能智亜衣美
獲得メダル | ||
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日本 | ||
柔道 | ||
グランドスラム | ||
金 | 2016 チュメニ | 63kg級 |
金 | 2018 エカテリンブルグ | 63kg級 |
銅 | 2018 大阪 | 63㎏級 |
ユニバーシアード | ||
金 | 2017 台北 | 63kg級 |
世界ジュニア団体戦 | ||
金 | 2015 アブダビ | 63kg級 |
能智 亜衣美(のうち あいみ、1996年1月14日 - )は、福岡県行橋市出身の日本人の柔道家。階級は63kg級。身長162cm。バスト94cm。リーチ162cm。握力は右46kg、左46kg。血液型はA型。段位は参段。組み手は左組み。得意技は内股[1][2][3]。
経歴
[編集]柔道は豊津小学校3年の時にダイエットが目的で苅田少年柔道クラブにおいて始めた[1][2]。企救中学3年の時に全国中学校柔道大会57kg級に出場するも初戦で敗れた[2]。宮崎日大高校へ進むと、1年の時にはインターハイで3位に入った[2]。2年になって階級を63kg級に上げると、全国高校選手権63kg級準決勝で松商学園高校2年の津金恵に横四方固で敗れるが3位になった[1]。3年の時にはインターハイの準決勝で津金に判定で敗れてまたも3位だった[1]。全日本ジュニアでは決勝まで進むも津金に腕挫十字固で敗れて2位にとどまった[1]。
2014年には筑波大学へ進むと、2年の時には全日本ジュニアの決勝で大成高校3年の鍋倉那美に上四方固で敗れるも、鍋倉とともに世界ジュニア代表に選出された[2][4]。世界ジュニアでは初戦でイギリスのルビャナ・ピオベサナに三角絞で敗れた[5]。団体戦では初戦のオーストラリア戦のみの出場だったが一本勝ちすると、その後チームは優勝した[6]。続く講道館杯では決勝まで進むと、鍋倉を指導1で破って初優勝を飾った[7]。グランドスラム・東京では2回戦で今大会優勝したドイツのマルティナ・トライドスに指導3で敗れた[8]。
3年の時には選抜体重別の準決勝で世界選手権3位であるコマツの田代未来を支釣込足の技ありで破ると、決勝では大学の同級生である津金を出足払の有効で破って今大会初優勝を飾った[2][9]。全日本選手権では5位になった[10]。7月のグランドスラム・チュメニでは決勝で地元ロシアのダリア・ダビドワを払巻込の技ありで破って、IJFワールド柔道ツアー初優勝を飾った[11][12]。10月の学生体重別では準決勝で早稲田大学2年の渡辺聖未に有効で敗れて3位だった[13]。国体成年女子の部では茨城県チームの一員として出場すると、決勝の愛媛県チームとの対戦では代表戦で1階級下の宇高菜絵を2-1の判定ながら破ってチームを優勝に導いた[14]。11月の講道館杯では決勝で桐蔭横浜大学1年の嶺井美穂を指導1で破って2連覇を達成した[15]。グランドスラム・東京では5位にとどまった[16]。2017年のグランドスラム・パリでも準々決勝で地元のクラリス・アグベニューに反則負けするなどして5位だった[17]。
4年の時には4月の体重別決勝で昨年に続いての対戦となった津金にGSに入ってから反則負けを喫して大会2連覇はならなかった[18]。世界選手権の個人戦代表にはなれなかったが、世界団体のメンバーに津金とともに選出された[19]。しかし、6月にIJFが2020年の東京オリンピックで採用されることが決まった男女混合による6人制の団体戦を世界団体に新規導入したために、能智の属する63kg級は団体戦で行われなくなり、結果、津金ともども世界団体のメンバーから外されることになった。この際に、「東京五輪まで、できることをできる限りやる」とコメントした[20][21][22][23]。