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'''ブロチゾラム'''({{lang-en|''Brotizolam''}})は、[[チエノトリアゾロジアゼピン系]]の[[睡眠導入剤]](短時間作用型)、[[麻酔前投与薬]]の一種。[[向精神薬に関する条約]]の[[向精神薬に関する条約#規制物質|スケジュールIV]]に指定され、日本では[[麻薬及び向精神薬取締法]]の[[向精神薬#日本の法律における向精神薬の一覧|第三種向精神薬]]に、[[薬機法]]の[[習慣性医薬品#ベンゾジアゼピン系|習慣性医薬品]]に指定されている。[[チエノベンゾジアゼピン]]系や[[チエノジアゼピン]]系とは異なる。 |
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== 概要 == |
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[[ファイル:Brotizolam0.25mg 20140622.jpg|thumb|180px|right|ブロチゾラム0.25mg錠「サワイ」]] |
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'''ブロチゾラム''' (Brotizolam) は、[[チエノジアゼピン系]]の[[睡眠導入剤]]、[[麻酔前投与薬]]の一種。短時間作用型。分子式は C<sub>15</sub>H<sub>10</sub>BrClN<sub>4</sub>•S 。[[酢酸]]、[[ジクロロメタン]]に溶けやすく、[[ジエチルエーテル]]、[[水]]に溶けにくい。 |
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=== 化学的特性 === |
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[[酢酸]]、[[ジクロロメタン]]に溶けやすく、[[ジエチルエーテル]]、[[水]]に溶けにくい。 |
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=== 基準値 === |
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; 一日摂取許容量(ADI)<ref name="mhlw_shingi_brotizolam">{{cite web |title=ブロチゾラム(案) |url=http://www.mhlw.go.jp/shingi/2009/04/dl/s0414-5h.pdf |format=pdf |work=www.mhlw.go.jp |publisher=[[厚生労働省]]、[[食品安全委員会]] |accessdate=2016-9-25}}</ref> |
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: 0.013 µg/kg/日 |
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=== 歴史 === |
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: [[ベーリンガーインゲルハイム]]が'''レンドルミン'''を[[ドイツ]]で発売して以来、世界約20カ国で販売されている。 |
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; 1988年、2002年 |
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=== 後発医薬品 === |
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* 錠剤:0.25mg |
* 錠剤:0.25mg |
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* 錠剤:0.125mg |
* 錠剤:0.125mg |
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* 口腔内崩壊錠(-D錠):0.25mg |
* 口腔内崩壊錠(-D錠):0.25mg |
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=== 適応 === |
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== 使用上の注意 == |
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=== 副作用 === |
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== 禁忌 == |
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* 急性狭隅角[[緑内障]]のある者 |
* 急性狭隅角[[緑内障]]のある者 |
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* [[重症筋無力症]]の患者 |
* [[重症筋無力症]]の患者 |
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== 原則禁忌 == |
=== 原則禁忌 === |
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次の患者には投与しないことを原則とするが、特に必要とする場合には慎重に投与する |
次の患者には投与しないことを原則とするが、特に必要とする場合には慎重に投与する。 |
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* 肺性心、肺気腫、気管支喘息及び脳血管障害の急性期で呼吸機能が高度に低下している場合 |
* 肺性心、肺気腫、気管支喘息及び脳血管障害の急性期で呼吸機能が高度に低下している場合 |
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== その他 == |
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なお、高齢者の投与については、少量から投与を開始するなど慎重に投与する |
なお、高齢者の投与については、少量から投与を開始するなど慎重に投与する。 |
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== 乱用 == |
