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「タニワタリノキ連」の版間の差分

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
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自薦後になってそそっかしい動きを取るのは好ましくない事ではあるのですが、タイプ選定に関して読者に関心を持ってもらいたいという観点から、大きく手を入れておく事と致します。
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# {{Wikicite|reference={{仮リンク|ヘンドリク・アドリアーン・フォン・レーデ・トート・ドラーケステイン|en|Hendrik van Rheede}}による『{{仮リンク|マラバル植物園|en|Hortus Malabaricus}}』第3巻、[https://biodiversitylibrary.org/page/463977 p. 29] および[https://biodiversitylibrary.org/page/463976 図版33番] (1682年)|ref={{SfnRef|Rheede|1682}}}}
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# [[ベルナール・ド・ジュシュー]]による果実2個の情報あるいは資料
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この中でバンカルを指していると認められるのは最初のヘルマンの図版のみであり{{refnest|group="注"|故に {{Harvcoltxt|Merrill|1915|p=}} が {{Snamei|Nauclea orientalis}} {{small|(L.) L.}} ≡ {{Snamei|Cephalanthus orientalis}} {{small|L.}} の[[レクトタイプ]](選定基準標本)をこのヘルマンの図版としたのは妥当な判断であるといえる<ref>{{Harvcoltxt|Ridsdale|1976|pp=185–186}}.</ref>。}}、ジュシューによる情報は対応する記録が見つからず資料も現存しないとされる<ref>{{Harvcoltxt|Ridsdale|1976|pp=184–185}}.</ref>。そして残る {{Harvcoltxt|Rheede|1682}} は現地語名の音写「カトウ・チャカ」の名と共に紹介されているものであるが、このカトウ・チャカが何の種に対応するのかに関しては以下に挙げるように3通りの解釈が出され、そのいずれもがバンカルとは異なる種であったとする見解である。
この中でバンカルを指していると認められるのは最初のヘルマンの図版のみであり、ジュシューによる情報は対応する記録が見つからず資料も現存しないとされる<ref>{{Harvcoltxt|Ridsdale|1976|pp=184–185}}.</ref>。そして残る {{Harvcoltxt|Rheede|1682}} は現地語名の音写「カトウ・チャカ」の名と共に紹介されているものであるが、このカトウ・チャカが何の種に対応するのかに関しては以下に挙げるように3通りの解釈が出され、そのいずれもがバンカルとは異なる種であったとする見解である。
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# {{Harvcoltxt|Wight|Arnott|1834}} による {{Snamei|sv|Neonauclea purpurea}}{{refnest|group="注"|この学名は[[エルマー・ドリュー・メリル]]が1917年に初めて使用したものであり<ref>{{Cite book|last=Merrill|first=E. D.|year=1917|title=An Interpretation of Rumphius's Herbarium Amboinense|location=Manila|publication=Bureau of Printing|page=483|url=https://biodiversitylibrary.org/page/44102301}}</ref>、1834年当時は {{Snamei|Nauclea purpurea}} {{small|Roxb.}} として知られていた。}} 説
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| 幾ばくか3角状あるいは不規則な形状
| 幾ばくか3角状あるいは不規則な形状
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バンカルのタイプ選定に関しては、リズデイルは {{Harvcoltxt|Merrill|1915|p=}} による上記ヘルマンの図版を[[レクトタイプ]](選定基準標本)とする判断を追認する形を取っている<ref>{{Harvcoltxt|Ridsdale|1976|pp=185–186}}.</ref><ref>{{Harvcoltxt|Ridsdale|1978b|p=327}}.</ref>。


==== クビナガタマバナノキの学名の混乱 ====
==== クビナガタマバナノキの学名の混乱 ====
{{仮リンク|クビナガタマバナノキ|en|Neolamarckia cadamba}}は[[中華人民共和国|中国]]南部から熱帯アジアにかけて分布が見られる[[落葉]]性の中[[高木]]であり、[[インド]]では[[カダム]](kadam)の名で知られ、[[ヴィシュヌ神]]の[[アヴァターラ|化身]]である[[クリシュナ]]とゆかりのある聖樹とされる<ref>{{Cite book|last=Boyer|first=Mark G.|year=2016|title=An Abecedarian of Sacred Trees: Spiritual Growth through Reflections on Woody Plants|location=[[ユージーン (オレゴン州)|Eugene, Oregon]]|publisher=Wipf & Stock|page=85|url=https://www.google.co.jp/books/edition/An_Abecedarian_of_Sacred_Trees/kjGzDQAAQBAJ?hl=ja&gbpv=1&dq=Krishna+kadam&pg=PA85&printsec=frontcover}}</ref>。しかしその学名は[[マダガスカル]]にしか自生しない {{Snamei|sv|Breonia chinensis}} という全くの別種の[[標本]]の存在が原因で著しく混乱することとなる。
こうしてバンカルに関しては上述のように収まったものの、次に挙げる{{仮リンク|クビナガタマバナノキ|en|Neolamarckia cadamba}}については最終的に新たな学名が必要となる事態にまで発展した。クビナガタマバナノキは[[中華人民共和国|中国]]南部から熱帯アジアにかけて分布が見られる[[落葉]]性の中[[高木]]であり、[[インド]]では[[カダム]](kadam)の名で知られ、[[ヴィシュヌ神]]の[[アヴァターラ|化身]]である[[クリシュナ]]とゆかりのある聖樹とされる<ref>{{Cite book|last=Boyer|first=Mark G.|year=2016|title=An Abecedarian of Sacred Trees: Spiritual Growth through Reflections on Woody Plants|location=[[ユージーン (オレゴン州)|Eugene, Oregon]]|publisher=Wipf & Stock|page=85|url=https://www.google.co.jp/books/edition/An_Abecedarian_of_Sacred_Trees/kjGzDQAAQBAJ?hl=ja&gbpv=1&dq=Krishna+kadam&pg=PA85&printsec=frontcover}}</ref>。しかしその学名は[[マダガスカル]]にしか自生しない {{Snamei|sv|Breonia chinensis}} という全くの別種の[[標本]]の存在が原因で著しく混乱することとなる。


