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2024年J3第37節・最終節

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

2024年J3第37節・最終節では、2024年11月15日·11月16日·11月17日に行われた2024明治安田J3リーグ第37節と、同年11月24日に行われた同リーグ第38節(最終節)について記す。なお、本項では特に、今季開始のJ2昇格プレーオフ進出となる6位以内に入る可能性のあったカターレ富山(富山)・松本山雅FC(松本)・FC大阪(大阪)・福島ユナイテッドFC(福島)・アスルクラロ沼津(沼津)・ギラヴァンツ北九州(北九州)・ヴァンラーレ八戸(八戸)・SC相模原(相模原)及び、J3・JFL入れ替え戦への進出の可能性のあったAC長野パルセイロ(長野)・奈良クラブ(奈良)・Y.S.C.C.横浜(横浜)の11チームの絡む試合を中心に記す。

第37節に至るまでの経緯

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2024年J3最終節 終了後の順位表
順位 クラブ名 勝点 得点 失点 得失点 備考
1 大宮アルディージャ 85 25 10 3 72 32 +40 J2自動昇格
2 FC今治 73 22 7 9 62 38 +24
3 カターレ富山 64 16 16 6 54 36 +18 J2昇格プレーオフ
4 松本山雅FC 60 16 12 10 61 45 +16
5 福島ユナイテッドFC 59 18 5 15 64 49 +15
6 FC大阪 58 15 13 10 43 31 +12
18 AC長野パルセイロ 37 7 16 15 44 57 -13 J3残留
19 Y.S.C.C.横浜 32 7 11 20 34 64 -30 J3・JFL入れ替え戦
20 いわてグルージャ盛岡 22 5 7 26 27 80 -53 JFL自動降格

本年のJ3リーグJ2昇格プレーオフJFLとの入れ替え戦が初めて行われる事。昨年のDeNAによる相模原の子会社化[1]に続いて、外国資本RB)による初めてのJリーグクラブ買収(大宮[2]金沢新スタジアムの開業など大きな転換点となる年であった。

金沢と降格した大宮は大分松本に次いで史上3チーム目となるJ1経験クラブの参戦チームとして開幕前から昇格候補筆頭であった。8節以降は一度も首位から落ちる事なく独走し、32節に早々とJ2復帰を決めた。

W杯日本代表を2度率いた岡田武史2014年からオーナーを務める今治は36節に2位を確定させて、Jリーグ参入5年目で待望のJ2昇格を決めた。得点王マルクス・ヴィニシウスや地元出身の近藤高虎などの活躍も光ったが、一番は専用スタジアムの建設や着実なチーム強化により、地道にクラブを成長させてきた事である。

12年ぶりのJ2昇格を決めたい富山昨年鹿児島とのデットヒート末に得失点差で惜しくも昇格を逃したが、今年は失点数がリーグ3位の少なさで得点数もリーグ6位とバランスが良いチーム編成で3位まで漕ぎつけた。ただ、守備が良いといっても左サイドバックの安光将作が8得点6アシストを記録するなど守備の選手も攻撃参加をしてチームとしても得点を重ねていた。

霜田正浩体制2年目の松本は今季J3アシスト王の菊井悠介がチームを牽引[3]。29節の讃岐戦で勝利してからは4試合で3分1敗と勝ち点を積めない試合が続いたが、34節の横浜戦から理想を追わずに現実的な3バックに布陣変更[4]。これが功を奏し、終盤に5連勝の追い上げでプレーオフ準決勝ホーム開催の4位に滑り込んだ。

福島は新監督に元川崎ヘッドコーチの寺田周平を迎え、得点ランキング3位の塩浜遼、アンダー代表の大関友翔らの活躍で、岩手戦でJ3新記録の9点差勝利などリーグ2位の得点数を叩き出し、前年15位のチームをポゼッションサッカーで5位に押し上げて初のプレーオフ出場を決めた[5]

昨年からJ3参戦の大阪は最終節の八戸戦で勝ち点2を落としたものの、6位となり初のプレーオフ進出を決めた。リーグ最少失点かつ無失点試合が今季最多で守備の堅さが特徴のチームだが、全体で引いて守るチームではなく、守護神の永井建成が統率する中で右サイドバックの美馬和也と左サイドバックの舘野俊祐が果敢に攻撃参加をしてチャンスメイクするなど、守備の選手も攻撃参加をするチームである。

