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'''特殊警備隊'''(とくしゅけいびたい、Special Security Team:SST)とは、[[海上保安庁]]に所属する[[特殊部隊]]<ref>[[別冊宝島]] 世界の特殊部隊 ~極秘任務を遂行する最強のエリート集団~ P.8</ref><ref>[http://www.kaiho.mlit.go.jp/syashin/psi/index.html 拡散に対する安全保障構想(PSI)豪州沖海上阻止訓練について]{{ンク切れ|date=2017年10月}}</ref>。[[シージャック]]<ref name="sst1">{{Cite news |title=Ⅲ 海上紛争等の警備と警衛・警護平成9年版海上保安白書)|newspaper=|date=|author=海上保安庁|url=http://www.kaiho.mlit.go.jp/info/books/h9haku/2-1-3.htm|accessdate=2015-11-14}}</ref>、海上[[テロ]]への対処<ref name="kakitani kikuchi2008">最新 日本の対テロ特殊部隊,柿谷哲也,菊地雅之,三修社,2008年,P110</ref>、不審船・容疑船に対する臨検<ref name="kakitani2007">海上保安庁と海上自衛隊の新たな特殊任務,柿谷哲也,「図説」世界の特殊作戦,学習研究社,2007年,P134-139,ISBN 978-4-05-604649-6</ref>、船舶内で発生した暴動の鎮圧<ref name="kakitani2007" />、海賊対応<ref name="kakitani2007" />等を任務とする
'''特殊警備隊'''(とくしゅけいびたい、{{Lang-en|Special Security Team, '''SST'''}})は{{Efn2|日本語の部隊名称を略した「特警隊」は、海上保安庁では[[特別警備隊 (海上保安庁)|特別警備隊]]を指ため、本部隊は「SST」と称され。}}、[[海上保安庁]][[特殊部隊]]{{Sfn|柿谷|菊池|2008|pp=107-140}}{{Sfn|ストライクアドタティカルマガジン|2017|pp=65-73}}。[[シージャック]]や[[CBRNE|毒ガス事案]]など、高度な知識・技術を必要とする特殊な海上警備事案に対処する{{Sfn|佐藤|2019|loc=ファイル14 不審船を捕捉せよ}}<ref name="sst1">{{Citation|和書|chapter=Ⅲ 海上紛争等の警備と警衛・警護|title=平成9年版海上保安白書|year=1997|author=海上保安庁|url=https://www.kaiho.mlit.go.jp/info/books/h9haku/2-1-3.htm|accessdate=2015-11-14}}</ref>。


==名称==
==来歴==
[[大阪国際空港]]の公害問題を背景として、[[1960年代]]より、[[関西三空港の経緯と現状#1968年-1970年代前半_第二空港の検討と第一次答申|大阪圏に第二空港を設置すること]]が検討され始めていた。諸般の検討や地元との調整を経て、建設位置は[[和泉|泉州]]沖の[[大阪湾]]上と決定し、[[1980年代]]後半より、[[関西国際空港]]として、具体的な計画が着手された。しかし建設への反対運動も激化しており、[[極左暴力集団]]は[[消火器]]爆弾や[[迫撃弾]]などを用いて、[[関西]]地域で年間数百件ものテロ・ゲリラ事件を引き起こしていた{{Sfn|佐藤|2019|loc=ファイル9 関西国際空港テロを防止せよ}}。
通称「'''SST'''」と呼ばれている。日本語の部隊名称を略した「特警隊」は、海上保安庁では[[特別警備隊 (海上保安庁)|特別警備隊]]を指すためSSTには使われない。


この状況に対して、[[1985年]][[10月1日]]、同地を管轄する[[岸和田市|岸和田]]海上保安署([[第五管区海上保安本部|第五管区]])に設置されたのが'''関西国際空港海上警備隊'''(海警隊)であった<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.kaiho.mlit.go.jp/05kanku/osaka/01main%20contents/13business%20outline/1302history/history.htm |title=大阪海上保安監部の沿革|author=第五管区海上保安本部|accessdate=2019-07-15}}</ref>。陸地側を警備する[[大阪府警察]][[機動隊]]と連携して海側の警備を担っており、隊員は第五管区内に限らず、全国から希望者を募って配置されていた{{Sfn|佐藤|2019|loc=ファイル9 関西国際空港テロを防止せよ}}。発足時はわずか8名であったが、[[1987年]]には空港の本格的な着工にあわせて24名に増強され、[[1990年]]には更に37名に増強された{{Sfn|小峯|坂本|2005|pp=45-74}}。
==概要==
SSTは[[1985年]]に創設された[[関西国際空港]]海上警備隊(海警隊)<ref name="enkaku5">{{Cite web|url=http://www.kaiho.mlit.go.jp/05kanku/contents/introduction/history.html |title= 第五管区海上保安本部沿革 |author=第五管区海上保安本部 |date= |work= |publisher=海上保安庁第五管区海上保安本部 |accessdate=2015-11-28 }}</ref>が前身となっている。発足時はわずか8名であったが、87年には空港の本格的な着工にあわせて24名{{Sfn|小峯|坂本|pp=45-74}}、[[プルトニウム]]輸送船護衛を控えた[[1990年]]には更に37名に増強されるとともに、[[アメリカ海軍]]の[[Navy SEALs]]による訓練が施された。プルトニウム輸送船護衛のため、海警隊から13名が選抜されて「輸送船警乗隊」が編成されたが、護衛任務が終了すると、再び海警隊に合流した{{Sfn|小峯|坂本|pp=112-130}}。


また1989年には、[[日米原子力協定]]の適用を受けてフランスから返還される[[プルトニウム]]の海上輸送が決定され、その際の護衛を海上保安庁が担当することになったことから、そのための体制整備が進められることになった。その一環として、本庁警備第二課に設置されたのが'''プルトニウム輸送船警乗隊'''(警乗隊)であった。この部隊には、海警隊からも複数の隊員が参加したが{{Efn2|一説には13名が選抜されたとされている{{Sfn|小峯|坂本|2005|pp=112-130}}。}}、基本的には、やはり全国から選抜された隊員から構成されていた{{Sfn|佐藤|2019|loc=ファイル10 核燃料輸送船を護衛せよ}}。[[1990年]]には[[アメリカ海軍]]の[[Navy SEALs]]による訓練が施された{{Sfn|小峯|坂本|2005|pp=45-74}}。その際に、Navy SEALsから[[射撃]]、[[狙撃]]、[[近接格闘術|接近格闘術]]、[[懸垂下降|リペリング降下]]、[[ファストロープ器材|ファストロープ降下]]など特殊部隊として必要な指導を受けたとされている<ref name="os" />。[[1992年]]に輸送が実施され、復路では巡視船「[[しきしま型巡視船|しきしま]]」の護衛を受けて、フランスから日本まで無寄港で、総日数60日・総航程2万海里の輸送を実施したが、輸送船「あかつき丸」に乗船した警乗隊は、往路や寄港中も含めて、約5ヶ月間150日間にわたって一度も上陸することなく、輸送船の警備を完遂した{{Sfn|佐藤|2019|loc=ファイル10 核燃料輸送船を護衛せよ}}。
[[1995年]]に「[[地下鉄サリン事件]]」などのテロ事件が発生したことを受け、海上保安庁は海上におけるテロ事件に対処するため、本格的な特殊部隊の創設を計画した。その結果、同種の部隊を統合して運用することが効率的であったことから、[[1996年]]5月11日に[[第五管区海上保安本部]]大阪特殊警備基地が設置され<ref name="subete">{{Cite book|和書|editor=世界の艦船 編集部|year=2009|month=11|title=海上保安庁のすべて|sereis=世界の艦船 2009年11月号増刊|page=66|publisher=海人社|id=[[JANコード]] 4910056041192}}</ref>、'''特殊警備隊'''(SST)が発足した<ref name="ogawa2015">{{Cite book|和書|author=小川和久|year=2015|month=7|title=危機管理の死角:狙われる企業、安全な企業|series=|page=57|publisher=東洋経済新報社|isbn=978-4-492-53366-6}}</ref>。