1785年、フランスの[[ジャン=バティスト・ラマルク|ラマルク]]は『[[植物百科辞典]]』<!--本来は「…事典」と訳すのが妥当と思われるのですが、Google Books上で確認できる既存の訳例としては「…辞典」が優勢です-->第1巻中に[[ピエール・ソヌラ]]が中国で採取してきたものとして {{Snamei|Cephalanthus chinensis}} を[[記載]]し<ref>{{Cite book|last=Lamarck|first=le Chevalier de|year=1785|title=Encyclopédie méthodique. Botanique|volume=1|location=Paris & Liége|page=678|url=https://www.biodiversitylibrary.org/page/717270}}</ref>、{{仮リンク|アシル・リシャール|en|Achille Richard}}が1830年に新属 {{Snamei|Anthocephalus}} に移した{{Refnest|group=注|{{Harvcoltxt|Richard|1830|p=157}}。ただしこの際にリシャールは {{Snamei|Anthocephalus indicus}} としてしまった。今日の[[国際藻類・菌類・植物命名規約]]では属を移す際は既存の学名と被る場合を除き、このように種名まで勝手に変更することは認められない。クビナガタマバナノキの場合、1843年に{{仮リンク|ヴィルヘルム・ゲルハルト・ヴァルパース|en|Wilhelm Gerhard Walpers}}がリシャールの発想を基に {{Snamei|Anthocephalus chinensis}} という学名を発表し<ref>{{Cite book|last=Walpers|first=Guilielmus Gerardus|year=1843|title=Repertorium Botanices Systematicae|volume=2|location=Lipsia[ライプツィヒ]|publisher=Fridericus Hofmeister|page=491|url=https://www.biodiversitylibrary.org/page/7384096}}</ref>、結局これが受容されることとなった。}}。ところが {{Harvcoltxt|Bakhuizen van den Brink|1970}} が、ラマルクの植物標本室に {{Snamei|Cephalanthus chinensis}} の名で納められている標本はリシャールが見た植物とは別のものであったとする見解を発表した<ref name="Ridsdale&Bakh.f._551">{{Harvcoltxt|Ridsdale|Bakhuizen van den Brink|1975|p=551}}.</ref>。これによりクビナガタマバナノキの学名 {{Snamei|Anthocephalus chinensis}} の安定性は揺らぐこととなった。
1785年、フランスの[[ジャン=バティスト・ラマルク|ラマルク]]は『[[植物百科辞典]]』<!--本来は「…事典」と訳すのが妥当と思われるのですが、Google Books上で確認できる既存の訳例としては「…辞典」が優勢です-->第1巻中に[[ピエール・ソヌラ]]が中国で採取してきたものとして {{Snamei|Cephalanthus chinensis}} を[[記載]]し<ref>{{Cite book|last=Lamarck|first=le Chevalier de|year=1785|title=Encyclopédie méthodique. Botanique|volume=1|location=Paris & Liége|page=678|url=https://www.biodiversitylibrary.org/page/717270}}</ref>、{{仮リンク|アシル・リシャール|en|Achille Richard}}が1830年に新属 {{Snamei|Anthocephalus}} に移した{{Refnest|group=注|{{Harvcoltxt|Richard|1830|p=157}}。ただしこの際にリシャールは {{Snamei|Anthocephalus indicus}} としてしまった。今日の[[国際藻類・菌類・植物命名規約]]では属を移す際は既存の学名と被る場合を除き、このように種名まで勝手に変更することは認められない。クビナガタマバナノキの場合、1843年に{{仮リンク|ヴィルヘルム・ゲルハルト・ヴァルパース|en|Wilhelm Gerhard Walpers}}がリシャールの発想を基に {{Snamei|Anthocephalus chinensis}} という学名を発表し<ref>{{Cite book|last=Walpers|first=Guilielmus Gerardus|year=1843|title=Repertorium Botanices Systematicae|volume=2|location=Lipsia[ライプツィヒ]|publisher=Fridericus Hofmeister|page=491|url=https://www.biodiversitylibrary.org/page/7384096}}</ref>、結局これが受容されることとなった。}}。ところが {{Harvcoltxt|Bakhuizen van den Brink|1970}} が、ラマルクの植物標本室に {{Snamei|Cephalanthus chinensis}} の名で納められている標本はリシャールが見た植物とは別のものであったとする見解を発表した<ref name="Ridsdale&Bakh.f._551">{{Harvcoltxt|Ridsdale|Bakhuizen van den Brink|1975|p=551}}.</ref>。これによりクビナガタマバナノキの学名 {{Snamei|Anthocephalus chinensis}} の安定性は揺らぐこととなった。
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なおクビナガタマバナノキと {{Snamei|Breonia chinensis}} の形態には以下のような相違点が存在する<ref>{{Harvcoltxt|Ridsdale|Bakhuizen van den Brink|1975|pp=544–545}}.</ref><ref>{{Harvcoltxt|Ridsdale|1978b|pp=320–322, 333}}.</ref><ref>{{Harvcoltxt|Razafimandimbison|2002|pp=11, 16–17}}</ref>。
なおクビナガタマバナノキと {{Snamei|Breonia chinensis}} の形態には以下のような相違点が存在する<ref>{{Harvcoltxt|Ridsdale|Bakhuizen van den Brink|1975|pp=544–545}}.</ref><ref>{{Harvcoltxt|Ridsdale|1978b|pp=320–322, 333}}.</ref><ref>{{Harvcoltxt|Razafimandimbison|2002|pp=11, 16–17}}.</ref>。
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|+ クビナガタマバナノキ と {{Snamei|Breonia chinensis}} との相違点
|+ クビナガタマバナノキ と {{Snamei|Breonia chinensis}} との相違点

2023年10月24日 (火) 15:18時点における版

タニワタリノキ連
分類APG IV
: 植物界 Plantae
階級なし : 被子植物 angiosperms
階級なし : 真正双子葉類 eudicots
階級なし : コア真正双子葉類 core eudicots
階級なし : キク上群 superasterids
階級なし : キク類 asterids
階級なし : asterids I
: リンドウ目 Gentianales
: アカネ科 Rubiaceae
亜科 : キナノキ亜科 Cinchonoideae
: タニワタリノキ連 Naucleeae
学名
Naucleeae Kostel.
和名
タニワタリノキ連

本文参照

タニワタリノキ連(タニワタリノキれん; Naucleeae[1][2]アカネ科[注 1]の一つである。

形態的には頭状花#特徴とする。この連のうち日本産の植物が含まれる属は木本からなるタニワタリノキ属Adina)とつる植物からなるカギカズラ属Uncaria)である。一時は26属194種となったが、2014年5月に発表された見直しにより17属へと削減された[3]。一部の種には分類変更に関わった学者が標本を誤同定したことが原因で、140年間使用されてきた学名の妥当性が揺らいだものも存在する[4]

特徴

この連に属する種は基本的に木本だが曲がった腋生の刺を有するつる植物も含まれており、頭状花を特徴とする[5]

分布

分布は世界の熱帯-亜熱帯であり、北アメリカでは温帯にまで見られる[2]アメリカヤマタマガサ Cephalanthus occidentalis)。

歴史

タニワタリノキ連が属するアカネ科は約600属約13000種からなる科であり[6]、これらの属を細かくまとめる分類階級として科と属との間に2-3の亜科やいくつものというものが設けられてきた。

所属する属の変遷

タニワタリノキ連下に置くか否か

Naucleeae というナウクレア属Nauclea)をタイプ属とするの呼称自体は薬用植物に焦点を当てたヴィンツェンツ・フランツ・コステレツキー(1833年)[7]オランダ領インド(現在のインドネシア)の植物を対象としたフリードリッヒ・アントン・ヴィルヘルム・ミクェルの著作(1856年)[8]に見られ、単に〈ナウクレア属をタイプ属とするまとまり〉に範囲を広げるのであればコンスタンティン・ラフィネスク英語版が1820年に用いた Cephalantia亜科 Nauclidia[注 2] という概念もかつては提唱された[10]。現代における分類の原型となる定義を行ったのは Schumann (1891:55–60) で、この時のタニワタリノキ連の内訳は以下の9属であった。

なおこの時点ではヨヒンベノキ属Corynanthe)はキナノキ連Cinchoneae)とされた[14]。ともあれタニワタリノキ連にはこのように球形の頭状花序を特徴とする属が集められ、Verdcourt (1958) もこの枠組みを非常に自然なまとまりだと評価し、Wernham (1912)Airy Shaw (1973) などのように科階級に昇格させる動きさえ見られたこともあった[15][9]

ただ逆に言えば頭状花序を有するということぐらいしか共通性がなく、同様の特徴はアカネ科のほかのにも見られるとしてコリン・リズデイルスペイン語版はミトラガイナ属とカギカズラ属をタニワタリノキ連からキナノキ連に移して亜連英語版 Mitragyninae として括り、ヤマタマガサ属に関しては単独で連 Caphalantheae を為すとする措置を取った[15]。なおリズデイルは同時期において、ミトラガイナ属およびカギカズラ属に関しては胚珠や種子の配置という点がヨヒンベノキ属(Corynanthe および Pausinystalia)やキナモドキ属Hymenodictyon)と特徴が共通しているとも指摘を行っている[16]

その後は Andersson & Persson (1991) のように形態の面から広義のキナノキ連のうちヨヒンベノキ属、キナモドキ属、ミトラガイナ属、カギカズラ属をほか数属と共にヒョウタンカズラ連Coptosapelteae[注 6] に含める動きも見られた[17]

しかし1995年にスウェーデンウプサラ大学の研究チームがアカネ科の複数属から代表して1種ずつ選出し[注 7]、その葉緑体DNA英語版タンパク質コードに関わる遺伝子​rbcLの連続(シークエンス)を分析することによる科内の系統関係の検討を試みたところ、キナノキ連の亜連 Mitragyninae という区分は側系統的でヤマタマガサ属[注 8]に至ってはほかのタニワタリノキ連と非常に近縁であるという分析結果が得られ、連 Cephalantheae や亜連 Mitragyninae の位置付けを支持する根拠は一切存在しないとまとめられた[18]。さらに21世紀に入ってからリボソームDNAのITS領域[注 9]、葉緑体DNAにおけるrbcL領域、そして葉緑体DNAにおいてコーディングを行わないtrnT-F領域の解析に形態的特徴を加味した検討も行われた結果、ヤマタマガサ属・ミトラガイナ属・カギカズラ属は再び、ヨヒンベノキ属もこの際に明確にタニワタリノキ連に置かれるようになった[20][21]

属の数の増減

またこの連では属を細分化する動きと、逆により少ない数の属にまとめる動きの両方が見られた。属を細分化した例は1978年のリズデイルによるもので、それまでタニワタリノキ属やナウクレア属に分類されていた種の一部を形態的な差異から Adinauclea属、Diyaminauclea属、Haldina属、Khasiaclunea属、Ludekia属、Ochreinauclea属、Pertusadina属、ヘツカニガキ属(Sinoadina)といった8つの新属に細分した[22]。ただ形態的な差異といってもリズデイルは花粉に関しては考慮に入れていなかった。花粉や分子系統学的な観点も含めた検討が重ねられた結果、2014年にAdinauclea属、Haldina属、Metadina属、Pertusadina属、ヘツカニガキ属の5属がタニワタリノキ属に、Pausinystalia属がヨヒンベノキ属(Corynanthe)に、Fleroya属がミトラガイナ属に、Burttdavya属とSarcocephalus属の2属がナウクレア属に統合され、タニワタリノキ連として認められる属の数は17とされた[3]