後にこの時のことを振り返り、次のように語った。「めぐ(=津金)も落ち込んでいて、2人で『なんでだろう』と言っていました。それでも次の大会に向けて努力している姿を見て『私も頑張ろう』という気持ちになりました。めぐは絶対に負けたくない相手だけど、力を与えてくれる存在でもあります」[24]。6月の優勝大会では決勝で山梨学院大学と対戦すると、佐藤史織と引き分けるもチームは敗れて2位だった[25]。8月に台北で開催されるユニバーシアードの日本選手団の旗手に選ばれた[26]。ユニバーシアードでは反政府デモの影響で一時会場に入れず、現地スタッフが代わって旗手を務めることになった。その後会場入りして他の選手とともに行進に参加することになり、旗手としての行進はならなかった[27]。個人戦では決勝でアルジェリアのアミナ・ベルカディに横四方固で一本勝ちして優勝を飾った。団体戦でも決勝の韓国戦で反則勝ちしたのを始め、オール一本勝ちしてチームの優勝に貢献した[28][29][30]。9月の学生体重別では決勝で山梨学院大学の佐藤をGSに入ってから反則勝ちで破ったのをはじめオール一本勝ちして優勝した。この際に、「来年は世界選手権に出たい」とコメントした[31]。11月の講道館杯では2回戦で環太平洋大学4年の土井雅子に反則負けを喫して大会3連覇はならなかった[32]。2018年1月のグランプリ・チュニスでは準決勝まですべて一本勝ちするが、決勝ではオリンピックチャンピオンであるスロベニアのティナ・トルステニャクにGSに入ってから背負投で技ありを取られて2位にとどまった[33][34]。3月のグランドスラム・エカテリンブルグでは初戦で世界選手権3位であるモンゴルのバルドルジ・ムングンチメグに大外刈、準決勝でも同じく世界選手権3位であるポーランドのアガタ・オズドバを小外刈の技ありで破ると、決勝ではオランダのユール・フランセンにGSに入ってから反則勝ちして、今大会2年ぶり2度目の優勝を飾った[35][36]。
2018年4月からは了徳寺学園の職員となった[1]。体重別では決勝で世界ジュニアチャンピオンである兵庫県警の荒木穂乃佳に反則勝ちするなどオール一本勝ちして、今大会2年ぶり2度目の優勝を飾った。この際に、「五輪の金、銀メダリスト(ティナ・トルステニャクとクラリス・アグベニュー)にどう勝つかだけを考えて、国際大会を闘っている」とコメントした[37][38]。しかしながら、世界選手権代表にもアジア大会代表にも選ばれることはなかった[39]。5月のグランプリ・フフホトでは決勝の不戦勝を含めてオール一本勝ちで優勝した[40][41]。8月のグランプリ・ブダペストでは決勝でドイツのマルティナ・トライドスを終了間際に内股の技ありで破って優勝した[42][43]。11月の講道館杯では、3回戦で階級を上げてきたパーク24の山本杏に送襟絞で敗れた[44]。11月のグランドスラム・大阪では準決勝で鍋倉に反則負けするも3位になった[45]。12月のワールドマスターズでは初戦で地元中国の唐婧に片手絞で敗れた[46]。
2019年2月のグランドスラム・パリでは準々決勝で鍋倉にGSに入ってから反則負けすると、3位決定戦でもスロベニアのアンドレヤ・レシキに大外刈で敗れて5位にとどまった[47]。4月の体重別では初戦でミキハウスの佐藤史織に反則負けを喫した[48]。5月のグランプリ・フフホトでは準決勝でトライドスに反則負けするも、3位決定戦でカナダのカトリーヌ・ボーシュマン=ピナールを小内刈の技ありで破って3位だった[49]。11月の講道館杯では3回戦で大牟田高校3年の山口葵良梨に技ありで敗れた[50]。
2020年11月の講道館杯では準々決勝で鍋倉に技ありで敗れると、3位決定戦でもJR東日本の土井雅子に反則負けして5位だった[51]。12月に延期された全日本選手権では2回戦で78㎏級の選手である三井住友海上の梅津志悠と対戦すると、有効を先取しながら技ありを取られて逆転負けした[52]。
