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2005年7月16日 (土) 08:29時点における版
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ホタル科 Lampyridae | ||||||||||||||
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分類 | ||||||||||||||
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種類 | ||||||||||||||
(本文参照) | ||||||||||||||
英名 | ||||||||||||||
Firefly |
ホタル(蛍、螢)は、コウチュウ目(鞘翅目)・ホタル上科・ホタル科(Lampyridae)に分類される昆虫の総称。 発光することで知られる昆虫である。
日本で「ホタル」といえば、本州以南の日本各地に分布し、5月から6月にかけて発生するゲンジボタル Luciola cruciataのことを指すことが多い。
概要
おもに熱帯から温帯の多雨地域に分布し、世界にはおよそ2000種が生息しているとされる。発光することで有名な昆虫だが、ほぼ一生を通じて発光する種類もいれば、逆に全く発光しない種類もいる。
成虫の体長は1-3cmほどのものが多く、小型の昆虫である。体型は細長く、左右に平たい。オスとメスを比べるとメスのほうが大きい。メスは翅が退化して飛べない種類もあり、さらには幼虫のままのような外見をした種類もいる。
また、成虫が発生する時期にもちがいがある。ゲンジボタルの成虫は初夏に発生するが、朝鮮半島、中国、対馬に分布するアキマドボタル Pyrocoelia rufaは和名のとおり秋に成虫が発生する。
多くの種類の幼虫は多雨林の林床にすみ、そこにすむカタツムリやキセルガイなどの陸生巻き貝を捕食して成長する。日本にすむゲンジボタルやヘイケボタルの幼虫は淡水中にすんでモノアラガイやカワニナなどを捕食するが、これはホタル全体で見るとむしろ少数派である。
成虫になると水分を取るだけだが、中には成虫となっても他の昆虫などを捕食する種類もいる。
発光のメカニズム
そもそもホタルが発光する能力を獲得したのは「敵をおどかすため」という説や「食べるとまずいことを警告する警戒色である」という説がある。事実ホタル科の昆虫は毒をもっており、よく似た姿や配色(ベイツ擬態、ミューラー擬態)をした昆虫も存在する。
発光は同種の異性個体との信号として使われるが、その発光パターンは種類によってちがう。中にはオスがひとつの木に集まり、一斉に同調して光る種類もいる。
ホタルの発光物質はルシフェリンと呼ばれ、ルシフェラーゼという酵素とATPがはたらくことで発光する。発光は腹部の先の表皮近くの発光層でおこなわれ、発光層の下には光を反射する反射層もある。ホタルに限らず、生物の発光は電気による光源と比較すると効率が非常に高く、熱をほとんど出さない。このため「冷光」とよばれる。
おもな種類
日本には40種類以上のホタルがいるといわれている。代表的なものは次のとおり。
ゲンジボタル Luciola cruciata
- 体長15mm前後で、日本では大型の種類。成虫は複眼が丸くて大きく、前胸部中央の黒い模様は十字架形をしている。幼虫は川の中にすみ、カワニナを捕食する。初夏の風物詩として人気が高く、定着への試みが日本各地で行われている。
ヘイケボタル Luciola lateralis
- 体長8mm前後で、ゲンジボタルより小さい。おもに水田などの止水域で発生する。幼虫はモノアラガイやタニシなどを捕食し、やや富栄養化した環境にも適応する。成虫の出現期間は長く、5月から9月頃まで発光が見られる。
ヒメボタル Hotaria paruvula
- 体長は7mm前後で、ヘイケボタルより更に小型の陸棲のホタルである。西日本の林地や草地に分布する。幼虫は林床にすみ、マイマイやキセルガイなどを捕食する。5-6月に羽化しかなり強く発光するが、川辺などの開けた場所ではなく森林内などの人目につきにくい場所で光るのであまり知られていない。メスは飛行できないため分布地の移動性は小さく、地域により体長の差などがある。
マドボタル
- マドボタル属(Pyrocoelia属)のホタルの総称で、多くの種類がある。和名はオスの胸部に窓のような2つの透明部があることに由来する。メスは羽が退化していて、幼虫そのままのような外見をしている。幼虫は陸生。成虫は光るものも光らないものもある。
オバボタル Lucidina biplagiata
- 体長10mm前後。体は黒色で平たく、前胸に2つの赤い斑点があり、尾部も赤い。他のホタルと同じような体色だが、発光はしない。
なお、ベニボタルは和名に「ホタル」とあるが、ホタル科ではなくベニボタル科(Lycidae)である。
文化
夜に発光しながら乱舞するホタル類は、古来から日本で人気のある昆虫の一つで、ホタルを題材とした文化も数多い。自然保護の機運も高まった近年では自治体などでホタルを放流するなどの試みも盛んである。
放流の際にはその地域に住むホタルの生態系を破壊しないため、その地域と同種の蛍が放たれることが多い。ゲンジボタルの多い地域にはヘイケボタルを、またヘイケボタルが多い地域にはゲンジボタルを放つなどの行為が禁止されている地域もある。そもそもゲンジボタルとヘイケボタルでは生息する水環境がちがうので、ちがう種類を放流してもうまくいかないことが多い。
慣用句
- 蛍二十日に蝉三日 : 旬の時期が短いことの喩え。
- 蛍雪、蛍の光 窓の雪 :
- 蛍火 :
- ゆく蛍 雲の上までいぬべくは 秋風吹くと雁に告げこせ(伊勢物語45段、後撰集252、在原業平)
- 夕されば 蛍よりけに燃ゆれども 光見ねばや人のつれなき(古今集562、紀友則)
- こゑはせで身をのみこがす蛍こそ いふよりまさる思なるらめ(源氏物語第二十五帖 蛍の巻)
- 音もせで思ひに燃ゆる蛍こそ 鳴く虫よりもあはれなりけれ(後拾遺集216、源重之)
- 物思へば 沢の蛍もわが身より あくがれいづる魂かとぞ見る(後拾遺集1164、和泉式部)
- 奥山にたぎりて落つる瀧の瀬の 玉ちるばかりものな思ひそ(後拾遺集1165、貴船の明神)
- 我が恋は 水に燃えたつ蛍々 物言はで笑止の蛍 (閑吟集)
- 己が火を木々に蛍や花の宿(松尾芭蕉)
ホタルの名所
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