種の混同例

オーストラリアのバンカル(Nauclea orientalis
クビナガタマバナノキの花

このタニワタリノキ連の範囲内でも全くの別種が混同されて扱われた例というものは多々存在するが、ここではその中でも学名の安定性に影響を及ぼすレベルであったものを取り上げていくこととする。

「カトウ・チャカ」

熱帯アジアからオーストラリア北部にかけて分布が見られる木本バンカルNauclea orientalis)の学名はリンネにより記載されたものであるが、リンネがこの学名の根拠とした資料の一部には「カトウ・チャカ」 (Katou Tsjaca あるいは Katou Tsjaka) というバンカルとは別の種への言及が含まれていた。この「カトウ・チャカ」の正体が何であるのかは19世紀以来諸説入り乱れることとなったが、1984年以降はクビナガタマバナノキとする説で固まりつつある。

バンカルは最初リンネにより『植物の種』初版 (1753年) で Cephalanthus orientalis という学名が与えられ[23]、後にリンネ自身の手によりナウクレア属に組み替えられたものである[24]。そしてこの『植物の種』初版には複数の資料が引用されているが、それは実質的には次の3種類のものに絞られる[25]

  1. ヘルマンの植物標本室の図版338番に基づいてリンネが著した『セイロン植物誌p. 22, no. 53 (1747年) の記述
  2. ヘンドリク・アドリアーン・フォン・レーデ・トート・ドラーケステイン英語版による『マラバル植物園英語版』第3巻、p. 29 および図版33番 (1682年)
  3. ベルナール・ド・ジュシューによる果実2個の情報あるいは資料

この中でバンカルを指していると認められるのは最初のヘルマンの図版のみであり、ジュシューによる情報は対応する記録が見つからず資料も現存しないとされる[26]。そして残る Rheede (1682) は現地語名の音写「カトウ・チャカ」の名と共に紹介されているものであるが、このカトウ・チャカが何の種に対応するのかに関しては以下に挙げるように3通りの解釈が出され、そのいずれもがバンカルとは異なる種であったとする見解である。

  1. Haviland (1897:32) および Merrill (1915:533) による Ochreinauclea missionis[注 10]
  2. Wight & Arnott (1834) による Neonauclea purpurea[注 11]
  3. Rumphius (1743)Trimen (1894)Bakhuizen van den Brink (1970:473) によるクビナガタマバナノキ[注 12]

レーデ・トート・ドラーケステインの『マラバル植物園』はインド南西部のマラバール地方、つまり現在のケーララ州にあたる地域で見られる植物を対象とした著作であり、リズデイルは「カトウ・チャカ」という呼称の由来を探るために同地域の植物誌3冊を参照しているが、候補となる3種の現地語名は以下の通りである[28][注 13]

「カトウ・チャカ」の候補とその現地語名
Bourdillon (1908) Gamble & Fischer (1921) Rama Rao (1914)
Neonauclea purpurea - Ahwan -
Ochreinauclea missionis タミル語およびマラヤーラム語:
Attu vanji
Attu vanji マラヤーラム語:
Attuvanji[注 14]
クビナガタマバナノキ マラヤーラム語:
Attu ték, Kodavâra, Chakka
Kodavara: Attu tek マラヤーラム語:
Kodavara, Attuthekku[注 15]

リズデイルは 'Katu' から 'Attu' への変化や 'Tsjaca' から 'chakka' への変化は許容範囲であるように思えると述べ、「カトウ・チャカ」とは Attu chakka のことで、クビナガタマバナノキを指して広域で一貫して用いられてきた呼称である模様だとしている[28]が、実際にはクビナガタマバナノキを指して〈野生のジャックフルーツ〉を意味するマラヤーラム語名 കാട്ടുചക്ക (kāṭṭucakka) も存在する[30]。いずれにせよ3つの候補のうち N. purpurea に関してはそもそも呼称以前に花の色[注 16]雌蕊(めしべ)の柱頭の形状、果実の断面といった要素が「カトウ・チャカ」と十分に一致せず、さらに N. purpurea 自体ケーララ州トラヴァンコールには稀にしか見られない[注 17]ということもあり、リズデイルは真っ先に「ありえないであろう」としている[28]。ただ残る2つの候補に関しても O. missionis は葉がより倒卵形で托葉がはっきり半宿存性である点、クビナガタマバナノキは葉が無毛で基部が形といった特徴は普通は持たない点[注 18]が「カトウ・チャカ」の記述や図像とは食い違っている[28]。この「カトウ・チャカ」の図版には花と果実の両方が描かれているが、そのことや先述の現地語名の一貫性を総合しリズデイルは、これらが別々の機会に採取されたもので、レーデ・トート・ドラーケステインは本来クビナガタマバナノキについて述べたかったものの実際には複数の要素が混ざっていたのではないかと推察している[28]。その後1984年にジャン・ボセが混乱していたクビナガタマバナノキの学名を検討し直した際[31]、有効な学名の基となった学名が記載された際の文献[32]Rheede (1682:t. 33) を引用しているということもあり、この図版をタイプとしている[33][注 19]

なおバンカルとクビナガタマバナノキの形態には以下のような共通点と相違点が存在する[36][注 20]

  • バンカルとクビナガタマバナノキの共通点:
    • 中-大高木
    • 葉が対生
    • 花軸が分枝しない
    • 萼片が宿存性
    • 花冠裂片が重なり合う鱗状[注 21]
    • 雄蕊が花冠筒の上部に着生し、花糸が短く、葯が底着[注 22]、(ふつう)のどから突出
    • 花柱が花冠外に突出し、柱頭が紡錘形
    • 種子によくが見られない
バンカルとクビナガタマバナノキとの相違点
バンカル クビナガタマバナノキ
頂生生長の芽 (ナウクレア属全般に関して)強く扁平(ただしまれに見かけが円錐状のものも見られる) 円錐状
托葉 (ナウクレア属全般に関して)卵形/楕円形/倒卵形、扁平から強く竜骨状 、伏す 細3角形、半跨状[注 23]
花托筒 相互に癒合 萼筒とは癒合せず
萼片 (ほぼ)へら形であり、明瞭な細いシャフトあり 線-へら形から細楕円形
花冠 漏斗 高坏
子房 2室、胎座がY字形で2つの短い上向きの腕と長く下向きの足を有する 下部は2室だが上部は4室、胎座は2つで全体的に裂けたところがないか二また、それぞれが2本の枝を上部に伸ばす
果実 集合果 集合果ではなく、子房の上部に4つの空洞な軟骨質の構造物(#検索表の胎座の図を参照)を有する
種子 (ナウクレア属全体について)卵状から楕円状、時に弱く左右相称に偏平 幾ばくか3角状あるいは不規則な形状

バンカルのタイプ選定に関しては、リズデイルは Merrill (1915) による上記ヘルマンの図版をレクトタイプ(選定基準標本)とする判断を追認する形を取っている[38][39]

クビナガタマバナノキの学名の混乱

こうしてバンカルに関しては上述のように収まったものの、次に挙げるクビナガタマバナノキ英語版については最終的に新たな学名が必要となる事態にまで発展した。クビナガタマバナノキは中国南部から熱帯アジアにかけて分布が見られる落葉性の中高木であり、インドではカダム(kadam)の名で知られ、ヴィシュヌ神化身であるクリシュナとゆかりのある聖樹とされる[40]。しかしその学名はマダガスカルにしか自生しない Breonia chinensis という全くの別種の標本の存在が原因で著しく混乱することとなる。

1785年、フランスのラマルクは『植物百科辞典』第1巻中にピエール・ソヌラが中国で採取してきたものとして Cephalanthus chinensis記載[41]アシル・リシャール英語版が1830年に新属 Anthocephalus に移した[注 24]。ところが Bakhuizen van den Brink (1970) が、ラマルクの植物標本室に Cephalanthus chinensis の名で納められている標本はリシャールが見た植物とは別のものであったとする見解を発表した[43]。これによりクビナガタマバナノキの学名 Anthocephalus chinensis の安定性は揺らぐこととなった。

