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2001年からはベガの第3仔である[[アドマイヤドン]]を管理し、[[ダートグレード競走|地方交流]]も含めて7つのGI競走を制覇。また同時期にはダートGI競走6勝を挙げた[[タイムパラドックス (競走馬)|タイムパラドックス]]も管理し、両馬で[[JBCクラシック]]5連覇を達成、同一GI競走の連勝記録を作った。ベガの仔については、初仔で日本ダービーを制した[[アドマイヤベガ]]、第2仔[[アドマイヤボス]]と、馬主・[[近藤利一]]と親しい[[橋田満]]が管理していたが、近藤が「ベガを育てた松田調教師にも仔を管理して欲しい」と希望したことにより松田厩舎へ入った経緯があった<ref>木村(2000)p.206</ref>。これを契機に近藤からの預託が増え、2006年と2007年には[[アドマイヤムーン]]らの活躍で[[JRA賞最多賞金獲得調教師|年間最多賞金獲得調教師]]のタイトルを獲得した。 |
2001年からはベガの第3仔である[[アドマイヤドン]]を管理し、[[ダートグレード競走|地方交流]]も含めて7つのGI競走を制覇。また同時期にはダートGI競走6勝を挙げた[[タイムパラドックス (競走馬)|タイムパラドックス]]も管理し、両馬で[[JBCクラシック]]5連覇を達成、同一GI競走の連勝記録を作った。ベガの仔については、初仔で日本ダービーを制した[[アドマイヤベガ]]、第2仔[[アドマイヤボス]]と、馬主・[[近藤利一]]と親しい[[橋田満]]が管理していたが、近藤が「ベガを育てた松田調教師にも仔を管理して欲しい」と希望したことにより松田厩舎へ入った経緯があった<ref>木村(2000)p.206</ref>。これを契機に近藤からの預託が増え、2006年と2007年には[[アドマイヤムーン]]らの活躍で[[JRA賞最多賞金獲得調教師|年間最多賞金獲得調教師]]のタイトルを獲得した。 |
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2008年からは牝馬[[ブエナビスタ (競走馬)|ブエナビスタ]]が活躍、2010年には同馬の総獲得賞金が10億円を突破し、松田の管理馬としてアドマイヤムーンに続く2頭目の10億円ホースとなった<ref group="注">牝馬として[[ウオッカ]]に続く史上2頭目。</ref>。管理下からの複数の10億円ホース輩出は[[池江泰郎]]<ref group="注">国内のみで10億円以上の賞金を獲得した管理馬は[[メジロマックイーン]]と[[ディープインパクト (競走馬)|ディープインパクト]]の2頭。[[ステイゴールド]]は海外での2戦を含めて10億円以上の賞金を獲得している。</ref>に続く史上2人目の記録となった。またブエナビスタは同年に牝馬として史上4頭目の年度代表馬に選出されている。 |
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2021年11月10日 (水) 00:24時点における版
松田博資 | |
---|---|
2011年阪神JF表彰式 | |
基本情報 | |
国籍 | 日本 |
出身地 | 佐賀県 |
生年月日 | 1946年1月29日(78歳) |
騎手情報 | |
所属団体 | 日本中央競馬会 |
所属厩舎 |
上田武司(1963年 - 1979年) 白井寿昭(1979年 - 引退) |
初免許年 | 1964年 |
免許区分 | 平地・障害 |
騎手引退日 | 1981年 |
重賞勝利 | 8勝(平地2勝、障害6勝) |
通算勝利 | 1037戦188勝 |
調教師情報 | |
初免許年 | 1981年(1983年開業) |
調教師引退日 | 2016年2月28日 |
重賞勝利 | 82勝(中央70勝、地方11勝、国外1勝) |
G1級勝利 | 29勝(中央19勝、地方9勝、国外1勝) |
通算勝利 | 7001戦800勝(中央のみ) |
経歴 | |
所属 | 栗東トレーニングセンター |
松田 博資(まつだ ひろよし、1946年1月29日 - )は日本中央競馬会 (JRA) に所属していた元調教師、元騎手。