一方の残留争いは、2年前はJ2所属で、近い将来に復帰することが望まれていた岩手は35節の金沢戦で引き分けて最下位(20位)が確定[6]。同順位のチームがJFL優勝チームと入れ替わるかについては、去年最下位の北九州は降格を免れている。しかしそれは同年のJFLの優勝チームJ3昇格の要件を満たしているかで決まる[7]。12年ぶりに町田以来となる史上2チーム目のJリーグクラブのJFL降格による同リーグ退会となったが、J3からのJFL降格は岩手が初めて[8]。大量失点で負けた試合がいくつかあったり、大宮に負けてからの8連敗にみられる様に守備陣が我慢しきれない試合が続いたのが要因であった[5]

第37節

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第36節終了時点での上位順位表[9]
残り2試合のJ2昇格プレーオフ争い
チーム 出場権または降格
1 大宮アルディージャ 36 25 9 2 69 28 +41 84 J2リーグ 2025へ昇格
2 FC今治 36 20 7 9 60 38 +22 67
3 カターレ富山 36 14 16 6 49 34 +15 58 J2昇格プレーオフに出場
4 松本山雅FC 36 14 12 10 58 44 +14 54
5 FC大阪 36 14 12 10 41 30 +11 54
6 福島ユナイテッドFC 36 16 5 15 58 47 +11 53
7 アスルクラロ沼津 36 15 7 14 52 43 +9 52 J3リーグ 2025に出場
8 ギラヴァンツ北九州 36 14 10 12 37 36 +1 52
9 ヴァンラーレ八戸 36 13 12 11 42 38 +4 51
10 SC相模原 36 13 11 12 40 40 0 50

最終更新は2024年11月10日の試合終了時
出典: J. League Data Site
順位の決定基準: 1. 勝点; 2. 得失点差; 3. 得点数.

プレーオフ争い

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11月15日の金曜日から16日と17日の三日間の開催。J2昇格プレーオフを争う8チームの対戦カードは以下の通り。注目は福島沼津大阪相模原の直接対決。今節でプレーオフ圏内を自力で確定出来るのは富山が勝った場合のみであるが、松本、大阪、福島も他チームの結果如何では確定出来る。沼津は今節は福島と次節は松本と直接対決。北九州長野は昇格・降格の両方に関わる試合。相模原は得失点差の関係で今節負けるとプレーオフが事実上の消滅となる。

