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仏教僧・[[玄昉]]の視点から、[[唐]]の都・[[長安]]や[[奈良時代]]の宮廷を描き出す歴史長編。 |
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眩人(あるいは幻人)とは、著者の説明によれば、魔法使いに近く、[[ペルシア人]]など[[西域]]出身の、[[麻薬]]を道具にした術師を指している<ref>著者による『着想ばなし』(『松本清張全集』第51巻(1984年、[[文藝春秋]])月報に掲載)参照。</ref>。 |
眩人(あるいは幻人)とは、著者の説明によれば、魔法使いに近く、[[ペルシア人]]など[[西域]]出身の、[[麻薬]]を道具にした術師を指している<ref>著者による『着想ばなし』(『松本清張全集』第51巻(1984年、[[文藝春秋]])月報に掲載)参照。</ref>。 |
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2020年9月11日 (金) 22:07時点における版
『眩人』(げんじん)は、松本清張の歴史小説。『中央公論』に連載され(1977年2月号 - 1980年9月号)、1980年11月に中央公論社から刊行された。
概要
仏教僧・玄昉の視点から、唐の都・長安や奈良時代の宮廷を描き出す歴史長編。 眩人(あるいは幻人)とは、著者の説明によれば、魔法使いに近く、ペルシア人など西域出身の、麻薬を道具にした術師を指している[1]。
あらすじ
唐に渡り十数年、日本への帰国を考えていた玄昉は、堕落した生活を送る日本僧・惟安の伝手で、西域の商人・康忠恕と知り合う。日本の薬草知識に興味を持った康忠恕は、玄昉をゾロアスター教徒の集う祠に誘う。地下の斎場で供された液体を飲んだ玄昉は、不可思議で淫猥な幻想の夢を見る。
西域出身の少年・康許生を伴い帰朝した玄昉は、唐で仕込んだ知識と幻術を武器に、朝廷での権力伸張を狙う。
登場人物
作中における設定を記述。
- 玄昉
- 遣唐使に学問僧として参加したが、目下長安の風俗街で色事に耽る日々を送る。他方、帰国後の自分の有利を考慮し、精力的に立ち回る。
- 李密翳
- 「続日本紀」中、一ヶ所言及のある人物[2]。作中では、架空の西域人「康許生」が改名した人物となっている。玄昉を師と呼ぶ。
- 吉備真備
- 作中では下道(しもつみちの)真備と呼ばれる。努力型で凡庸だが、権力動向には敏感。利害の一致した玄昉と組む。
- 藤原宮子
- 首皇子(後の聖武天皇)を出産後、心的障害となるが、ある方法によって回復する。
- 聖武天皇
- 幼少時から宮人に大事に育てられる。藤原広嗣の乱後、遷都事業・大仏建立を熱心に進める。
- 光明皇后
- 聖武天皇を実質的に動かす存在になる。