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豊頃町

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
豊頃村から転送)
とよころちょう ウィキデータを編集
豊頃町
豊頃町旗 豊頃町章
1950年11月1日制定[1]
日本の旗 日本
地方 北海道地方
都道府県 北海道十勝総合振興局
中川郡
市町村コード 01645-4
法人番号 1000020016454 ウィキデータを編集
面積 536.71km2
総人口 2,898[編集]
住民基本台帳人口、2024年11月30日)
人口密度 5.4人/km2
隣接自治体 広尾郡大樹町十勝郡浦幌町
中川郡幕別町池田町
町の木 ニレ
町の花 エゾムラサキツツジ
豊頃町役場
町長 按田武
所在地 089-5312
北海道中川郡豊頃町茂岩本町125番地
北緯42度48分04秒 東経143度30分21秒 / 北緯42.801度 東経143.50589度 / 42.801; 143.50589座標: 北緯42度48分04秒 東経143度30分21秒 / 北緯42.801度 東経143.50589度 / 42.801; 143.50589
外部リンク 公式ウェブサイト

豊頃町位置図

― 政令指定都市 / ― 市 / ― 町・村

ウィキプロジェクト
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十勝河口橋より見た十勝川下流
十勝川と豊頃大橋

豊頃町(とよころちょう)は、北海道十勝総合振興局管内の中川郡にある町。十勝地方の東南端に位置している[2]。十勝地方の開拓が十勝川を河口から遡上する形で進んだ歴史から十勝地方発祥の地とされ、大津地区と呼ばれる河口住居地の中央近くに碑がある。ハルニレの木が町のシンボルとなっている。

町名の由来

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アイヌ語に由来するとされるが原義は不明となっている[3]

幕末から明治にかけて活躍した探検家の松浦武四郎が著した『十勝日誌』には当地を指すと思われる「トヒヲカ」の名称があるが、その由来については示されていない[3]。またアイヌ語研究者の永田方正や1950年版以降の『北海道 駅名の起源』は「トヨㇷ゚カオロ」という語が由来であるとしているが、いずれもその原義は不明としている[4][3]

加えて、1947年版の『北海道駅名の起源』は「トエコロ(多くのフキ)」と書いているが、これについてアイヌ語研究者の山田秀三は「納得しにくい」と評している[3]

地理

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十勝総合振興局東部に位置、太平洋に面する。十勝川流域及び太平洋沿岸部は平地で、その他の地域は丘陵地帯。十勝川下流湖沼群および十勝海岸湖沼群が「生物多様性の観点から重要度の高い湿地」(重要湿地)[5] に、十勝川河口周辺が「生物多様性の観点から重要度の高い海域[6]に選定されている。大津海岸は、厳寒期の砂浜に「ジュエリーアイス」と呼ばれる氷の塊が現れるという現象で知られている[7]

気候

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ケッペンの気候区分によると、豊頃町は湿潤大陸性気候に属する。寒暖の差が大きく気温の年較差、日較差が大きい顕著な大陸性気候である。降雪量が多く、豪雪地帯に指定されている。冬季は-20℃を下回る気温が観測されることが珍しくなく、寒さが厳しい。

大津(1991年 - 2020年)の気候
1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
最高気温記録 °C°F 7.6
(45.7)
11.5
(52.7)
15.9
(60.6)
31.9
(89.4)
31.3
(88.3)
34.5
(94.1)
33.6
(92.5)
34.6
(94.3)
31.4
(88.5)
25.1
(77.2)
20.4
(68.7)
13.4
(56.1)
34.6
(94.3)
平均最高気温 °C°F −1.1
(30)
−0.4
(31.3)
3.3
(37.9)
8.9
(48)
12.9
(55.2)
15.6
(60.1)
19.5
(67.1)
21.6
(70.9)
20.2
(68.4)
15.4
(59.7)
8.9
(48)
1.5
(34.7)
10.5
(50.9)
日平均気温 °C°F −7.4
(18.7)
−6.4
(20.5)
−1.2
(29.8)
4.1
(39.4)
8.5
(47.3)
12.1
(53.8)
16.1
(61)
18.1
(64.6)
15.9
(60.6)
9.9
(49.8)
3.2
(37.8)
−4.2
(24.4)
5.7
(42.3)
平均最低気温 °C°F −13.9
(7)
−13.2
(8.2)
−6.4
(20.5)
−0.4
(31.3)
4.6
(40.3)
9.2
(48.6)
13.6
(56.5)
15.4
(59.7)
12.0
(53.6)
4.5
(40.1)
−2.2
(28)
−9.8
(14.4)
1.1
(34)
最低気温記録 °C°F −26.6
(−15.9)
−27.7
(−17.9)
−22.1
(−7.8)
−10.7
(12.7)
−3.7
(25.3)
0.3
(32.5)
6.4
(43.5)
7.2
(45)
1.1
(34)
−5.4
(22.3)
−13.7
(7.3)
−21.5
(−6.7)
−27.7
(−17.9)
降水量 mm (inch) 42.2
(1.661)
28.5
(1.122)
47.3
(1.862)
73.4
(2.89)
107.6
(4.236)
103.8
(4.087)
123.9
(4.878)
145.7
(5.736)
165.5
(6.516)
114.4
(4.504)
61.3
(2.413)
53.7
(2.114)
1,076
(42.362)
平均降水日数 (≥1.0 mm) 5.2 4.4 5.8 7.8 9.5 8.4 10.4 10.7 10.3 8.4 7.7 5.9 95.1
平均月間日照時間 192.9 188.6 213.4 182.6 174.1 123.3 110.3 121.3 145.0 174.1 173.0 179.6 1,981.4
出典1:Japan Meteorological Agency
出典2:気象庁[8]