11月15日

11月16日

11月17日

大阪vs相模原
唯一の金曜開催。8分に増田隼司が左足で放ったシュートのこぼれ球に久保吏久斗がゴーネットを揺らすもオフサイド判定でノーゴール。その後互いに攻め合う展開となったが、相模原は65分に岩上祐三が退場して劣勢を強いられた。大阪は77分にコーナーキックのこぼれ球を坂本修佑が左足のボレーシュートで待望の先制点をあげて1-0で逃げ切った。
松本vs琉球
9,325人の観衆を集めた一戦。8分に安藤翼が右のペナルティーエリア内で放ったシュートを東ジョンがセーブしてボールはゆっくりとゴールライン上を横切り、その直後に琉球の鈴木順也がクリア。しかしこれがゴールラインを割ったと判定されて先制点を奪う。31分には安藤翼の左エリアへのスルーパスに抜け出した村越凱光が左足で流し込み松本は追加点。その後はブロックを敷いて守備の重心を低くした。琉球は33分に藤春廣輝がゴールネットを揺らすもオフサイド、49分に佐藤祐太のシュートがクロスバーをかすめるなど攻め続けたが最後の精度を欠いた。80分にPK富所悠が1点を返したが松本がそのまま2-1で逃げ切った。
北九州vs長野
長野に危険な場面は作らせていなかった北九州は80分に高吉正真が待望のJリーグ初ゴールを挙げる。しかし、アディショナルタイムも終わりそうな90+5分にまさかの同点ゴールを田中康介に許し引き分け。北九州は衝撃の展開で目の前まで来ていた勝ち点3を落とした。
富山vs八戸
雨天開催。お互いにプレーオフを考えて重要な試合。序盤は前澤甲気のミドルシュートなど八戸に押し込まれる展開となったが26分に西矢慎平のクロスに安光将作が合わせて富山が先制点。49分にはコーナーキックのこぼれ球を西矢慎平が左足でシュートし、それに触ったマテウス・レイリアが軌道を変えて追加点。既に大阪が勝利し、後の試合で福島が勝つとプレーオフ圏内が無くなる八戸も61分に左サイドを突破した安藤由翔のクロスに青森県出身の佐々木快が合わせて1点差に。しかし、89分にフリーキックのこぼれ球を神山京右が押し込んで富山が3-1で勝利した。
福島vs沼津
福島と沼津の直接対決。前日の試合で北九州が引き分けたので得失点差の関係で、勝てば事実上プレーオフが決まりの福島。25分沼津は左サイドから森夢真が中の味方に合わせたフリーキックが直接ゴールイン。出鼻を挫かれた福島も36分に左サイドから攻めて10番森晃太のクロスに19歳の大関友翔が右足で合わせて同点。78分にはコーナーキックの混戦の中で20歳の松長根悠仁が豪快に蹴り込み勝ち越し。川崎から期限付き移籍中の若手2人の活躍で福島が2-1で大一番を制した。
第37節終了時点での上位順位表[10]
残り1試合のJ2昇格プレーオフ順位争い
チーム 出場権または降格
1 大宮アルディージャ 37 25 10 2 71 30 +41 85 J2リーグ 2025へ昇格
2 FC今治 37 21 7 9 61 38 +23 70
3 カターレ富山 37 15 16 6 52 35 +17 61 J2昇格プレーオフに出場
4 松本山雅FC 37 15 12 10 60 45 +15 57
5 FC大阪 37 15 12 10 42 30 +12 57
6 福島ユナイテッドFC 37 17 5 15 60 48 +12 56
7 ギラヴァンツ北九州 37 14 11 12 38 37 +1 53 J3リーグ 2025に出場
8 アスルクラロ沼津 37 15 7 15 53 45 +8 52
9 ヴァンラーレ八戸 37 13 12 12 43 41 +2 51
10 FC岐阜 37 14 8 15 62 56 +6 50
11 SC相模原 37 13 11 13 40 41 −1 50

最終更新は2024年11月17日の試合終了時
出典: J. League Data Site
順位の決定基準: 1. 勝点; 2. 得失点差; 3. 得点数.
6位の福島と7位の北九州には得失点で11も差がある為に、最終節を前にプレーオフ進出の6チームは事実上決まった。

残留争い

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第36節終了時点での下位順位表[11]
残り2試合のJ3残留争い
チーム 出場権または降格
17 AC長野パルセイロ 36 7 15 14 43 54 −11 36 J3残留
18 奈良クラブ 36 6 18 12 42 55 −13 36
19 Y.S.C.C.横浜 36 7 11 18 30 58 −28 32 J3・JFL入れ替え戦に出場 2
20 いわてグルージャ盛岡 36 5 7 24 26 75 −49 22 JFL 自動降格へ降格 2

最終更新は2024年11月10日の試合終了時
出典: J. League Data Site
順位の決定基準: 1. 勝点; 2. 得失点差; 3. 得点数.
残留争いの3チームに絡む試合は以下の通り。長野と奈良は今節勝てば自力でJ3残留が確定。盛岡は前節にJFL降格(Jリーグ退会)が決定済み。