2021年12月の全日本選手権では2回戦で近畿大学3年の78㎏級の長谷川瑞紀に技ありを先取しながら、逆転の反則負けを喫した[53]。
2022年4月の全日本選手権では3回戦でコマツの78㎏超級の冨田若春に合技で敗れた[54]。8月の実業個人選手権では2位だった[55]。
2023年2月に初開催となったシニア体重別では優勝した[56]。4月からは選手と並行して帝京平成大学の女子柔道部監督を兼任することになった[57]。全日本選手権では2回戦でコマツの78㎏級の泉真生に反則負けを喫した[58]。
戦績
[編集]- 2011年 - インターハイ 3位(57kg級)
- 2013年 - 全国高校選手権 3位
- 2013年 - インターハイ 3位
- 2013年 - 全日本ジュニア 2位
- 2014年 - ポーランドジュニア国際 5位
- 2014年 - 全日本ジュニア 5位
- 2015年 - ロシアジュニア国際 3位
- 2015年 - 全日本ジュニア 2位
- 2015年 - 学生体重別 5位
- 2015年 - 世界ジュニア 団体戦 優勝
- 2015年 - 講道館杯 優勝
- 2016年 - 選抜体重別 優勝
- 2016年 - 全日本選手権 5位
- 2016年 - 優勝大会 5位
- 2016年 - グランドスラム・チュメニ 優勝
- 2016年 - 学生体重別 3位
- 2016年 - 国体成年女子の部 優勝
- 2016年 - 講道館杯 優勝
- 2016年 - グランドスラム・東京 5位
- 2017年 - グランドスラム・パリ 5位
- 2017年 - ヨーロッパオープン・オーバーヴァルト 5位
- 2017年 - 体重別 2位
- 2017年 - 優勝大会 2位
- 2017年 - ユニバーシアード 個人戦 優勝 団体戦 優勝
- 2017年 - 学生体重別 優勝
- 2018年 - グランプリ・チュニス 2位
- 2018年 - グランドスラム・エカテリンブルグ 優勝
- 2018年 - 体重別 優勝
- 2018年 - グランプリ・フフホト 優勝
- 2018年 - グランプリ・ブダペスト 優勝
- 2018年 - グランドスラム・大阪 3位
- 2019年 - グランドスラム・パリ 5位
- 2019年 - グランプリ・フフホト 3位
- 2019年 - 実業個人選手権 2位
- 2020年 - 講道館杯 5位
- 2022年 - 実業個人選手権 2位
- 2023年 - シニア体重別 優勝
(出典[1]、JudoInside.com)
脚注
[編集]- ^ a b c d e f g 「柔道全日本強化選手名鑑 2019」近代柔道 ベースボールマガジン社、2019年4月号
- ^ a b c d e f 「解体新書 能智亜衣美」近代柔道 ベースボールマガジン社、2016年7月号、28-31頁
- ^ ユニバ「金」柔道の能智亜衣美は了徳寺学園所属へ - 柔道 日刊スポーツ
- ^ 「平成27年度全日本ジュニア柔道体重別選手権大会」近代柔道 ベースボールマガジン社、2015年11月号 10頁
- ^ Junior World Championships 2015, Abu Dhabi - DAY 3
- ^ 団体は男女とも優勝=柔道世界ジュニア 時事通信 2015年10月28日
- ^ 西田が2連覇=男子100キロ級はウルフ-柔道講道館杯 時事通信 2015年11月8日
- ^ グランドスラム東京2015
- ^ 平成28年全日本選抜柔道体重別選手権大会
- ^ 第31回皇后盃全日本女子柔道選手権大会
- ^ 日本勢、男女6階級で優勝=柔道グランドスラム 時事通信 2016年7月17日
- ^ Tyumen Grand Slam 2016, Russia - DAY ONE