そして[[1996年]][[5月11日]]に、海警隊と警乗隊を統合して'''大阪特殊警備基地'''([[第五管区海上保安本部|第五管区]])に設置されたのがSSTであった{{Sfn|海人社|2008|p=129}}{{Sfn|ストライクアンドタクティカルマガジン|2017|pp=65-73}}{{Sfn|佐藤|2019|loc=ファイル14 不審船を捕捉せよ}}{{Efn2|プルトニウム輸送後、警乗隊は海警隊に合流しており、海警隊がそのままSSTに改編されたという説もある{{Sfn|小峯|坂本|2005|pp=45-74}}。}}。
SSTはテロリストなどに占拠された船舶や、麻薬密輸船に対して、[[ヘリコプター]]から[[ファストロープ器材|ファストロープ]]などを用いて降下し、制圧を行う。また閉式潜水器具等を使用して、水中から船舶への突入、制圧を実施する。またSSTはテロ対策などの警備任務以外に、潜水能力を生かして[[海難救助]]にも従事し、密輸や密入国などの多様な事件に出動することから、日本の特殊部隊の中では、比較的出動回数が多いと言われている<ref name="subete" /><ref name="os-dream"/>。


== 編制 ==
なお、平成9年版海上保安白書によれば、SSTは、[[地下鉄サリン事件]]や、[[在ペルー日本大使公邸占拠事件]]等を踏まえ、[[潜水]]訓練、[[武道]]訓練、[[レンジャー (日本の警察)|レンジャー]]訓練、[[ヘリコプター]]からの降下訓練等を実施し、24時間体制で海上における特殊警備事案の発生に備えている、とされている<ref name="sst1"/>。
=== 所掌 ===
[[1997年]]([[平成]]9年)の海上保安白書によれば、「[[シージャック]]、[[サリン]]等の有毒ガス使用等高度な知識及び技術を必要とする特殊な海上警備事案」に対処することが、SSTの任務とされている<ref name="sst1" />。2003年にSSTは、PSI([[拡散に対する安全保障構想]])加盟国による演習に参加し、[[大量破壊兵器]]を搭載している容疑船の制圧と検査を担当していることから、こうした[[臨検]]も任務とされている<ref name="os" />。その他の任務として、船員による[[暴動鎮圧|暴動の鎮圧]]や、[[海賊|海賊行為]]への対処、[[工作船]]事案、船内における[[爆発物処理|爆発物の処理]]、[[密航]]船や[[麻薬]][[密輸]]船の摘発などが挙げられる<ref name="公務員" >{{Cite web|和書|url=https://koumu.in/articles/464|author=千谷麻理子|title=「常に備えよ」海の守護神 海上保安庁の特殊警備隊SST(Special Security Team)とは? |website=公務員総研|date=2021-06-14|accessdate=2022-04-25}}</ref>。


海上保安庁には[[NBCテロ対応専門部隊|NBCテロ対処の専従部隊]]がないため、東日本では[[特殊救難隊]]が、そして西日本では本部隊が対応するように分担している{{Sfn|ストライクアンドタクティカルマガジン|2017|pp=65-73}}。前述の通り、平成9年(1997年)版の海上保安白書には、SSTが「サリン等の有毒ガス使用事案」に対処する部隊として記載されており、[[化学兵器|化学テロ]]が客船や港湾の施設内で行われた場合は、SSTが出動し、負傷者の救助や証拠品(化学兵器が入っていた容器など)の回収を行い、その後の捜査は、[[海上保安庁]]の[[捜査員]]が警察などと連携して行う{{Sfn|柿谷|2012|p=86}}。また船舶内での[[殺人事件]]<ref name="ペスカマ号殺人事件" />や[[シージャック]]への対処なども行う事から、海上保安庁のSSTは、警察における[[NBCテロ対応専門部隊|NBC対策部隊]]、[[爆発物処理班]]、刑事部突入班、[[特殊急襲部隊|特殊部隊(SAT)]]の機能を併せ持っており、海上での広範囲な任務を担当する点が特徴である<ref name="公務員" />。
隊員は主に[[警備実施等強化巡視船]]に配備されている[[特別警備隊_(海上保安庁)|特別警備隊]]か、[[救難強化巡視船]]の潜水隊員から選抜されているようである<ref name="sst2" />。警察の[[特殊急襲部隊|特殊部隊(SAT)]]と同じく、部隊についての情報は著しく制限されていたが、2001年9月に発生した[[アメリカ同時多発テロ事件]]以降は、部分的であるが、訓練の様子等を報道陣に公開している<ref name="sst2">{{Cite web|url=https://koumu.in/articles/464|title=「常に備えよ」海の守護神 海上保安庁の特殊警備隊SSTとは?|publisher=公務員総研|date=2017-11-14|accessdate=2019-01-26}}</ref>。


=== 組織 ===
: 一般公開された情報で判明している大阪特殊警備基地の編制は以下の通り<ref name="os-dream"/>
[[File:Operators of the Special Security Team of the JCG.jpg|thumb|250px|right|SST隊員]]
* 基地長(二等海上保安監)
前述の通り、SSTは[[第五管区海上保安本部]]の大阪特殊警備基地として設置されているが、運用は本庁警備課特殊警備対策室が行っている{{Sfn|黒井|2007|p=187}}。第一特殊警備隊から第七特殊警備隊までの7個隊で編成され、各隊は8名ずつ、隊長は二等海上保安正、副隊長は三等海上保安正で、隊員の中には[[救急救命士]]や[[危険物取扱者|危険物取扱]]の有資格者も配属されている{{Sfn|柿谷|菊池|2008|pp=107-140}}。また7個隊のうち、2個隊は[[CBRNE|爆発物処理・化学防護能力]]を備えている{{Sfn|柿谷|菊池|2008|pp=107-140}}。
* 統括隊長(複数の隊が出動した時に統括する隊長:階級は一等海上保安正)
* 第一特殊警備隊(隊長:二等海上保安正、副隊長:三等海上保安正)他6名 計8名
* 第二~第七特殊警備隊(第一特殊警備隊に同) 各8名
各隊には[[朝鮮語]]等の語学のスペシャリストや[[救急救命士]]等の専門隊員が配属されている。また、7個の特殊警備隊のうち2個はそれぞれ[[化学兵器]]防護、[[爆発物処理]]を専門としている隊である<ref name="os-dream" />。