11月16日

11月17日

北九州vs長野
長野は必死の守備で粘っていたが80分に北九州の高吉正真にJリーグ初ゴールを許す。しかし、諦めずに攻め続けてアディショナルタイムの90+5分に田中康介が同点ゴール。長野は勝てなかったものの、プレーオフ圏内を目指す相手から貴重な勝ち点1を手にした。
奈良vs盛岡
ホーム最終戦。前半終了間際の44分、奈良は右サイドのゴールエリア前から岡田優希のシュート性のクロスに酒井達磨が左足で合わせて待望の先制点を奪う。後半は互いに攻め合う展開となったが奈良は1-0で逃げ切って自力でのJ3残留を決めた。
宮崎vs横浜
横浜は21分と23分に脇坂崚平のゴールで2点先取して、73分に宮崎の橋本啓吾に1点返されてもアディショナルタイムまで1点差でリードしていた。ところが、宮崎は90+3分に黒木謙吾、90+7分に武颯が立て続けにゴールを決めて逆転。残り2試合で残留圏の18位以上を目指す横浜としては痛すぎる逆転負けとなり、今節で入れ替え戦に臨む19位が確定した。
第37節終了時点での下位順位表[12]
最終節を前に残留チーム確定
チーム 出場権または降格
17 奈良クラブ 37 7 18 12 43 55 −12 39 J3残留
18 AC長野パルセイロ 37 7 16 14 44 55 −11 37
19 Y.S.C.C.横浜 37 7 11 19 32 61 −29 32 J3・JFL入れ替え戦に出場 2
20 いわてグルージャ盛岡 37 5 7 25 26 76 −50 22 JFL 自動降格へ降格 2

最終更新は2024年11月10日の試合終了時
出典: J. League Data Site
順位の決定基準: 1. 勝点; 2. 得失点差; 3. 得点数.

最終節

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本節の注目は松本大阪福島の3チームによる4位争いで、勝ち点も得失点差も大差がないのでどこが4位になっても不思議でない条件であった。前節でJ2昇格プレーオフ進出チーム、J3・JFL入れ替え戦出場チームが決まった。3位も既に富山がその順位でのプレーオフ出場を確定させたが、4位にも同大会の準決勝ホーム開催権が与えられるので、ホームアドバンテージだけでなくチームの収益面、初戦で3位のチームを避けたい意味でも重要であった。

11月24日14時から全試合同時開催。3チームの対戦は以下の通りで、全てアウェイゲームである。今季得点数が2番目に多い6位の福島は降格が決まった最下位の岩手なのに対し、4連勝中で4位の松本は8位の沼津、今季最小失点で5位の大阪は9位の八戸と順位が近いチームとの対戦なので福島より難しい相手となった。また、沼津はマイアミの奇跡の立役者でJリーグ現役最年長の伊東輝悦、岩手は元日本代表水野晃樹が現役最後の試合となった[13][14]

11月24日

前半

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3会場のうち最初に試合が動いたのはいわスタで、3分に福島MF大関友翔がノールックでカーブをかけた縦パスを左サイドに出すと、それに抜け出したMF森晃太が左足で中に折り返す。エースの塩浜遼が相手よりも先に触り、対応した相手DFが転倒すると、そのこぼれ球を拾いGKの位置を見て右サイドネットに蹴り込んだ。塩浜の今季15ゴール目で福島が先制。攻撃的サッカーを掲げ攻勢を緩めない福島は32分にも城定幹大がペナルティーエリア右からのFKを左足でカーブをかけてゴールを奪い2点のリードとなる。

福島が2点目を決めてから3分後(35分)にプラスタでも動きがあり、大阪は左サイドのタッチライン際にいた舘野俊祐主将がペナルティーアーク前にいた増田隼司に左足でロングパスを送ると、これを増田がワンタッチで走り込んでいた芳賀日陽にパス。芳賀はGKの位置を見て冷静に右足で右サイドネットに突き刺した。強風の中でも大阪が追い風を活かしてパスワークでリードを奪った。

愛鷹の松本の試合はアウェイにも関わらず約2,700人の松本サポーターが詰め掛けて選手を後押し[15]。互いに慎重な流れになったが、37分に沼津MF沼田航征のミドルシュートがバーを叩くなど危ないシーンを作られながらも、42分に菊井悠介の仕掛けから山本康裕が相手GKと1対1になるなど盛り返し、前半は0-0で終了。

このまま進めば大阪が4位でプレーオフ準決勝ホーム開催で福島と対戦、松本はJ3降格後に未勝利のアウェイ富山戦となる状況であった。

2024年J3第38節 前半終了時点の試合経過
順位 クラブ名 スコア 勝点[† 1] 得失点 昇降
4位 FC大阪 1-0 60 +13 上昇1
5位 福島ユナイテッドFC 2-0 59 +14 上昇1
6位 松本山雅FC 0-0 58 +15 下降2
  1. ^ この時点でのスコアでそのまま試合終了すると仮定したもの

