コンテンツにスキップ

英文维基 | 中文维基 | 日文维基 | 草榴社区

タニワタリノキ連

この記事は良質な記事に選ばれています
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
タマバナノキから転送)
タニワタリノキ連
クビナガタマバナノキ Neolamarckia cadamba
分類APG IV
: 植物界 Plantae
階級なし : 被子植物 angiosperms
階級なし : 真正双子葉類 eudicots
階級なし : コア真正双子葉類 core eudicots
階級なし : キク上群 superasterids
階級なし : キク類 asterids
階級なし : シソ類 lamiids
: リンドウ目 Gentianales
: アカネ科 Rubiaceae
亜科 : キナノキ亜科 Cinchonoideae
: タニワタリノキ連 Naucleeae
学名
Naucleeae Kostel.
タイプ属
Nauclea L.
和名
タニワタリノキ連

タニワタリノキ連(タニワタリノキれん; Naucleeae[1][2]は、アカネ科[注 1]の一つである。

形態的には頭状花特徴とする。この連のうち日本産の植物が含まれる属は木本高木および低木)からなるタニワタリノキ属Adina)とつる植物(藤本)からなるカギカズラ属Uncaria)である。一時は26属194種となったが、2014年5月に発表された見直しにより17属へと統合された[3]。また、2023年にはヤマタマガサ属 Cephalanthus の一種 Cephalanthus natalensis から新属 Sylvainia が設立された[4][注 2]。一部の種には分類変更に関わった学者が標本を同連内の別属のものと誤同定したことが原因で、140年間使用されてきた学名の妥当性が揺らいだものも存在する[注 3]

系統上の位置

[編集]

タニワタリノキ連が属するアカネ科 Rubiaceae は約600属約13000種からなる科であり[5]、これらの属を細かくまとめる分類階級として科と属との間に2–3の亜科、その下にいくつものが設けられてきた。タニワタリノキ連はキナノキ亜科 Cinchonoideae に属し、キナモドキ連 Hymenodictyeae と姉妹群をなす[3][6]

Manns & Bremer (2010) によるキナノキ亜科内部の系統関係は以下の通りである。

キナノキ亜科

キナノキ連 Cinchoneae

Isertieae

タニワタリノキ連 Naucleeae

キナモドキ連 Hymenodictyeae

ベニマツリ連 Rondeletieae

ハテルマギリ連 Guettardeae

Hillieae

Hamelieae

Chione

Colleteria

Chiococceae

Cinchonoideae

形態

[編集]

この連に属する種は基本的に木本だが曲がった腋生の刺を有するつる植物も含まれており、多数の花が密集する球状の頭状花を特徴とする[1][4][7]Haviland (1897)判別文では、多数の花からなる球状の花序をつけ、長い花冠筒を持つ漏斗形花冠で、敷石状または覆瓦状花冠裂片を持ち、雌蕊は突出した花柱と全体的に頭状か2裂した柱頭、2子房、線形の胎座、そして1から多数の胚珠を含む、と記述されている[4]

分布

[編集]

分布は世界の熱帯-亜熱帯であり、北アメリカでは温帯にまで見られる[2]アメリカヤマタマガサ Cephalanthus occidentalis)。

歴史

[編集]

所属する属の変遷

[編集]

タニワタリノキ連下に置くか否か

[編集]

植物の中で頭状花序を有するものの一部を一つのまとまりと見る動きは19世紀から見られるようになり、20世紀末からは従来の形態的な観点に加え、分子系統学的な方法による検討も重ねられるようになった。頭状花序を有するものの中でナウクレア属Nauclea)を基準(タイプ属)としたまとまりは、まず1820年にコンスタンティン・ラフィネスク英語版により Cephalantia亜科 Nauclidia[注 4] として提唱され、この時の内訳はヤマタマガサ属Cephalanthus)とナウクレア属のほか、現代ではアカネ亜科Rubioideaeヤエヤマアオキ連Morindeae)とされているヤエヤマアオキ属Morinda)の3属であった[9]。 現代において用いられている Naucleeae というの呼称は薬用植物に焦点を当てたヴィンツェンツ・フランツ・コステレツキー(1833年)[10]オランダ領インド(現在のインドネシア)の植物を対象としたフリードリッヒ・アントン・ヴィルヘルム・ミクェルの著作(1856年)[11]で現れる。現代における分類の原型となる定義を行ったのは Schumann (1891:55–60) で、この時のタニワタリノキ連の内訳は以下の9属であった。

なおこの時点ではヨヒンベノキ属Corynanthe)はキナノキ連Cinchoneae)とされた[15]。ともあれタニワタリノキ連にはこのように球形の頭状花序を特徴とする属が集められ、Verdcourt (1958) もこの枠組みを非常に自然なまとまりだと評価し、Wernham (1912)Airy Shaw (1973) などのように科階級に昇格させる動きさえ見られたこともあった[16][8]

ただ逆に言えば頭状花序を有するということぐらいしか共通性がなく、同様の特徴はアカネ科のほかのにも見られるとしてコリン・リズデイルスペイン語版はミトラガイナ属とカギカズラ属をタニワタリノキ連からキナノキ連に移して亜連英語版 Mitragyninae として括り、ヤマタマガサ属に関しては単独で連 Caphalantheae を為すとする措置を取った[16]。なおリズデイルは同時期において、ミトラガイナ属およびカギカズラ属に関しては胚珠や種子の配置という点がヨヒンベノキ属(Corynanthe および Pausinystalia)やキナモドキ属Hymenodictyon)と特徴が共通しているとも指摘を行っている[17]

その後は Andersson & Persson (1991) のように形態の面から広義のキナノキ連のうちヨヒンベノキ属、キナモドキ属、ミトラガイナ属、カギカズラ属をほか数属と共にヒョウタンカズラ連Coptosapelteae[注 8] に含める動きも見られた[18]

しかし1995年にスウェーデンウプサラ大学の研究チームがアカネ科の複数属から代表して1種ずつ選出し[注 9]、その葉緑体DNA英語版タンパク質コードに関わる遺伝子 rbcL のシークエンスに基づく科内の分子系統解析を試みたところ、キナノキ連の亜連 Mitragyninae側系統的でヤマタマガサ属[注 10]に至ってはほかのタニワタリノキ連と非常に近縁であるという分析結果が得られ、連 Cephalantheae や亜連 Mitragyninae の位置付けを支持する根拠は一切存在しないとまとめられた[19]。さらに21世紀に入ってからリボソームDNAのITS領域[注 11]、葉緑体DNAにおける rbcL 領域、そして葉緑体DNAにおいてコーディングを行わない trnT-F 領域の解析に形態的特徴を加味した検討も行われた結果、ヤマタマガサ属・ミトラガイナ属・カギカズラ属は再び、ヨヒンベノキ属もこの際に明確にタニワタリノキ連に置かれるようになった[21][22]

属の数の増減

[編集]

またこの連に関しては20世紀に属を細分化する動きが、そして21世紀以降は逆により少ない数の属にまとめる動きの両方が見られた。

一例として挙げられるのがマルバハナダマ属Neonauclea)の新設である。この属は1915年にエルマー・ドリュー・メリルがナウクレア属から分離する形で新設したものである[23]。ナウクレア属はそもそもリンネバンカルNauclea orientalis (L.) L.)を基準(タイプ種)として定義した属である[24]が、1915年当時までに慣習的にナウクレア属として扱われていた種が悉くリンネが定義したものとはかけ離れたものとなっており、その一方で本来ナウクレア属として扱うべき種がサルコセファルス属の下に置かれていたという事情が存在し、新属が必要となったのである[25]

さらなる属の細分化は1978年にリズデイルにより行われ、それまでタニワタリノキ属やナウクレア属に分類されていた種の一部を形態的な差異から Adinauclea 属、Diyaminauclea 属、Haldina 属、Khasiaclunea 属、Ludekia 属、Ochreinauclea 属、Pertusadina 属、ヘツカニガキ属(Sinoadina)といった8つの新属に細分した[26]

ただ形態的な差異といってもリズデイルは花粉に関しては考慮に入れていなかった。花粉や分子系統学的な観点も含めた検討が重ねられた結果、2014年に Adinauclea 属、Haldina 属、Metadina 属、Pertusadina 属、ヘツカニガキ属の5属がタニワタリノキ属に、Pausinystalia 属や Pseudocinchona 属がヨヒンベノキ属(Corynanthe)に、Fleroya 属がミトラガイナ属に、Burttdavya 属とサルコセファルス属の2属がナウクレア属に統合され、タニワタリノキ連として認められる属の数は17とされた[3]

まとめ

[編集]

最後にタニワタリノキ連、あるいはナウクレア属をタイプ属とする分類群として位置づけられた属の内訳を学者ごとにまとめておくこととする。なお、現代においてはタニワタリノキ連から除外されているものについては打ち消し線を引いてある。

Rafinesque (1820) Kosteletzky (1833) Miquel (1856) Schumann (1891) Ridsdale (1978b) Razafimandimbison & Bremer (2002) Löfstrand et al. (2014)
  • ナウクレア属
  • カギカズラ属
  • ヤマタマガサ属
  • Lecananthus[注 13]
  • ナウクレア属
  • クビナガタマバナノキ属[注 14]
  • サルコセファルス属
  • カギカズラ属
  • タニワタリノキ属
  • ブレオニア属
  • ヤマタマガサ属
  • ミトラガイナ属
  • ナウクレア属
  • クビナガタマバナノキ属[注 14]
  • Paracephaelis
  • サルコセファルス属
  • カギカズラ属[注 15]
  • タニワタリノキ属
  • Adinauclea
  • Breonadia
  • ブレオニア属
  • Burttdavya
  • Diyaminauclea
  • Gyrostipula
  • Janotia
  • Khasiaclunea
  • Ludekia
  • Metadina
  • ミルメコナウクレア属
  • ナウクレア属
  • Neobreonia[注 16]
  • クビナガタマバナノキ属[注 14]
  • マルバハナダマ属
  • Ochreinauclea
  • Pertusadina
  • サルコセファルス属
  • ヘツカニガキ属
  • カギカズラ属

  • タニワタリノキ属
  • Adinauclea
  • Breonadia
  • ブレオニア属
  • Burttdavya
  • ヤマタマガサ属
  • Corynanthe
  • Gyrostipula
  • Janotia
  • Ludekia
  • Metadina
  • ミトラガイナ属
  • ミルメコナウクレア属
  • ナウクレア属
  • クビナガタマバナノキ属
  • マルバハナダマ属
  • Ochreinauclea
  • Pausinystalia
  • Pseudocinchona
  • Pertusadina
  • サルコセファルス属
  • ヘツカニガキ属
  • カギカズラ属