SSTは、[[ヘリコプター]]からの[[懸垂下降|リペリング降下]]、[[巡視艇]]、[[高速警備救難艇|高速艇]]などによる[[移乗攻撃|強行接舷]]、気泡が出ない[[テクニカルダイビング#特殊器材|循環式潜水器]]を使用した潜水による接近などによって対象船舶に乗り込み、下記装備等を使用して犯人を制圧する。突入に際しては、公開されている限り自動小銃4名、拳銃4名の編成をとることが多いようである。また任務によっては[[特別警備隊 (海上保安庁)|特別警備隊]]の支援を受ける場合もある。基本的に2人一組で行動する<ref name="os">[https://www.os-dream.com/2018/05/21/jcg/317/%E7%89%B9%E9%9B%86-%E6%B5%B7%E4%B8%8A%E4%BF%9D%E5%AE%89%E5%BA%81%E7%89%B9%E6%AE%8A%E8%AD%A6%E5%82%99%E9%9A%8A%EF%BC%88sst%EF%BC%89/ 特集 海上保安庁特殊警備隊(SST) Off Shore Dream 海上保安庁の総合情報サイト]</ref>。機密保持は極めて厳しく、隊員は海上保安庁職員名簿にも掲載されず、人事記録からも名前を消される措置を受けている{{Sfn|海人社|2013}}。
SSTは出動命令を受けると、関西空港海上保安航空基地から固定翼機([[サーブ_340|サーブ 340B]])を使用して、現場近くの航空基地に移動し、そこから航空基地所属のヘリコプターに搭乗して現場に向かい、直接または巡視船を経由して、対象となる船を急襲する。乗り込む方法は、ヘリコプターからの[[懸垂下降|リペリング降下]]のほかに、強行接舷による移乗や閉式潜水器具を使用しての水中強襲も行う<ref name="os-dream">{{Cite web|url=https://www.os-dream.com/2018/05/21/jcg/317/|title=特集 海上保安庁特殊警備隊(SST)|publisher=Off Shore Dream|date=2018-05-21|accessdate=2019-01-26}}</ref>。通常は船内の制圧が終わると、[[警備実施等強化巡視船]]からやって来る[[特別警備隊_(海上保安庁)|特別警備隊]]に任務を引き継いで撤収する。特別警備隊は、海上テロ事案等が発生した際には、SSTの支援部隊として出動し、初動対応にあたる為、ほぼすべての管区海上保安部警備救難課警備係に配置されている。


=== 装備 ===
関西空港海上保安航空基地に配備されているサーブ340Bと[[ユーロコプター_EC_225|EC225LP]](ヘリコプター)は、通常業務のほか、SSTの移送を考慮した装備となっている<ref name="subete" />。事案発生の際には、[[巡視船]]やヘリコプターとの連携が不可欠であるため、普段は大阪特殊警備基地での訓練の他に、全国の海上保安本部に出向き、巡視船員やヘリコプター乗員との連携訓練を行っている<ref name="os-dream"/>。
海警隊の発足当初は、4インチ銃身モデルの[[S&W M19]][[回転式拳銃|回転式けん銃]]に[[.38スペシャル弾]]を装填して使用していたが{{Sfn|小峯|坂本|2005|pp=45-74}}、Navy SEALsから指導を受けた際に、[[アメリカ海軍|アメリカ軍人]]は海警隊隊員の優れた射撃精度に驚嘆する一方、装弾数の少なさに伴う火力不足が指摘された。このことから、1992年には[[SIG SAUER P226#P228|シグ・ザウエルP228]][[自動式拳銃|自動式けん銃]]が導入された{{Sfn|小峯|坂本|2005|pp=112-130}}。


拳銃よりも強力な銃器としては、1988年に[[H&K MP5]]A5/SD6[[短機関銃]]が導入されたほか{{Sfn|小峯|坂本|2005|pp=75-106}}、1992年には[[89式5.56mm小銃]]も導入された{{Sfn|小峯|坂本|2005|pp=112-130}}。
部隊の標語は、「'''常に備えよ'''」<ref name="sst2" />


