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「メタアナリシス」の版間の差分

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
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バイアスの問題: エラー修正。多分
タグ: 2017年版ソースエディター
歴史: {{独自研究}}{{特筆性}}。ポーリングのメタアナリシスへの貢献には疑問符がつきます。IP利用者によるこの編集(特別:差分/72863324)で歴史節が加筆されましたが、手法としてのメタアナリシスは、ポーリングの主要な研究年月の後に開発されました(Louis et al., 1985; Madden & Paul, 2011)(DOI: 10.1146/ANNUREV.PU.06.050185.000245, DOI: 10.1094/PHYTO-03-10-0069)。「初期のメタアナリシスの1つに数えられる」という記載の出典になる記述は出典から見いだせませんでした。ポーリングに関する記載は本項で特筆性はなく、ポーリングや高濃度ビタミンC点滴療法で記載されるべきかと思います。
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==歴史==
==歴史==
{{複数の問題
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| 特筆性 = 2024年11月
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20世紀初頭の1904年の報告書にて、イギリスの統計学者の[[カール・ピアソン]]が、臨床試験の結果をメタアナリシスによって最初に分析したとされている<ref name="pmid18065712">{{harvnb|O'Rourke|2007 |pages=579–82}}</ref>。その後1920年代には、イギリスの統計学者の[[ロナルド・フィッシャー]]が農業の分野で複数の研究の分析の方法を挙げて、1935年には著書で発表した<ref name="pmid18065712"/>。
20世紀初頭の1904年の報告書にて、イギリスの統計学者の[[カール・ピアソン]]が、臨床試験の結果をメタアナリシスによって最初に分析したとされている<ref name="pmid18065712">{{harvnb|O'Rourke|2007 |pages=579–82}}</ref>。その後1920年代には、イギリスの統計学者の[[ロナルド・フィッシャー]]が農業の分野で複数の研究の分析の方法を挙げて、1935年には著書で発表した<ref name="pmid18065712"/>。



2024年11月3日 (日) 09:14時点における版

証拠(科学的根拠またはエビデンス)の強さは、上に行くほど強くなる。上に向けて蓄積されていくので二次研究が一次研究を拾いきれないラグも起こりうる。また効果のみを評価し副作用を考慮していない場合もある。
  in vitro(試験管)など

(ニューヨーク州立大学作成[1]

メタアナリシス英語: Meta-analysis)とは、複数の研究の結果を統合し、より高い見地から分析すること、またはそのための手法や統計解析のことである。メタ分析メタ解析とも言う。ランダム化比較試験(RCT)のメタアナリシスは、根拠に基づく医療 (EBM) において、最も質の高い根拠とされる[2]。メタ分析は科学的総合の重要な部分だが[3]、メタ分析を理解せずに結論を受け入れるのは危険である[4]

メタアナリシスという言葉は、情報の収集から吟味解析までのシステマティック・レビューと同様に用いられることがある[5]。厳密に区別する場合、メタアナリシスはデータ解析の部分を指す[6][5]。また、メタアナリシスとシステマティックレビューをまとめてリサーチ・シンセシスとも言う。

[グラフ]びまん性内在性橋神経膠腫およびその他の小児神経膠腫の症例1,000件超のメタ分析の概念図。関連する変異(太い色帯)と一般的な転帰(最外周の矢印)に関する情報は、基礎となる一次文献(矢状断面図を取り巻く帯)から抽出。

歴史

20世紀初頭の1904年の報告書にて、イギリスの統計学者のカール・ピアソンが、臨床試験の結果をメタアナリシスによって最初に分析したとされている[7]。その後1920年代には、イギリスの統計学者のロナルド・フィッシャーが農業の分野で複数の研究の分析の方法を挙げて、1935年には著書で発表した[7]

1971年には、ノーベル化学賞とノーベル平和賞の受賞者である化学者ライナス・ポーリングが、ビタミンCの摂取は風邪の予防や治療に効果があることは、4件のランダム化比較試験を統合した結果によって裏付けられているとしている[8]。これは医学における初期のメタアナリシスのひとつに数えられるものである[9]。なおこの予防効果については賛否両論のある形で研究が続いてきた[10]

1976年には統計学者のジーン・V・グラス英語版がメタアナリシスという用語を「複数の研究を統合して分析する」という意味で説明し、その数年後には医学分野で盛んに採用されるようになった[7]。また、1990年代初頭までには「文献を偏りなく探索する」システマティックレビューという言葉との混用が見られるようになった[7]

2020年、人工知能を使ったメタアナリシスの迅速な作成方法が発明された[11]

手順

メタアナリシスは、研究の抽出とプール解析の手順を踏む。この際に、主観的あるいは恣意的なバイアスを避けるのは、ランダム化比較試験(RCT)からの連続である[要説明][12]