後半

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後半も風の強いプラスタ。サイドが変わって追い風の八戸は大阪ゴールを脅かす回数が増える。守護神の永井建成が最後の砦でゴールを守るが、60分右サイドでボールを持った前澤甲気が横を駆け上がる妹尾直哉に体を向けたと思いきや意表を突いて中にクロスボールを上げる。永井はパンチングしようと前に出るがボールはすり抜けてしまう。それを走り込んだ地元青森県出身の佐々木快がヘッドで2試合連続のゴールを決めて今季10点目とした。

いわスタでは現役引退を表明したMF水野晃樹が61分に投入されてから岩手が押し返す場面が増える。しかし後半に入っても攻めの姿勢を崩さない福島は73分、岩手のDFラインのボール回しにFWの樋口寛規が猛烈にプレスをかけると、岩手DFがゴールエリア中央で転倒してしまい、それを塩浜遼が逃さず奪い左足でゴール左上隅に蹴り込みこの日2点目。福島が残り15分強で3-0でリードし、勝利は決定的なものとなった。

松本は沼津とスコアレスのまま緊迫な状況で試合を進めていたが、63分にこの試合で一番のピンチを迎える。ペナルティーエリア右角から持井響太のスルーパスにタイミング良く抜け出した和田育が松本GKの大内一生と1対1を迎えるが、大内は和田のシュートを左腕に当てて難を逃れた。

2024年J3第38節 73分(後半28分)時点の試合経過
順位 クラブ名 スコア 勝点[† 1] 得失点 昇降
4位 福島ユナイテッドFC 3-0 59 +15 上昇2
5位 松本山雅FC 0-0 58 +15 下降1
6位 FC大阪 1-1 58 +12 下降1
  1. ^ この時点でのスコアでそのまま試合終了すると仮定したもの

その後試合は各会場とも終盤に入り、いわスタでは岩手が82分にDF新里涼が前線に蹴ったロングボールが福島DFのトラップミスを誘い、それを取った佐藤未勇が意地の1点を返す。しかし、依然として前線からのプレスを緩めない福島は86分に城定幹大のパスカットを拾った矢島輝一がダメ押しの4点目を福島にもたらし勝負あり。

追いつかれた大阪は逆風の中でも八戸ゴールへの圧力を強める。75分に途中出場のFW島田拓海が味方のスルーパスに抜け出してシュートも相手DFにブロックされ、80分には左サイドバックの舘野俊祐が前線でパスカットからのミドルシュートを放つが枠外。

松本は82分にペナルティーエリア左からのフリーキック。キッカーの山本康裕は枠内にシュートを放ち、沼津GK武者大夢はパンチングを選択。こぼれ球に安永玲央が反応するも相手DFに阻まれて得点はならず。

2024年J3第38節 90分(後半45分)時点の試合経過
順位 クラブ名 スコア 勝点[† 1] 得失点 昇降
4位 福島ユナイテッドFC 4-1 59 +15 上昇2
5位 松本山雅FC 0-0 58 +15 下降1
6位 FC大阪 1-1 58 +12 下降1
  1. ^ この時点でのスコアでそのまま試合終了すると仮定したもの

3試合共アディショナルタイムに入り、福島は勝利が確定な状況。大阪と松本はこのまま引き分けのまま試合が終了すると思われた愛鷹の90+2分、沼津ゴールを背にした状態で松本MF山本康裕のパスを受けたMF安永玲央がターンして右足を振りぬくとグラウンダーのシュートは左に飛んだ沼津GK武者大夢の右手を掠めてゴールイン。土壇場で松本が勝ち越しに成功。沼津は失点直後に主将のMF徳永晃太郎に代わってMF伊東輝悦が現役最後の試合にキャプテンマークを譲り受けて途中出場し、愛鷹は試合終了間際の失点直後にも関わらず拍手に包まれた[16][17]。そして、各会場ともそのまま試合が終了。