佐賀県出身。騎手時代は「障害の松田」と呼ばれ、障害競走で通算150勝の中央競馬史上最多記録(当時)を樹立[注 1]。調教師転向後は、それぞれ2007年、2010年のJRA年度代表馬に選出されたアドマイヤムーンとブエナビスタ、クラシック二冠牝馬ベガ、その産駒でGI競走7勝を挙げたアドマイヤドンなど、数々のGI優勝馬を管理している。2006年・2007年度JRA賞最多賞金獲得調教師[1]、2007年度同優秀技術調教師[1]。愛称は「マツパク」[2][3]。
経歴
1946年、両親が満州国から日本へ移る途中の引揚船の中で生まれ[4]、幼少期は福岡県小倉市(現・北九州市)で過ごした。父・和要武(とよたけ)は小倉競馬場で騎手、のちに佐賀競馬場で調教師として活動し、その影響を受けて早くから騎手を志していた[5]。中学校卒業後、東京都世田谷区の馬事公苑騎手養成長期課程に入所。同期生には菅原泰夫、嶋田功らがいる。2年次から中山競馬場・稗田敏男厩舎で研修に入ったが、稗田の妻との折り合いが悪く、研修が終わったあとに京都競馬場の上田武司厩舎に移籍[6]。1964年、上田厩舎から騎手としてデビューした。
騎手時代
体重が重かったため、デビュー当初より障害競走を中心に騎乗を続け[7]、1965年5月、クロユリで阪神大障害(京都大障害)を制して重賞初勝利を挙げる。騎手時代から、ホウシュウの冠名で知られた有力馬主・上田清次郎の支援を受け[7]、1972年には上田の所有馬ムーテイイチで二つの障害重賞に勝利、翌1973年にもホウシュウリッチで神戸新聞杯を制し、平地重賞初勝利も挙げた。以後長く「障害の松田」として鳴らしていたが、1978年より清次郎の強い勧めで調教師免許試験を受験[8]。1981年に3度目の受験で合格し、免許を取得。これに伴い騎手を引退した。通算1037戦188勝、うち重賞競走8勝。
調教師時代
1983年、滋賀県栗東トレーニングセンターに自身の厩舎を開業。同年4月23日、ボールドスミスで初勝利を挙げる。初年度からブルキングで阪神障害ステークス(春)を制し、調教師として重賞を初勝利。当初は騎手時代に勝てなかった障害の最高格競走・中山大障害制覇を目標として障害競走に力を入れており、毎年のように障害の重賞を制した[9]。
1988年、清次郎が創業した上田牧場出身馬・コスモドリームが優駿牝馬(オークス)を制し、GI競走初制覇を果たす。以後平地競走での成績が目立ち始め、1993年にはベガで桜花賞、オークスを制した。1999年には上田牧場の生産馬ブゼンキャンドルで秋華賞を制覇し、調教師として史上4人目の牝馬三冠を達成。これは同場最後のGI競走勝利となった。上田牧場は2001年に廃業したが、松田は調教助手らが調教の際に着る調教服や、管理馬がレースで着用する頭絡の額革のデザインに、上田清次郎・上田牧場の勝負服色と同じ黄黒元禄を採用している。
2001年からはベガの第3仔であるアドマイヤドンを管理し、地方交流も含めて7つのGI競走を制覇。また同時期にはダートGI競走6勝を挙げたタイムパラドックスも管理し、両馬でJBCクラシック5連覇を達成、同一GI競走の連勝記録を作った。ベガの仔については、初仔で日本ダービーを制したアドマイヤベガ、第2仔アドマイヤボスと、馬主・近藤利一と親しい橋田満が管理していたが、近藤が「ベガを育てた松田調教師にも仔を管理して欲しい」と希望したことにより松田厩舎へ入った経緯があった[10]。これを契機に近藤からの預託が増え、2006年と2007年にはアドマイヤムーンらの活躍で年間最多賞金獲得調教師のタイトルを獲得した。
2008年からは牝馬ブエナビスタが活躍、2010年には同馬の総獲得賞金が10億円を突破し、松田の管理馬としてアドマイヤムーンに続く2頭目の10億円ホースとなった[注 2]。管理下からの複数の10億円ホース輩出は池江泰郎[注 3]に続く史上2人目の記録となった。またブエナビスタは同年に牝馬として史上4頭目の年度代表馬に選出されている。
2014年4月7日の第74回桜花賞でハープスター(川田将雅騎手騎乗)が優勝した[11]。同馬は同年10月15日のフランス凱旋門賞にも挑戦したが、6着に終わった[12]。同年12月6日の第50回金鯱賞(GII)でラストインパクトが優勝し、2006年以来のJRA重賞レース年間8勝を達成した[13]。同年は年間49勝を挙げた[13]。
引退の前日である2016年2月27日阪神10レース、ラブラバード(川田騎乗)で通算800勝を達成した[14]。翌2月28日をもって定年のため調教師を引退した。中央競馬の生涯成績は7001戦800勝、重賞73勝(GI19勝)[15]。
騎手成績