  • 研究の抽出:見つかった研究全てを対象とする。恣意的に研究を抽出することを避ける[13]
  • プール(pool):データを結合し、治療群と対照群それぞれのエンドポイントの平均値を算出する。
  • 効果量英語: effect sizeの算出:治療群と対照群の平均値の差異を標準偏差で割る。効果量の値が、治療がプラスになるのかマイナスになるのかの客観的な尺度として算出される。

ランダム化比較試験において、治療群と対照群の改善度の差異が小さい場合、統計による検出力が低く、統計的有意性のある差異が発見されないことがある。しかし、メタアナリシスによって、母集団の数を大きくすることで、この統計的有意性のある差異が発見される可能性が上がる。

バイアスの問題

製薬会社が自社の医薬品の有効性を良く見せるために、良い結果の研究のみを選択してプール解析を行う場合があるが、厳密にはメタアナリシスではない[13]

選択的包含バイアス

メタアナリシスにおける選択的包含バイアスを理解するために、メタアナリシスがどのように試験の効果推定値を測定しているか公表が推奨されることがある[14][15]

出版バイアス

否定的な結果が論文となって公表されにくいという出版バイアスにより[12]、結合する元のデータに肯定的な結果が多くなってしまう。抗うつ薬パキシルの否定的な結果のデータの隠蔽から、薬剤の有効性と危険性が再評価された結果、評価が下がったことから出版バイアスの影響が懸念された[16]。パキシルの不祥事からの議論は、世界医師会や医学雑誌編集者国際委員会による研究の事前登録に関する声明や、2005年の世界保健機関(WHO)や2007年のアメリカ医薬品局(FDA)による研究登録制度の構築につながった[17]。出版バイアスを軽減する方法の一つに、情報公開法に基づいて、各国の規制機関から薬の認可のために提出された全データを入手し分析する手法がある[18]

メタアナリシスに灰色文献を含めると、メタアナリシスの信頼性が向上すると言われることがある。その理由は、灰色文献の厳密さは公表文献と変わらないからであり[19]、お蔵入り問題の解決策として灰色文献をメタアナリシスに含めるべきである。しかし、未発表や灰色文献の研究結果を含まないメタアナリシスの質に大きな影響を与えるメタアナリシスはごく少数であるとされることもある[20]

人工知能によるメタアナリシス

2020年代に入り、人工知能を用いたメタ分析の方法論が実装されている[11]。メタアナリシスへの人工知能の応用は、単に省人化ということだけでなく、従来のメタアナリシスの問題点として分析期間が1年に迫り、最新の論文が考慮外にされる事例が多いことである。加えて、世界中で毎年発表される論文は約500万本あり[要出典]、人間がこれら多くの論文をすべて分析できるわけがない。また、メタアナリシスを行う際に集団思考やその他のバイアスが生じる可能性が非常に高いため、現在では人工知能による迅速なメタアナリシスの自動化が重要視されているが[21]、2023年時点では、人工知能によって生成されたメタアナリシスに対する専門家の検閲が不可欠である[22][23]

脚注

出典

  1. ^ SUNY Downstate EBM Tutorial”. library.downstate.edu. 2004年3月23日時点のオリジナルよりアーカイブ。2015年9月3日閲覧。
  2. ^ 津谷、正木 2006, p. 12
  3. ^ Morrissey 2016, pp. 1922–1931
  4. ^ Ahn & Kang 2018, pp. 103–112
  5. ^ a b 津谷 2003, pp. 1415–1422
  6. ^ Box”. app.box.com. 2022年7月9日閲覧。
  7. ^ a b c d O'Rourke 2007, pp. 579–82
  8. ^ Pauling 1971, pp. 2678–81
  9. ^ Hemilä 2017, doi:10.3390/nu9040339
  10. ^ Office of Dietary Supplements - Vitamin C (Report) (英語). アメリカ国立衛生研究所. 18 September 2018.
  11. ^ a b Michelson et al. 2020, pp. e20007
  12. ^ a b 津谷、正木 2006, pp. 9–12
  13. ^ a b アービング・カーシュ 2010, pp. 60–61.
  14. ^ Page et al. 2016, pp. e011863
  15. ^ Page, McKenzie & Forbes 2013, pp. 524–537
  16. ^ Joober et al. 2012, pp. 149–152
  17. ^ Bian & Wu 2010, p. 64
  18. ^ Huedo-Medina et al. 2012, pp. e8343
  19. ^ Conn et al. 2003, p. 256
  20. ^ Schmucker et al. 2017, pp. e0176210
  21. ^ Meta-Analysis — A Comprehensive Guide to Utilizing AI” (英語). SciSpace Resources (2024年4月3日). 2024年9月23日閲覧。
  22. ^ Christopoulou 2023, pp. 115–140
  23. ^ Feng et al. 2022, pp. 1425–1432

参考文献

主な執筆者、編者の順。

洋書

外部リンク