海警隊では、[[狙撃銃]]として、[[64式7.62mm小銃]]に[[照準器]]を取り付けたものと[[豊和M1500]]を使用していたが、ボルトアクション式の豊和M1500は次弾装填の際に標的を見失うため、海上での狙撃には適さなかったとされている{{Sfn|小峯|坂本|2005|pp=45-74}}。またSST設立後には、2,000メートル級の長射程を誇る[[:en:McMillan Firearms|マクミラン]]社製の[[対物ライフル]]も導入された{{Sfn|中名生|2015}}。
== 関連年表 ==
* [[1985年]]10月1日 - [[関西国際空港]]海上警備隊が創設される<ref name="enkaku5" />。
* [[1988年]] - [[1988年ソウルオリンピック|ソウルオリンピック]]の期間中にテロやシージャックに備えるために日韓を結ぶフェリー航路付近を関西空港海上警備隊が警戒監視任務に就く。
* [[1989年]] - [[東シナ海]]でパナマ船籍の鉱石運搬船内で船員が暴動を起こす事件が発生し、関西空港海上警備隊が出動して暴動を鎮圧。
* [[1990年]] - プルトニウム輸送船を護衛する為に関西空港海上警備隊の隊員を選抜し、輸送船警乗隊を創設する。[[アメリカ海軍|米海軍]]の特殊部隊([[Navy SEALs]])から[[対テロ作戦]]等の教育を受ける{{sfn|小峯|坂本|pp=112-130}}。
* [[1992年]] - フランスから日本へのプルトニウムを輸送した運搬船あかつき丸に輸送船警乗隊が乗り組み、警戒警備をする<ref name="kakitani2007" >海上保安庁と海上自衛隊の新たな特殊任務,柿谷哲也,「図説」世界の特殊作戦,学習研究社,2007年,P134-139,ISBN 978-4-05-604649-6</ref>。
* [[1996年]]5月11日 - 関西空港海上警備隊と輸送船警乗隊が統合され、特殊警備基地の設置及び特殊警備隊(SST)が創設される<ref name="enkaku5" />。
*[[1998年]] - 東京晴海埠頭で行われた[[海上保安庁観閲式|観閲式]]で、SSTが訓練展示(容疑船へのリペリング降下)を行い、初めて報道陣の前に姿を現す。また、[[アメリカ合衆国沿岸警備隊|米国沿岸警備隊]]の特殊部隊([[TACLET]])も訓練展示に参加した。
* [[1999年]] - [[能登半島沖不審船事件]]の際に、SSTは追跡中の巡視船「[[つがる型巡視船|ちくぜん]]」に乗船して、不審船停船後の強行臨検に備えていた。
* [[2000年]] - 東シナ海を航行中のシンガポール船籍の貨物船で船員が暴動を起こす事件が発生。SSTが出動して暴動事件に対応した<ref name="ogawa2015" /><ref name="sst">{{Cite|title=テロ対処・不審船対処能力の現状及び問題点について|publisher=首相官邸|date=2004-09-06|author=海上保安庁|url=http://www.kantei.go.jp/jp/singi/ampobouei/dai9/9siryou7.pdf|format=PDF|accessdate=2015-11-14}}</ref>。
* [[2001年]] - [[九州南西海域工作船事件]]に際して出動し、[[第十管区海上保安本部]]の巡視船「はやと」船内で準備をしていた。
*[[2002年]] - [[2002 FIFAワールドカップ|FIFAワールドカップ]]開幕直前に、[[釜山広域市|釜山]]沖において、韓国[[海洋警察特別攻撃隊]](SSAT)と、SSTがテロ対策合同訓練を行う。なお訓練の模様は報道機関に公開された。
*[[2003年]] - オーストラリア東岸沖で[[拡散に対する安全保障構想|PSI]]加盟国による合同臨検(船舶検査)演習「パシフィックプロテクター」が実施され、SSTは容疑船への降下、制圧を担当した。
*[[2008年]] -「[[シーシェパード]]」が日本の調査捕鯨船の活動を妨害し、乗務員が負傷する事件が発生。この事件を受け海上保安庁は[[日本鯨類研究所]]の調査捕鯨船「[[第二勇新丸]]」に[[エコテロリズム|エコテロリスト]]対策として海上保安官が乗船し、警備を担当したと発表した。この海上保安官は情報誌に掲載された記事ではSST隊員とされている<ref>国際情報誌[[SAPIO]](2008年3月12日号)に掲載された記事『捕鯨船10隻を沈めた「環境テロリスト」シー・シェパードの過激な「海賊行為」』に記載。</ref>。
*[[2009年]] - [[高知県]][[室戸岬]]沖で、大量の[[覚醒剤]]を夜陰に乗じて室戸市の椎名漁港に密輸しようとした中国船籍の漁船が、海上保安庁に発見された。該船は巡視船からの停船命令を無視したため、SSTが急襲した。船を制圧したSSTは、同船員6人を立入検査忌避罪で[[現行犯]][[逮捕 (日本法)|逮捕]]した。椎名漁港には密輸の受け入れ役だった[[在日中国人]]と[[暴力団]]員が待ち受けており、この暴力団員らは通報を受けて警戒を実施していた[[高知県警察]]が逮捕した。
*[[2010年]] - [[海上保安庁観閲式]]で武装船を想定した訓練が初公開された<ref>「[http://www.jiji.com/jc/zc?k=201005/2010052900295 時事通信2010年5月29日付の記事]{{リンク切れ|date=2015年12月}}」</ref>。
*[[2013年]] - [[東京電力]][[福島第二原子力発電所]]において、テロリストの襲撃を想定した警察との合同テロ対策訓練にSSTが参加し、船舶に立て籠もったテロリスト役の制圧を行った。なお、この合同訓練には[[千葉県警察]]の[[特殊急襲部隊|特殊部隊(SAT)]]と[[福島県警察]]の[[銃器対策部隊]]が参加した。
*[[2014年]] - [[週刊文春]]によると、同年10月5日早朝、[[小笠原諸島]]周辺の日本領海内で赤[[サンゴ]]を密漁する中国漁船に対処するため、関西空港海上保安航空基地からヘリコプターで緊急出動。巡視船「[[しきしま型巡視船|しきしま]]」にてブリーフィングを行った後、ヘリコプターから中国漁船にリペリング降下して銃器を構えて船内に突入、[[包丁]]や[[銛]]等で激しく抵抗する乗組員を制圧して横須賀へ連行したという。海上保安庁は本件に関して「回答を差し控える」としている<ref>[http://shukan.bunshun.jp/articles/-/4544 中国サンゴ密漁船に海上保安庁特殊部隊SSTが出動していた!]{{リンク切れ|date=2015年12月}} 週刊文春 2014年11月12日</ref>。([[中国漁船サンゴ密漁問題]])


またSST自身の装備ではないが、関西空港海上保安航空基地に配備されている[[サーブ 340|サーブ 340B]]と[[ユーロコプター_EC_225|EC225LP]](ヘリコプター)は、通常業務のほか、SSTの移送を考慮した装備となっている{{Sfn|米田|2019}}。[[不審船#北朝鮮の不審船|工作船]]対処の際には、これらの航空機がSSTの輸送や上空の監視警戒に当たるのに加えて、[[ひだ型巡視船|ひだ型]]を指揮船として[[あそ型巡視船|あそ型]]や[[つるぎ型巡視船|つるぎ型]]などから構成される巡視船隊とも連携して、SSTによる停船後の工作船への[[臨検|立入検査]]および[[北朝鮮工作員|工作員]]の[[逮捕]]などといった行動も想定されている{{Sfn|坂本|2008}}。
== 主な装備 ==
=== 銃器類 ===
; けん銃([[拳銃]])
* [[SIG SAUER P226#P228|シグ・ザウエルP228]]
: [[拳銃#自動式拳銃|自動式けん銃]]。公開訓練では、[[ホルスター]]からの脱落を防止するため、ランヤード(吊り紐)を取り付けて使用している。2013年に東京電力福島第2原子力発電所で行われた訓練ではフラッシュライトを装着していた。
* [[S&W M19]]
: [[回転式拳銃|回転式けん銃]]。[[ニューナンブM60]]と同じ、38スペシャル弾を使用。SSTの前身である海上警備隊が装備していたとされている<ref name="SST">『海上保安庁特殊部隊SST』著者:[[小峯隆生]]、協力:[[坂本新一]]、並木書房2005年、ISBN 4-89063-193-3</ref>。
; 機関けん銃([[短機関銃]])
* [[ヘッケラー&コッホ|H&K]] [[H&K MP5|MP5]]
: 遅くとも1995年には装備していた。2003年に行われた合同演習「パシフィックプロテクター」では、フラッシュライトとダットサイトを装着したMP5A5を使用。
; [[狙撃銃]]
* [[豊和工業]] [[64式7.62mm小銃]]
: [[照準器]]を取り付け、狙撃用としたもの。海上警備隊が使用していたとされている<ref name="SST"></ref>。
* 豊和工業 [[豊和M1500|M1500]]
: 『海上保安庁特殊部隊SST』(著者:[[小峯隆生]]、協力:[[坂本新一]]、並木書房)によると、海上警備隊が使用していたとされている。なお同書によれば、ボルトアクション方式の狙撃銃は次弾装填の際に標的を見失うため、海上での狙撃には適さなかったとされている。
* [[.338ラプア・マグナム]]
: 1km以上の長距離狙撃が可能とされている<ref name="playboy">[https://wpb.shueisha.co.jp/news/politics/2015/04/14/46480/ 日本も晒されるテロの脅威に自衛隊が治安出動する場合。治安対策はどこまでなされているのか] 週プレNEWS 2015年04月14日</ref>。
; [[散弾銃]]
: 海上保安庁では、[[レミントンM870|レミントンM870 マリンマグナム]]を装備している。
; [[自動小銃]]
* 豊和工業 [[89式5.56mm小銃]]
: 折曲式[[銃床]]を装着したもの。2004年に行われたフィリピン沿岸警備隊との合同訓練では、エイムポイント社製のダットサイトを装着して使用。
* [[コルト・ファイヤーアームズ|コルト社]] [[M4カービン]]
: [[弾丸]]の直進性がよく、小回りも効くため、アメリカ軍などで採用されている<ref name="os-dream"/><ref name="playboy"/>。