隣接している自治体

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人口

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豊頃町と全国の年齢別人口分布(2005年) 豊頃町の年齢・男女別人口分布(2005年)
紫色 ― 豊頃町
緑色 ― 日本全国
青色 ― 男性
赤色 ― 女性
豊頃町(に相当する地域)の人口の推移
1970年(昭和45年) 7,386人
1975年(昭和50年) 6,280人
1980年(昭和55年) 5,779人
1985年(昭和60年) 5,541人
1990年(平成2年) 5,050人
1995年(平成7年) 4,519人
2000年(平成12年) 4,164人
2005年(平成17年) 3,732人
2010年(平成22年) 3,394人
2015年(平成27年) 3,182人
2020年(令和2年) 3,022人
総務省統計局 国勢調査より

歴史

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  • 1798年(寛政10年)頃から大津地区に番屋駅逓が設置された。また十勝地方開拓アイヌとの交易の拠点ともなった。
  • 1880年(明治13年) 大津外4郡戸長役場が設置される。
  • 1893年(明治26年) 大津に中川郡各戸長役場が設置される。
  • 1896年(明治29年) 二宮尊親(二宮尊徳の孫)が北海道開拓の豊頃町に住む。
  • 1899年(明治32年) 中川郡旅来を除く豊頃外13か村が大津戸長役場から分かれる(中川郡豊頃村安骨村戸長役場が設置される)
  • 1906年(明治39年)4月1日 豊頃村、安骨(ちゃしこちゃ)村が合併、二級町村制が施行され、豊頃村となる。同時に安骨村は読みを「あんこつむら」に改める。
  • 1955年(昭和30年)4月1日 大津村の一部(大津村(一部)・長臼村(一部)・旅来村・当縁村(一部))を編入。
  • 1965年(昭和40年)1月1日 町制施行、豊頃町となる。
  • 1979年(昭和54年)- 1982年(昭和57年)町内の6大字を以下の各字・町に再編。
    • 豊頃村 → 茂岩、茂岩新和町、茂岩本町、茂岩末広町、茂岩栄町、中央新町、中央若葉町、豊頃南町、豊頃佐々田町、豊頃旭町(以上1979年)、豊頃、礼文内、十弗、十弗宝町、幌岡、北栄、育素多(以上1980年)、統内、礼作別、農野牛、牛首別、二宮、背負、安骨(以上1981年)
    • 安骨村 → 安骨、背負、薄別(以上1981年)、旅来(1982年)
    • 大津村 → 大津元町、大津幸町、大津寿町、大津港町(以上1979年)、大津、打内、長節、旅来(以上1982年)
    • 長臼村 → 打内、大津、旅来(1982年)
    • 旅来村 → 安骨(1981年)、旅来、打内(以上1982年)
    • 当縁村 → 大津港町(1979年)、大津、長節、湧洞(以上1982年)
  • 2000年(平成12年) 開町120年記念式典が挙行される。

行政

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町長
  • 按田武(1期目、2021年 - )[9]
議会
衆議院選挙区

経済

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産業

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農業(畑作)、酪農漁業が盛ん。畑作では馬鈴薯テンサイ小麦大根などを生産。大津漁港を拠点とする漁業では、サケカニホッキ貝シシャモなどが獲れる。

