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ジュスティーヌ・トリエ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ジュスティーヌ・トリエ
Justine Triet
Justine Triet
2017年
生年月日 (1978-07-17) 1978年7月17日(46歳)
出生地 フランスの旗 フランス フェカン[1]
職業
  • 映画監督
  • 脚本家
  • 編集技師
活動期間 2007年-活動中
著名な家族 アルチュール・アラリ英語版[2] (パートナー)
受賞
アカデミー賞
脚本賞
2023年落下の解剖学
カンヌ国際映画祭
パルム・ドール
2023年『落下の解剖学』
ヨーロッパ映画賞
作品賞
2023年『落下の解剖学』
監督賞
2023年『落下の解剖学』
脚本賞
2023年『落下の解剖学』
ニューヨーク映画批評家協会賞
外国語映画賞
2023年『落下の解剖学』
ロサンゼルス映画批評家協会賞
外国語映画賞
2023年『落下の解剖学』
放送映画批評家協会賞
外国語映画賞
2023年『落下の解剖学』
英国アカデミー賞
オリジナル脚本賞
2023年『落下の解剖学』
ゴールデングローブ賞
脚本賞
2023年『落下の解剖学』
ゴヤ賞
ヨーロッパ映画賞
2023年『落下の解剖学』
セザール賞
作品賞
2023年『落下の解剖学』
監督賞
2023年『落下の解剖学』
オリジナル脚本賞
2023年『落下の解剖学』
その他の賞
受賞一覧英語版
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ジュスティーヌ・トリエJustine Triet, フランス語発音: [ʒystin tʁije]; 1978年7月17日[1] - )は、フランスの映画監督脚本家、編集技師である[3]

2023年に法廷スリラー『落下の解剖学』により第76回カンヌ国際映画祭で女性映画監督としては史上3人目となるパルム・ドール受賞を果たした。また2024年に女性のフランス人映画製作者としては史上初めてアカデミー賞監督賞脚本賞にノミネートされ、脚本賞を受賞した。

キャリア

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トリエはパリ国立高等美術学校を卒業している[1]。彼女の長編映画監督デビュー作『ソルフェリーノの戦い英語版』は2013年4月に批評家のステファン・デロールムによって取り上げられた後[4]第66回カンヌ国際映画祭のACIDプログラムの一環として上映され[5][6]、2013年の『カイエ・デュ・シネマ』のトップ10リストで10位に位置づけられた[7]

2016年、彼女はロマンティック・コメディ・ドラマ『ヴィクトリア英語版』の脚本・監督を務め[3]第42回セザール賞英語版作品賞英語版オリジナル脚本賞英語版にノミネートされた[8]。2019年、彼女が監督・脚本を務めたコメディ・ドラマ映画『愛欲のセラピー英語版』が第72回カンヌ国際映画祭でプレミア上映され、コンペティション部門でパルム・ドールを争った[9]

2023年、彼女の法廷スリラー『落下の解剖学』が第76回カンヌ国際映画祭に出品され[10]、女性の監督としては史上3人目となるパルム・ドール受賞を果たした[11]。またゴールデングローブ賞では脚本賞外国語映画賞を受賞した[12]。2024年、トリエは『落下の解剖学』によりフランス人映画製作者としては史上初、女性映画監督としては史上8人目となるアカデミー賞監督賞候補者となった[13]。またアカデミー賞脚本賞でも候補に挙がり[13]、『落下の解剖学』は作品賞を含む計5部門の候補となった[14]。トリエはさらに英国アカデミー賞作品賞で7部門で候補に挙がった『落下の解剖学』でオリジナル脚本賞を受賞し、監督賞非英語作品賞でも候補となった[15]。『落下の解剖学』は第49回セザール英語版で6部門で候補に挙がり、トリエは作品賞英語版セザール賞 監督賞英語版オリジナル脚本賞英語版を受賞した[16]

私生活

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トリエはフランス人映画製作者のアルチュール・アラリ英語版と交際しており[2]、娘が2人いる[17]。2人はたびたび共作している[2]

トリエはフランスの男女平等団体のCollectif 50/50のメンバーである[18][19]

