ケイパー・ストーリー
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ケイパー・ストーリー(英: caper story)は、犯罪小説・犯罪映画のサブジャンル。泥棒、詐欺、ときとして誘拐事件を犯人側の視点で描くのが特徴。事件を捜査あるいは解決しようとする警察・探偵たちも描かれるが、物語の主眼に置かれることはない。アメリカやカナダでは、ハイスト ・ストーリー(Heist Story、Heist=強盗の意)とも呼ばれる[1][2]。日本語では「泥棒小説」「強盗小説」とも訳される[3]。
ケイパー・ストーリーはユーモア、冒険、並外れた賢さと大胆さによって、通常の犯罪小説と区別される。たとえば、ドナルド・E・ウェストレイクの『ドートマンダー・シリーズ』は、オフビートなギャングたちによる盗みを描いた荒唐無稽な物語で、同じ作者の悪党パーカー・シリーズ(リチャード・スターク名義)とは大きく異なる。
『ハックルベリー・フィンの冒険』のようにわき筋で使われることもある。
語源
[編集]動詞「caper」は、「犯罪行為、特に窃盗など暴力を伴わないもの」という意味がある。
著名な小説
[編集]英語圏
[編集]- オー・ヘンリー『赤い酋長の身代金』(1910年)
- レスリー・チャータリスのセイント・シリーズ(1928年〜)
- W・R・バーネット『アスファルト・ジャングル』(1949年)
- ジャック・フィニィ『五人対賭博場』(1954年)
- ジョン・ボーランド『紳士同盟』(1958年)、『The Golden Fleece』(1961年)
- ジャック・フィニィ『クィーン・メリー号襲撃』(1959年)
- エリック・アンブラー『真昼の翳』(1962年) - 映画『トプカピ』原作
- ピーター・オドンネル『唇からナイフ』(1963年)
- ドナルド・E・ウェストレイクのドートマンダー・シリーズ(1970年〜)
- ウォルター・ウェイジャー『Sledgehammer』(1971年)
- トニー・ケンリック『スカイジャック』(1972年)
- ジョン・ゴーディ『サブウェイ・パニック(サブウェイ123 激突)』(1973年)
- マイケル・クライトン『大列車強盗』(1975年)
- トニー・ケンリック『リリアンと悪党ども』(1975年)
- トニー・ケンリック『バーニーよ銃をとれ』(1976年)
- ロバート・L・フィッシュ『密輸人ケックの華麗な手口』(1976)
- トニー・ケンリック『俺たちには今日がある』(1978年)
- トニー・ケンリック『上海サプライズ』(1985年)
- トニー・ケンリック『Glitterbug』(1991年)
- スコット・リンチ『ロック・ラモーラの優雅なたくらみ』(2006年)
- ゴードン・コーマン『Swindle』(2008年) - 2013年にテレビムービー化。アリアナ・グランデも出演。
- アリー・カーター『快盗ビショップの娘』(2010年)
日本
[編集]この節の加筆が望まれています。 |
著名な映画
[編集]→「ケイパー映画」も参照
- 『男の争い 』(1955年)
- 『オーシャンと十一人の仲間』(1960年)
- 『トプカピ』(1964年)
- 『華麗なる賭け』(1968年)
- 『ミニミニ大作戦』(1969年)
- 『戦略大作戦』(1970年)
- 『ホット・ロック』(1972年)
- 『悪の天才たち・銀行略奪大作戦』(1974年)
- 『大列車強盗』(1979年)
- 『ルパン三世 カリオストロの城』(1979年)
- 『マペットの大冒険/宝石泥棒をつかまえろ!』(1981年)
- 『ハドソン・ホーク』(1991年)
- 『スニーカーズ』(1992年)
- 『ロック、ストック&トゥー・スモーキング・バレルズ』(1998年)
- 『スリー・キングス』(1999年)
- 『トーマス・クラウン・アフェアー』(1999年)
- 『オーシャンズ11』(2001年)
- 『ミニミニ大作戦』(2003年)
脚注
[編集]- ^ Peter Derk (2018年6月8日). “The 8 Keys To A Good Heist Story”. LitReactor. 2020年1月15日閲覧。
- ^ 芝山幹郎. “テレビもあるよ - 第34回”. 映画.com. 株式会社エイガ・ドット・コム. 2020年1月15日閲覧。
- ^ “caper storyとは”. 英辞郎 on the WEB. 株式会社アルク. 2023年6月18日閲覧。
外部リンク
[編集]- stuff_1004 (2014002-28). “100 greatest caper/heist films”. IMDb. 2020年1月15日閲覧。