福島は松本がこのまま引き分ければプレーオフ準決勝ホーム開催権のある4位になれたが、最後の最後にその願いは断たれた。沼津は前節の福島戦に続いて2試合連続でライバルの歓喜を見せつけられる形となったが、中山雅史体制2年目で前半戦2位で35節まではプレーオフ圏内にいたものの、ラスト3試合3連敗となった。大阪は八戸相手に逃げ切れず勝ち点2落として6位フィニッシュとなった。福島も大阪も最後思うような結果は得られなかったが、クラブ史上初のプレーオフ進出を決めた。松本は33節終了時には11位だったが、沼津とは対照的に終盤5連勝で4位に滑り込んだ。

2024年J3第38節 最終結果
順位 クラブ名 スコア 勝点[† 1] 得失点 昇降
4位 松本山雅FC 1-0 60 +16
5位 福島ユナイテッドFC 4-1 59 +15 上昇1
6位 FC大阪 1-1 58 +12 下降1
  1. ^ この時点でのスコアでそのまま試合終了すると仮定したもの

最終的に今季の自動昇格大宮今治J2昇格プレーオフ富山大阪松本福島の組み合わせとなった。高知との入れ替え戦には横浜が臨み、岩手JFL降格となった。

試合結果

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アスルクラロ沼津0 - 1松本山雅FC
レポート

ヴァンラーレ八戸1 - 1FC大阪
レポート

いわてグルージャ盛岡1 - 4福島ユナイテッドFC
レポート

脚注

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注記

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出典

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  1. ^ DeNAがJリーグクラブ「SC相模原」を運営するスポーツクラブ相模原の株式追加取得により連結子会社化を決定”. 株式会社ディー・エヌ・エー (2022年10月26日). 2024年12月11日閲覧。
  2. ^ レッドブルJリーグ参入へ J初の外国資本企業オーナー誕生も J3大宮が最有力候補”. スポーツニッポン (2024年2月15日). 2024年12月11日閲覧。
  3. ^ J3.LEAGUE STATS”. Jリーグ. 2024年12月11日閲覧。
  4. ^ J3で3年目・松本山雅の現状 PO圏内に肉薄…逆転J2昇格へ“命運を託された”3人のキーマン【コラム】”. フットボールゾーン (2024年10月28日). 2024年12月11日閲覧。
  5. ^ a b 福島がJ3新記録の9-0勝利!! 柏vs京都に次ぐJリーグ史上2位の最大得点差試合に”. ゲキサカ (2024年4月29日). 2024年12月11日閲覧。
  6. ^ 「JリーグからJFLへの降格チーム」が誕生へ…FC町田ゼルビア以来12年ぶり”. gooニュース (2024年10月27日). 2024年12月11日閲覧。
  7. ^ 岩手、3試合を残してJ3最下位が確定…JFLへの自動降格が決定的に”. サッカーキング (2024年11月3日). 2024年12月11日閲覧。
  8. ^ いわてグルージャ盛岡のJFL降格決まる J3からは初めて”. 岩手日報 (2024年11月18日). 2024年12月11日閲覧。
  9. ^ 2024明治安田Jリーグ 終盤戦特集”. JリーグオフィシャルWEBサイト (2024年10月6日). 2024年11月29日閲覧。
  10. ^ 2024明治安田Jリーグ 終盤戦特集”. JリーグオフィシャルWEBサイト (2024年10月6日). 2024年12月11日閲覧。
  11. ^ 2024明治安田Jリーグ 終盤戦特集”. JリーグオフィシャルWEBサイト (2024年10月6日). 2024年12月11日閲覧。
  12. ^ 2024明治安田Jリーグ 終盤戦特集”. JリーグオフィシャルWEBサイト (2024年10月6日). 2024年12月9日閲覧。
  13. ^ 伊東輝悦選手 現役引退のお知らせ”. X (2024年10月31日). 2024年12月11日閲覧。
  14. ^ 【水野晃樹選手 現役引退のお知らせ】”. X (2024年9月29日). 2024年12月11日閲覧。
  15. ^ 国内3部なのに大観衆「なにこの数!」 ゴール裏“満席状態”に驚き「規格外」”. FOOTBALL ZONE (2024年11月25日). 2024年12月11日閲覧。
  16. ^ 50歳2ヶ月24日 伊東輝悦、最後のピッチへ”. X (2024年11月24日). 2024年12月11日閲覧。
  17. ^ 伊東輝悦 引退セレモニー”. X (2024年11月24日). 2024年12月11日閲覧。

関連項目

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