コリン・リズデイルはあくまでも Anchocephalus chinensis という学名のクビナガタマバナノキへの使用を維持する立場を取った。リズデイルによると、問題のラマルク植物標本室の標本とはモーリシャス産のもので2022年2月現在に至るまでマダガスカルでしか自生が確認されていない[注 25] Breonia という属のものであることは確かであるが、1973年に Bakhuizen van den Brink による先述の問題提起を恐らく知らずにルネ・ポール・レーモン・カピュロン英語版(1921–1971)が発表した Breonia chinensis という組み替え名[44]をそのまま認めてしまうと、アジア産高木のみからなる属である AnthocephalusBreonia属のシノニムということになってしまう[43][注 26]。リズデイルはラマルクの述べた Cephalanthus chinensis の特徴は腋生の花序などBreonia属の要素を含むとし、また Haviland (1897:5) にあるラマルクの標本についての記述[注 27]から、フィリベール・コメルソンが採取したと推定される Breonia の標本とソヌラが中国で採取したクビナガタマバナノキの標本とをラマルクが混同して『植物百科辞典』上で記述してしまったものと推察した[47]。そして問題の標本の複製品と考えられるものは Haviland (1897:35) が Breonia mauritiana[注 28] として新種記載したもので、リシャールはラマルクによる原記載文のうちのAnthocephalus要素を拾い上げてクビナガタマバナノキのタイプとし、これが Cephalanthus chinensis と銘打たれた標本に由来するものであったとリズデイルは解釈した[47]。そしてリシャールのクビナガタマバナノキのためにラマルクの Cephalanthus chinensis をシノニムとする措置を既に取ってしまった以上、ラマルクの記載にBreonia的な要素が含まれていてもそれをBreonia属の学名の根拠として使用することはできないとし、カピュロンが発表した Breonia chinensis という学名は認められないとした[47]。そしてカピュロンの B. chinensis に代わる学名として、カピュロンがシノニムとした中で C. chinensis の次に記載が早い Nauclea citrifolia Poir. (1798年)[51][注 29] に基づいた組み替え名 Breonia citrifolia を生み出すという解決策を取った[48]

これに対してクビナガタマバナノキおよびもう一種にAnthocephalusの属名を使用すべきではないとしたのが、カピュロンの著述にも携わったジャン・ボセ英語版であった。ボセはラマルクが Cephalanthus chinensis の記載に使用した標本とリシャールが目にした標本とが異なるとする点については Bakhuizen van den Brink やリズデイルと共通している[注 30]ものの、C. chinensis の記載に用いられた具体的な標本[注 31]を特定した上で、リシャールがAnthocephalus属を新設する際にラマルクの C. chinensis を引用している事実から、マダガスカル産植物にはカピュロンによる Breonia chinensis の学名を適用し、Anthocephalus属はあくまでもBreonia属のシノニムとするのが適切であり、一方従来 Anthocephalus chinensis の名で知られてきたクビナガタマバナノキには1824年に報告された Nauclea cadamba Roxb.[注 32] に基づく Neolamarckia cadamba という学名を新たに与えた[52]。ボセはさらにソヌラが中国で標本を採取したということに対しても懐疑的な見解を示している。先述の Cephalanthus chinensis のタイプ標本にはソヌラによるラベルも付されており、そこには「これは中国のヤエヤマアオキ(属)である」 (: c’est le Morinda de Chine) と記されている[53]。これは単にソヌラがこの標本を閲覧して自身が目にした「中国のヤエヤマアオキ(属)」なる植物のようだという意味合いでコメントを記したという程度のことであるに過ぎないにもかかわらず、このラベルを見たラマルクが〈ソヌラが中国でこの植物を採取した〉と勘違いして『植物百科辞典』上に記載してしまったというのが、ボセの見立てである[54]。こうしたボセによる検討の後もリズデイルはなおもAnthocephalus属の使用に固執する姿勢を取り続けた[注 33]が、2005年に出版された一般向けの書籍ではクビナガタマバナノキの Neolamarckia cadamba の名での紹介を行っている[55]

この話は複雑であるため、以下にこれまでのまとめも兼ねてリズデイルとボセの姿勢の比較を表の形で示すこととする。

リズデイル ボセ
クビナガタマバナノキの属として Anthocephalus属は 適切 不適切。最初にこの属とされた A. chinensis の元となった Cephalanthus chinensis がそもそもマダガスカルにしか自生しないBreonia属であった以上、その種と誤同定されたアジア産の種のために新設されたAnthocephalus属はBreonia属のシノニムになると考えるべきである。
Neolamarckia属は 冗長名Anthocephalus を使用すれば良い。 新設。理由は上のマスを参照。
ラマルクが1785年に新種記載したマダガスカル原産の種 ラマルクが使用したタイプ標本 恐らくコメルソンが採取したもの。その複製品が1897年に新種記載された Breonia mauritiana のタイプ標本とされた P00462437(GBIF, JSTOR) フランスの国立自然史博物館ラマルク植物標本室に所蔵されているもの[注 31]。このタイプ標本の複製品がP00462437であり、これのせいでリシャールがクビナガタマバナノキとラマルクの新種とを混同した可能性が高い。
学名 Breonia chinensis という学名は認められず、Breonia citrifolia とする。1798年に記載された Nauclea citrifolia と同一のものである模様だが、その記載の際にラマルクの Cephalanthus chinensis が引用されておらず、これをシノニムとして扱うには抵抗がある。 Breonia chinensis で良い
ソヌラの立ち位置 中国でクビナガタマバナノキを採取した。その標本の行方ははっきりしないが、ともかくこれが Cephalanthus chinensis の学名に値するものであり、Anthocephalus chinensis の学名を維持する根拠となる。 上記のラマルク植物標本室の標本を閲覧したに過ぎないと考えられる。それを自身が中国で目にした実際には無関係な植物と同一であると勝手に思い込んでラベルを残し、後に中国産の植物であるとラマルクが勘違いする原因を作った可能性がある。いずれにせよソヌラが Cephalanthus chinensis のタイプ標本を採取し、それをクビナガタマバナノキの学名の根拠とするリズデイルの解釈は取らないこととする。

なおクビナガタマバナノキと Breonia chinensis の形態には以下のような相違点が存在する[56][57][58]

クビナガタマバナノキ と Breonia chinensis との相違点
クビナガタマバナノキ Breonia chinensis
花序 頂生 側生(腋生)
萼片 線-へら形から細楕円形 Breonia属全般に関して)3角形から偏長形、鈍頭あるいは時に幾ばくか糸状(リズデイル)
切形(ラザフィマンディンビソン)
柱頭 紡錘 棍棒形-球形(リズデイル)
棍棒形-頭状(ラザフィマンディンビソン)
子房 下部は2室だが上部は4室、胎座は2つで全体的に裂けたところがないか二また、それぞれが2本の枝を上部に伸ばす 2室(2心皮性)、胎座は短い倒卵状の突起数個であり下垂性
果実 集合果ではなく、子房の上部に4つの空洞な軟骨質の構造物(#検索表の胎座の図上段を参照)を有する 集合果
種子 幾ばくか3角状あるいは不規則な形状、よくはない Breonia属全般に関して)卵状から楕円状、時に幾ばくか左右相称的に偏平、よくはない(リズデイル)
強く扁平、凹凸、楕円状、両端に未発達のよくあり(ラザフィマンディンビソン)

下位分類

まず特徴から属を割り出す#検索表を示し、その後にラテン文字順の#属の一覧とともに POWO (2023) 分布情報と属ごとの主要な種や本記事中の他の箇所で言及を行った種(20種以下の場合は全種)をいくつか示すこととする。

検索表

最初に Ridsdale & Bakhuizen van den Brink (1975:543–544) における検索表のうち一部を、次いで Ridsdale (1978b:320–323) における検索表の全体を示す。見ての通りいずれもコリン・リズデイルが設定に携わったものであるが、それぞれが対象とする属や地域の範囲に差異があるため、2種類の検索表を個別に示すこととする。

Ridsdale & Bakhuizen van den Brink (1975): アフリカおよびマダガスカルのタニワタリノキ連(他地域の種に関しても考慮に入れられている)。ただしこの時ヤマタマガサ属Cephalanthus)・ミトラガイナ属Mitragyna)・カギカズラ属Uncaria)の3属とそれ以外のもの(リズデイルのいう「狭義のタニワタリノキ連」)とを区別する措置が取られている。またこの時点でタニワタリノキ連に含まれていなかったヨヒンベノキ属Corynanthe; シノニム: Pausinystalia)に関しては、ミトラガイナ属やカギカズラ属との比較が行われた事例が存在する。その詳細はヨヒンベノキ属#他属との違いを参照。