立地企業

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組合

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  • 豊頃町農業協同組合(JA豊頃町)
  • 大津漁業協同組合
  • 十勝広域森林組合豊頃事業所
  • 北海道農業共済組合(NOSAI北海道)十勝東部支所・十勝東部家畜診療所

郵便局

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  • 豊頃郵便局(集配局)
  • 豊頃駅前郵便局
  • 大津郵便局
  • 二宮簡易郵便局
  • 十弗簡易郵便局

公共機関

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警察

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消防

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姉妹都市・提携都市

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姉妹都市

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教育

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  • 高等学校
    • なし
  • 中学校
    • 豊頃
  • 小学校
    • 大津
    • 豊頃(旧豊頃小を廃止し、2007/04に新たに設置)

閉校された学校

  • (旧)豊頃小学校 2007/03
  • 茂岩小学校 2007/03
  • 礼文内小学校
  • 統内小学校
  • 二宮小学校
  • 報徳小学校
  • 旅来小学校
  • 長節小学校
  • 礼文内中学校

交通

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豊頃駅

空港

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鉄道

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バス

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  • 豊頃町有バス、豊頃町コミュニティバス - 市街地循環線、旅来・大津方面[12]

かつては帯広 - 浦幌間の路線バス(十勝バス)や帯広 - 釧路間の特急すずらん号(十勝バス・くしろバス)が町内に停車していたが、2011年(平成23年)4月1日までに廃止された。

道路

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名所・旧跡・観光スポット・祭事・催事

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絵馬カムイノミの図(河鍋暁斎画)
大津海岸に打ち上げられた氷塊「ジュエリーアイス」

文化財

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道指定

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  • 絵馬カムイノミの図 - 大津稲荷神社蔵
  • 大津海岸トイトツキ浜野生植物群落
  • 大津海岸長節湖畔野生植物群落

町の文化財

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  • 二宮尊親の書「修学習業」
  • 二宮尊徳の紋付羽織 - 報徳二宮神社蔵
  • 二宮尊徳の直筆「道歌」 - 報徳二宮神社蔵
  • 二宮尊徳の書「遂終」
  • 二宮獅子舞神楽 - 二宮郷土芸能保存会
  • 礼文内第2チャシコツ
  • 旅来Aチャシコツ
  • 旅来Bチャシコツ
  • ハルニレ - 2件
  • 湧洞湖畔野生植物群落

観光

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  • 十勝ロイヤルホテル
  • 大津・長節原生花園
  • ハルニレの木 町のシンボル(写真絵本『はるにれ』のモデルにもなった)
  • 小川の滝
  • ジュエリーアイス - 十勝川河口近くの大津海岸に宝石のような氷が打ち寄せられる冬の風物詩

出身・ゆかりの人物

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出身有名人

[編集]

ゆかりの人物

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脚注

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  1. ^ 図典 日本の市町村章 p17
  2. ^ 北海道豊頃町”. 豊頃町. 2024年11月30日閲覧。
  3. ^ a b c d 山田秀三『北海道の地名』(2版)草風館、浦安市〈アイヌ語地名の研究 別巻〉、2018年11月30日、293頁。ISBN 978-4-88323-114-0 
  4. ^ 『北海道 駅名の起源』(第1版)日本国有鉄道北海道総局、札幌市、1973年3月25日、126頁。ASIN B000J9RBUY 
  5. ^ https://www.env.go.jp/nature/important_wetland/wetland/p01_01_hokkaido.html
  6. ^ https://www.env.go.jp/nature/biodic/kaiyo-hozen/kaiiki/engan/11101.html
  7. ^ https://www.toyokoro-kankoh.com/ 豊頃観光協会 「ジュエリーアイス豊頃」
  8. ^ 大津 過去の気象データ検索”. 気象庁. 2023年12月28日閲覧。
  9. ^ 按田武町長インタビュー”. 豊頃町. 2023年3月19日閲覧。
  10. ^ 平成29年第3回豊頃町議会定例会会議録(第1号)” (PDF). 豊頃町. p. 2/42 (2017年9月13日). 2018年2月11日閲覧。
  11. ^ 2026年4月から帯広警察署
  12. ^ 町有バス・コミュニティバス時刻表” (PDF). 豊頃町. 2018年5月31日閲覧。
  13. ^ 内形勝也 (2019年4月10日). “「なつぞら」粟野咲莉さんルーツは十勝 人気子役の高祖父は元豊頃村長”. 十勝毎日新聞電子版 (十勝毎日新聞社). https://kachimai.jp/article/index.php?no=462529 2019年9月30日閲覧。 

外部リンク

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