=== その他の装備 ===
== 活動史 ==
* [[1988年]] - [[ソウルオリンピック]]の期間中、日韓を結ぶカーフェリーのうち日本船籍のものには海上保安官が警乗を行うことになり、所轄の[[第七管区海上保安本部|第7管区]]のほか、海警隊からも数人が参加した{{Sfn|柿谷|菊池|2008|pp=107-140}}。
* [[手榴弾#殺傷を目的としない手榴弾|音響閃光弾]]
* [[1989年]] - [[東シナ海]]を航行中の[[EB・キャリア号船内暴動事件|パナマ船籍の鉱石運搬船内で船員が暴動を起こす事件]]が発生し、所轄の[[第十一管区海上保安本部|第11管区]]とともに海警隊も出動して暴動を鎮圧{{Sfn|柿谷|菊池|2008|pp=107-140}}。
: 犯人制圧に使用。
* [[1990年]] - [[プルトニウム]]輸送船を護衛する為に海警隊の隊員を選抜し、警乗隊を創設した際に、[[アメリカ海軍]]の[[Navy SEALs]]から指導を受けた{{Sfn|小峯|坂本|2005|pp=45-74}}。
* [[戦闘用ヘルメット|ヘルメット]]
* [[1992年]] - フランスから日本へのプルトニウムを輸送した運搬船あかつき丸に警乗隊が警乗護衛を行った{{Sfn|柿谷|菊池|2008|pp=107-140}}{{Sfn|佐藤|2019|loc=ファイル10 核燃料輸送船を護衛せよ}}。
: 2002年に[[海洋警察庁|韓国海洋警察]]と行った合同訓練では、[[ABS樹脂]]製のヘルメットを使用。このヘルメットは、突入の際に頭部を保護するためのもので、[[防弾]]能力は無い。また、[[ケブラー]]製の防弾ヘルメットも装備している。
* [[1996年]] - 海警隊と警乗隊が統合され、大阪特殊警備基地が設置される{{Sfn|ストライクアンドタクティカルマガジン|2017|pp=65-73}}{{Sfn|佐藤|2019|loc=ファイル14 不審船を捕捉せよ}}。
* [[ボディアーマー|防弾ベスト]]
* [[1996年]] - [[ハワイ]]南方沖の公海上を航行中の[[ホンジュラス]]船籍のマグロ漁船内で、韓国人船員ら計11名が殺害される事件が発生した際に、[[第三管区海上保安本部]]の巡視船「[[しきしま (巡視船・初代)|しきしま]]」「[[うらが (巡視船)|うらが]]」の2隻とSSTが出動した<ref name="ペスカマ号殺人事件">{{Citation|和書|url=https://nippon.zaidan.info/seikabutsu/2001/00499/contents/00076.htm|title=海上保安国際紛争事例の研究 第3号|publisher=財団法人[[海上保安協会]]|date=2002年3月}}</ref>。
* アサルトスーツ
* [[1998年]] - [[東京港#晴海埠頭|東京晴海埠頭]]で行われた[[海上保安庁観閲式|観閲式]]で、SSTが訓練展示(容疑船への[[懸垂下降|リペリング降下]])を行い、初めて報道陣の前に姿を現す{{Sfn|柿谷|菊池|2008|p=117}}。
: 紺色、もしくは灰色の突入服。
* [[1999年]] - [[能登半島沖不審船事件]]の際に、SSTは追跡中の巡視船「[[ちくぜん (巡視船)|ちくぜん]]」に乗船して、不審船停船後の[[移乗攻撃|強行臨検]]に備えていた{{Sfn|岩尾|2008|p=124}}。
* [[ライオットシールド#防弾シールド|防弾盾]]
* [[1999年]] - [[マラッカ海峡]]で[[海賊]]に襲撃され、行方不明となった日本法人の所有する貨物船「アロンドラ・レインボー」の捜索に出動{{Sfn|柿谷|菊池|2008|pp=131-132}}。
: 海上保安庁では、ケブラー製の小型防弾盾等を装備している。
* [[2000年]] - [[東シナ海]]を航行中の[[シンガポール]]船籍の貨物船で船員が暴動を起こす事件が発生。SSTが出動して暴動事件に対応した<ref name="sst">{{Citation|和書|title=テロ対処・不審船対処能力の現状及び問題点について|publisher=首相官邸|date=2004/09/06|author=海上保安庁|url=https://www.kantei.go.jp/jp/singi/ampobouei/dai9/9siryou7.pdf|format=PDF |accessdate=2015-11-14}}</ref>。
* [[リュックサック|背嚢]]型[[水筒]]
* [[2001年]] - [[アメリカ同時多発テロ]]の発生により、横須賀を出航するアメリカ空母「[[キティホーク (空母)|キティホーク]]」の上空からヘリコプターに搭乗して警備を行う{{Sfn|柿谷|菊池|2008|pp=136-137}}。
: キャメルバック社製、背中に背負う水筒。手を使用せずに水を飲むことが可能。2004年に行われた[[フィリピン軍#沿岸警備隊|フィリピン沿岸警備隊]]との合同訓練の際、SST隊員が装備していたもの。
* [[2001年]] - [[九州南西海域工作船事件]]に際して出動し、[[第十管区海上保安本部]]の巡視船「[[うらが (巡視船)|はやと]]」船内で準備をしていた{{Sfn|岩尾|2008|p=125}}。
* [[暗視装置]]
*[[2002年]] - [[江の島虚偽通報事件]]に際して、所轄の[[第三管区海上保安本部|第三管区]]とともにSSTも出動して[[スパイ|工作員]]の制圧に備えて準備をしていた<ref>{{Cite news|和書|url=https://www.tokyo-sports.co.jp/articles/-/92890|title=「子供が遭難」海保にイタズラ電話 虚偽通報なら巨額賠償必至|newspaper=東スポWeb|date=2014年07月25日}}</ref>。
* [[ダイビング器材|潜水器具]]
*[[2002年]] - [[2002 FIFAワールドカップ|FIFAワールドカップ]]開幕直前に、[[釜山広域市|釜山]]沖において、韓国[[海洋警察特別攻撃隊]] (SSAT) と、SSTがテロ対策合同訓練を行う。なお訓練の模様は報道機関に公開された{{Sfn|ストライクアンドタクティカルマガジン|2017|pp=65-67}}。
<!-- ”クローズサーキット式、Dräger社製”出典が明記されるまで、コメントアウトした方が良いと思います。-->
*[[2003年]] - オーストラリア東岸沖で[[拡散に対する安全保障構想|PSI]]加盟国による合同臨検([[臨検|船舶検査]])演習「パシフィックプロテクター」が実施され、SSTは容疑船への降下、制圧を担当した。その際に、[[海上自衛隊]]の幹部から「急襲、武器使用、制圧、被疑者の選択といった一連の行動が洗練され、完璧である」と高い評価を受けた{{Sfn|「週刊文春」編集部|2014}}。
* 爆発物処理用装備
*[[2008年]] - [[第34回主要国首脳会議|洞爺湖サミット]]開催前に、[[神戸港]]において、爆破テロを想定した警察との合同テロ対策訓練にSSTが参加し、船舶に立て籠もったテロリスト役の制圧を行った。なお、この合同訓練には[[兵庫県警察]]の[[銃器対策部隊]]と[[爆発物処理班]]が参加した{{Sfn|岩尾|2008|pp=32-33}}。
: [[対爆スーツ|防爆服]]、探知機等。
*[[2008年]] - 「[[シーシェパード]]」が日本の調査捕鯨船の活動を妨害し、乗務員が負傷する事件が発生。この事件を受け海上保安庁は[[日本鯨類研究所]]の調査捕鯨船「[[第二勇新丸]]」に[[エコテロリスト]]対策として海上保安官が乗船し、警備を担当したと発表した。この海上保安官は情報誌に掲載された記事ではSST隊員とされている{{Sfn|山田|2008}}。
* 化学防護用装備
*[[2009年]] - [[高知県]][[室戸岬]]沖で、大量の[[覚醒剤]]を夜陰に乗じて室戸市の椎名漁港に密輸しようとした中国船籍の漁船が、海上保安庁に発見された。該船は巡視船からの停船命令を無視したため、SSTが急襲した。船を制圧したSSTは、同船員6人を[[漁業法|立入検査忌避罪]]で[[現行犯]][[逮捕]]した{{Sfn|社会情報リサーチ|2013|pp=207-208}}。椎名漁港には密輸の受け入れ役だった[[在日中国人]]と[[暴力団]]員が待ち受けており、この暴力団員らは通報を受けて警戒を実施していた[[高知県警察]]が逮捕した。
: [[化学防護服|防護服]]、検知器、[[除染]]機材等。
*[[2010年]] - [[海上保安庁観閲式]]で武装船を想定した訓練が初公開された<ref>{{Cite news|和書|url=https://www.jiji.com/jc/d2?p=jcg001_IMG_9224&d=005news|title=海上保安庁観閲式 写真特集|newspaper=JIJI.COM|publisher=時事通信社|date=2010年5月29日}}</ref><ref>{{Cite video|和書|title=特殊警備隊の訓練も初公開 東京湾で海保の観閲式|date=2010/05/29|url=https://www.youtube.com/watch?v=LG5M8rIP2I0|publisher=[[テレビ朝日]]|people=[[オールニッポン・ニュースネットワーク|ANNnewsCH]]|format=[[YouTube]]動画}}</ref>。