  • 1.
    • 1a. 2つの胎座が隔壁に様々な接し方をする; 上部3分の1で接している場合は2本の短い上向きの腕と長い下向きの足でY字形となっているか、あるいは小さく短い倒卵状の突起である; 中間で隔壁に接している場合は中央に結合のある円盤状か、あるいは偏長形からわずかに2裂し枝分かれがない; 胎座の色は淡色である; 胎座ごとの胚珠や種子が下垂する(こちらの方が優勢)か、あるいは全方向にだだ広がり、決して胎座の全長に沿って上向きに重なり合う鱗状とはならない。小果が花托上で結合せずに内果皮が下から上に向かって裂けるか、あるいは緩く結合して非裂開性となるか、あるいは複数の子房と複数の小果が融合して(疑似的な)集合果となる。花冠裂片が鱗状に重なり合う(アジアやマレー群島区系では重なり合わないものもある)。……3. へ
    • 1b. 2つの胎座は隔壁に沿着するか、あるいは上部3分の1で接し、長く、下垂し、厚く、暗褐色から黒色; 胎座ごとの胚珠や種子は胎座全体に沿って上向きの状に重なり合う。小果は花托上で結合せず、果実の内果皮は上から下に向かって裂ける。花冠裂片は互いに重ならずに接し合う敷石状である。……2. へ
  • 2.[注 34]
    • 2a. つる性で、短い花軸が鉤爪となり、種子がよくつきで長い尾を有し、尾の一つが2つに分かれる。…… カギカズラ属
    • 2b. 高木性で、短い花軸は鉤爪とはならない; 種子によくはあるが尾は長くなく、尾の一つには時に浅く刻み目がつく。…… ミトラガイナ属
  • 3.
    • 3a. 胚珠が単一で、珠柄しゅへいによく発達した仮種皮が見られる。…… Cephalanthus natalensis
    • 3b. 胚珠は単一から多数で、仮種皮は存在しない。……「狭義のタニワタリノキ連」
タニワタリノキ連の托葉の形状の例……上段: 左から順に Neonauclea lanceolata (2倍)、Neonauclea solomonensis (2倍)、クビナガタマバナノキ (1倍); 下段: 左から順にタニワタリノキ (1倍)、Adina malaccensis (3.5倍)、Adina eurhyncha (3.5倍)、Ludekia borneensis (3.5倍)[59]
タニワタリノキ連の胎座の類型(下段は略図)……上段全て: クビナガタマバナノキ; 下段: 左から順に「タニワタリノキ亜連」[注 35]Ochreinauclea属、ナウクレア・ラティフォリアあるいはシボ、Nauclea nyasica、ナウクレア属、ナウクレア属[61]
タニワタリノキ連の果実の類型……上段左2つ: 集合果(ナウクレア属)、1倍; 上段右2つおよび中段左: 擬似的な集合果(Myrmeconauclea属)、全て0.5倍; 中段右: 擬似的な集合果(Ochreinauclea属)、0.5倍; 下段左: 早落性の萼を有する癒合しない小果(Ludekia属)、7倍; 下段右: 宿存萼を有する癒合しない小果(タニワタリノキ属[注 36])、7倍[62]

Ridsdale (1978b): 全世界の「狭義のタニワタリノキ連」 (Razafimandimbison & Bremer (2002) からヤマタマガサ属・ミトラガイナ属・カギカズラ属・ヨヒンベノキ属を除いたもの)。一部の属に関しては今日では受容されていないものや、受容されていても構成種の内訳が今日受容されているものとは異なるものがある為、その都度注釈で詳細な説明を行うこととする。

  • 1.
    • 1a. 花托筒英語版や小果の集合は癒合しない(参照: 右側の果実の図、下段)。…… 8.
    • 1b. 花托筒や小果の集合は最初から癒合し集合果となる(参照: 右側の果実の図、上段左2つ)か、花や若い果実の段階で癒合するか、もしくは結合して疑似的な集合果を為す(参照: 右側の果実の図、上段右2つおよび中段)。…… 2.
  • 2.
  • 3.[注 37]
    • 3a. 頂生生長の芽が円錐状である。頭状花が強く結合する托葉で囲まれ、托葉が帽子(: calyptra)様でふつう横周裂開性である。…… #Breonia[注 38]
    • 3b. 頂生生長の芽は強く扁平である。頭状花は緩く伏した卵形ののような托葉で囲まれ、托葉は後に分離する。…… Breonia decaryana[注 39]
  • 4.
    • 4a. 頭状花あるいは若い果序が擬似的な集合果となり、子房壁と隣接する節ではっきりと認められる。柱頭が紡錘形となる(Ochreinauclea属の場合)か球形となる。種子がよくつきで、時に長い尾が見られる。…… 7.
    • 4b. 頭状花や果序は真正の融合した集合果となるか、見かけ上そのようになり(Ochreinauclea属の場合)、子房壁と隣接する節でははっきりとは認められない。柱頭は紡錘形である。種子は卵状から楕円状で、よくはついているものとそうでないものとがあり、長い尾は決して見られない。…… 5.
  • 5.
    • 5a. 頂生生長の芽が角錐状から幾ばくか扁平である。托葉がデルタ字(Δ)状か短く鈍頭で、準宿存性である。胎座は隔壁の中心に接着し(右図を参照)、幾ばくか円盤状である。アフリカに分布する。…… ナウクレア・ラティフォリア(Nauclea latifolia)およびシボ(Nauclea pobeguinii[注 40]
    • 5b. 頂生生長の芽は扁平か、円錐状から角錐状(ただしこの場合アフリカには分布せず)である。托葉は卵形、楕円形、もしくは倒卵形、はたまた幾ばくか細く3角形(アフリカには見られない)、脱落性か準宿存性である。胎座(右図を参照)は隔壁の上部3分の1に接着し、Y字形か、あるいは隔壁の中心に接着し心臓形であるがこの場合アフリカには分布しない。大陸アジア、マレー群島区系、アフリカに分布する。…… 6.
  • 6.
    • 6a. 頂生生長の芽が扁平で、まれに幾分か細く3角形・強く竜骨状となり、見かけは幾ばくか円錐状となり、この場合に托葉は濃く細軟毛が見られる。托葉が芽においては伏しており、(細く)楕円形から倒卵形、まれに幾ばくか細く3角形で、無毛から濃く細軟毛つきで、竜骨状となるものやならないものがあり、ふつう脱落性である。萼片は短く、鈍頭かへら形で、宿存性である。種子が卵状から楕円状で、時に弱く偏平であり、よくはない。大陸アフリカ、大陸アジア、マレー群島区系に分布。…… ナウクレア属
    • 6b. 頂生生長の芽は円錐状から角錐状である。托葉は芽において半跨状[注 23]で、細く3角形から偏長形、無毛であり、竜骨状とはならない。萼片は偏長-3角状で、宿存性である。種子はよくを有する。大陸アジア、マレー群島区系に分布。…… #Ochreinauclea
  • 7.
    • 7a. 頂生生長の芽が円錐状から角錐状である。托葉が芽において半跨状[注 23]で、細3角形から偏長形である。萼片が偏長形-3角状で、宿存性である。柱頭が紡錘形である。胎座が心臓形で、隔壁の中心に接着する。種子がよくを有するが長い尾は見られない。…… #Ochreinauclea
    • 7b. 頂生生長の芽は扁平。托葉は芽において伏しており、楕円形から卵形-偏長形(-披針形)である。萼片には棍棒形から倒円錐形の脱落性の先端部分が認められる。柱頭は球形である。胎座は小さな倒卵状の突起が隔壁の上部3分の1に接着する。種子はよくを持ち、腹面のよくは長い尾つきで、最短でも中央部分の長さの5倍はある。…… #Myrmeconauclea
  • 8.
    • 8a. 柱頭が球形か倒卵状から(倒卵-)棍棒形(まれに幾分3角状)で、時に稜がある。胎座(右図を参照)は短い倒卵状の突起が隔壁の上部3分の1に接着している。種子は扁平で、3つ角の突起があるかよくがあり、この場合は時に長い尾が見られる。…… 11.
    • 8b. 柱頭は紡錘形である。胎座(右図を参照)は心臓形から線-偏長形からわずかに2裂し、隔壁の中心に接するか沿着する; あるいは胎座は「┤」の形かY字状で隔壁の上部3分の1に接着している。種子は卵状から楕円状、3角状あるいは扁平でよくつきである。…… 9.
  • 9.
    • 9a. 胎座が心臓形であり、細い茎により隔壁の中心に接着する。花托筒や小果が擬似的な集合果を形成し、小果は落ちた果実では分裂している。種子が扁平で、よくつきである。大陸アジアおよびマレー群島区系に分布。…… #Ochreinauclea
    • 9b. 胎座は線形-偏長形からわずかに2裂し隔壁の中心部に沿着するアフリカ産のもの、あるいは胎座は「┤」の形かY字形で隔壁の上部3分の1に接着するアジア産もしくはマレー群島区系産のものである。小果は非裂開性である。種子は卵状から楕円状あるいは3角状で、よくは持たない。…… 10.
  • 10.
    • 10a. 頂生生長の芽が円錐形; 托葉が芽においては半跨状[注 23]で、細3角形である。子房の上部が4室で空洞・白色・軟骨質の構造物を有する(右の胎座の図版上段を参照); あるいは子房は全体にわたって2室であり、4個のガラス質構造物を内容物として含む。大陸アジアおよびマレー群島区系に分布。…… #クビナガタマバナノキ属[注 41]
    • 10b. 頂生生長の芽は扁平; 托葉は芽においては伏しており、卵形である。子房は2室であり、肥大化した構造物は持たない。アフリカに分布。…… Nauclea nyasica[注 42]
  • 11.
    • 11a. 頭状花が絶対に側生であるか、側生が優勢であり、時に短めの若枝上に頂生する。…… 23.
    • 11b. 頭状花は絶対に頂生である。…… 12.
  • 12.
    • 12a. 花同士の間に小苞が存在する。…… 16.
    • 12b. 花同士の間に小苞は存在しない。…… 13.
  • 13.
    • 13a. 頂生生長の芽が強く扁平である; 托葉が楕円形から倒卵形である。…… 15.
    • 13b. 頂生生長の芽は円錐形である; 托葉は細3角形から偏長-披針形である。…… 14.
  • 14.
    • 14a. 頭状花がふつう6個以上; 複数の萼の直径が(3-)5-8、複数の花冠の直径が10-15ミリメートル。柱頭が縦方向の稜つきで、必ず大量の花粉で覆われる。萼片が楕円-披針形から剣状もしくはへら状となり、先端部分は脱落性あるいは半宿存性で、若い頭状花の際は未熟な花冠よりも短い。ボルネオフィリピンに分布。…… #Ludekia
    • 14b. 頭状花は1-3(-5)個; 複数の萼の直径は8ミリメートルを超え、複数の花冠の直径は15ミリメートルを超える。柱頭は平滑で、さほど大量の花粉に覆われてはいない。萼片ははっきり膨れた倒3角状からへら状もしくは幾ばくか棍棒状で先端部分は脱落性、若い頭状花の際は未熟な花冠よりも長く、花冠を覆い隠す。ニューギニアモルッカ諸島に分布。…… #マルバハナダマ属
  • 15.
    • 15a. 花托筒や小果が絶対に癒合しない。種子の腹面のよくが中央部分の長さの3倍以下である。低木や高木であり、時に流水に生育する。…… #マルバハナダマ属
    • 15b. 花托筒は癒合せず、早期結実の段階で緩く合着しだして疑似的な集合果を形成し、熟した小果は互いを繋ぐ繊維の腐敗により分離していく。種子の腹面のよくは中央部分の長さの5倍を超える。大半が流水に生育し、時に高木性である。…… Myrmeconauclea
  • 16.
    • 16a. 花同士の間の小苞が糸状から糸-棍棒形からへら形である。…… 18.
    • 16b. 花同士の間の小苞は円錐形、光沢があり、無毛である。…… 17.
  • 17.
    • 17a. 萼片が長い倒3角状からへら状もしくは幾ばくか棍棒形の脱落性の先端部分を有する。スリランカには分布しない。…… #マルバハナダマ属
    • 17b. 萼片は楕円-偏長形で、脱落性の先端部分は持たない。スリランカに分布。…… #Diyaminauclea
  • 18.
    • 18a. 頂生生長の芽が強く扁平とはならず、角錐状から円錐状となるか、あるいは曖昧な形となり、托葉で緩く囲われる(ヘツカニガキには見られない)。托葉が全縁か浅く刻み目つきから深く2裂となる。花冠裂片が重なり合わない敷石状で、時に先端が(ほぼ)鱗状となって重なり合う。…… 20.[注 43]
    • 18b. 頂生生長の芽は強く扁平となる。托葉は全縁。花冠裂片は重なり合う鱗状か重なり合わない敷石状で、先端はほぼ鱗状である。…… 19.
  • 19.
    • 19a. 萼片が極めて短く、鈍頭である。花冠裂片が重なり合う鱗状である。インド北東部、ビルマに分布。…… #Khasiaclunea
    • 19b. 萼片は楕円-偏長形。花冠裂片は重なり合わない敷石状であるが、先端ではほぼ鱗状である。モルッカ諸島に分布。…… Adina fagifolia (Teijsm. & Binn. ex Havil.) Valeton ex Merr.[注 44]
  • 20.[注 43]
    • 20a. 頂生生長の芽が曖昧な形で、緩く托葉に囲われる。托葉が長さの3分の2を超えて深く2裂する。頭状花が単一で、まれに7個以下のものもあり、単密錐花序[注 45]様となる。胚珠が各室につき4個以下である。…… タニワタリノキ属[注 36]
    • 20b. 頂生生長の芽は(知られている限りでは)角錐形から円錐形。托葉はデルタ字状から細3角形か偏長形、時に先端に浅い刻み目が見られる。花序は多数の頭状花を持ち、概して8個以上である。胚珠は各室につき4-12個。…… 21.
  • 21.
    • 21a. 萼片が短く、鈍頭で、濃く長柔毛が生える。花冠筒にも濃く軟毛が生える。頭状花が(1-)3-9(-13)個で、側花軸が分枝しない。日本台湾中国を横断してビルマ、タイ北東部に分布する。…… ヘツカニガキ[注 46]
    • 21b. 萼片はデルタ字状から楕円-偏長形、長柔毛はさほど濃くは生えない。花冠筒の軟毛もさほど濃くはなく、まれに粗粉のように軟毛が生えるものもあるが、その場合分布はタイの半島部、モルッカ諸島、ニューギニアである。…… 22.
  • 22.
  • 23.
    • 23a. 花同士の間に小苞が存在する。…… 24.
    • 23b. 花同士の間に小苞は存在しない。マダガスカルに分布 …… 27.
  • 24.
    • 24a. 葉が、少なくとも複数の主軸にあるものは3あるいは4の輪生となる。大陸アフリカとマダガスカルに分布。…… Breonadia
    • 24b. 葉は全て対となる。大陸アジアとマレー群島区系に分布。…… 25.[注 43]
  • 25.[注 43]
    • 25a. 頂生生長の芽が扁平。托葉は全縁、軟毛あり、竜骨状、芽においては伏す。大陸アジアに分布。…… ハルドゥ[注 49]
    • 25b. 頂生生長の芽は扁平とはならず、円錐形か曖昧な形状であり、緩く托葉に囲われる。托葉は全縁あるいは2裂、芽においては半跨状[注 23]で、多かれ少なかれ互いに離れている。大陸アジアおよびマレー群島区系に分布。…… 26.
  • 26.
  • 27.
    • 27a. 頂生生長の芽が円錐形であり、superobvoluteな托葉を伴う…… Gyrostipula[注 50]
    • 27b. 頂生生長の芽は強く扁平であり、伏した托葉を伴う…… Janotia