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*[[ベンゾジアゼピンの長期的影響]] |
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== 参考文献 == |
== 参考文献 == |
2016年9月25日 (日) 01:00時点における版
IUPAC命名法による物質名 | |
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臨床データ | |
法的規制 |
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薬物動態データ | |
生物学的利用能 | 48〜95% |
代謝 | 肝臓 |
半減期 | 4.4時間(2.6〜6.9時間) |
排泄 | 腎臓 |
識別 | |
CAS番号 | 57801-81-7 |
ATCコード | N05CD09 (WHO) |
PubChem | CID: 2451 |
DrugBank | DB09017 |
ChemSpider | 2357 |
UNII | 5XZM1R3DKF |
KEGG | D01744 |
ChEMBL | CHEMBL32479 |
化学的データ | |
化学式 | C15H10BrClN4S |
分子量 | 393.69 |
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ブロチゾラム(英語: Brotizolam)は、チエノトリアゾロジアゼピン系の睡眠導入剤(短時間作用型)、麻酔前投与薬の一種。向精神薬に関する条約のスケジュールIVに指定され、日本では麻薬及び向精神薬取締法の第三種向精神薬に、薬機法の習慣性医薬品に指定されている。チエノベンゾジアゼピン系やチエノジアゼピン系とは異なる。
概要
ブロチゾラムは、乱用症例から乱用リスクの高い薬剤に同定されている[1]。
化学的特性
酢酸、ジクロロメタンに溶けやすく、ジエチルエーテル、水に溶けにくい。
基準値
- 一日摂取許容量(ADI)[2]
- 0.013 µg/kg/日
歴史
- 1985年
- ベーリンガーインゲルハイムがレンドルミンをドイツで発売して以来、世界約20カ国で販売されている。
- 英国、米国、カナダの3国については、ベーリンガーインゲルハイムから過去を含めてレンドルミンが発売されたことはなく、その理由に安全性面の懸念があったとの情報は無い。
- 1988年、2002年
- 日本ベーリンガーインゲルハイムがレンドルミン錠を日本で発売を開始。レンドルミンD錠は、2002年より販売している。
後発医薬品
- ジェネリックとして、田辺三菱製薬や東和薬品等からグッドミン錠やゼストロミン錠等の製品名で販売されている。
- 日本ジェネリックやニプロファーマ、長生堂製薬、テバ製薬では、成分名のままの名称で発売されており、それぞれ、ブロチゾラム錠「JG」、ブロチゾラム錠「NP」、ブロチゾラム錠「CH」、ブロチゾラム錠「タイヨー」の名称となっている。
剤形
- 錠剤:0.25mg
- 錠剤:0.125mg
- 口腔内崩壊錠(-D錠):0.25mg
適応
使用上の注意
副作用
主な副作用は、残眠感・眠気、ふらつき、頭重感、だるさ、めまい、頭痛、倦怠感などである。
禁忌
原則禁忌
次の患者には投与しないことを原則とするが、特に必要とする場合には慎重に投与する。
- 肺性心、肺気腫、気管支喘息及び脳血管障害の急性期で呼吸機能が高度に低下している場合
その他
なお、高齢者の投与については、少量から投与を開始するなど慎重に投与する。
乱用
ブロチゾラムは乱用の可能性がある。薬物乱用とは高揚感を得るために薬物を摂取したり、医師の指示に反して長期間摂取を続けることである。[4]
広くは広がらなかったが、ブロチゾラムの乱用は香港で1980~1990年に問題になった。香港でのベンゾジアゼピン乱用を防ぐため、政府の薬物毒物委員会はベンゾジアゼピンを危険な薬物として1990年10月に指定した。通常の処方箋とは別に、供給と流通について詳細な記録をつけることが求められる。これらの規制は、初めは主に乱用されていたベンゾジアゼピンのブロチゾラム、トリアゾラム、フルニトラゼパムのみに適用された。このベンゾジアゼピン使用に関する規制変更による影響は、1990年から1993年までのベンゾジアゼピンの販売パターンを分析することによって研究されている。1991年にはトリアゾラムとフルニトラゼパムの売り上げは落下したが、規制外の5つのベンゾジアゼピンについては増加した。[5]とりわけニメタゼパムを用いた人身売買や乱用、テマゼパムの乱用が同じ年の1991年に問題になっていた。当初はブロチゾラム、トリアゾラム、フルニトラゼパムのみに適用された規制について、1992年1月現在は全てのベンゾジアゼピンを対象として拡張された。ベンゾジアゼピンの適切な処方と供給調剤の詳細記録を必要とする規制は、香港では少なくとも部分的に乱用を改善しているように見える。テマゼパム、ニメタゼパム、トリアゾラム、ブロチゾラムにはまだ問題があるが、主要なものではない。
関連項目
参考文献
- ^ 松本俊彦「処方薬乱用・依存からみた今日の精神科薬物治療の課題:ベンゾジアゼピンを中心に」『臨床精神薬理』第16巻第6号、2013年6月10日、803-812頁。
- ^ “ブロチゾラム(案)” (pdf). www.mhlw.go.jp. 厚生労働省、食品安全委員会. 2016年9月25日閲覧。
- ^ US patent 4017620, Yutaka Kuwada et al, "Thienodiazepine derivatives", published 1975-08-05, issued 1977-12-04
- ^ Griffiths, RR; Johnson, MW (2005). “Relative abuse liability of hypnotic drugs: a conceptual framework and algorithm for differentiating among compounds”. The Journal of clinical psychiatry 66 (Suppl 9): 31?41. PMID 16336040.
- ^ Lee, KK; Chan, TY; Chan, AW; Lau, GS; Critchley, JA (1995). “Use and abuse of benzodiazepines in Hong Kong 1990-1993--the impact of regulatory changes”. Journal of toxicology. Clinical toxicology 33 (6): 597?602. doi:10.3109/15563659509010615. PMID 8523479.