すずらん (フェリー・2代)
すずらん | |
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敦賀港フェリーターミナルに停泊中のすずらん | |
基本情報 | |
船種 | フェリー |
船籍 | 日本 |
所有者 | 新日本海フェリー |
運用者 |
新日本海フェリー 東京九州フェリー |
建造所 | 三菱重工業長崎造船所 |
母港 | 小樽港 |
姉妹船 | すいせん (2代) |
信号符字 | 7JKO |
IMO番号 | 9606895 |
MMSI番号 | 431003496 |
経歴 | |
発注 | 2011年2月 |
起工 | 2011年6月 |
進水 | 2012年1月27日 |
竣工 | 2012年6月29日 |
就航 | 2012年7月1日 |
現況 | 就航中 |
要目 | |
全長 | 224.5m |
全幅 | 26.0m |
機関方式 | ディーゼル |
推進器 | CRPポッド推進 |
最大出力 | 30,300kW |
航海速力 | 27.5ノット |
旅客定員 |
613名(竣工時) 590名(2023年) |
車両搭載数 | トラック158台、乗用車58台 |
すずらんは、新日本海フェリーおよび東京九州フェリーが運航しているフェリー。船名は北海道を代表する花であるスズランから。同社の船隊でスズランに由来する船名は、第1船のすずらん丸から数えて5代目である。
概要
[編集]先代のすずらん・すいせんの代船として、僚船のすいせんと共に三菱重工業長崎造船所で建造された。香焼工場でフェリーが建造されるのは本船が初で、2隻同時建造、2隻同時の進水命名式実施も初であった[1][2]。2012年6月29日に新日本海フェリーに引き渡され、7月1日、苫小牧東港発の南行便で敦賀~苫小牧東港航路に就航した。
2003年に建造されたはまなす・あかしあの準同型船で全長、全幅などは同一である[2]。推進器は引き続きCRPポッド推進を採用しているが、航海距離と所要時間のバランスから航海速力は27.5ノットと抑えられている。環境性能が強化されており、先代のすずらん・すいせんと比較して二酸化炭素排出量を25パーセント、窒素酸化物排出量を40パーセント削減した[3]。一方でトラック積載能力は30パーセント増加したほか、2等船室を全て寝台化、露天風呂を設置するなど旅客設備も強化されている。工期短縮のため船体ブロックを大型化しており、船体ブロック数は設計のベースとなったはまなす・あかしあの146ブロックから68ブロックへ半減した[1]。
2020年のドック入り時にはSOxスクラバーを搭載しファンネルが大型のものに交換され、胴体の「Shin Nihonkai」のロゴが東京九州フェリーの船舶と同じ「Cruising Resort」に書き換えられた。
2022年11月1日から2023年5月6日まで東京九州フェリーの「はまゆう」「それいゆ」と入れ替わりで姉妹船「すいせん」と共に新門司~横須賀航路にて運航している[4]。
船体
[編集]「大自然に包まれるかのような開放感と落ち着きのある船内」をデザインコンセプトとしている[5]。
船室
[編集]2等船室の大部屋は右舷の一部を除き、階段付きの2段寝台を主としたものに変更された。その後2023年に29人定員の右舷和室「ツーリストA・J」部分を用い、「ステートルーム・ウィズペット」3室を設置し全室寝台式としている[6]。
クラス | フロア | ベッド種別 | 部屋数 | 定員 | 設備 |
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スイートルーム 「Grace」 「Trocadero」 |
6F | ツイン | 2室 | 2名 | バス・シャワートイレ・洗面所・テレビ・ DVDデッキ・冷蔵庫・ロッカー・テラス |
ジュニアスイート | 2室 | 2名 | |||