属の一覧

以下に各属の種数と特徴を簡潔に記す。特徴に関してはほぼ#検索表の内容の反復となるため、典拠情報は基本的に省略とする。

Adina Salisb. (タニワタリノキ属)

タニワタリノキ(Adina pilulifera)の花(香港沙螺洞中国語版にて撮影)
集合果は成さず、花冠裂片が基本的には重なり合わない属。12種。日本にも分布するタニワタリノキAdina pilulifera (Lam.) Franch. ex Drake)やヘツカニガキAdina racemosa (Siebold & Zucc.) Miq.)がここに属する。それ以外の種の一覧は上記リンクを参照。

Breonadia Ridsdale

熱帯アフリカ南部アフリカアラビア半島マダガスカルに分布する高木 Breonadia salicina (Vahl) Hepper & J.R.I.Wood 1種のみからなる属。集合果を作らず、葉が輪生する。

Breonia A.Rich. ex DC.

Breonia taylorianaアイソタイプ(副基準標本)、キュー王立植物園所蔵: K000173926
集合果を成し、頭状花が側生かつ柱頭が棍棒形から球形という特徴を有する。20種程度が知られるが、その全てがマダガスカルにのみ自生する。

Cephalanthus L. (ヤマタマガサ属)

アメリカヤマタマガサ(Cephalanthus occidentalis)の花
胚珠が単一かつ胚珠と心皮の間の柄(珠柄)に発達した仮種皮が存在するという特徴を有する。6種が知られる。今日の植物分類名の起点となっているリンネの『植物の種』初版 (1753年) に見られる属の一つでもある。

Corynanthe Welw. (ヨヒンベノキ属)

ヨヒンベノキ(Corynanthe johimbe)のタイプ標本の一つ。オランダ国立植物標本館所蔵: WAG0003014
重ならず敷石状となる花冠裂片、これを延長する無毛でよく発達した付属物、基部に接着し上向きに重なり合う鱗状の多数の胚珠、そして果実が蒴果であるといった特徴を有し[68]熱帯アフリカ西部からアンゴラにかけて7種が分布し、アフリカ産木本性アカネ科属としては珍しく、全種が高木性[69]。この属に関する詳細は個別記事を参照。

Diyaminauclea Ridsdale

Diyaminauclea zeylanica のタイプ標本の一つ。フランス国立自然史博物館所蔵: P01900234
スリランカにのみ見られる高木 Diyaminauclea zeylanica (Hook.f.) Ridsdale(Wikispecies) 1種のみからなる属。集合果を作らず、頭状花は頂生、萼片は楕円-偏長形で、先端部分は脱落性ではない。

Gyrostipula J.-F.Leroy

集合果を作らず、頂生生長の芽が円錐状、superobvoluteな托葉を伴う。3種。

Haldina Ridsdale)