Diyaminauclea 属と Khasiaclunea 属に関しては実験用検体の確保ができず、判断が保留されている。
  • タニワタリノキ属
  • Breonadia
  • ブレオニア属
  • ヤマタマガサ属
  • ヨヒンベノキ属
  • Diyaminauclea
  • Gyrostipula
  • Janotia
  • Khasiaclunea
  • Ludekia
  • ミトラガイナ属
  • ミルメコナウクレア属
  • ナウクレア属
  • クビナガタマバナノキ属
  • マルバハナダマ属
  • Ochreinauclea
  • カギカズラ属

下位分類

[編集]

初めに下位分類である亜連および属の系統関係を、次に特徴から属を割り出す#検索表を示し、その後にラテン文字順の#各属の詳細とともに分布情報と属ごとの主要な種や本記事中の他の箇所で言及を行った種(20種以下の場合は全種)をいくつか示すこととする。

系統関係

[編集]

タニワタリノキ連には CephalanthinaeMytragyninaeタニワタリノキ亜連[29]Adininae)、BreoniinaeCorynantheinaeUncariinae そして Naucleinae の7つの亜連が認識され、それぞれ単系統群であることが分子系統解析でも強く支持されている[3]。また、含まれる属のうちマルバハナダマ属 Neonauclea およびブレオニア属 Breonia側系統群である[3]

以下に Löfstrand et al. (2014) の分子系統解析に基づく分岐図を示す。なお、当時区別されていなかった Sylvainia 属については Cephalanthus natalensis として解析に含められているため図中に示す。タニワタリノキ亜連の Khasiaclunea 属および Diyaminauclea 属はこの解析に含められていないため図中に示すことはできないが、恐らくそれぞれタニワタリノキ属 Adina とマルバハナダマ属 Neonauclea に内包されると考えられている[3]

タニワタリノキ連

Sylvainia

ヤマタマガサ属 Cephalanthus

Cephalanthinae

ミトラガイナ属 Mitragyna

Mytragyninae
タニワタリノキ亜連
タニワタリノキ属

ヘツカニガキ Adina racemosa (≡Sinoadina)

ハルドゥ Adina cordifolia (≡Haldina)

タニワタリノキ属 Adina

Adina s.l.

Neonauclea brassii S.Moore

Ludekia

マルバハナダマ属 Neonauclea (3種)[注 17]

Ochreinauclea

ミルメコナウクレア属 Myrmeconauclea

マルバハナダマ属 Neonauclea (6種)[注 18]

Neonauclea clade
Adininae

Breonadia

ブレオニア属 Breonia Clade A

ブレオニア属 Breonia Clade B

Janotia

Gyrostipula

Breoniinae

ヨヒンベノキ属 Corynanthe

Corynantheinae

カギカズラ属 Uncaria

Uncariinae

クビナガタマバナノキ属 Neolamarckia

ナウクレア属 Nauclea s.l.

Naucleinae
Naucleeae

検索表

[編集]

最初に Ridsdale & Bakhuizen van den Brink (1975:543–544) における検索表のうち一部を、次いで Ridsdale (1978b:320–323) における検索表の全体を示す。どちらもコリン・リズデイルが設定に携わったものであるが、それぞれが対象とする属や地域の範囲に差異があるため、2種類の検索表を個別に示すこととする。また、最後に当時区別されていなかった Sylvainia とヤマタマガサ属については、Romero, Gonzalez & Salas (2023:90) による検索表を加えた。

Ridsdale & Bakhuizen van den Brink (1975): アフリカおよびマダガスカルのタニワタリノキ連(他地域の種に関しても考慮に入れられている)。ただしこの時ヤマタマガサ属Cephalanthus)・ミトラガイナ属Mitragyna)・カギカズラ属Uncaria)の3属とそれ以外のもの(リズデイルのいう「狭義のタニワタリノキ連」)とを区別する措置が取られている。またこの時点でタニワタリノキ連に含まれていなかったヨヒンベノキ属Corynanthe; シノニム: Pausinystalia)に関しては、ミトラガイナ属やカギカズラ属との比較が行われた事例が存在する。その詳細はヨヒンベノキ属#他属との違いを参照。

  • 1.
    • 1a. 2つの胎座が隔壁に様々な接し方をする; 上部3分の1で接している場合は2本の短い上向きの腕と長い下向きの足でY字形となっているか、あるいは小さく短い倒卵状の突起である; 中間で隔壁に接している場合は中央に結合部のある円盤状か、あるいは長楕円形からわずかに2裂し枝分かれがない; 胎座の色は淡色である; 胎座ごとの胚珠や種子が下垂する(こちらの方が優勢)か、あるいは全方向にだだ広がり、決して胎座の全長に沿って上向きに重なり合う覆瓦状とはならない。小果が花托上で結合せずに内果皮が下から上に向かって裂けるか、あるいは緩く結合して非裂開性となるか、あるいは複数の子房と複数の小果が融合して(擬似的な)集合果となる。花冠裂片が覆瓦状に重なり合う(アジアやマレー群島区系では重なり合わないものもある)。……3. へ
    • 1b. 2つの胎座は隔壁に沿着するか、あるいは上部3分の1で接し、長く、下垂し、厚く、暗褐色から黒色; 胎座ごとの胚珠や種子は胎座全体に沿って上向きの覆瓦状に重なり合う。小果は花托上で結合せず、果実の内果皮は上から下に向かって裂ける。花冠裂片は互いに重ならずに接し合う敷石状である。……2. へ
  • 2.[注 19]
    • 2a. つる性で、短い花軸が鉤爪となり、種子が翼つきで長い尾を有し、尾の一つが2つに分かれる。…… カギカズラ属
    • 2b. 高木性で、短い花軸は鉤爪とはならない; 種子に翼はあるが尾は長くなく、尾の一つには時に浅く刻み目がつく。…… ミトラガイナ属
  • 3.
    • 3a. 胚珠が単一で、珠柄しゅへいによく発達した仮種皮が見られる。…… Chephalanthinae 亜連[注 20]
    • 3b. 胚珠は単一から多数で、仮種皮は存在しない。……「狭義のタニワタリノキ連」
タニワタリノキ連の托葉の形状の例
上段: 左から順に Neonauclea lanceolata (2倍)、Neonauclea solomonensis (2倍)、クビナガタマバナノキ (1倍); 下段: 左から順にタニワタリノキ (1倍)、Adina malaccensis (3.5倍)、Adina eurhyncha (3.5倍)、Ludekia borneensis (3.5倍)[30]
タニワタリノキ連の胎座の類型(下段は略図)
上段全て: クビナガタマバナノキ; 下段: 左から順にタニワタリノキ亜連[注 21]Ochreinauclea 属、ネグロモモあるいはシボ、Nauclea nyasica、ナウクレア属、ナウクレア属[32]
タニワタリノキ連の果実の類型
上段左2つ: 集合果(ナウクレア属)、1倍; 上段右2つおよび中段左: 擬似的な集合果(ミルメコナウクレア属)、全て0.5倍; 中段右: 擬似的な集合果(Ochreinauclea 属)、0.5倍; 下段左: 早落性の萼を有する癒合しない小果(Ludekia 属)、7倍; 下段右: 宿存萼を有する癒合しない小果(タニワタリノキ属[注 22])、7倍[33]

Ridsdale (1978b): 全世界の「狭義のタニワタリノキ連」 (Razafimandimbison & Bremer (2002) からヤマタマガサ属・ミトラガイナ属・カギカズラ属・ヨヒンベノキ属を除いたもの)。一部の属に関しては今日では受容されていないものや、受容されていても構成種の内訳が今日受容されているものとは異なるものがある為、その都度注釈で詳細な説明を行うこととする。