*[[2013年]] - [[東京電力]][[福島第二原子力発電所]]において、テロリストの襲撃を想定した警察との合同テロ対策訓練にSSTが参加し、船舶に立て籠もったテロリスト役の制圧を行った。なお、この合同訓練には[[千葉県警察]]の[[特殊急襲部隊|特殊部隊 (SAT)]]と[[福島県警察]]の[[銃器対策部隊]]が参加した<ref>{{Cite news|和書|url=https://www.jiji.com/jc/d4?p=lat217&d=d4_quake|title=原発テロ想定~福島第2で合同訓練~ 写真特集|newspaper=時事通信|date=2013年5月11日}}</ref>。
上記以外にも、様々な装備品を保有している。また、事案発生の際には、海上保安庁が保有する巡視船や航空機と連携して活動する。
*[[2014年]] - 10月5日早朝、[[小笠原諸島]]周辺の日本領海内で赤[[サンゴ]]を密漁する中国漁船([[中国漁船サンゴ密漁問題]])に対処するため、巡視船「[[しきしま (巡視船・初代)|しきしま]]」にてブリーフィングを行った後、ヘリコプターからの[[懸垂下降|リペリング降下]]で漁船に突入、[[包丁]]や[[銛]]等で激しく抵抗する乗組員を制圧して横須賀へ連行したと報じられた{{Sfn|「週刊文春」編集部|2014}}。海上保安庁は本件に関して「回答を差し控える」としている{{Sfn|「週刊文春」編集部|2014}}。
*[[2019年]] - [[大阪湾]]において、旅客船内での[[化学兵器|化学テロ]]を想定したテロ対策訓練にSSTが参加し、負傷者の搬送や除染などの手順を確認した<ref>{{Cite news|和書|url=https://www.nikkei.com/article/DGXMZO45388240Y9A520C1AC8Z00/|title=海保、G20へ警備本部設置 テロ訓練で対応確認|newspaper=日本経済新聞|date=2019年5月28日}}</ref>。


== 登場作品 ==
== 登場作品 ==
'''映画・テレビドラマ'''
; 『[[救命病棟24時]]』
: テレビドラマ。2002年のスペシャル番組にSSTが登場する。
'''アニメ・漫画'''
; 『[[S -最後の警官-]]』
; 『[[S -最後の警官-]]』
: 漫画版・映画版にて、[[プルトニウム]]輸送船が[[テロリズム|テロリスト]]に乗っ取られたことを受け、SSTが出動。[[特殊急襲部隊|SAT]]や[[S -最後の警官-#NPS|NPS]]と共同作戦を行う。
: 漫画版・映画版にて、[[プルトニウム]]輸送船が[[テロリズム|テロリスト]]に乗っ取られたことを受け、SSTが出動。[[特殊急襲部隊|SAT]]や[[S -最後の警官-#NPS|NPS]]と共同作戦を行う。
; 『[[海猿]]』
; 『[[海猿]]』
: 貨物船乗っ取り事案でSSTに出動要請が下る。
: 貨物船乗っ取り事案でSSTに出動要請が下る。
'''小説'''
; 『[[救命病棟24時]]』
; 『感染捜査』
: テレビドラマ。2002年のスペシャル番組にSSTが登場。
: [[吉川英梨]]の小説。豪華客船で人を[[ゾンビ]]化するウイルスが蔓延したことを受け、[[特別警備隊 (海上保安庁)]]とともに船内へ展開する。その後、同船の洋上隔離とともに結成された警視庁と海保合同の第一次感染捜査隊に編入され、全編を通して活動することになる。主人公の一人、来栖光もここの出身者。
; 『交戦規則 ROE』
: [[黒崎視音]]の小説。北朝鮮工作員らの乗る貨物船への対処のため出動し、ヘリコプターの[[ベル 212]]「日本海」に搭乗して巡視船「[[えちご (巡視船)|えちご]]」へと移動する予定だったが、その途中で工作員らが[[ダイビング器材#スクーバ器材|潜水装備]]を身に着けて貨物船から下りたため出番はなかった。