ハルドゥ(Adina cordifolia; シノニム: Haldina cordifolia
  • Haldina Ridsdale
ハルドゥHaldina cordifolia (Roxb.) Ridsdale)1種のためにリズデイルが設けた属でミズーリ植物園系サイト Angiosperm Phylogeny Website では認められているが、Löfstrand et al. (2014) ではタニワタリノキ属に統合され、キュー王立植物園系データベースである POWO (2023) でもハルドゥは Adina cordifolia Roxb. として受容されているため、Haldina属は認められていない。

Janotia J.-F.Leroy

マダガスカル中央部および南部に自生する高木 Janotia macrostipula (Capuron) J.-F.Leroy 1種のみからなる属。集合果を作らず、頂生生長の芽が強く扁平、伏した托葉を伴う。

Khasiaclunea Ridsdale

Khasiaclunea oligocephalaホロタイプ(正基準標本)。キュー王立植物園所蔵: K000030892
ダージリンからビルマ北部にかけて分布する高木 Khasiaclunea oligocephala (Havil.) Ridsdale(Wikispecies) 1種のみからなる属。集合果は作らず頭状花は頂生、萼片が極めて短くかつ鈍頭。

Ludekia Ridsdale

Ludekia borneensis の図版[71]
集合果を作らず、頭状花は頂生で通例6個以上、柱頭に縦方向の稜が見られ(右図の右下を参照)、大量の花粉に覆われるという特徴を有する。2種からなる。

Metadina Bakh.f.)

2014年になるまで高木である Metadina trichotoma (Zoll. & Moritzi) Bakh.f.(インドのアッサム地方から中国南部およびニューギニアにかけて分布)1種のみが認められていた属であり、ミズーリ植物園系サイト Angiosperm Phylogeny Website では認められているが、Löfstrand et al. (2014) ではタニワタリノキ属に統合され、キュー王立植物園系データベースである POWO (2023) でも Adina trichotoma (Zoll. & Moritzi) Benth. & Hook.f. ex B.D.Jacks として受容されているため、Metadina属は認められていない。

Mitragyna Korth. (ミトラガイナ属)

Mitragyna parvifolia (Roxb.) Korth.
柱頭部分が僧帽状で、室ごとに多数の胚珠が底面につく等の特徴を有し[73]熱帯アフリカ中国南部から熱帯アジアにかけてアヘンボクMitragyna speciosa (Korth.) Havil.)など10種の木本が分布する。その他詳細は個別項目を参照。

Myrmeconauclea Merr.

Myrmeconauclea strigosaマレーシアサラワク州にて撮影)
擬似的な集合果を形成し、頭状花は頂生、柱頭が球形、種子背面に長い尾状のよくが見られ、構成種の大半が流水に生育する。4種。

Nauclea L. (ナウクレア属)

バンカル(Nauclea orientalis)の集合果
1種(N. nyasica)を除き集合果を成すという特徴を有する。12種が知られる。米倉 (2019:202) では「タマバナノキ属」とされているが、コーナー & 渡辺 (1969:703) で「タマバナノキ」の和名が与えられている Nauclea maingayi Hook.f. は1978年にリズデイルにより別属に組み替えられて Ochreinauclea maingayi とされている[75]

Neolamarckia Bosser (クビナガタマバナノキ属)

クビナガタマバナノキ(Neolamarckia cadamba
集合果は成さず、頭状花は頂生であり、子房下部が2室である一方、子房上部は4室で内部に空洞な軟骨質の構造物を含む(クビナガタマバナノキ)、あるいは2室で内部に内容物としてガラス質の構造物を4個含む(N. macrophylla)といった特徴を有する[78]。2種が知られ、1984年になるまでは2種とも Anthocephalus という属名が用いられていた。この属名の使用が控えられるようになった経緯については#クビナガタマバナノキの学名の混乱を参照。

Neonauclea Merr. (マルバハナダマ属)

マルバハナダマ(Neonauclea truncata)、台湾にて撮影。
集合果を作らない木本性の属で、頭状花は頂生でふつう1-3個、萼片が倒3角状からへら状もしくはやや棍棒形で先端部分が脱落性[79]。70種程度が知られる。分布は熱帯アジアおよび亜熱帯アジアから太平洋地域南部にかけて。

Ochreinauclea Ridsdale & Bakh.f.

Ochreinauclea missionis
擬似的な集合果を形成する属で、胎座が心臓形で隔壁の中心につき、種子によくが見られる(ただし長い尾状ではない)。2種が知られる。

Sinoadina Ridsdale (ヘツカニガキ属))

ヘツカニガキ(Adina racemosa)の標本。正確にはシノニムの一つである A. mollifolia Hutch.アイソタイプ(副基準標本)。米国国立植物標本室英語版所蔵: US00130627
ビルマ北部からタイ北東部、中国南部から温帯東アジア(日本を含む)にかけて分布する Sinoadina racemosa (Siebold & Zucc.) Ridsdale ヘツカニガキ[1]1種のためにリズデイルが設けた属[82]ミズーリ植物園系サイト Angiosperm Phylogeny Website では認められているが、Löfstrand et al. (2014) ではタニワタリノキ属(Adina)に統合され、キュー王立植物園系データベースである POWO (2023) でもヘツカニガキは Adina racemosa (Siebold & Zucc.) Miq. として受容されており、ヘツカニガキ属は認められていない。

Uncaria Schreb. (カギカズラ属)

カギカズラ(Uncaria rhynchophylla
鉤爪状の突起を有するつる植物からなる属であり、種子に尾状の長いよくが見られる。40種程度が知られる。分布は熱帯および亜熱帯。

