドクリフ ノミネート
監督賞 クリス・コロンバス ノミネート
衣装デザイン賞 リンディ・ヘミングス ノミネート
メイクアップ賞 Nick Dudman, Amanda Knight ノミネート
特殊効果賞 John Mitchell, ニック・デイヴィス, ジョン・リチャードソン, Bill George ノミネート
スティンカーズ最悪映画賞英語版 2003年3月16日英語版 Most Annoying Non-Human Character 屋敷しもべ妖精のドビー ノミネート [83]
視覚効果協会 2003年2月19日英語版 Best Character Animation in a Live Action Motion Picture "Dobby's Face" – David Andrews, Steve Rawlins, Frank Gravatt, Douglas Smythe ノミネート [68]
Best Compositing in a Motion Picture "Quidditch Match" – Dorne Huebler, Barbara Brennan, Jay Cooper, Kimberly Lashbrook ノミネート

テレビ放映

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回数 放送局 放送枠 放送日 放送時間 放送分数 平均世帯
視聴率
備考
1 日本テレビ 金曜ロードショー 2005年12月2日 20:00 - 23:19 199分 21.7% 地上波初放送
ノーカット
88分拡大、63分繰上げ
2 TBS (なし) 2007年7月25日 19:45 - 22:48 183分 15.7% 69分拡大
3 フジテレビ 土曜プレミアム 2008年3月29日 20:03 - 23:10 12.1% 57分拡大、57分繰上げ
4 テレビ朝日 日曜洋画劇場 2010年11月21日 21:00 - 23:39 159分 45分拡大
5 日本テレビ 金曜ロードSHOW! 2013年3月22日 21:00 - 23:29 149分 11.2% 35分拡大
6 2015年5月29日 21:00 - 23:24 144分 15.5% 30分拡大
7 2016年12月2日 10.2%
8 2020年10月30日 10.1%
9 金曜ロードショー 2024年1月19日 7.3%
  • 視聴率はビデオリサーチ調べ、関東地区・世帯・リアルタイム。

脚注

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注釈

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  1. ^ 切れ目のない連続した場面
  2. ^ 実際に撮影した特殊効果

出典

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  1. ^ a b Harry Potter And The Chamber Of Secrets (2002)”. Box Office Mojo. 2022年8月13日閲覧。
  2. ^ 『キネマ旬報ベスト・テン85回全史 1924-2011』(キネマ旬報社、2012年)630頁
  3. ^ 歴代ランキング”. 興行通信社 (2022年8月7日). 2022年8月15日閲覧。
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外部リンク

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