通算成績 | 1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 騎乗回数 | 勝率 | 連対率 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
平地 | 38 | 51 | 46 | 332 | 467 | .081 | .191 |
障害 | 150 | 85 | 76 | 259 | 570 | .263 | .412 |
計 | 188 | 136 | 122 | 591 | 1,037 | .181 | .312 |
日付 | 競走名 | 馬名 | 頭数 | 人気 | 着順 | |
---|---|---|---|---|---|---|
初騎乗 | 1964年3月28日 | - | ワリー | - | - | 2着 |
初勝利 | 1964年5月17日 | - | トサクイン | - | - | 1着 |
重賞初騎乗・初勝利 | 1965年6月10日 | 阪神大障害 | クロユリ | 4頭 | 2 | 1着 |
GI初騎乗 | 1966年4月10日 | 桜花賞 | ホツカイフジ | 23頭 | 21 | 23着 |
主な騎乗馬
※括弧内は松田騎乗時の勝利重賞競走。
- クロユリ(1965年阪神大障害)
- アランバード(1967年京都大障害・秋)
- ムーテイイチ(1972年阪神障害ステークス・秋、京都大障害・秋)
- ホウシュウリッチ(1973年神戸新聞杯)
- マルブツウイドー(1976年京都大障害・春)
- アウンエスラー(1979年京都大障害・春)
- スズカシンプウ(1980年小倉記念)
調教師成績
日付 | 競走名 | 馬名 | 頭数 | 人気 | 着順 | |
---|---|---|---|---|---|---|
初出走 | 1983年3月19日 | - | ハツシゲ | - | - | 14着 |
初勝利 | 1983年4月23日 | - | ボールドスミス | - | - | 1着 |
重賞初出走・初勝利 | 1983年12月4日 | 阪神障害S(秋) | ブルキング | 9頭 | 1 | 1着 |
GI初出走・初勝利 | 1988年5月22日 | 優駿牝馬 | コスモドリーム | 22頭 | 10 | 1着 |
表彰歴
- JRA賞最多賞金獲得調教師 2回 (2006年、2007年)[1]
- JRA賞優秀技術調教師 (2007年)[1]
- 優秀調教師賞(関西) 3回 (2003年、2006年、2007年)
- 関西競馬記者クラブ賞 (2010年)
主な管理馬
- GI競走優勝馬
- コスモドリーム(1988年優駿牝馬)
- ベガ(1993年桜花賞、1993年優駿牝馬)
- ブゼンキャンドル(1999年秋華賞)
- アドマイヤドン(2001年朝日杯フューチュリティステークス、2002年JBCクラシック、2003年マイルチャンピオンシップ南部杯、2003年JBCクラシック、2004年フェブラリーステークス、2004年帝王賞、2004年JBCクラシックなど重賞8勝)
- タイムパラドックス(2004年ジャパンカップダート、2005年川崎記念、2005年帝王賞、2005年JBCクラシック、2006年JBCクラシックなど重賞8勝)
- アドマイヤムーン(2007年ドバイデューティーフリー、2007年宝塚記念、2007年ジャパンカップなど重賞8勝)
- ブエナビスタ(2008年阪神ジュベナイルフィリーズ、2009年桜花賞、2009年優駿牝馬、2010年ヴィクトリアマイル、2010年天皇賞(秋)、2011年ジャパンカップなど重賞8勝)
- レーヴディソール(2010年阪神ジュベナイルフィリーズなど重賞3勝)
- マルセリーナ(2011年桜花賞など重賞2勝)
- ジョワドヴィーヴル(2011年阪神ジュベナイルフィリーズ)
- ハープスター(2014年桜花賞など重賞4勝)
- その他重賞競走勝利馬
- ブルキング(1983年阪神障害ステークス・秋)
- ヒカリファミリー(1984年阪神障害ステークス・春)
- ブリージーラッド(1986年阪神障害ステークス・春)
- カルストンファスト(1987年京都大障害・秋)
- ビッグフォルテ(1993年京都大障害・秋)
- バトルライン(1997年エルムステークス、1997年プロキオンステークス)
- ビワタケヒデ(1998年ラジオたんぱ賞)
- レッドチリペッパー(1999年富士ステークス、2000年中山牝馬ステークス)
