コンテンツにスキップ

英文维基 | 中文维基 | 日文维基 | 草榴社区

構造変化

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
構造変化のある線形回帰

構造変化(こうぞうへんか、: structural break)とは、計量経済学における一つの概念である。 構造変化は(マクロ経済的な)時系列において予期しないシフトを観測した時に起こる[1]。構造変化の問題はデビッド・ヘンドリー英語版によって広められた。

検定

[編集]

一般的に、CUSUM英語版: cumulative sum)検定とCUSUM-sq(CUSUM suqared)検定がモデルにおける係数が定数であるかどうかの検定に用いることが出来る。領域検定もまた用いられている[2]

平均に単一の既知の構造変化が存在する線形モデルにおいては、チャウテスト英語版がしばしば用いられている。もし平均での単一の構造変化が未知の場合、ハートレイ検定英語版の方が適切であろう。他の場合として以下が考えられる。

ケース1: 平均において未知の構造変化が既知の回数だけ起こる場合
ケース2: 平均において未知の構造変化が未知の回数だけ起こる場合
ケース3: 分散における構造変化

チャウテストはこのような場合においては適用できない[1]。しかし、ケース1と2について、sup-Wald(最大ワルド検定統計量)検定、sup-LM(最大ラグランジュ乗数)検定、sup-LR(最大尤度比)検定などがドナルド・アンドリューズ英語版(1993, 2003)によって発展している[3][4] 。これらの検定は変化点(構造変化の場所)が未知である時のパラメーターの不安定性についての検定である[3][4]

非定常過程についても、多くの検定法が存在する。共和分モデルについて、Gregory–Hansen検定(1996)が単一の未知の構造変化について用いられている[5]。Hatami-J検定(2006)が二つの未知の構造変化について用いられている[6]

構造変化を見つけるために用いられるプログラムがいくつか存在する。例えばRGAUSS英語版などがある。

脚注

[編集]
  1. ^ a b Gujarati, Damodar (2007). Basic Econometrics. New Delhi: Tata McGraw-Hill. pp. 278–284. ISBN 0-07-066005-0 
  2. ^ Pesaran, M. Hashem; Shin, Yongcheol; Smith, Richard J. (2001). “Bounds testing approaches to the analysis of level relationships”. Journal of Applied Econometrics 16 (3): 289–326. doi:10.1002/jae.616. 
  3. ^ a b Andrews, Donald (July 1993). “Tests for Parameter Instability and Structural Change with Unknown Change Point”. Econometrica 61 (4): 821–856. doi:10.2307/2951764. http://www.jstor.org/discover/10.2307/2951764 22 August 2014閲覧。. 
  4. ^ a b Andrews, Donald (January 2003). “Tests for Parameter Instability and Structural Change with Unknown Change Point: A Corrigendum”. Econometrica 71 (1): 395–397. doi:10.1111/1468-0262.00405. http://cowles.econ.yale.edu/~dwka/pub/p1138.pdf 22 August 2014閲覧。. 
  5. ^ Gregory, Allan; Hansen, Bruce (1996). “Tests for Cointegration in Models with Regime and Trend Shifts”. Oxford Bulletin of Economics and Statistics 58 (3): 555–560. doi:10.1111/j.1468-0084.1996.mp58003008.x. 
  6. ^ Hacker, R. Scott; Hatemi-J, Abdulnasser (2006). “Tests for Causality between Integrated Variables Using Asymptotic and Bootstrap Distributions: Theory and Application”. Applied Economics 38 (15): 1489–1500. doi:10.1080/00036840500405763. 

関連項目

[編集]