  • 1.
    • 1a. 花托筒英語版や小果の集合は癒合しない(参照: 右側の果実の図、下段)。…… 8.
    • 1b. 花托筒や小果の集合は最初から癒合し集合果となる(参照: 右側の果実の図、上段左2つ)か、花や若い果実の段階で癒合するか、もしくは結合して擬似的な集合果 (pseudosyncarp) を為す(参照: 右側の果実の図、上段右2つおよび中段)。…… 2.
  • 2.
  • 3.[注 23]
  • 4.
    • 4a. 頭状花あるいは若い果序が擬似的な集合果となり、子房壁と隣接する節ではっきりと認められる。柱頭が紡錘形となる(Ochreinauclea 属の場合)か球形となる。種子が翼つきで、時に長い尾が見られる。…… 7.
    • 4b. 頭状花や果序は真正の癒合した集合果となるか、見かけ上そのようになり(Ochreinauclea 属の場合)、子房壁と隣接する節でははっきりとは認められない。柱頭は紡錘形である。種子は卵状から楕円状で、翼はついているものとそうでないものとがあり、長い尾は決して見られない。…… 5.
  • 5.
    • 5a. 栄養成長性の頂芽が角錐状から幾ばくか扁平である。托葉が超広三角形か短く鈍頭で、準宿存性である。胎座は隔壁の中心に接着し(右図を参照)、幾ばくか円盤状である。アフリカに分布する。…… ネグロモモ(Nauclea latifolia)およびシボ(Nauclea pobeguinii[注 27]
    • 5b. 栄養成長性の頂芽は扁平か、円錐状から角錐状(ただしこの場合アフリカには分布せず)である。托葉は卵形、楕円形、もしくは倒卵形、はたまた多少狭三角形(アフリカには見られない)、脱落性か準宿存性である。胎座(右図を参照)は隔壁の上部3分の1に接着し、Y字形か、あるいは隔壁の中心に接着し心臓形であるがこの場合アフリカには分布しない。大陸アジア、マレー群島区系、アフリカに分布する。…… 6.
  • 6.
    • 6a. 栄養成長性の頂芽は扁平で、まれに幾分か狭三角形で強く竜骨状となり、見かけは幾ばくか円錐状となり、この場合に托葉は濃く細軟毛が見られる。托葉が芽においては圧着しており、(狭)楕円形から倒卵形、まれに多少狭三角形で、無毛から濃く細軟毛つきで、竜骨状となるものやならないものがあり、ふつう脱落性である。萼片は短く、鈍頭かへら形で、宿存性である。種子が卵状から楕円状で、時に弱く偏平であり、翼はない。大陸アフリカ、大陸アジア、マレー群島区系に分布。…… ナウクレア属
    • 6b. 栄養成長性の頂芽は円錐状から角錐状である。托葉は芽において半跨状[注 28]で、狭三角形から長楕円形、無毛であり、竜骨状とはならない。萼片は長楕円状三角形状で、宿存性である。種子は翼を有する。大陸アジア、マレー群島区系に分布。…… Ochreinauclea
  • 7.
    • 7a. 栄養成長性の頂芽が円錐状から角錐状である。托葉が芽において半跨状[注 28]で、狭三角形から長楕円形である。萼片は長楕円状三角形状で、宿存性である。柱頭が紡錘形である。胎座が心臓形で、隔壁の中心に接着する。種子が翼を有するが長い尾は見られない。…… Ochreinauclea
    • 7b. 栄養成長性の頂芽は扁平。托葉は芽において圧着しており、楕円形から卵状長楕円形(卵状披針形)である。萼片には棍棒形から倒円錐形の脱落性の先端部分が認められる。柱頭は球形である。胎座は小さな倒卵状の突起が隔壁の上部3分の1に接着する。種子は翼を持ち、腹面の翼は長い尾つきで、最短でも中央部分の長さの5倍はある。…… ミルメコナウクレア属
  • 8.
    • 8a. 柱頭が球形か倒卵状から(倒卵状)棍棒形(まれに多少三角状)で、時に稜がある。胎座(右図を参照)は短い倒卵状の突起が隔壁の上部3分の1に接着している。種子は扁平で、3つ角の突起があるか翼があり、この場合は時に長い尾が見られる。…… 11.
    • 8b. 柱頭は紡錘形である。胎座(右図を参照)は心臓形から線状長楕円形からわずかに2裂し、隔壁の中心に接するか沿着する; あるいは胎座は「┤」の形かY字状で隔壁の上部3分の1に接着している。種子は卵状から楕円状、三角形状あるいは扁平で翼を持つ。…… 9.
  • 9.
    • 9a. 胎座が心臓形であり、細い茎により隔壁の中心に接着する。花托筒や小果が擬似的な集合果を形成し、小果は落ちた果実では分裂している。種子が扁平で、翼を持つ。大陸アジアおよびマレー群島区系に分布。…… Ochreinauclea
    • 9b. 胎座は線状長楕円形からわずかに2裂し隔壁の中心部に沿着するアフリカ産のもの、あるいは胎座は「┤」の形かY字形で隔壁の上部3分の1に接着するアジア産もしくはマレー群島区系産のものである。小果は非裂開性である。種子は卵状から楕円状あるいは三角形状で、翼は持たない。…… 10.
  • 10.
    • 10a. 栄養成長性の頂芽が円錐形; 托葉が芽においては半跨状[注 28]、狭三角形である。子房の上部が4室で中空・白色・軟骨質の構造物を有する(右の胎座の図版上段を参照); あるいは子房は全体にわたって2室であり、4個のガラス質構造物を内容物として含む。大陸アジアおよびマレー群島区系に分布。…… クビナガタマバナノキ属[注 29]
    • 10b. 栄養成長性の頂芽は扁平; 托葉は芽においては圧着しており、卵形である。子房は2室であり、肥大化した構造物は持たない。アフリカに分布。…… Nauclea nyasica[注 30]
  • 11.
    • 11a. 頭状花が絶対に側生であるか、側生が優勢であり、時に短めの若枝上に頂生する。…… 23.
    • 11b. 頭状花は絶対に頂生である。…… 12.
  • 12.
    • 12a. 花同士の間に小苞が存在する。…… 16.
    • 12b. 花同士の間に小苞は存在しない。…… 13.
  • 13.
    • 13a. 栄養成長性の頂芽が強く扁平である; 托葉が楕円形から倒卵形である。…… 15.
    • 13b. 栄養成長性の頂芽は円錐形である; 托葉は狭三角形から長楕円状披針形である。…… 14.
  • 14.
    • 14a. 頭状花がふつう6個以上; 萼の直径が(3–)5–8 mm、花冠の直径が10–15 mm。柱頭が縦方向の稜つきで、必ず大量の花粉で覆われる。萼片が楕円状披針形から剣状もしくはへら状となり、先端部分は脱落性あるいは半宿存性で、若い頭状花の際は未熟な花冠よりも短い。ボルネオフィリピンに分布。…… Ludekia
    • 14b. 頭状花は1–3(–5)個; 萼の直径は8 mm を超え、花冠の直径は15 mm を超える。柱頭は平滑で、さほど大量の花粉に覆われてはいない。萼片ははっきり膨れた倒三角形からへら状もしくは幾ばくか棍棒状で先端部分は脱落性、若い頭状花の際は未熟な花冠よりも長く、花冠を覆い隠す。ニューギニアモルッカ諸島に分布。…… マルバハナダマ属
  • 15.
    • 15a. 花托筒や小果が絶対に癒合しない。種子の腹面の翼が中央部分の長さの3倍以下である。低木や高木であり、時に渓流沿いに生育する。…… マルバハナダマ属
    • 15b. 花托筒は癒合せず、早期結実の段階で緩く合着しだして擬似的な集合果を形成し、熟した小果は互いを繋ぐ繊維の腐敗により分離していく。種子の腹面の翼は中央部分の長さの5倍を超える。大半が流水に生育し、時に高木性である。…… ミルメコナウクレア属
  • 16.
    • 16a. 花同士の間の小苞が糸状から糸状棍棒形からへら形である。…… 18.
    • 16b. 花同士の間の小苞は円錐形、光沢があり、無毛である。…… 17.
  • 17.
    • 17a. 萼片が長い倒三角状からへら状もしくは幾ばくか棍棒形の脱落性の先端部分を有する。スリランカには分布しない。…… マルバハナダマ属
    • 17b. 萼片は楕円状矩形で、脱落性の先端部分は持たない。スリランカに分布。…… Diyaminauclea
  • 18.
    • 18a. 栄養成長性の頂芽が強く扁平とはならず、角錐状から円錐状となるか、あるいは曖昧な形となり、托葉で緩く囲われる(ヘツカニガキには見られない)。托葉が全縁か浅く刻み目つきから深く2裂となる。花冠裂片が重なり合わない敷石状で、時に先端が(やや)覆瓦状となって重なり合う。…… 20.[注 31]
    • 18b. 栄養成長性の頂芽は強く扁平となる。托葉は全縁。花冠裂片は重なり合う覆瓦状か重なり合わない敷石状で、先端はほぼ覆瓦状である。…… 19.
  • 19.
    • 19a. 萼片が極めて短く、鈍頭である。花冠裂片が重なり合う覆瓦状である。インド北東部、ビルマに分布。…… Khasiaclunea
    • 19b. 萼片は楕円状矩形。花冠裂片は重なり合わない敷石状であるが、先端ではほぼ覆瓦状である。モルッカ諸島に分布。…… Adina fagifolia (Teijsm. & Binn. ex Havil.) Valeton ex Merr.[注 32]
  • 20.[注 31]
    • 20a. 栄養成長性の頂芽が曖昧な形で、緩く托葉に囲われる。托葉が長さの3分の2を超えて深く2裂する。頭状花が単一で、まれに7個以下のものもあり、単密錐花序[注 33]様となる。胚珠が各室につき4個以下である。…… タニワタリノキ属[注 22]
    • 20b. 栄養成長性の頂芽は(知られている限りでは)角錐形から円錐形。托葉は超広三角形から狭三角形もしくは長楕円形、時に先端に浅い刻み目が見られる。花序は多数の頭状花を持ち、概して8個以上である。胚珠は各室につき4–12個。…… 21.
  • 21.
    • 21a. 萼片が短く、鈍頭で、濃く長柔毛が生える。花冠筒にも長軟毛が密生する。頭状花が(1–)3–9(–13)個で、側花軸が分枝しない。日本台湾中国を横断してビルマ、タイ北東部に分布する。…… ヘツカニガキ[注 34]
    • 21b. 萼片は超広三角形から楕円状矩形、長軟毛はさほど濃くは生えない。花冠筒の軟毛もさほど濃くはなく、まれに粗粉のように軟毛が生えるものもあるが、その場合タイの半島部、モルッカ諸島、ニューギニアに分布するものに限られる。…… 22.
  • 22.
  • 23.
    • 23a. 花同士の間に小苞が存在する。…… 24.
    • 23b. 花同士の間に小苞は存在しない。マダガスカルに分布 …… 27.
  • 24.
    • 24a. 葉は、少なくとも主軸では、3輪生あるいは4輪生する。大陸アフリカとマダガスカルに分布。…… Breonadia
    • 24b. 葉は全て対生する。大陸アジアとマレー群島区系に分布。…… 25.[注 31]
  • 25.[注 31]
    • 25a. 栄養成長性の頂芽は扁平。托葉は全縁、軟毛あり、竜骨状、芽においては茎に圧着する。大陸アジアに分布。…… ハルドゥ[注 37]
    • 25b. 栄養成長性の頂芽は扁平とはならず、円錐形か曖昧な形状であり、緩く托葉に囲われる。托葉は全縁あるいは2裂、芽においては半跨状[注 28]で、多かれ少なかれ互いに離れている。大陸アジアおよびマレー群島区系に分布。…… 26.
  • 26.
  • 27.