== 脚注 ==
== 脚注 ==
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== 参考文献 ==
== 参考文献 ==
* {{Cite book|和書|last1=柿谷|first1=哲也|last2=菊池|first2=雅之|year=2008|title=最新 日本の対テロ特殊部隊|publisher=三修社|isbn=978-4384042252|ref=harv}}
* {{Citation|和書|last=岩尾|first=克治|title=闘う!海上保安庁|publisher=[[光人社]]|year=2008|isbn=978-4-769-81387-3|ref=harv}}
* {{Citation|和書|editor=海人社|year=2008|month=7|title=写真で振り返る海上保安庁の60年 (創設60周年を迎えた海上保安庁)|journal=[[世界の艦船]]|issue=692|pages=124-131|publisher=[[海人社]]|naid=40016073809}}
* {{Cite book|和書|editor=ストライクアンドタクティカルマガジン|year=2017|month=3|title=日本の特殊部隊|ncid=BB01834038|ref=harv}}
* {{Citation|和書|editor=海人社|year=2013|month=3|chapter=海上保安庁とは?|title=海上保安庁100のトリビア|journal=世界の艦船|page=30|publisher=海人社|naid=40019591103}}
* {{Cite book|和書|authorlink1=小峯隆生|last1=小峯|first1=隆生|authorlink2=坂本新一|last2=坂本|first2=新一|year=2005|title=海上保安庁特殊部隊SST|publisher=並木書房|isbn=978-4890631933|ref=harv}}
* {{Citation|和書|last=柿谷|first=哲也|last2=菊池|first2=雅之|authorlink2=菊池雅之|year=2008|title=最新 日本の対テロ特殊部隊|publisher=[[三修社]]|isbn=978-4384042252}}
* {{Citation|和書|last=柿谷|first=哲也|title=海上保安庁 「装備」のすべて|series=[[サイエンス・アイ新書]]|publisher=[[SBクリエイティブ]]|year=2012|isbn=978-4797363753}}
* {{Citation|和書|authorlink=黒井文太郎|last=黒井|first=文太郎|title=日本の情報機関 知られざる対外インテリジェンスの全貌|series=[[講談社+α新書]]|publisher=[[講談社]]|year=2007|isbn=978-4062724555}}
* {{Citation|和書|authorlink=小峯隆生|last=小峯|first=隆生|authorlink2=坂本新一|last2=坂本|first2=新一|year=2005|title=海上保安庁特殊部隊SST|publisher=並木書房|isbn=978-4890631933}}
* {{Citation|和書|last=坂本|first=茂宏|year=2008|month=07|title=創設50年から60年 そして70年に向けて (創設60周年を迎えた海上保安庁)|journal=世界の艦船|issue=692|pages=132-137|publisher=海人社|naid=40016073810}}
* {{Citation|和書|authorlink=佐藤雄二|last=佐藤|first=雄二|year=2019|title=波濤を越えて 叩き上げ海保長官の重大事案ファイル|publisher=[[文藝春秋]]|isbn=978-4163910567}}
* {{Citation|和書|editor=社会情報リサーチ|year=2013|title=海上保安庁 その装備と実力に驚く本|publisher=[[河出書房新社]]|isbn=978-4-309-49872-0}}
* {{Citation|和書|author=「週刊文春」編集部|title=中国サンゴ密漁船を撃て!|journal=[[週刊文春]]|publisher=[[文藝春秋]]|date=2014年11月20日|volume=56|number=46|pages=24-28|naid=40020257722|archiveurl=https://web.archive.org/web/20141112134102/http://shukan.bunshun.jp/articles/-/4544|archivedate=2014-11-12|url=http://shukan.bunshun.jp/articles/-/4544}}
* {{Citation|和書|editor=ストライクアンドタクティカルマガジン|year=2017|month=3|title=日本の特殊部隊|ncid=BB01834038}}
* {{Citation|和書|authorlink=坂本新一|last=住本|first=祐寿|last2=川口|first2=大輔|title=海上保安官|publisher=並木書房|year=2011|isbn=978-4-89063-272-5}}
* {{Citation|和書|last=中名生|first=正己|year=2015|month=11|title=巡視船 武装の歩み(下)|journal=世界の艦船|issue=825|pages=168-173|publisher=海人社|naid=40020597434}}
* {{Citation|和書|last=星川|first=武|year=2003|month=10|title=世界の特殊部隊|publisher=学習研究社|isbn=4056032009}}
* {{Citation|和書|last=毛利|first=文彦|year=2002|title=警視庁捜査一課特殊班|publisher=[[角川書店]]|isbn=978-4043762019}}
* {{Citation|和書|authorlink=山田吉彦|last=山田|first=吉彦|date=2008/03/12|title=捕鯨船10隻を沈めた「環境テロリスト」 シー・シェパードの過激な「海賊行為」|journal=[[SAPIO]]|volume=20|number=6|pages=95-97|publisher=[[小学館]]|naid=40015894762}}
* {{Citation|和書|last=米田|first=堅持|year=2019|month=06|title=海上保安庁のスペシャリストたち|journal=世界の艦船|issue=902|pp=160-167|publisher=海人社|naid=40021918394}}
* {{Citation|和書|last=米田|first=堅持|date=2019年6月(2019b)|title=第5管区|journal=世界の艦船|issue=902|pp=132-135|publisher=海人社|naid=40021918394|ref={{SfnRef|米田|2019b}}}}


== 関連項目 ==
== 関連項目 ==
* [[特殊部隊]]
* [[第三管区海上保安本部羽田特殊救難基地|羽田特殊救難基地]]
* [[特別警備 (海上保安庁)]]
** [[特殊急襲部|特殊急襲部隊(SAT)]]
* [[特殊救難隊|羽田特殊救難基地]]
* [[特別警備隊 (海上自衛隊)]] - 特別警備隊(SBU、海上自衛隊の特殊部隊)
* [[特殊急襲部隊]] - 特殊部隊(SAT)
* [[しきしま型巡視船]](海上保安庁の世界最大級の巡視船 事案の状況次第ではSSTの母船になる)
* [[坂本新一]] - 元特殊警備隊隊長の危機管理アドバイザー。
* [[坂本新一]] - 元特殊警備隊隊長の危機管理アドバイザー。


== 外部リンク ==
== 外部リンク ==
*[http://www.kaiho.mlit.go.jp 海上保安庁]
*[http://www.kaiho.mlit.go.jp 海上保安庁]
*[http://www.youtube.com/watch?v=iHP3Qerw8lc&feature=related SSTの訓練(海上保安庁が公式に発表したもの)] - Youtubeより


{{日本の特殊部隊}}
{{日本の特殊部隊}}

2024年9月16日 (月) 03:32時点における最新版

特殊警備隊(とくしゅけいびたい、英語: Special Security Team, SST)は[注 1]海上保安庁特殊部隊[1][2]シージャック毒ガス事案など、高度な知識・技術を必要とする特殊な海上警備事案に対処する[3][4]

来歴

大阪国際空港の公害問題を背景として、1960年代より、大阪圏に第二空港を設置することが検討され始めていた。諸般の検討や地元との調整を経て、建設位置は泉州沖の大阪湾上と決定し、1980年代後半より、関西国際空港として、具体的な計画が着手された。しかし建設への反対運動も激化しており、極左暴力集団消火器爆弾や迫撃弾などを用いて、関西地域で年間数百件ものテロ・ゲリラ事件を引き起こしていた[5]

この状況に対して、1985年10月1日、同地を管轄する岸和田海上保安署(第五管区)に設置されたのが関西国際空港海上警備隊(海警隊)であった[6]。陸地側を警備する大阪府警察機動隊と連携して海側の警備を担っており、隊員は第五管区内に限らず、全国から希望者を募って配置されていた[5]。発足時はわずか8名であったが、1987年には空港の本格的な着工にあわせて24名に増強され、1990年には更に37名に増強された[7]

また1989年には、日米原子力協定の適用を受けてフランスから返還されるプルトニウムの海上輸送が決定され、その際の護衛を海上保安庁が担当することになったことから、そのための体制整備が進められることになった。その一環として、本庁警備第二課に設置されたのがプルトニウム輸送船警乗隊(警乗隊)であった。この部隊には、海警隊からも複数の隊員が参加したが[注 2]、基本的には、やはり全国から選抜された隊員から構成されていた[9]1990年にはアメリカ海軍Navy SEALsによる訓練が施された[7]。その際に、Navy SEALsから射撃狙撃接近格闘術リペリング降下ファストロープ降下など特殊部隊として必要な指導を受けたとされている[10]1992年に輸送が実施され、復路では巡視船「しきしま」の護衛を受けて、フランスから日本まで無寄港で、総日数60日・総航程2万海里の輸送を実施したが、輸送船「あかつき丸」に乗船した警乗隊は、往路や寄港中も含めて、約5ヶ月間150日間にわたって一度も上陸することなく、輸送船の警備を完遂した[9]