- ^ 平成28年度全日本学生柔道体重別選手権大会
- ^ 第71回国民体育大会2016希望郷いわて国体 柔道
- ^ 平成28年度講道館杯全日本柔道体重別選手権大会
- ^ Judo Grand-Slam Tokyo 2016
- ^ Paris Grand Slam 2017 - DAY ONE
- ^ 平成29年全日本選抜柔道体重別選手権大会
- ^ 全柔連、女子代表9人を発表 軽量2階級で2人ずつ起用/柔道 サンケイスポーツ 2017年4月16日
- ^ 東京五輪の新種目決定 柔道男女3人の「団体」など
- ^ 世界選手権、混合団体で再編 新メンバーに新添を追加/柔道 サンケイスポーツ
- ^ 山梨学院大・津金、能智は奮い立つ/柔道
- ^ 2017年ブダペスト世界柔道選手権大会個人代表選手、男女混合団体選手決定について
- ^ 能智亜衣美、反則勝ちでの初優勝に「不完全燃焼」 - 柔道 日刊スポーツ 2017年9月30日
- ^ 平成29年度全日本学生柔道優勝大会
- ^ 夏季ユニバ日本選手団主将に競泳萩野、旗手は柔道の能智 サンケイスポーツ 2017年6月30日
- ^ 能智、トラブルで旗手での入場実現せず「特別な経験になった」 サンケイスポーツ 2017年8月20日
- ^ 柔道の能智が金=ユニバーシアード 時事通信 2017年8月21日
- ^ 柔道団体、男女とも金 時事通信 2017年8月24日
- ^ Daily Competition Schedule Judo
- ^ 能智、全試合一本勝ちで初制覇「挑戦者の気持ちで臨んだ」/柔道 サンケイスポーツ 2017年9月30日
- ^ 平成29年度講道館杯全日本柔道体重別選手権大会
- ^ 女子63キロ級で能智が2位/柔道 サンケイスポーツ 2018年1月21日
- ^ Tunis Grand Prix 2018, Tunisia - DAY 2 FULL RESULTS
- ^ 阿部、遠藤、能智が優勝=柔道GS 時事通信 2018年3月18日
- ^ Grand Slam Ekaterinburg 2018
- ^ 橋本が男子73キロ級連覇=女子78キロ超級の素根も-選抜体重別柔道 時事通信 2018年4月7日
- ^ 能智、波乱の闘いを制する「結果だけは良かった」/柔道 サンケイスポーツ 2018年4月7日
- ^ アジア大会の女子代表に素根、近藤ら 全日本柔道連盟が発表/柔道 サンケイスポーツ 2018年4月22日
- ^ 能智、佐々木が優勝=柔道 時事通信 2018年5月26日
- ^ Grand-Prix Hohhot 2018
- ^ 【柔道】能智亜衣美、新添左季が優勝 グランプリ大会 産経新聞 2018年8月12日
- ^ Budapest Grand Prix 2018, Hungary – Day two
- ^ 平成30年度講道館杯全日本柔道体重別選手権大会
- ^ Grand-Slam Osaka 2018
- ^ World Masters Guangzhou 2018
- ^ Grand Slam Paris 2019
- ^ 平成31年全日本選抜柔道体重別選手権大会
- ^ Grand-Prix Hohhot 2019
- ^ 2019年度講道館杯全日本柔道体重別選手権大会
- ^ 2020年度講道館杯全日本柔道体重別選手権大会
- ^ 第35回皇后盃全日本女子柔道選手権大会
- ^ 第36回皇后盃全日本女子柔道選手権大会
- ^ 第37回皇后盃全日本女子柔道選手権大会
- ^ 第52回全日本実業柔道個人選手権大会
- ^ 女子63キロ級は能智亜衣美が優勝 全日本シニア体重別選手権/柔道 サンケイスポーツ 2023年2月19日
- ^ OB 小野卓志
- ^ 第38回皇后盃全日本女子柔道選手権大会