Romero, Gonzalez & Salas (2023:90): ヤマタマガサ属と Sylvainia 属について、 Chephalanthinae 亜連の検索表を以下に示す

  • 1.
    • 1a. 植物体は直立し、増水時沈水するような環境下に生息する。葉は2–4輪生で、ダニ室はないか、ある場合毛束型またはポケット型である。托葉は向軸面に明色の粘液毛を持ち、頂端においてもしくは葉縁沿いに暗色の粘液毛を持つ。花序は密錐花序状の多出集散花序、小苞、萼には暗色の粘液毛がある。花冠は漏斗形または高坏形で、一様に白っぽく、裂片間の空洞には暗色の粘液毛が存在する。花冠裂片は無毛か細軟毛が生え、縁は襞状にならない。花冠筒内部は房毛が生える。雄蕊はほぼ無柄。果実は乾果で、自動散布や水散布を行う。種子には種子よりも長い顕著な仮種皮を持つ。 …… ヤマタマガサ属
    • 1b. 植物体は開けた草原の露岩では直立するが、森林内では登攀し、普通高平地の周期的に多湿だが洪水のない環境下に生育する。葉は対生で、小嚢型 (crypt) のダニ室を持つ。托葉の向軸面には明色の粘液毛を持つが、暗色の粘液毛は持たない。花序は団繖花序[注 39]を頂生する。苞、小苞、萼は暗色の粘液毛を欠く。花冠は筒状で、花冠筒は内部が無毛で、外側は粘液毛を欠き、赤っぽく、花喉で緑がかり、裂片は黒味がある。花冠裂片は外縁部が襞状になり、内部は細軟毛が生える。雄蕊はと同じかそれより長い花糸を持つ。果実は液果で、動物被食散布を行い、種子は種子長の半分よりも短い仮種皮を持つ。 …… Sylvainia

各属の詳細

[編集]

以下に各属の種数と特徴を簡潔に記す。特徴に関してはほぼ#検索表の内容の反復となるため、典拠情報は基本的に省略とする。

Adina

[編集]
タニワタリノキ(Adina pilulifera)の花(香港沙螺洞中国語版にて撮影)
(シノニム: Adinauclea RidsdaleHaldina RidsdalePertusadina RidsdaleSinoadina Ridsdale ヘツカニガキ属
集合果は成さず、花冠裂片が基本的には重なり合わない属。12種。日本にも分布するタニワタリノキAdina pilulifera (Lam.) Franch. ex Drake)やヘツカニガキAdina racemosa (Siebold & Zucc.) Miq.)がここに属する。それ以外の種の一覧は上記リンクを参照。

Breonadia

[編集]
熱帯アフリカ南部アフリカアラビア半島マダガスカルに分布する高木 Breonadia salicina (Vahl) Hepper & J.R.I.Wood 1種のみからなる属[37]。集合果を作らず、葉が輪生する。

Breonia

[編集]
Breonia taylorianaアイソタイプ(副基準標本)、キュー王立植物園所蔵: K000173926
(シノニム: Neobreonia Ridsdale
集合果を成し、頭状花が側生かつ柱頭が棍棒形から球形という特徴を有する。20種程度が知られるが、その全てがマダガスカルにのみ自生する[37]

Cephalanthus

[編集]
アメリカヤマタマガサ(Cephalanthus occidentalis)の花
胚珠が単一かつ胚珠と心皮の間の柄(珠柄)に発達した仮種皮が存在するという特徴を有する。6種が知られる[4]。葉は普通3輪生か4輪生で、稀に対生となる[4]。近縁な Sylvainia とは異なり、果実は乾果、特に分離果である[4]。今日の植物学における学名の出発点となっているリンネの『植物の種』初版 (1753年) に見られる属の一つでもある。

Corynanthe

[編集]
ヨヒンベノキ(Corynanthe johimbe)のタイプ標本の一つ。オランダ国立植物標本館所蔵: WAG0003014
(シノニム: Pausinystalia Pierre
重ならず敷石状となる花冠裂片、これを延長する無毛でよく発達した付属物、基部に接着し上向きに重なり合う覆瓦状の多数の胚珠、そして果実が蒴果であるといった特徴を有し[43]熱帯アフリカ西部からアンゴラにかけて7種が分布し[37]、アフリカ産木本性アカネ科属としては珍しく、全種が高木性[44]。この属に関する詳細は個別記事を参照。

Diyaminauclea

[編集]
Diyaminauclea zeylanica のタイプ標本の一つ。フランス国立自然史博物館所蔵: P01900234
スリランカにのみ見られる高木 Diyaminauclea zeylanica (Hook.f.) Ridsdale(Wikispecies) 1種のみからなる属[37]。集合果を作らず、頭状花は頂生、萼片は楕円状矩形で、先端部分は脱落性ではない。

Gyrostipula

[編集]
Gyrostipula foveolata のタイプ標本の一つ。フランス国立自然史博物館所蔵: P00553250
集合果を作らず、栄養成長性の頂芽は円錐状で、片巻き状托葉を伴い、花序は側生する[46]。3種。

Haldina

[編集]
ハルドゥ(Adina cordifolia; シノニム: Haldina cordifolia
  • Haldina Ridsdale
ハルドゥHaldina cordifolia (Roxb.) Ridsdale)1種のためにリズデイルが設けた属でミズーリ植物園系サイト Angiosperm Phylogeny Website では認められているが、Löfstrand et al. (2014) ではタニワタリノキ属に統合され、キュー王立植物園系データベースである POWO (2023) でもハルドゥは Adina cordifolia Roxb. として受容されているため、Haldina 属は採用されていない。

Janotia

[編集]
Janotia macrostipulaホロタイプ(正基準標本)。フランス国立自然史博物館所蔵: P00553251
マダガスカル中央部および南部に自生する高木 Janotia macrostipula (Capuron) J.-F.Leroy(Wikispecies) 1種のみからなる属[37]。集合果を作らず、栄養成長性の頂芽が強く扁平、圧着した托葉を伴い、花序は側生する[47]

Khasiaclunea

[編集]
Khasiaclunea oligocephalaホロタイプ(正基準標本)。キュー王立植物園所蔵: K000030892
ダージリンからビルマ北部にかけて分布する高木 Khasiaclunea oligocephala (Havil.) Ridsdale(Wikispecies) 1種のみからなる属[37]。集合果は作らず頭状花は頂生、萼片が極めて短くかつ鈍頭。

Ludekia

[編集]
Ludekia borneensis の図版[48]
集合果を作らず、頭状花は頂生で通例6個以上、柱頭に縦方向の稜が見られ(右図の右下を参照)、大量の花粉に覆われるという特徴を有する。2種からなる。

Metadina

[編集]
高木である Metadina trichotoma (Zoll. & Moritzi) Bakh.f.(インドのアッサム地方から中国南部およびニューギニアにかけて分布[37])1種からなる属であり、ミズーリ植物園系サイト Angiosperm Phylogeny Website では認められているが、Löfstrand et al. (2014) ではタニワタリノキ属に統合され、キュー王立植物園系データベースである POWO (2023) でも Adina trichotoma (Zoll. & Moritzi) Benth. & Hook.f. ex B.D.Jacks として受容されているため、Metadina 属は採用されていない。

Mitragyna

[編集]
Mitragyna parvifolia (Roxb.) Korth.
(シノニム: Fleroya Y.F.DengHallea J.-F.Leroy
柱頭部分が僧帽状で、室ごとに多数の胚珠が底面につく等の特徴を有し[50]熱帯アフリカ中国南部から熱帯アジアにかけてアヘンボクMitragyna speciosa (Korth.) Havil.)など10種の木本が分布する[37]。その他詳細は個別項目を参照。

Myrmeconauclea

[編集]
Myrmeconauclea strigosaマレーシアサラワク州にて撮影)
擬似的な集合果を形成し、頭状花は頂生し、柱頭が球形、種子背面に長い尾状の翼が見られ、構成種の大半が渓流沿い植物である。アリ植物であり、茎の一部(末端枝)が膨らんで、中空にしてアリを住まわせる[51][52][注 40]。4種。

Nauclea

[編集]
バンカル(Nauclea orientalis)の集合果
(シノニム: Burttdavya HoyleSarcocephalus Afzel. ex R.Br. サルコセファルス属[38]
1種(N. nyasica)を除き集合果を成すという特徴を有する。12種が知られる[37]米倉 (2019:202) では「タマバナノキ属」とされているが、コーナー & 渡辺 (1969:703) で「タマバナノキ」の和名が与えられている Nauclea maingayi Hook.f. は1978年にリズデイルにより別属に組み替えられて Ochreinauclea maingayi とされている[54]

Neolamarckia

[編集]
クビナガタマバナノキ(Neolamarckia cadamba
集合果は成さず、頭状花は頂生であり、子房下部が2室である一方、子房上部は4室で内部に中空な軟骨質の構造物を含む(クビナガタマバナノキ)、あるいは2室で内部に内容物としてガラス質の構造物を4個含む(N. macrophylla)といった特徴を有する[57]。2種が知られ、1984年になるまでは2種とも Anthocephalus という属名が用いられていた。この属名の使用が控えられるようになった経緯については#クビナガタマバナノキの学名の混乱を参照。

Neonauclea

[編集]
マルバハナダマ(Neonauclea truncata)、台湾にて撮影。
集合果を作らない木本性の属で、頭状花は頂生でふつう1–3個、萼片が倒三角形状からへら状もしくはやや棍棒形で先端部分が脱落性[59]。分布は熱帯アジアおよび亜熱帯アジアから太平洋地域南部にかけてであり、70種程度が知られる[37]

Ochreinauclea

[編集]
Ochreinauclea missionis
擬似的な集合果を形成する属で、胎座が心臓形で隔壁の中心につき、種子に翼が見られる(ただし長い尾状ではない)。2種が知られる。

Sinoadina

[編集]
ヘツカニガキ(Adina racemosa)の標本。正確にはシノニムの一つである A. mollifolia Hutch.アイソタイプ(副基準標本)。米国国立植物標本室英語版所蔵: US00130627
ビルマ北部からタイ北東部、中国南部から温帯東アジア(日本を含む)にかけて分布する[37] Sinoadina racemosa (Siebold & Zucc.) Ridsdale ヘツカニガキ[1]1種のためにリズデイルが設けた属[62]ミズーリ植物園系サイト Angiosperm Phylogeny Website では認められているが、Löfstrand et al. (2014) ではタニワタリノキ属(Adina)に統合され、キュー王立植物園系データベースである POWO (2023) でもヘツカニガキは Adina racemosa (Siebold & Zucc.) Miq. として受容されており、ヘツカニガキ属は採用されていない。

Sylvainia

[編集]
Sylvainia natalensis の花序、南アフリカ共和国ムプマランガ州にて撮影。
元はヤマタマガサ属 Cephalanthus に含められていたが、多くの形質や分布が異なるため、2023年に分離された[4]。ヤマタマガサ属は異なり、森林ではつる植物として振舞い、葉は5センチメートル以下で対生する[4]。花は1つの枝に頂生し、果実は肉質で動物により被食散布される[4]

Uncaria

[編集]
カギカズラ(Uncaria rhynchophylla
(シノニム: Ourouparia Aubl., nom. rej.
鉤爪状の突起を有するつる植物からなる属であり、種子に尾状の長い翼が見られる。分布は熱帯および亜熱帯であり、40種程度が知られる[37]

分類学における種の混同例

[編集]
オーストラリアのバンカル(Nauclea orientalis
クビナガタマバナノキの花

このタニワタリノキ連の範囲内でも全くの別種が混同されて扱われた例というものは多々存在するが、ここではその中でも学名の安定性に影響を及ぼした、あるいは学名を安定させるための根拠(タイプ)を指定する場合に俎上に上がったものを取り上げていくこととする。

「カトウ・チャカ」

[編集]

熱帯アジアからオーストラリア北部にかけて分布が見られる木本であるバンカルNauclea orientalis (L.) L.)の学名はリンネにより記載されたものであるが、リンネがこの学名の根拠とした資料の一部には「カトウ・チャカ」 (Katou Tsjaca あるいは Katou Tsjaka) というバンカルとは別の種への言及が含まれていた。この「カトウ・チャカ」の正体が何であるのかは19世紀以来諸説入り乱れることとなったが、ナウクレア属の根拠(タイプ)に関する検討が幾度か重ねられたこともあり、1984年以降はクビナガタマバナノキとする説で固まりつつある。