デラックスルームA | ツイン | 19室 | 2名 | バス・シャワートイレ・洗面所・テレビ・ 冷蔵庫・ロッカー・テラス | |
和室 | 6室 | 3名 | |||
ステートルームA | 5F | ツイン | 36室 | 2名 | 洗面所・シャワートイレ・テレビ・ 冷蔵庫・ロッカー |
和室 | 20室 | 3名 | |||
2段ベッド | 16室 | 4名 | |||
4F | ツイン (ウィズペット) |
3室 | 2名 | ||
ツーリストS | 4F | ベッド | 2室 | 12名 | 荷物棚・テレビ |
ツーリストA | ベッド | 19室 | 10名×14室 26名×5室 |
荷物棚 | |
ドライバー室 | ベッド | 5室 | 8名 | サロン・荷物棚・テレビ | |
ステートH | ツイン | 1室 | 2名 | バリアフリー対応個室 | |
デラックスH | ツイン | 1室 | 2名 |
船内設備
[編集]供食・物販設備
- グリル「マルゴー」(5F)
- レストラン「プロヴァンス」(5F)
- カフェ「トリアーノ」(5F)
- ドライバーズレストラン(5F)
- ショップ(4F)
- 自販機コーナー(4F)
- カップ麺コーナー(4F)
入浴設備
- 大浴場・露天風呂・サウナ(6F)
- バリアフリー浴室(4F)
- ドライバー浴室(4F)
オープンスペース
- エントランス(4F)
- プロムナード(5F)
- フォワードサロン「ラルクアンシエル」(5F)
- オープンデッキ(5F)
- ドッグフィールド(4F 冬季閉鎖)
娯楽設備
- コンファレンスルーム(6F)
- ゲームコーナー(6F)
- スポーツルーム(6F)
- アミューズボックス(5F カラオケ、DVD鑑賞)
- チルドレンルーム(4F)
事故・インシデント
[編集]さんふらわあだいせつ火災における救助活動
[編集]2015年8月31日17時15分頃、苫小牧港南方沖約55kmを航行中のさんふらわあ だいせつ(商船三井フェリー)の車両甲板で火災が発生した。 北航便で運航中だった本船は、第1管区海上保安本部の要請を受け現場海域で停船、シルバークイーン(シルバーフェリー)、北王丸(川崎近海汽船)など他社船と協力して救助活動を実施、行方不明者1名を除く総員退船した乗員乗客93名のうち33名を収容、約2時間遅れで苫小牧東港へ到着した[7][8]。
脚注
[編集]- ^ a b 白葉, 義遥「双子フェリーの2隻同時命名進水」『西部支部メールマガジン』第42号、日本船舶海洋工学会、2012年6月29日、2015年11月4日閲覧。[リンク切れ]
- ^ a b “新日本海フェリー、長崎で2隻同時命名・進水”. Webクルーズ. 海事プレス社 (2012年1月30日). 2015年11月4日時点のオリジナルよりアーカイブ。2015年11月4日閲覧。
- ^ “新日本海フェリー、新造船2隻建造を正式発表”. Webクルーズ. 海事プレス社 (2011年3月1日). 2015年11月4日時点のオリジナルよりアーカイブ。2015年11月4日閲覧。
- ^ “2022年11月以降 運航船舶について - 東京九州フェリー”. tqf.co.jp (2022年8月8日). 2022年8月18日閲覧。
- ^ “新日本海フェリー新造船の詳細が明らかに”. WEB CRUISE (2012年4月20日). 2015年11月29日閲覧。
- ^ すずらん・すいせん『ステートルーム ウィズペット』新設・販売開始日につきまして - 新日本海フェリー
- ^ “フェリー火災、93人避難・乗員1人不明 苫小牧沖”. 朝日新聞 (朝日新聞社). (2015年8月1日). オリジナルの2015年11月4日時点におけるアーカイブ。 2015年11月4日閲覧。
- ^ “フェリー火災、敦賀出港の船が救助 「すずらん」、第1管区要請受け”. 福井新聞 (福井新聞社). (2015年8月1日). オリジナルの2015年11月4日時点におけるアーカイブ。 2015年11月4日閲覧。