政治的見解

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第76回カンヌ国際映画祭パルム・ドールを受賞した後にトリエは年金改革ストライキへの支持を表明し、エマニュエル・マクロン大統領による弾圧に反対した。彼女は「新自由主義政府」が文化の商業化を助長し、フランスの文化的例外を弱体化させていると非難した[20]。トリエは新人監督や映画界で困難に直面している人々に賞を捧げ、新進気鋭の才能に対して多くのチャンスと支援を求めた。彼女のこの発言は2022年10月にフランスで開催されたAppel aux Etats Generauxで行われた議論に関連したものであり[21]、そこで一部の業界関係者は興行収入の減少はフランスの「作家」性ある映画人に原因があると非難し、またフランス映画の製作本数の削減を求めた者もいた[22]。トリエのスピーチはマクロンの党、右派の活動家や政治家から批判され、そしてフランスの文化大臣のリマ・アブドゥル・マラク英語版も「このような不公平な発言に愕然とした」と述べた[23]。一方でスピーチは左派の政治家やフランスの監督組合のSRFからの支持を得た[24][21]。『バラエティ』誌はフランスのアカデミー賞選考委員会が第96回アカデミー賞国際長編映画賞のフランス代表作として『落下の解剖学』ではなく『ポトフ 美食家と料理人』を選んだのは、マクロンを批判したことでトリエが「罰せられた」と複数のフランス関係者が主張していると報じた[25]

2024年1月、彼女はアルゼンチンの映画学校に対するハビエル・ミレイの改革への反対嘆願書に署名した[26]

フィルモグラフィ

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日本語題
原題
クレジット 備考
2007 Sur place 監督・製作・撮影・編集 短編ドキュメンタリー
2007 L'Ordre des mots 共同編集 ドキュメンタリー
2009 Solférino 監督・製作・撮影・編集 ドキュメンタリー
2010 Des ombres dans la maison 監督・撮影・編集
2012 Two Ships 監督・脚本 短編映画
2013 ソルフェリーノの戦い英語版
La Bataille de Solférino
監督・脚本
2016 ヴィクトリア英語版
Victoria
監督・脚本
2019 愛欲のセラピー英語版
Sibyl
監督・脚本
2023 落下の解剖学
Anatomie d'une chute
監督・脚本