Nauclea orientalis は最初リンネにより『植物の種』初版 (1753年) で Cephalanthus orientalis という学名が与えられ[65]、後にリンネ自身の手によりナウクレア属に組み替えられたものである[24]。そしてこの『植物の種』初版には過去の文献における言及例を含め複数の資料が引用されているが、それは実質的には次の3種類のものに絞られる[66]

  1. ヘルマンの植物標本室の図版338番に基づいてリンネが著した『セイロン植物誌p. 22, no. 53 (1747年) の記述
  2. ヘンドリク・アドリアーン・ファン・レーデ・トート・ドラーケステイン英語版による『マラバル植物園英語版』第3巻、p. 29 および図版33番 (1682年)
  3. ベルナール・ド・ジュシューによる果実2個の情報あるいは資料

この中でバンカルを指していると認められるのは最初のヘルマンの図版のみであり、ジュシューによる情報は対応する記録が見つからず資料も現存しないとされる[67]。そして残る『マラバル植物園』は現地語名の音写「カトウ・チャカ」の名と共に紹介されているものであるが、このカトウ・チャカが何の種に対応するのかに関しては以下に挙げるように3通りの解釈が出され、そのいずれもがバンカルとは異なる種であったとする見解である。

  1. Haviland (1897:32) および Merrill (1915:533) による Ochreinauclea missionis[注 44]
  2. Wight & Arnott (1834) による Neonauclea purpurea[注 45]
  3. Rumphius (1743)Trimen (1894)Bakhuizen van den Brink (1970:473) によるクビナガタマバナノキ[注 46]

『マラバル植物園』はインド南西部のマラバール地方、つまり現在のケーララ州にあたる地域で見られる植物を対象とした著作であり、リズデイルは「カトウ・チャカ」という呼称の由来を探るために同地域の植物誌3冊を参照しているが、候補となる3種の現地語名は以下の通りである[69][注 47]

「カトウ・チャカ」の候補とその現地語名
Bourdillon (1908) Gamble & Fischer (1921) Rama Rao (1914)
Neonauclea purpurea - Ahwan -
Ochreinauclea missionis タミル語およびマラヤーラム語:
Attu vanji
Attu vanji マラヤーラム語:
Attuvanji[注 48]
クビナガタマバナノキ マラヤーラム語:
Attu ték, Kodavâra, Chakka
Kodavara: Attu tek マラヤーラム語:
Kodavara, Attuthekku[注 49]

リズデイルは 'Katu' から 'Attu' への変化や 'Tsjaca' から 'chakka' への変化は許容範囲であるように思えると述べ、「カトウ・チャカ」とは Attu chakka のことで、クビナガタマバナノキを指して広域で一貫して用いられてきた呼称である模様だとしている[69]が、実際にはクビナガタマバナノキを指して〈野生のジャックフルーツ〉を意味するマラヤーラム語名 കാട്ടുചക്ക (kāṭṭucakka) も存在する[71]。いずれにせよ3つの候補のうち N. purpurea に関してはそもそも呼称以前に花の色[注 50]雌蕊(めしべ)の柱頭の形状、果実の断面といった要素が「カトウ・チャカ」と十分に一致せず、さらに N. purpurea 自体ケーララ州トラヴァンコールには稀にしか見られない[注 51]ということもあり、リズデイルは真っ先に「ありえないであろう」としている[69]。ただ残る2つの候補に関しても O. missionis は葉がより倒卵形で托葉英語版[72]がはっきり半宿存性である点、クビナガタマバナノキは葉が無毛で基部が楔形といった特徴は普通は持たない点[注 52]が「カトウ・チャカ」の記述や図像とは食い違っている[69]。この「カトウ・チャカ」の図版には花と果実の両方が描かれているが、そのことや先述の現地語名の一貫性を総合しリズデイルは、これらが別々の機会に採取されたもので、レーデ・トート・ドラーケステインは本来クビナガタマバナノキについて述べたかったものの実際には複数の要素が混ざっていたのではないかと推察している[69]。その後1984年にジャン・ボセが混乱していたクビナガタマバナノキの学名を検討し直した際[注 53]、有効な学名の基となった学名が記載された際の文献[73]Rheede (1682:t. 33) を引用しているということもあり、この図版をタイプとしている[74][注 54]

上述のような『植物の種』に記された引用文献の検討は、エルマー・ドリュー・メリルReinier Cornelis Bakhuizen van den Brink、リズデイルの各人がバンカルのタイプ指定を検討する際に取り沙汰されたものである。もともと Merrill (1915:533) がナウクレア属に関する検討[注 55]を行った際にヘンリー・トリメン英語版による『セイロン植物誌』とヘルマンの植物標本室の図版との対応関係への言及[77]を援用し、上記ヘルマンの図版を Nauclea orientalis という学名の根拠(タイプ)とする見解を示すも、Bakhuizen van den Brink (1970:473–476) が標本として現存しないなどの的外れな理由でこれを却下したことを受け、リズデイルは改めてバンカルの原記載文献をあたって上記の分析を含めたタイプの検討を行い、ヘルマンの植物標本室はそもそも最初から図版集の形態であったとして Bakhuizen van den Brink を論駁し、メリルによるレクトタイプ(選定基準標本)指定を擁護する姿勢を表明したのである[78][79]

なおバンカルとクビナガタマバナノキの形態には以下のような共通点と相違点が存在する[80][注 56]

  • バンカルとクビナガタマバナノキの共通点:
    • 中高木から大高木
    • 葉が対生
    • 花軸が分枝しない
    • 萼片が宿存性
    • 花冠裂片が重なり合う覆瓦状[注 57]
    • 雄蕊が花冠筒の上部に着生し、花糸が短く、葯が底着[注 58]、(ふつう)花喉から突出
    • 花柱が花冠外に突出し、柱頭が紡錘形
    • 種子によくが見られない
バンカルとクビナガタマバナノキとの相違点
バンカル クビナガタマバナノキ
栄養成長性の頂芽 (ナウクレア属全般に関して)強く扁平(ただしまれに見かけが円錐状のものも見られる) 円錐状
托葉 (ナウクレア属全般に関して)卵形/楕円形/倒卵形、扁平から強く竜骨状で、茎に圧着する 狭三角形、半跨状[注 28]
花托筒 相互に癒合 萼筒とは癒合せず
萼片 (ほぼ)へら形であり、明瞭な細いシャフトあり 線状へら形から狭楕円形
花冠 漏斗 高坏
子房 2室、胎座がY字形で2つの短い上向きの腕と長く下向きの足を有する 下部は2室だが上部は4室、胎座は2つで全体的に裂けたところがないかまた、それぞれが2本の枝を上部に伸ばす
果実 集合果 集合果ではなく、子房の上部に4つの中空な軟骨質の構造物(#検索表の胎座の図を参照)を有する
種子 (ナウクレア属全体について)卵状から楕円状、時に弱く左右相称に偏平 幾ばくか三角形状あるいは不規則な形状

クビナガタマバナノキの学名の混乱

[編集]

こうしてバンカルに関しては上述のように収まったものの、次に挙げるクビナガタマバナノキ英語版については最終的に新たな学名が必要となる事態にまで発展した。クビナガタマバナノキは中国南部から熱帯アジアにかけて分布が見られる落葉性の中高木であり、インドではカダム(kadam)の名で知られ、ヴィシュヌ神化身であるクリシュナとゆかりのある聖樹とされる[81]。しかしその学名はマダガスカルにしか自生しない Breonia chinensis という全くの別種の標本の存在が原因で著しく混乱することとなる。

1785年、フランスのラマルクは『植物百科辞典』第1巻中にピエール・ソヌラが中国で採取してきたものとして Cephalanthus chinensis記載[82]アシル・リシャール英語版が1830年に新属 Anthocephalus に移した[注 59]。ところが Bakhuizen van den Brink (1970) が、ラマルクの植物標本室に Cephalanthus chinensis の名で納められている標本はリシャールが見た植物とは別のものであったとする見解を発表した[84]。これによりクビナガタマバナノキの学名 Anthocephalus chinensis の安定性は揺らぐこととなった。

コリン・リズデイルはあくまでも Anchocephalus chinensis という学名のクビナガタマバナノキへの使用を維持する立場を取った。リズデイルによると、問題のラマルク植物標本室の標本とはモーリシャス産のもので2022年2月現在に至るまでマダガスカルでしか自生が確認されていない[注 60] ブレオニア属Breonia)のものであることは確かであるが、1973年に Bakhuizen van den Brink による先述の問題提起を恐らく知らずにルネ・ポール・レーモン・カピュロン英語版(1921–1971)が発表した Breonia chinensis という新組合せ[85]をそのまま認めてしまうと、アジア産高木のみからなる属である Anthocephalus がブレオニア属のシノニムということになってしまう[84][注 61]。リズデイルはラマルクの述べた Cephalanthus chinensis の特徴は腋生の花序などブレオニア属の要素を含むとし、また Haviland (1897:5) にあるラマルクの標本についての記述[注 62]から、フィリベール・コメルソンが採取したと推定される Breonia の標本とソヌラが中国で採取したクビナガタマバナノキの標本とをラマルクが混同して『植物百科辞典』上で記述してしまったものと推察した[88]。そして問題の標本の複製品と考えられるものは Haviland (1897:35) が Breonia mauritiana[注 63] として新種記載したもので、リシャールはラマルクによる原記載文のうちの Anthocephalus 要素を拾い上げてクビナガタマバナノキのタイプとし、これが Cephalanthus chinensis と銘打たれた標本に由来するものであったとリズデイルは解釈した[88]。そしてリシャールのクビナガタマバナノキのためにラマルクの Cephalanthus chinensis をシノニムとする措置を既に取ってしまった以上、ラマルクの記載に Breonia 的な要素が含まれていてもそれを Breonia 属の学名の根拠として使用することはできないとし、カピュロンが発表した Breonia chinensis という学名は認められないとした[88]。そしてカピュロンの B. chinensis に代わる学名として、カピュロンがシノニムとした中で C. chinensis の次に記載が早い Nauclea citrifolia Poir. (1798)[92][注 64] に基づいた新組合せ Breonia citrifolia を生み出すという解決策を取った[89]

