コンテンツにスキップ

英文维基 | 中文维基 | 日文维基 | 草榴社区

逓信総合博物館

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
逓信博物館から転送)
逓信総合博物館
博物館全景(2015年に解体)
逓信総合博物館の位置(東京都区部内)
逓信総合博物館
逓信総合博物館の位置
施設情報
正式名称 逓信総合博物館
愛称 ていぱーく
前身 郵便博物館→逓信博物館
専門分野 通信全般
管理運営 通信文化協会
東日本電信電話株式会社
開館 1902年明治35年)
閉館 2013年平成25年)8月31日
所在地 100-0004
東京都千代田区大手町二丁目3-1 逓信ビル
プロジェクト:GLAM
テンプレートを表示

逓信総合博物館(ていしんそうごうはくぶつかん)は、東京都千代田区大手町にあった企業博物館である。愛称は「ていぱーく」。

沿革

[編集]

1902年明治35年)に万国郵便連合加盟25周年を記念して開館した郵便博物館が前身である。1910年(明治43年)、東京市京橋区木挽町(現・東京都中央区銀座)に逓信省庁舎が完成した[1] ことに伴い庁舎内部に移転するも、収蔵物の増加に伴い庁舎内では手狭になったため1922年(大正11年)、東京市麹町区富士見町二丁目の陸軍軍医学校内(現・東京逓信病院敷地)にあった済生会が使用していた建物に移転[2][3]、「逓信博物館」と改称。1964年昭和39年)に逓信ビルに移転、郵政省日本電信電話公社(電電公社)、国際電信電話株式会社(KDD)および、日本放送協会(NHK)による共同運営の博物館「逓信総合博物館」となり、閉館に至るまでこの名称であった。

日本国政府の「行政改革」と「通信市場の自由化」に伴い、運営組織も変遷をたどる。まず2001年平成13年)にKDDI(旧・国際電信電話→KDD)が離脱、2011年(平成23年)3月31日(実質的には同年3月11日)をもってNHKが[4] 運営から離脱し、日本郵政東日本電信電話(NTT東日本)の二者による共同運営となり、2012年4月1日からは公益財団法人通信文化協会とNTT東日本の2機関で共同運営していた。

2011年3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震東日本大震災)では窓ガラスの亀裂等の被害を受け、同年3月12日から8月2日まで臨時閉館を余儀なくされた。2011年8月中の開館時間は、水曜日から日曜日の10時 - 15時となったが、同年9月より通常の開館時間に戻った。

ビル老朽化に伴い、都市再生機構が進める「大手町連鎖型都市再生プロジェクト」の一環として建て替えられることになり、2013年8月31日をもって閉館した。2014年8月1日に解体工事が着工され、2015年8月31日に解体工事が完了した。その後、大手町二丁目地区第一種市街地再開発事業として地上35階建ての大手町プレイスウエストタワーが建てられ、2018年(平成30年)8月に完成。日本郵政グループ各企業の本社機能が、東京・霞が関旧郵政省庁舎から移転した。

通信文化協会が運営していた郵便関連については2014年3月1日に「郵政博物館」の名称で、東京スカイツリータウンで再公開されている。NTT東日本が運営していた部分については対象外となり、一部の展示史料がNTT技術史料館に移管されたものの、大半の所蔵品は同社情報通信史料センター所有となり、一般公開はなくなった。なおNHKの所蔵品は東京都港区愛宕NHK放送博物館に、KDDIの所蔵品は社内保管を経て2020年令和2年)12月1日、東京都多摩市にオープンしたKDDI MUSEUMにそれぞれ移されている。

概要

[編集]
博物館の入口

日本で唯一の情報通信関係の総合博物館だった当館は、郵便郵貯簡保の「郵政三事業」、電話インターネット等の「電気通信事業」について、資料の収集・保存、展示、調査研究等を行っていた(NHK離脱以前にはラジオテレビ等の「放送事業」についての展示も行われていた)。

常設展示は、通信文化協会が運営する「郵政資料館」とNTT東日本が運営する「NTT情報通信館」の二つから構成されていた(2012年当時)。また、春休み夏休み大型連休などを利用して期間限定で、1階ホールにおいて特別展示が開催された。近隣の、旧電電公社の運営していた「電気通信科学館」が公社民営化に伴い閉館(1989年6月30日)した際には、その所蔵品を引き受けた。電気通信科学館の建物は、現在NTTデータ大手町ビルとなっている。

なお、当館(展示場フロアは3階まで)が入居していた逓信ビルには、日本電信電話持株会社)の本社があった[5]。同一敷地内には近年まで旧東京郵政局ビルがあり、日本郵政公社東京支社、総務省関東総合通信局が入居していたが、再開発のため取り壊された。設計者は、逓信ビル設計者と同じく小坂秀雄である。これらの組織はすべて、旧逓信省を前身としており、往時の逓信省及び郵政省の所管していた業務の幅広さを偲ばせる。

日本アマチュア無線連盟展示室に常設されるアマチュア局「JA1YAA」は、元は当館の社団局だった。

旧蔵品の指定文化財

[編集]
ペリー提督江戸幕府に献上したエンボッシングモールス電信機(展示はレプリカ)。重要文化財

所蔵品のうち、以下のものが国の重要文化財に指定されていた。

展示

[編集]

郵政資料館

[編集]

NTT情報通信館

[編集]

利用案内(閉館時点)

[編集]
  • 開館時間:9:00 - 16:30(入館は16:00まで)
  • 休館日:月曜日(祝日・振替休日の時は翌火曜日が休館日)
  • 入館料:大人110円、小・中・高校生50円(小中高校生は日・祝日無料)

交通アクセス

[編集]

脚注

[編集]
  1. ^ その後この場所は東京南部小包集中局を経て、銀座郵便局となる。
  2. ^ 済生会病院麹町分院→牛込済生会病院を経て現・東京都済生会中央病院
  3. ^ なおこの直後、1923年に関東大震災があり、逓信省本省は焼け落ちてしまった。
  4. ^ 逓信総合博物館記念メダル 初日押印奮戦記(鳴美) 2011年2月27日
  5. ^ 2013年12月にファーストスクエア イーストタワーに移転。

外部リンク

[編集]
逓信総合博物館
郵政博物館

座標: 北緯35度41分12.5秒 東経139度46分0.7秒 / 北緯35.686806度 東経139.766861度 / 35.686806; 139.766861