- タガノテイオー(2000年東京スポーツ杯3歳ステークス)
- カーネギーダイアン(2000年青葉賞)
- タガノマイバッハ(2003年大阪杯、2003年中京記念)
- アドマイヤジャパン(2005年京成杯)
- ドリームパスポート(2006年きさらぎ賞、2006年神戸新聞杯)
- アドマイヤキッス(2006年チューリップ賞、2006年愛知杯、2006年ローズステークス、2008年京都牝馬ステークス)
- アドマイヤオーラ(2007年シンザン記念、2007年弥生賞、2008年京都記念)
- アドマイヤモナーク(2008年日経新春杯、2008年ダイヤモンドステークス)
- タガノエリザベート(2009年ファンタジーステークス)
- トレンドハンター(2011年フラワーカップ)
- バアゼルリバー(2012年阪神スプリングジャンプ)
- ラストインパクト(2014年小倉大賞典、2014年京都大賞典、2014年金鯱賞)
- タガノグランパ(2014年ファルコンステークス)
- サングレアル(2014年フローラステークス)
- レーヴミストラル(2015年青葉賞、2016年日経新春杯)[16]
- アルバートドック(2016年小倉大賞典)
主な厩舎所属者
※太字は門下生。括弧内は厩舎所属期間と所属中の職分。
- 鎌田光也(1985年-1986年:騎手)
- 大橋勇樹(1986年-1990年:調教助手)
- 橋本美純(1992年-1995年:騎手)
- 高田潤(1999年-2009年:騎手)
- 中留伸治(2007年-2016年:厩務員、調教厩務員、調教助手[17]) - 元荒尾競馬場騎手[17]
- 森田直行(2007年-2013年:厩務員)
エピソード
2009年、京都競馬場内において勝負服の盗難に遭う。後日インターネットオークションに出品されていたのを松田が発見したことから被害が発覚。犯人は逮捕、起訴された[18]。
脚注
注釈
出典
- ^ a b c d “JRA賞 バックナンバー”. 日本中央競馬会. 2018年4月14日閲覧。
- ^ 中舘英二 (2009年8月25日). “マツパク流を学ぶ”. 中舘英二オフィシャルブログ 逃稿日記. 2011年11月12日閲覧。
- ^ “レーヴは天才少女 マツパクGOサイン! / エ女王杯”. Gallop online (2011年11月11日). 2011年11月12日閲覧。
- ^ 芦谷(1999)p.52
- ^ 木村(1997)p.419
- ^ 木村(1997)p.420
- ^ a b 木村(1997)p.421
- ^ 木村(1997)p.422
- ^ 木村(1997)p.423
- ^ 木村(2000)p.206
- ^ “ハーブスターが桜の女王に、川田「ゴールまでに全部つかまえられると」/桜花賞”. netkeiba.com. デイリースポーツ. (2014年4月14日) 2018年4月14日閲覧。
- ^ “日本勢無念の完敗…今年未勝利のトレヴが復活の連覇/凱旋門賞”. netkeiba.com. (2014年10月5日) 2018年4月14日閲覧。
- ^ a b “松田博資の年度別成績|競馬データベース”. netkeiba.com. 2018年4月14日閲覧。
- ^ “定年解散直前に松田博師800勝達成”. デイリースポーツオンライン. (2016年2月27日) 2018年4月14日閲覧。
- ^ 橋口弘、松田博、武田の3調教師がラストラン サンスポ競馬予想王 2016年2月28日
- ^ 2015年青葉賞レース結果 - netkeiba.com 2015年5月6日閲覧
- ^ a b 高橋章夫 (2013年4月). “オリジナルインタビュー 中留伸治調教助手”. 競馬ラボ. ドゥーイノベーション. 2013年4月15日閲覧。
- ^ 大島悠亮 (2010年1月31日). “【衝撃事件の核心】“勝負服”盗難 レアグッズに群がる競馬ファンのゆがんだ心理”. MSN産経ニュース. マイクロソフト. p. 1. 2011年1月26日時点のオリジナルよりアーカイブ。2011年1月28日閲覧。
参考文献
- 木村幸治『調教師物語』(洋泉社、1997年)ISBN 4896912926
- 芦谷有香『栗東厩舎探訪記(1)』(翔雲社、1999年)ISBN 4921140022
- 木村俊太『ベガとアドマイヤベガ - 奇跡の親仔物語』(イーハトーヴ出版、2000年)ISBN 4900779679