脚注

注釈

  1. ^ より下でよりも上の階級。
  2. ^ 内訳はヤマタマガサ属Cephalanthus)とナウクレア属のほか、現代ではアカネ亜科Rubioideaeヤエヤマアオキ連Morindeae)とされているヤエヤマアオキ属Morinda)の3属であった。なお〈ナウクレア属をタイプ属とする亜科〉は現代の表し方では "Naucleoideae" となる[9]
  3. ^ #クビナガタマバナノキの学名の混乱を参照。
  4. ^ 1891年当時はマダガスカル産の Paracephaelis tiliacea Baill. 1種のみの属であった。1960年にジャン・アレーヌフランス語版によりクチナシ連Gardenieae)に移された[11]が、リズデイルは木質の果皮やゼリー状の内果皮が存在しないことと種子の形状とを根拠にこの属をクチナシ連から除外し、具体的にどこに位置付ければより妥当であるかは提案できないとした[12]。その後にギョクシンカ連Pavetteae)下へ移動された[13]
  5. ^ Löfstrand et al. (2014) によりナウクレア属へ統合されることとなる。
  6. ^ ヨヒンベノキ属、ミトラガイナ属、カギカズラ属を除いたこの時の内訳は次の通り。Angiosperm Phylogeny Website において確認できる現在の扱い[13]も併せて記す。
  7. ^ たとえばミトラガイナ属からは当時 Hallea rubrostipulata と分類されていた M. rubrostipulata が選ばれ、カギカズラ属からはカギカズラUncaria rhynchophylla)が選ばれた。
  8. ^ 当時は Robbrecht (1988) により Antirheoideae という亜科に置かれていた。
  9. ^ 内部転写スペーサー領域(: internal transcribed spacer region)のこと。核となるリボソームDNA中にはスペーサーが2つ(ITS-1およびITS-2)含まれる領域が存在するが、いずれのスペーサーもPCR(ポリメラーゼ連鎖反応)により増幅させることや、普遍的なプライマーの使用により塩基配列の決定(シークエンシング)を行うことが、押し葉標本のDNAが対象の場合であっても容易に可能であり、被子植物の系統分類を行う上で有益な情報源となるとされる[19]
  10. ^ この学名は Ridsdale (1978b:332) で初めて用いられたものであり、それ以前は Nauclea missionis Wall. ex G.Don として知られていた。
  11. ^ この学名はエルマー・ドリュー・メリルが1917年に初めて使用したものであり[27]、1834年当時は Nauclea purpurea Roxb. として知られていた。
  12. ^ リズデイルは Anthocephalus chinensis (Lam.) A.Rich. ex Walp. として言及しているが、このクビナガタマバナノキの学名に関しては複雑な経緯がある。#クビナガタマバナノキの学名の混乱を参照。
  13. ^ 現在のケーララ州においてはマラヤーラム語が広く通用する。
  14. ^ マラヤーラム文字では ആറ്റുവഞ്ചി (āṟṟuvañci) と表記される。ただしこの呼称はトウダイグサ科Homonoia retusa (Graham ex Wight) Müll.Arg.Homonoia riparia Lour. のことも指す[29]
  15. ^ マラヤーラム文字では ആറ്റുതേക്ക് (āṟṟutēkku) と表記される。
  16. ^ 「カトウ・チャカ」が黄色であるのに対し、N. purpurea は紫色である。
  17. ^ トーマス・フルトン・ボーディロン英語版N. purpurea を記録しておらず、またラーオも極めて手短にしか言及していない。
  18. ^ ただしクビナガタマバナノキに関してはこれらの特徴が見られる場合はあるともリズデイルは述べている。
  19. ^ フィジーの植物相について包括的な見直しを行ったアルバート・チャールズ・スミスおよびスティーヴン・P・ダーウィンスペイン語版ミズーリ植物園系データベース Tropicos からはこれがレクトタイプの選定行為と見做されている[34][35]
  20. ^ ただし一部には属全体の共通形質への言及が含まれる場合も存在するということに留意されたい。
  21. ^ 厳密にはクビナガタマバナノキ属に関しては「芽において」という指定が附されているということにも留意されたい。
  22. ^ : basifixed。基部もしくは基部付近で付着している状態を指す[37]
  23. ^ a b c d e f : obvolute。2つ折り葉のうち一方の半片がもう一方の半片を互いに外側からくるんでいる状態[37]
  24. ^ Richard (1830:157)。ただしこの際にリシャールは Anthocephalus indicus としてしまった。今日の国際藻類・菌類・植物命名規約では属を移す際は既存の学名と被る場合を除き、このように種名まで勝手に変更することは認められない。クビナガタマバナノキの場合、1843年にヴィルヘルム・ゲルハルト・ヴァルパース英語版がリシャールの発想を基に Anthocephalus chinensis という学名を発表し[42]、結局これが受容されることとなった。
  25. ^ Ridsdale & Bakhuizen van den Brink (1975:544) はモーリシャスに見られるBreonia属木本は植栽されたものであるとしている。
  26. ^ なおBreonia属が最初に記載されたのは Breonia madagascariensis A.Rich. ex DC. が新種記載された1830年9月であり[45]Anthocephalus属が初めて用いられたのはそれよりも3ヶ月後である同年12月のことであった[46]
  27. ^ ハヴィランドが閲覧した標本では Anthocephalus indicus の果実と Breonia が1枚の紙の上で一緒になった状態であり、パリ植物標本室(現・国立自然史博物館)に所蔵されており、左手に "Cephalanthus chinensis Lmk., fide herb." というラベルが、右手に "Nauclea purpurea, Bomb.[リズデイルはここを "Roxb." と訂正している], Pl. Corom. I 41 tab. 54; Fl. Ind. ii p. 123; DC., Prod. iv. 346. Cephalanthus chinensis, Lamk, Dict. i. 678. Inde? Île de France? Herb. de Commerson." というラベルがそれぞれ貼られていたとしている。そしてラベルの記述のうち "Bomb." や "Roxb." とされた箇所が "Roxbg." と記されている標本であれば国立自然史博物館に現在も所蔵されている(P00462437(JSTOR))。リズデイルはソヌラが採取した標本は行方不明としながらも、この問題の標本で Breonia と共につけられているものがソヌラの標本のアイソタイプ(副基準標本)なのではないかと推測している。
  28. ^ これはBreonia属の分類見直しに関わったカピュロン[44]、リズデイル[48]、ボセ[49]ラザフィマンディンビソン[50]の4名により Breonia chinensis あるいは Breonia citrifolia のシノニムと見做されている。
  29. ^ リズデイルはジャン=ルイ・マリー・ポワレ英語版N. citrifolia を記載した際に C. chinensis をシノニムに含めていなかったことも Breonia chinensis という学名が認められない理由の一つとして挙げていた[47]
  30. ^ さらに Breonia mauritiana のタイプ標本こそリシャールがクビナガタマバナノキと C. chinensis とを混同する直接的な原因となった可能性が高いという旨すら述べている。
  31. ^ a b 国立自然史博物館のラマルク植物標本室に所蔵されており、マダガスカルで採取され、モーリシャスの植物園で栽培されていたと考えられるもの。Bosser (1985:245) にそのモノクロ写真が掲載されている。
  32. ^ ウィリアム・ロクスバラは既に1814年の時点で Hortus Bengalensis p. 14 上でこの学名とインド産である旨などは報告を行っていたものの具体的な形態的特徴については記しておらず、このような状態では今日の国際藻類・菌類・植物命名規約(ICN、2018年度版)においては正式な学名ではなく裸名(nomen nudum)と見做される。この学名に対応する種の形態的特徴の詳述は死後出版である1824年の Flora Indica 第2巻 p. 121 を待たなければならなかった。
  33. ^ Ridsdale (1989:256) では Anthocephalus cadamba を正式な学名とし、Neolamarckia cadamba は冗長名(ラテン語: nomen superfluum。既に学名が与えられている特定の標本に対して必要が無いにもかかわらず余分に与えられてしまった学名)として扱っている。
  34. ^ カギカズラ属とミトラガイナ属の判別。より詳細なものはミトラガイナ属#属の位置付けを参照。
  35. ^ 学名: Adininae。リズデイルが新設したもの。彼がこの亜連の下に置いていた属はタニワタリノキ属(後に Löfstrand et al. (2014) がこの属に組み替えたものも含む)、Breonadia属、Breonia属(Razafimandimbison (2002) でこの属に組み替えられる B. decaryana も含む)、Diyaminauclea属、Gyrostipula属、Janotia属、Khasiaclunea属、Ludekia属、Myrmeconauclea属、マルバハナダマ属である[60]
  36. ^ a b c ここでは Adina dissimilisタニワタリノキA. pilulifera)、シマタニワタリノキA. rubella)の3種のみを指す。
  37. ^ a b Breonia sensu Razafimandimbison (2002)
  38. ^ 1975年当時に認知されていたのは Breonia boiviniiB. citrifoliaBosser (1985) 以降は B. chinensis とされる]、B. madagascariensisB. perrieriB. sphaerantha の5種。この時リズデイルは B. citrifolia の下に別の標本8種類に基づいて記載されていたシノニムを置いていたが、そのシノニムのうち B. cuspidataB. havilandianaB. louveliiB. membranaceaB. stipulata の5つは Razafimandimbison (2002) により再び独立種として認められることになる。
  39. ^ 元の検索表ではNeobreonia属とされているが、これは B. decaryanaBreonia属から分離して独立属とするためにリズデイル自身が新設した属であった。しかし後の Razafimandimbison (2002) の見直しにより再びBreonia属に戻されている。
  40. ^ 元の検索表では Sarcocephalus とされていて当時左記の2種が置かれていたが、この属は Löfstrand et al. (2014) によりナウクレア属(Naucleaへと統合されている。
  41. ^ 元の検索表では Anthocephalus という属名であるが、これをアジア産の植物を指して用いるのは不適切であるという議論の結果代わりに編み出されたのが Neolamarckia という新たな学名である。この件についての詳細は#クビナガタマバナノキの学名の混乱を参照。
  42. ^ 元の検索表ではBurttdavya属とされ、B. nyasica が唯一の構成種であったが、Löfstrand et al. (2014) によりナウクレア属に統合された。
  43. ^ a b c d = Adina sensu Löfstrand et al. (2014)
  44. ^ 元の検索表ではAdinauclea属とされている。1978年当時リズデイルが新設したAdinauclea属唯一の構成種であった A. fagifoliaLöfstrand et al. (2014:311) によりタニワタリノキ属に組み替えられた。
  45. ^ : thyrseライラックのように密に枝分かれし、花の主軸は不明瞭だが側軸は明瞭である花序のこと[37]
  46. ^ 学名: Adina racemosa (Siebold & Zucc.) Miq.。1978年当時はリズデイルが新設したヘツカニガキ属(Sinoadina)に置かれていた。しかし Löfstrand et al. (2014:310) によりタニワタリノキ属に組み替えられた。
  47. ^ 元の検索表ではMetadina属とされており、1978年当時は Metadina trichotoma (Zoll. & Moritzi) Bakh.f. がその唯一の構成種であった。しかし Löfstrand et al. (2014:311) によりタニワタリノキ属に組み替えられた。
  48. ^ a b 元の検索表ではPertusadina属とされており、1978年当時は左記に挙げた4種がこの属の下に置かれていたが、Löfstrand et al. (2014:310–311) により全てタニワタリノキ属に組み替えられた。
  49. ^ 学名: Adina cordifolia (Roxb.) Hook.f.。元の検索表ではHaldina属とされており、これはリズデイルがハルドゥ1種のみのために新設した属であった。しかし Löfstrand et al. (2014:310) によりタニワタリノキ属に組み替えられた。
  50. ^ ただし1978年当時 Gyrostipula obtusa は未記載であった。
  51. ^ cf. ベンガル語: কদম /kɔdɔm/

出典

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参考文献

ラテン語およびオランダ語
英語
英語およびラテン語
ドイツ語
日本語
日本語および英語
フランス語

関連文献

英語

外部リンク