これに対してクビナガタマバナノキおよびもう一種に Anthocephalus の属名を使用すべきではないとしたのが、カピュロンの著述にも携わったジャン・ボセ英語版であった。ボセはラマルクが Cephalanthus chinensis の記載に使用した標本とリシャールが目にした標本とが異なるとする点については Bakhuizen van den Brink やリズデイルと共通している[注 65]ものの、C. chinensis の記載に用いられた具体的な標本[注 66]を特定した上で、リシャールが Anthocephalus 属を新設する際にラマルクの C. chinensis を引用している事実から、マダガスカル産植物にはカピュロンによる Breonia chinensis の学名を適用し、Anthocephalus 属はあくまでも Breonia 属のシノニムとするのが適切であり、一方従来 Anthocephalus chinensis の名で知られてきたクビナガタマバナノキには1824年に報告された Nauclea cadamba Roxb.[注 67] に基づく Neolamarckia cadamba という学名を新たに与えた[93]。ボセはさらにソヌラが中国で標本を採取したということに対しても懐疑的な見解を示している。先述の Cephalanthus chinensis のタイプ標本にはソヌラによるラベルも付されており、そこには「これは中国のヤエヤマアオキ属である」 (: c’est le Morinda de Chine) と記されている[94]。これは単にソヌラがこの標本を閲覧して自身が目にした「中国のヤエヤマアオキ属」なる植物のようだという意味合いでコメントを記したという程度のことであるに過ぎないにもかかわらず、このラベルを見たラマルクが〈ソヌラが中国でこの植物を採取した〉と勘違いして『植物百科辞典』上に記載してしまったというのが、ボセの見立てである[95]。こうしたボセによる検討の後もリズデイルはなおも Anthocephalus 属の使用に固執する姿勢を取り続けた[注 68]が、2005年に出版された一般向けの書籍ではクビナガタマバナノキの Neolamarckia cadamba の名での紹介を行っている[58]

この話は複雑であるため、以下にこれまでのまとめも兼ねてリズデイルとボセの姿勢の比較を表の形で示すこととする。

リズデイル ボセ
クビナガタマバナノキの属として Anthocephalus 属は 適切 不適切。最初にこの属とされた A. chinensis の元となった Cephalanthus chinensis がそもそもマダガスカルにしか自生しない Breonia 属であった以上、その種と誤同定されたアジア産の種のために新設された Anthocephalus 属は Breonia 属のシノニムになると考えるべきである。
Neolamarckia 属は 不要名Anthocephalus を使用すれば良い。 新設。理由は上のマスを参照。
ラマルクが1785年に新種記載したマダガスカル原産の種 ラマルクが使用したタイプ標本 恐らくコメルソンが採取したもの。その複製品が1897年に新種記載された Breonia mauritiana のタイプ標本とされた P00462437(GBIF, JSTOR) フランスの国立自然史博物館ラマルク植物標本室に所蔵されているもの[注 66]。このタイプ標本の複製品が P00462437 であり、これのせいでリシャールがクビナガタマバナノキとラマルクの新種とを混同した可能性が高い。
学名 Breonia chinensis という学名は認められず、Breonia citrifolia とする。1798年に記載された Nauclea citrifolia と同一のものである模様だが、その記載の際にラマルクの Cephalanthus chinensis が引用されておらず、これをシノニムとして扱うには抵抗がある。 Breonia chinensis で良い
ソヌラの立ち位置 中国でクビナガタマバナノキを採取した。その標本の行方ははっきりしないが、ともかくこれが Cephalanthus chinensis の学名に値するものであり、Anthocephalus chinensis の学名を維持する根拠となる。 上記のラマルク植物標本室の標本を閲覧したに過ぎないと考えられる。それを自身が中国で目にした実際には無関係な植物と同一であると勝手に思い込んでラベルを残し、後に中国産の植物であるとラマルクが勘違いする原因を作った可能性がある。いずれにせよソヌラが Cephalanthus chinensis のタイプ標本を採取し、それをクビナガタマバナノキの学名の根拠とするリズデイルの解釈は取らないこととする。

なおクビナガタマバナノキ(Neolamarckia cadamba)とブレオニア・キネンシス(Breonia chinensis)の形態には以下のような相違点が存在する[96][97][98]

クビナガタマバナノキとブレオニア・キネンシスとの相違点
クビナガタマバナノキ ブレオニア・キネンシス
花序 頂生 側生(腋生)
萼片 線状へら形から狭楕円形 (ブレオニア属全般に関して)三角形から長楕円形、鈍頭あるいは時に幾ばくか糸状(リズデイル)
切形(ラザフィマンディンビソン)
柱頭 紡錘 棍棒状球形(リズデイル)
棍棒状頭状(ラザフィマンディンビソン)
子房 下部は2室だが上部は4室、胎座は2つで全体的に裂けたところがないか、それぞれが2本の枝を上部に伸ばす 2室(2心皮性)、胎座は短い倒卵状の突起数個であり下垂性
果実 集合果ではなく、子房の上部に4つの中空な軟骨質の構造物(#検索表の胎座の図上段を参照)を有する 集合果
種子 幾ばくか三角形状あるいは不規則な形状、翼はない (ブレオニア属全般に関して)卵状から楕円状、時に幾ばくか左右相称的に偏平、翼はない(リズデイル)
強く扁平、凹凸、楕円状、両端に未発達の翼あり(ラザフィマンディンビソン)

脚注

[編集]

注釈

[編集]
  1. ^ より下でよりも上の階級二次ランク)。補助的なランクである亜科と亜連を挿入すると、科>亜科>連>亜連>属となる。
  2. ^ ただし Romero, Gonzalez & Salas (2023) はタニワタリノキ連は26属に1属を加えた27属であると考えている。
  3. ^ 詳細は#クビナガタマバナノキの学名の混乱を参照。
  4. ^ なお〈ナウクレア属をタイプ属とする亜科〉は現代の表し方では厳密には "Naucleoideae" となる[8]
  5. ^ #クビナガタマバナノキの学名の混乱を参照。
  6. ^ 1891年当時はマダガスカル産の Paracephaelis tiliacea Baill. 1種のみの属であった。1960年にジャン・アレーヌフランス語版によりクチナシ連Gardenieae)に移された[12]が、リズデイルは木質の果皮やゼリー状の内果皮が存在しないことと種子の形状とを根拠にこの属をクチナシ連から除外し、具体的にどこに位置付ければより妥当であるかは提案できないとした[13]。その後にギョクシンカ連Pavetteae)下へ移動された[14]
  7. ^ Löfstrand et al. (2014) によりナウクレア属へ統合されることとなる。
  8. ^ ヨヒンベノキ属、ミトラガイナ属、カギカズラ属を除いたこの時の内訳は次の通り。Angiosperm Phylogeny Website において確認できる現在の扱い[14]も併せて記す。
  9. ^ たとえばミトラガイナ属からは当時 Hallea rubrostipulata と分類されていた M. rubrostipulata が選ばれ、カギカズラ属からはカギカズラUncaria rhynchophylla)が選ばれた。
  10. ^ 当時は Robbrecht (1988) により Antirheoideae という亜科に置かれていた。
  11. ^ 内部転写スペーサー領域(: internal transcribed spacer region)のこと。核となるリボソームDNA中にはスペーサーが2つ(ITS-1およびITS-2)含まれる領域が存在するが、いずれのスペーサーもPCR(ポリメラーゼ連鎖反応)により増幅させることや、普遍的なプライマーの使用により塩基配列の決定(シークエンシング)を行うことが、押し葉標本のDNAが対象の場合であっても容易に可能であり、被子植物の系統分類を行う上で有益な情報源となるとされる[20]
  12. ^ 後にヤエヤマアオキ連英語版に移動[27][14]
  13. ^ 後に Schradereae という連に移動[14]
  14. ^ a b c この時点では Anthocephalus の属名で呼ばれていた。
  15. ^ 当時は Ourouparia正式名とされていた。
  16. ^ リズデイルがブレオニア属の Breonia decaryana Homolle単型属とするために新設した属[28]。しかし Razafimandimbison (2002:1) により、ブレオニア属との差異は否定された。
  17. ^