受賞とノミネート

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参考文献

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  1. ^ a b c Justine Triet”. La Semaine de la Critique of Festival de Cannes. 3 June 2023時点のオリジナルよりアーカイブ27 May 2023閲覧。
  2. ^ a b c Travailler ensemble quand on est en couple : les réalisateurs Justine Triet et Arthur Harari témoignent” (フランス語). France Info (24 May 2023). 10 June 2023時点のオリジナルよりアーカイブ27 May 2023閲覧。
  3. ^ a b Justine Triet”. Unifrance. 27 June 2023時点のオリジナルよりアーカイブ27 June 2023閲覧。
  4. ^ Delorme, Stéphane (29 March 2013). "Édito n°688, avril 2013 Pas morts !". Cahiers du Cinéma (フランス語). 2024年1月24日閲覧
  5. ^ Têtes de mort sous la frise du jacquard, Justine Triet n'est pas celle que vous croyez” (フランス語). Le Monde (17 September 2013). 28 March 2017時点のオリジナルよりアーカイブ7 April 2016閲覧。
  6. ^ "La bataille de Solférino " de Justine Triet”. Arte. 28 March 2017時点のオリジナルよりアーカイブ。7 April 2016閲覧。
  7. ^ 'Stranger By the Lake' and 'Spring Breakers' Head Up Cahiers du Cinéma's Top 10 Films for 2013”. IndieWire (26 November 2013). 4 September 2023時点のオリジナルよりアーカイブ4 September 2023閲覧。
  8. ^ Tartaglione, Nancy (24 January 2017). “César Awards Nominations: Verhoeven's 'Elle', Ozon's 'Frantz' In The Lead”. Deadline Hollywood. 28 January 2017時点のオリジナルよりアーカイブ28 June 2023閲覧。
  9. ^ Cannes festival 2019: full list of films”. The Guardian (6 May 2019). 8 June 2023時点のオリジナルよりアーカイブ27 May 2023閲覧。
  10. ^ Lemercier, Fabien (23 May 2023). “Justine Triet • Director of Anatomy of a Fall”. Cineuropa. 28 June 2023時点のオリジナルよりアーカイブ28 June 2023閲覧。
  11. ^ Debruge, Peter (27 May 2023). “Cannes Awards: 'Anatomy of a Fall' Takes Palme d'Or, 'The Zone of Interest' and 'The Pot au Feu' Among Winners”. Variety. 28 May 2023時点のオリジナルよりアーカイブ27 May 2023閲覧。
  12. ^ Winners & Nominees” (英語). Golden Globes. 22 January 2024時点のオリジナルよりアーカイブ2024年1月8日閲覧。
  13. ^ a b Schwartz, Missy (23 January 2024). “Justine Triet Is 8th Woman Nominated for Best Director Oscar”. TheWrap. 2024年3月2日閲覧。
  14. ^ Cauhapé, Véronique (23 January 2024). “Oscars 2024: Sweeping success of 'Anatomy of a Fall' confirmed by five nominations”. Le Monde. 2024年3月2日閲覧。
  15. ^ 2024 EE BAFTA Film Awards: The Winners and Nominations” (英語). BAFTA (2024年1月18日). 2024年2月18日閲覧。
  16. ^ César 2024 : le palmarès complet de la 49e cérémonie” (フランス語). Vogue France (2024年2月24日). 2024年2月24日閲覧。
  17. ^ Rivet, Solenne (27 May 2023). “Cannes 2023 : Justine Triet, lauréate de la Palme d'or, tout ce qu'il faut savoir sur la réalisatrice” (フランス語). Gala.fr. 23 August 2023時点のオリジナルよりアーカイブ27 May 2023閲覧。
  18. ^ Les signataires - Collectif 50/50” (フランス語). collectif5050.com. 29 May 2023時点のオリジナルよりアーカイブ。1 June 2023閲覧。
  19. ^ Horst, Carole (24 September 2019). “Female Filmmakers Lead French Industry Revolution”. Variety. 28 November 2023時点のオリジナルよりアーカイブ10 September 2023閲覧。
  20. ^ Kennedy, Niamh (2023年5月28日). “French film director attacks Macron during Palme d'Or acceptance speech”. CNN. 21 August 2023時点のオリジナルよりアーカイブ2023年8月21日閲覧。
  21. ^ a b Keslassy, Elsa (28 May 2023). “Palme d'Or Winning 'Anatomy of a Fall' Director Justine Triet Sparks Uproar in France with Fiery Political Speech”. Variety. 22 August 2023時点のオリジナルよりアーカイブ22 August 2023閲覧。
  22. ^ Pérez, Valentin (29 May 2023). “Palme d'Or winner Justine Triet's tight gang of disciples”. Le Monde. オリジナルの21 August 2023時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20230821175322/https://www.lemonde.fr/en/m-le-mag/article/2023/05/29/palme-d-or-winner-justine-triet-and-her-tight-gang-of-disciples_6028358_117.html 2023年8月21日閲覧。 
  23. ^ Vulser, Nicole (30 May 2023). “French Palme d'Or winner provokes controversy with speech criticizing state for 'commercializing culture'”. Le Monde. 22 August 2023時点のオリジナルよりアーカイブ22 August 2023閲覧。
  24. ^ Goodfellow, Melanie (30 May 2023). “Escalating Row Over Cannes Palme d'Or Winner Justine Triet's Politicized Victory Speech Spills Into French Parliament”. Deadline Hollywood. 22 August 2023時点のオリジナルよりアーカイブ22 August 2023閲覧。
  25. ^ France Selects 'The Taste of Things' for Oscars' International Feature Film Race”. Variety (21 September 2023). 23 September 2023時点のオリジナルよりアーカイブ26 September 2023閲覧。
  26. ^ Argentina Industry Crisis: Local Biz Fearful Ahead Of "Devastating" Reforms; Almodóvar, Iñárritu, Justine Triet & More Sign Letter Condemning Far Right Leader's Plan To Scrap State Film Funding”. Deadline. 2024年3月2日閲覧。

外部リンク

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