そして1996年5月11日に、海警隊と警乗隊を統合して大阪特殊警備基地第五管区)に設置されたのがSSTであった[11][2][3][注 3]

編制

所掌

1997年平成9年)の海上保安白書によれば、「シージャックサリン等の有毒ガス使用等高度な知識及び技術を必要とする特殊な海上警備事案」に対処することが、SSTの任務とされている[4]。2003年にSSTは、PSI(拡散に対する安全保障構想)加盟国による演習に参加し、大量破壊兵器を搭載している容疑船の制圧と検査を担当していることから、こうした臨検も任務とされている[10]。その他の任務として、船員による暴動の鎮圧や、海賊行為への対処、工作船事案、船内における爆発物の処理密航船や麻薬密輸船の摘発などが挙げられる[12]

海上保安庁にはNBCテロ対処の専従部隊がないため、東日本では特殊救難隊が、そして西日本では本部隊が対応するように分担している[2]。前述の通り、平成9年(1997年)版の海上保安白書には、SSTが「サリン等の有毒ガス使用事案」に対処する部隊として記載されており、化学テロが客船や港湾の施設内で行われた場合は、SSTが出動し、負傷者の救助や証拠品(化学兵器が入っていた容器など)の回収を行い、その後の捜査は、海上保安庁捜査員が警察などと連携して行う[13]。また船舶内での殺人事件[14]シージャックへの対処なども行う事から、海上保安庁のSSTは、警察におけるNBC対策部隊爆発物処理班、刑事部突入班、特殊部隊(SAT)の機能を併せ持っており、海上での広範囲な任務を担当する点が特徴である[12]

組織

SST隊員

前述の通り、SSTは第五管区海上保安本部の大阪特殊警備基地として設置されているが、運用は本庁警備課特殊警備対策室が行っている[15]。第一特殊警備隊から第七特殊警備隊までの7個隊で編成され、各隊は8名ずつ、隊長は二等海上保安正、副隊長は三等海上保安正で、隊員の中には救急救命士危険物取扱の有資格者も配属されている[1]。また7個隊のうち、2個隊は爆発物処理・化学防護能力を備えている[1]

SSTは、ヘリコプターからのリペリング降下巡視艇高速艇などによる強行接舷、気泡が出ない循環式潜水器を使用した潜水による接近などによって対象船舶に乗り込み、下記装備等を使用して犯人を制圧する。突入に際しては、公開されている限り自動小銃4名、拳銃4名の編成をとることが多いようである。また任務によっては特別警備隊の支援を受ける場合もある。基本的に2人一組で行動する[10]。機密保持は極めて厳しく、隊員は海上保安庁職員名簿にも掲載されず、人事記録からも名前を消される措置を受けている[16]

装備

海警隊の発足当初は、4インチ銃身モデルのS&W M19回転式けん銃.38スペシャル弾を装填して使用していたが[7]、Navy SEALsから指導を受けた際に、アメリカ軍人は海警隊隊員の優れた射撃精度に驚嘆する一方、装弾数の少なさに伴う火力不足が指摘された。このことから、1992年にはシグ・ザウエルP228自動式けん銃が導入された[8]

拳銃よりも強力な銃器としては、1988年にH&K MP5A5/SD6短機関銃が導入されたほか[17]、1992年には89式5.56mm小銃も導入された[8]

海警隊では、狙撃銃として、64式7.62mm小銃照準器を取り付けたものと豊和M1500を使用していたが、ボルトアクション式の豊和M1500は次弾装填の際に標的を見失うため、海上での狙撃には適さなかったとされている[7]。またSST設立後には、2,000メートル級の長射程を誇るマクミラン社製の対物ライフルも導入された[18]

またSST自身の装備ではないが、関西空港海上保安航空基地に配備されているサーブ 340BEC225LP(ヘリコプター)は、通常業務のほか、SSTの移送を考慮した装備となっている[19]工作船対処の際には、これらの航空機がSSTの輸送や上空の監視警戒に当たるのに加えて、ひだ型を指揮船としてあそ型つるぎ型などから構成される巡視船隊とも連携して、SSTによる停船後の工作船への立入検査および工作員逮捕などといった行動も想定されている[20]

活動史

登場作品

映画・テレビドラマ

救命病棟24時
テレビドラマ。2002年のスペシャル番組にSSTが登場する。

アニメ・漫画

S -最後の警官-
漫画版・映画版にて、プルトニウム輸送船がテロリストに乗っ取られたことを受け、SSTが出動。SATNPSと共同作戦を行う。
海猿
貨物船乗っ取り事案でSSTに出動要請が下る。

小説

『感染捜査』
吉川英梨の小説。豪華客船で人をゾンビ化するウイルスが蔓延したことを受け、特別警備隊 (海上保安庁)とともに船内へ展開する。その後、同船の洋上隔離とともに結成された警視庁と海保合同の第一次感染捜査隊に編入され、全編を通して活動することになる。主人公の一人、来栖光もここの出身者。
『交戦規則 ROE』
黒崎視音の小説。北朝鮮工作員らの乗る貨物船への対処のため出動し、ヘリコプターのベル 212「日本海」に搭乗して巡視船「えちご」へと移動する予定だったが、その途中で工作員らが潜水装備を身に着けて貨物船から下りたため出番はなかった。

脚注

注釈

  1. ^ 日本語の部隊名称を略した「特警隊」は、海上保安庁では特別警備隊を指すため、本部隊は「SST」と称される。
  2. ^ 一説には13名が選抜されたとされている[8]
  3. ^ プルトニウム輸送後、警乗隊は海警隊に合流しており、海警隊がそのままSSTに改編されたという説もある[7]

出典

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  2. ^ a b c d ストライクアンドタクティカルマガジン 2017, pp. 65–73.
  3. ^ a b c 佐藤 2019, ファイル14 不審船を捕捉せよ.
  4. ^ a b 海上保安庁「Ⅲ 海上紛争等の警備と警衛・警護」『平成9年版海上保安白書』1997年https://www.kaiho.mlit.go.jp/info/books/h9haku/2-1-3.htm2015年11月14日閲覧 
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  6. ^ 第五管区海上保安本部. “大阪海上保安監部の沿革”. 2019年7月15日閲覧。
  7. ^ a b c d e f 小峯 & 坂本 2005, pp. 45–74.
  8. ^ a b c 小峯 & 坂本 2005, pp. 112–130.
  9. ^ a b c 佐藤 2019, ファイル10 核燃料輸送船を護衛せよ.
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  12. ^ a b 千谷麻理子 (2021年6月14日). “「常に備えよ」海の守護神 海上保安庁の特殊警備隊SST(Special Security Team)とは?”. 公務員総研. 2022年4月25日閲覧。
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参考文献

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関連項目

外部リンク