    Neonauclea clemensiae Merr. & L.M.Perry

    N. forsteri (Seem. ex Havil.) Merr.

    N. celebica (Havil.) Merr.

  18. ^

    Neonauclea pseudocalycina Ridsdale

    N. cyrtopoda (Miq.) Merr.

    N. glabra (Roxb.) Bakh.f. & Ridsdale

    N. paracyrtopoda Bakh.f. & Ridsdale

    N. gigantea (Valeton) Merr.

    N. longipedunculata Merr.

  19. ^ カギカズラ属とミトラガイナ属の判別。より詳細なものはミトラガイナ属#属の位置付けを参照。
  20. ^ Ridsdale & Bakhuizen van den Brink (1975)ではヤマタマガサ属からなる独立した単型連 Chephalantheae として扱われていた。2023年にヤマタマガサ属 Cephalanthus のうち Cephalanthus natalensis が新属 Sylvainia として区別された[4]
  21. ^ 学名 Adininae。リズデイルが新設したもの。彼がこの亜連の下に置いていた属はタニワタリノキ属(後に Löfstrand et al. (2014) がこの属に組み替えたものも含む)、Breonadia 属、ブレオニア属(Razafimandimbison (2002) でこの属に組み替えられる B. decaryana も含む)、Diyaminauclea 属、Gyrostipula 属、Janotia 属、Khasiaclunea 属、Ludekia 属、ミルメコナウクレア属、マルバハナダマ属である[31]
  22. ^ a b c ここでは Adina dissimilisタニワタリノキA. pilulifera)、シマタニワタリノキA. rubella)の3種のみを指す。
  23. ^ a b Breonia sensu Razafimandimbison (2002)
  24. ^ : terminal vegetative bud。葉と茎(栄養シュート)からなる頂芽のことで、普通、単に頂芽呼ばれるが、ここでは生殖シュートからなる花芽ではないということを明確にする意味で栄養成長性の頂芽と表現している。なお、頂芽は葉腋にできる腋芽に対し、シュートの先端に形成される芽を指す。
  25. ^ 1975年当時に認知されていたのは Breonia boiviniiB. citrifoliaBosser (1985) 以降は B. chinensis とされる]、B. madagascariensisB. perrieriB. sphaerantha の5種。この時リズデイルは B. citrifolia の下に別の標本8種類に基づいて記載されていたシノニムを置いていたが、そのシノニムのうち B. cuspidataB. havilandianaB. louveliiB. membranaceaB. stipulata の5つは Razafimandimbison (2002) により再び独立種として認められることになる。
  26. ^ 元の検索表では Neobreonia 属とされているが、これは B. decaryanaブレオニア属Breonia)から分離して独立属とするためにリズデイル自身が新設した属であった。しかし後の Razafimandimbison (2002) の見直しにより再びブレオニア属に戻されている。
  27. ^ 元の検索表では Sarcocephalus とされていて当時左記の2種が置かれていたが、この属は Löfstrand et al. (2014) によりナウクレア属(Naucleaへと統合されている。
  28. ^ a b c d e f : obvolute。2つ折り葉のうち一方の半片がもう一方の半片を互いに外側からくるんでいる状態[34]
  29. ^ 元の検索表では Anthocephalus という属名であるが、これをアジア産の植物を指して用いるのは不適切であるという議論の結果 Neolamarckia が新たに設立された。この件についての詳細は#クビナガタマバナノキの学名の混乱を参照。
  30. ^ 元の検索表では Burttdavya 属とされ、B. nyasica が唯一の構成種であったが、Löfstrand et al. (2014) によりナウクレア属に統合された。
  31. ^ a b c d = Adina sensu Löfstrand et al. (2014)
  32. ^ 元の検索表では Adinauclea 属とされている。1978年当時リズデイルが新設した Adinauclea 属唯一の構成種であった A. fagifoliaLöfstrand et al. (2014:311) によりタニワタリノキ属に組み替えられた。
  33. ^ : thyrseライラックのように密に枝分かれし、花の主軸は不明瞭だが側軸は明瞭である花序のこと[34]2出集散花序総状に配列したものである[35]
  34. ^ 学名: Adina racemosa (Siebold & Zucc.) Miq.。1978年当時はリズデイルが新設したヘツカニガキ属(Sinoadina)に置かれていた。しかし Löfstrand et al. (2014:310) によりタニワタリノキ属に組み替えられた。
  35. ^ 元の検索表では Metadina 属とされており、1978年当時は Metadina trichotoma (Zoll. & Moritzi) Bakh.f. がその唯一の構成種であった。しかし Löfstrand et al. (2014:311) によりタニワタリノキ属に組み替えられた。
  36. ^ a b 元の検索表では Pertusadina 属とされており、1978年当時は左記に挙げた4種がこの属の下に置かれていたが、Löfstrand et al. (2014:310–311) により全てタニワタリノキ属に組み替えられた。
  37. ^ 学名: Adina cordifolia (Roxb.) Hook.f.。元の検索表では Haldina 属とされており、これはリズデイルがハルドゥ1種のみのために新設した属であった。しかし Löfstrand et al. (2014:310) によりタニワタリノキ属に組み替えられた。
  38. ^ ただし1978年当時 Gyrostipula obtusa は未記載であった。
  39. ^ 団散花序。: glomerule。節間や花柄が短縮し、はっきりしない多出集散花序[36]
  40. ^ myrmeco- も参照。
  41. ^ 学名はナウクレア・ラティフォリアと仮名転写される[53]
  42. ^ 学名はナウクレア・オリエンタリスと仮名転写される[38]
  43. ^ cf. ベンガル語: কদম /kɔdɔm/
  44. ^ この学名は Ridsdale (1978b:332) で初めて用いられたものであり、それ以前は Nauclea missionis Wall. ex G.Don として知られていた。
  45. ^ この学名はエルマー・ドリュー・メリルが1917年に初めて使用したものであり[68]、1834年当時は Nauclea purpurea Roxb. として知られていた。
  46. ^ リズデイルは Anthocephalus chinensis (Lam.) A.Rich. ex Walp. として言及しているが、このクビナガタマバナノキの学名に関しては複雑な経緯がある。#クビナガタマバナノキの学名の混乱を参照。
  47. ^ 現在のケーララ州においてはマラヤーラム語が広く通用する。
  48. ^ マラヤーラム文字では ആറ്റുവഞ്ചി (āṟṟuvañci) と表記される。ただしこの呼称はトウダイグサ科Homonoia retusa (Graham ex Wight) Müll.Arg.Homonoia riparia Lour. のことも指す[70]
  49. ^ マラヤーラム文字では ആറ്റുതേക്ക് (āṟṟutēkku) と表記される。
  50. ^ 「カトウ・チャカ」が黄色であるのに対し、N. purpurea は紫色である。
  51. ^ トーマス・フルトン・ボーディロン英語版N. purpurea を記録しておらず、またラーオも極めて手短にしか言及していない。
  52. ^ ただしクビナガタマバナノキに関してはこれらの特徴が見られる場合はあるともリズデイルは述べている。
  53. ^ この件の詳細については#クビナガタマバナノキの学名の混乱を参照。
  54. ^ フィジーの植物相について包括的な見直しを行ったアルバート・チャールズ・スミスおよびスティーヴン・P・ダーウィンスペイン語版ミズーリ植物園系データベース Tropicos からはこれがレクトタイプの指定行為と見做されている[75][76]
  55. ^ #属の数の増減も参照。
  56. ^ ただし一部には属全体の共通形質への言及が含まれる場合も存在するということに留意されたい。
  57. ^ 厳密にはクビナガタマバナノキ属に関しては「芽において」という指定が附されているということにも留意されたい。
  58. ^ : basifixed。基部もしくは基部付近で付着している状態を指す[34]
  59. ^ Richard (1830:157)。ただしこの際にリシャールは Anthocephalus indicus としてしまった。国際藻類・菌類・植物命名規約において、属を移す際は既存の学名と被る場合(置換名)を除き(ICN 2018 第6.11条)、種形容語にも古い学名の優先権(先取権)が適用され(ICN 2018 第11.4条)、元の種形容語を新属と組合せて用いることとなる。クビナガタマバナノキの場合、1843年にヴィルヘルム・ゲルハルト・ヴァルパース英語版がリシャールの発想を基に Anthocephalus chinensis という学名を発表し[83]、結局これが受容されることとなった。
  60. ^ Ridsdale & Bakhuizen van den Brink (1975:544) はモーリシャスに見られるブレオニア属木本は植栽されたものであるとしている。
  61. ^ なおブレオニア属Breonia)が最初に記載されたのは Breonia madagascariensis A.Rich. ex DC. が新種記載された1830年9月であり[86]Anthocephalus 属が初めて用いられたのはそれよりも3ヶ月後である同年12月のことであった[87]
  62. ^ ハヴィランドが閲覧した標本では Anthocephalus indicus の果実と Breonia が1枚の紙の上で一緒になった状態であり、パリ植物標本室(現・国立自然史博物館)に所蔵されており、左手に "Cephalanthus chinensis Lmk., fide herb." というラベルが、右手に "Nauclea purpurea, Bomb.[リズデイルはここを "Roxb." と訂正している], Pl. Corom. I 41 tab. 54; Fl. Ind. ii p. 123; DC., Prod. iv. 346. Cephalanthus chinensis, Lamk, Dict. i. 678. Inde? Île de France? Herb. de Commerson." というラベルがそれぞれ貼られていたとしている。そしてラベルの記述のうち "Bomb." や "Roxb." とされた箇所が "Roxbg." と記されている標本であれば国立自然史博物館に現在も所蔵されている(P00462437(GBIF, JSTOR))。リズデイルはソヌラが採取した標本は行方不明としながらも、この問題の標本で Breonia と共につけられているものがソヌラの標本のアイソタイプ(副基準標本)なのではないかと推測している。
  63. ^ これは Breonia 属の分類見直しに関わったカピュロン[85]、リズデイル[89]、ボセ[90]ラザフィマンディンビソン[91]の4名により Breonia chinensis あるいは Breonia citrifolia のシノニムと見做されている。
  64. ^ リズデイルはジャン=ルイ・マリー・ポワレ英語版N. citrifolia を記載した際に C. chinensis をシノニムに含めていなかったことも Breonia chinensis という学名が認められない理由の一つとして挙げていた[88]
  65. ^ さらに Breonia mauritiana のタイプ標本こそリシャールがクビナガタマバナノキと C. chinensis とを混同する直接的な原因となった可能性が高いという旨すら述べている。
  66. ^ a b 国立自然史博物館のラマルク植物標本室に所蔵されており、マダガスカルで採取され、モーリシャスの植物園で栽培されていたと考えられるもの。Bosser (1985:245) にそのモノクロ写真が掲載されている。
  67. ^ ウィリアム・ロクスバラは既に1814年の時点で Hortus Bengalensis p. 14 上でこの学名とインド産である旨などは報告を行っていたものの具体的な形態的特徴については記しておらず、このような状態では今日の国際藻類・菌類・植物命名規約(ICN、2018年度版)においては正式な学名ではなく裸名nomen nudum)と見做される。この学名に対応する種の形態的特徴の詳述は死後出版である1824年の Flora Indica 第2巻 p. 121 を待たなければならなかった。
  68. ^ Ridsdale (1989:256) では Anthocephalus cadamba を正式な学名とし、Neolamarckia cadamba は不要名(ラテン語: nomen superfluum。既に学名が与えられている特定の標本に対して必要が無いにもかかわらず余分に与えられてしまった学名)として扱っている。

出典

[編集]
  1. ^ a b c d e f 山崎敬「アカネ科 RUBIACEAE」 佐竹義輔原寛亘理俊次冨成忠夫 編『日本の野生植物 木本II』新装版、平凡社、1999年(初版: 1989年2月23日)、190–204頁。ISBN 4-582-53505-4
  2. ^ a b 米倉 (2019:201).
  3. ^ a b c d e f Löfstrand et al. (2014:304–315).
  4. ^ a b c d e f g h i j k l m n Romero, Gonzalez & Salas (2023:85–111).
  5. ^ 米倉 (2019:198).
  6. ^ Manns & Bremer (2010:21–39)
  7. ^ Stevens, P. F. (2001 onwards). Angiosperm Phylogeny Website. Version 14, July 2017 [これ以降も多かれ少なかれ継続的に更新]. 2023年10月24日閲覧。
  8. ^ a b Ridsdale (1978b:318)
  9. ^ Rafinesque, C. S. (1820). “Tableau analytique des ordres naturels, familles naturelles et genres, de la classe endogynie, sous classe corisantherie”. Annals générales des sciences physiques 6: 86. https://www.google.co.jp/books/edition/_/mzEwAAAAYAAJ?hl=ja&gbpv=1&bsq=Nauclidia. 
  10. ^ Kosteletzky, V. F. (1833). Allgemeine Medizinisch-Pharmazeutische Flora. 2. Prag: Borrosch und André. p. 581. https://books.google.co.jp/books?id=zpsUAAAAYAAJ&hl=ja&pg=PA581 
  11. ^ Miquel, F. A. W. (1856). Flora van Nederlandsch Indië. 2. Amsterdam: C. G. van der Post. pp. 130, 132. https://www.biodiversitylibrary.org/page/5869327 
  12. ^ Arènes, J. (1960). “A propos de quelques genres malgaches de Rubiacées (Vanguériées et Gardéniées)”. Notulae systematicae 16: 7. https://www.biodiversitylibrary.org/page/12869533. 
  13. ^ Ridsdale (1978b:363).
  14. ^ a b c d Stevens, P. F. (2001 onwards). Angiosperm Phylogeny Website. Version 14, July 2017 [これ以降も多かれ少なかれ継続的に更新]." https://www.mobot.org/MOBOT/research/APweb/genera/rubiaceaegen.html 2023年11月3日閲覧。
  15. ^ Schumann (1891:41–42, 50).
  16. ^ a b Ridsdale & Bakhuizen van den Brink (1975:541).
  17. ^ Ridsdale (1978a:44).
  18. ^ Razafimandimbison & Bremer (2001:518).
  19. ^ Bremer, Andreasen & Olsson (1995:383, 386, 392).
  20. ^ Baldwin, Bruce G.; Sanderson, Michael J.; Porter, J. Mark; Wojciechowski, Martin F.; Campbell, Christopher S.; Donoghue, Michael J. (1995). “The ITS region of nuclear ribosomal DNA: a valuable source of evidence on angiosperm phylogeny”. Annals of the Missouri Botanical Garden 82 (2): 247. https://www.biodiversitylibrary.org/page/27995615. 
  21. ^ Razafimandimbison & Bremer (2001:535).
  22. ^ Razafimandimbison & Bremer (2002).
  23. ^ Merrill (1915:538).
  24. ^ a b Linnæus, Carolus (1762). Species Plantarum: Exhibentes Plantas Rite Cognitas, ad Genera Relatas, cum Differentiis Specificis, Nominibus Trivialibus, Synonymis Selectis, Locis Natalibus, Secundum Systema Sexuale Digestas. 1 (2 ed.). Holmia[ストックホルム]: Laurentius Salvius. p. 243. https://biodiversitylibrary.org/page/11628697 
  25. ^ Merrill (1915:531).
  26. ^ Ridsdale (1978b).
  27. ^ 米倉 (2019:201–202).
  28. ^ Ridsdale & Bakhuizen van den Brink (1975:546).
  29. ^ Fukuoka, Nobuyuki (1981). “Studies in the floral anatomy and morphology of Rubiaceae V. Naucleeae s.l.”. Acta Phytotax. Geobot. 32 (1–4): 114–120. doi:10.18942/bunruichiri.KJ00002992203. 
  30. ^ Ridsdale (1978b:313).
  31. ^ Ridsdale (1978b:311, 319).
  32. ^ Ridsdale (1978b:315).
  33. ^ Ridsdale (1978b:316).
  34. ^ a b c 小学館ランダムハウス英和大辞典第2版編集委員会, ed (1994). 小学館ランダムハウス英和大辞典 (2 ed.). ISBN 4-09-510101-6 
  35. ^ 清水 (2001:88)
  36. ^ 清水 (2001:85)
  37. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t u v w x y z aa ab ac ad ae af ag ah ai aj ak al am an ao ap aq ar as at au av aw ax ay az ba bb bc bd be bf POWO (2023).
  38. ^ a b c d e f 農林水産省横浜植物防疫所 (2022:24)
  39. ^ a b クリストファー・ブリッケル 編集責任、横井政人 監訳『A-Z 園芸植物百科事典』誠文堂新光社、2003年。ISBN 4-416-40300-3
  40. ^ a b c d 米倉 (2019).
  41. ^ a b Kawakami (1910).
  42. ^ a b c 松村任三 編 編『改訂 植物名彙 後編 和名之部丸善株式會社、東京、1916年、94・261頁https://archive.org/details/shokubutsumeii02mats/page/260/mode/2up 
  43. ^ Löfstrand et al. (2014:310).
  44. ^ Stoffelen, Robbrecht & Smets (1996:290).
  45. ^ a b c d e f コーナー & 渡辺 (1969).
  46. ^ Ridsdale & Bakhuizen van den Brink (1975:549–550).
  47. ^ Ridsdale & Bakhuizen van den Brink (1975:550).
  48. ^ Ridsdale (1978b:336).
  49. ^ a b c d e f g h 熱帯植物研究会 (1996).
  50. ^ Löfstrand et al. (2014:308).
  51. ^ a b 塚谷裕一『植物のこころ』岩波書店〈岩波新書(新赤版)731〉、2021年5月18日、130–132頁。ISBN 4004307317 
  52. ^ 加藤雅啓『植物の進化形態学』東京大学出版会、1999年、140–141頁。ISBN 4-13-060174-1 
  53. ^ a b 林弥栄、古里和夫 監修 編『原色世界植物大圖鑑』北隆館、1986年。 
  54. ^ Ridsdale (1978b:332).
  55. ^ Merrill (1923:515, 517).
  56. ^ Aubréville, A. (1959). La flore forestière de la Côte d’Ivoire. 3 (2 ed.). Nogent-sur-Marne (Seine), France: Centre Technique Forestier Tropical. p. 265. https://www.doc-developpement-durable.org/file/Culture/Arbres-Bois-de-Rapport-Reforestation/livres-guides/arbres-de-Cote-d-Ivoire/Flore%20forestiere%20de%20CI/flore%20forestiere%20de%20CI%203.pdf 
  57. ^ Ridsdale (1978b:333–334).
  58. ^ a b コリン・リズデイル、ジョン・ホワイト、キャロル・アッシャー 著、杉山明子、清水晶子 訳『知の遊びコレクション 樹木』新樹社、2007年、325頁。ISBN 978-4-7875-8556-1(原書: Eyewitness Companions: Trees, Dorling Kindersley, London, 2005, p. 325.)
  59. ^ Ridsdale (1978b:337).
  60. ^ Merrill (1923:512).
  61. ^ Chen, Tao; Taylor, Charlotte M. (2011). Neonauclea truncata. In Wu Zheng Yi, P.H. Raven and Hong De Yuan. Flora of China. 19. p. 256. ISBN 978-1-935641-04-9. http://efloras.org/florataxon.aspx?flora_id=2&taxon_id=242333575  PDF.
  62. ^ Ridsdale (1978b:351–352).
  63. ^ a b c 三橋博 監修『原色牧野和漢薬草大圖鑑』北隆館、1998年。
  64. ^ 許田倉園 訳『中国有用植物図鑑』村上孝夫 監修、廣川書店、1991年1月15日、604頁。ISBN 4567411102 
  65. ^ Linnæus, Carolus (1753). Species Plantarum ([first] ed.). Holmia[ストックホルム]: Laurentius Salvius. p. 95. https://biodiversitylibrary.org/page/358114 
  66. ^ Ridsdale (1976:184).
  67. ^ Ridsdale (1976:184–185).
  68. ^ Merrill, E. D. (1917). An Interpretation of Rumphius's Herbarium Amboinense. Manila. p. 483. https://biodiversitylibrary.org/page/44102301 
  69. ^ a b c d e Ridsdale (1976:185).
  70. ^ Subrahmanya (2012:578, 579, 762).
  71. ^ Subrahmanya (2012:752–753).
  72. ^ 托葉』 - コトバンク
  73. ^ Roxburgh (1824).
  74. ^ Bosser (1985:247).
  75. ^ Smith, Albert C. (1988). Flora Vitiensis Nova: A New Flora of Fiji (Spermatophytes Only). 4. Lawai, Kauai, Hawaii: Pacific Tropical Botanical Garden. p. 160. https://biodiversitylibrary.org/page/30315525 
  76. ^ Tropicos.org. Missouri Botanical Garden. 24 Feb 2022<http://www.tropicos.org/Name/27912287>
  77. ^ Trimen, Henry (1887). “Hermann's Ceylon Herbarium and Linnæus's 'Flora Zeylanica.'”. Journal of the Linnean Society. Botany 24 (160): 136. https://www.biodiversitylibrary.org/page/169945. 
  78. ^ Ridsdale (1976:184–186).
  79. ^ Ridsdale (1978b:327).
  80. ^ Ridsdale (1978b:320–322, 325, 333).
  81. ^ Boyer, Mark G. (2016). An Abecedarian of Sacred Trees: Spiritual Growth through Reflections on Woody Plants. Eugene, Oregon: Wipf & Stock. p. 85. https://www.google.co.jp/books/edition/An_Abecedarian_of_Sacred_Trees/kjGzDQAAQBAJ?hl=ja&gbpv=1&dq=Krishna+kadam&pg=PA85&printsec=frontcover 
  82. ^ Lamarck, le Chevalier de (1785). Encyclopédie méthodique. Botanique. 1. Paris & Liége. p. 678. https://www.biodiversitylibrary.org/page/717270 
  83. ^ Walpers, Guilielmus Gerardus (1843). Repertorium Botanices Systematicae. 2. Lipsia[ライプツィヒ]: Fridericus Hofmeister. p. 491. https://www.biodiversitylibrary.org/page/7384096 
  84. ^ a b Ridsdale & Bakhuizen van den Brink (1975:551).
  85. ^ a b Capuron (1973:472).
  86. ^ de Candolle, Aug. Pyramus (1830). Prodromus systematis naturalis regni vegetabilis, sive, Enumeratio contracta ordinum, generum, specierumque plantarum huc usque cognitarium, juxta methodi naturalis, normas digesta. 4. Parisiis[Paris]: Treuttel et Würtz. p. 620. https://www.biodiversitylibrary.org/page/152766 
  87. ^ Richard, Mém. Fam. Rubiacées: 157 (1830)
  88. ^ a b c d Ridsdale & Bakhuizen van den Brink (1975:552).
  89. ^ a b Ridsdale & Bakhuizen van den Brink (1975:545).
  90. ^ Bosser (1985:246–247).
  91. ^ Razafimandimbison (2002:16).
  92. ^ Lamarck (1798). Encyclopédie méthodique. Botanique. 4. Paris: H. Agasse. p. 435. https://www.biodiversitylibrary.org/page/739475 
  93. ^ Bosser (1985).
  94. ^ Bosser (1985:243).
  95. ^ Bosser (1985:244).
  96. ^ Ridsdale & Bakhuizen van den Brink (1975:544–545).
  97. ^ Ridsdale (1978b:320–322, 333).
  98. ^ Razafimandimbison (2002:11, 16–17).

参考文献

[編集]
ラテン語およびオランダ語
英語
英語およびラテン語
ドイツ語
日本語
日本語および英語
フランス語

関連文献

[編集]
英語

外部リンク

[編集]