オウケンブルースリ
オウケンブルースリ | |
---|---|
2009年10月11日 京都競馬場 (京都大賞典優勝時) | |
欧字表記 | Oken Bruce Lee |
品種 | サラブレッド |
性別 | 牡 |
毛色 | 栗毛 |
生誕 | 2005年2月24日(19歳) |
登録日 | 2008年3月20日 |
父 | ジャングルポケット |
母 | シルバージョイ |
母の父 | Silver Deputy |
生国 | 日本(北海道早来町) |
生産者 | ノーザンファーム |
馬主 | 福井明 |
調教師 | 音無秀孝(栗東) |
競走成績 | |
生涯成績 | 27戦5勝 |
獲得賞金 | 5億386万3000円 |
勝ち鞍 |
JpnI:菊花賞(2008年) GII:京都大賞典(2009年) |
オウケンブルースリ(英:Oken Bruce Lee)とは日本の競走馬である。2008年の菊花賞優勝馬。2005年のセレクトセール当歳にて3000万円で落札された。
馬名は、馬主の冠名と、馬主が空手を始めたきっかけとなった香港の俳優ブルース・リーにちなんで付けられた(「ブルースリー」でないのは、日本では競走馬名が9文字以内と定められているためである)。
経歴
2歳
2005年2月24日、北海道早来町(現在は安平町)のノーザンファームにて出生。栗東トレーニングセンターの音無秀孝厩舎へ入厩する。しかし体作りが遅れ、2歳時にはデビューすることが出来なかった。
3歳
2008年4月26日、皐月賞の翌週の福島競馬場における未勝利戦で遅めのデビューをし、2着に入った。初勝利はディープスカイが優勝した東京優駿(日本ダービー)の翌週の中京競馬場で行われた未勝利戦だった。その後、6月21日の阪神競馬場での生田特別(500万)、8月23日の新潟競馬場での阿賀野川特別(1000万)と3連勝を飾った[1]。
続いて9月28日には神戸新聞杯(JpnII)に出走。初のオープンクラスでのレースでしかも重賞レースであったが、ディープスカイの3着に入り菊花賞の優先出走権を得た。10月26日の第69回菊花賞では混戦模様の中、単勝3.7倍の1番人気に支持され、レースでは阿賀野川特別からコンビを組む内田博幸を鞍上に、道中は中団からやや後方あたりからレースを進め、最後の直線で先頭に立つと後続を引き離し、内から詰め寄ったフローテーションに1馬身1/4の差をつけてゴールし、重賞及びJpnI初制覇を飾った。なお、デビューから184日目での菊花賞制覇は、1990年のメジロマックイーンの記録(275日目)を塗り替えて、2歳(旧3歳)戦がスタートした1946年以降の史上最短菊花賞勝利記録となった[2][注 1]。また、福島競馬場でデビューした馬が菊花賞を勝ったのも史上初。
レース後、陣営は父ジャングルポケットと同様に「菊花賞-ジャパンカップ-有馬記念」のローテーションを予定していると発表。11月30日の第28回ジャパンカップではスローペースでレースが進む中、最後の直線で伸びて来るもののスクリーンヒーローの5着に敗れた。有馬記念はファン投票6位[3]となるも、ジャパンカップの疲れが抜け切れないため回避した[4]。
4歳
2009年は3月22日の阪神大賞典から始動。1番人気に支持されたが、重馬場の中で伸びを欠きいいところなくアサクサキングスの7着に敗れた。この後天皇賞(春)に向かう予定だったが、阪神大賞典後に腰部不安が再発。ここで調教師の音無秀孝は無理をさせず、腰部の治癒に専念するため以後の春GIを全休する決断を下す[5]。
半年以上にわたる休養後、10月11日の京都大賞典に出走。半年振りのブランクが嫌われ3番人気であったが、いざレースになると道中は安定した走りから最終直線では鋭い伸び脚から先頭に立ち、スマートギアに3/4馬身差をつけて1着入線[6]。前年の菊花賞以来の勝利を収めた。この勝利で賞金を加算し天皇賞(秋)に出走するが、レースでは最後の直線半ばまで馬群に埋もれる展開となり、カンパニーに3馬身以上離された4着に敗れた。11月29日のジャパンカップは当初獲得賞金額が不足していたため除外される見込みであったが、同レースは国際招待競走であることからレース直前に発表されたレイティング(ワールド・サラブレッド・ランキング)で登録馬中3位に入り出走権を獲得[7]。本番ではウオッカにハナ差届かず2着に惜敗。敗因は4コーナーで下げた事を内田騎手、音無調教師共に挙げている[8]。
5歳
2010年の春シーズンは全休し、10月10日の京都大賞典が緒戦となった。後方2番手を追走から、3〜4コーナーで徐々に進出し、最後の直線で大外から追い込み先に抜け出したメイショウベルーガに半馬身差まで詰め寄るも2着に敗れた。天皇賞(秋)は右前脚に腫れがあり回避した。ジャパンカップでは、これまで主戦を務めていた内田博幸がエイシンフラッシュに騎乗するため、クリストフ・ルメールに乗り替わることとなった。レースは、後方2番手を追走も最後の直線で伸び切れず7着だった。有馬記念では横山典弘との初コンビで出走。2番手につけたが直線で失速してしまい、11着に敗れた。
6歳
2011年緒戦となった京都記念では最後方追走も直線で伸び切れず7着、続く阪神大賞典では見せ場がなく8着、本番の天皇賞(春)でも10着に敗れた。夏の休養明け緒戦となった京都大賞典では中団から追い込んで3着。アルゼンチン共和国杯では後方4番手で追走し直線で大外からジリジリと追い込んでくるが2着に敗れた。ジャパンカップは後方で待機したが直線ではまったく伸びず10着と惨敗した。
7歳
2012年緒戦となったダイヤモンドステークスでは見せ場がなく14着、続く阪神大賞典では後方追走も直線で伸び切れず8着に敗れた。約半年の休養を挟んで10月の京都大賞典に出走し2着。その後は3走していずれも着外に終わり、有馬記念14着を最後に現役引退が発表された[9]。2013年1月19日に京都競馬場で引退式が行われ、20日付け競走馬登録を抹消した。引退後はイーストスタッドで種牡馬になる[10]。
種牡馬時代
初年度から23頭と種付け数は少なく、2年目12頭、3年目には9頭と一桁まで落ちこんだ[11]。4年目は種付け数は8頭・5年目の2017年には遂に1頭にまで落ち込み種牡馬としては厳しい立場にある。
2016年から産駒がデビュー。同年の6月にシュヴァルミニョンが金沢の新馬戦で勝利して、産駒初勝利。翌2017年8月12日、未勝利戦でプリモガナドールが勝利し、産駒JRA初勝利[12]。
2017年にデビューした2年目世代も、JRAデビュー頭数が僅かに6頭(2018年2月11日現在)と少ないが、その中の1頭オウケンムーンが2018年2月11日の共同通信杯(G3)を3連勝で勝利し、産駒重賞初勝利を達成した[13]。
- 代表産駒
競走成績
年月日 | 競馬場 | 競走名 | 格 | 頭数 | オッズ (人気) |
着順 | 騎手 | 斤量 (kg) |
距離(馬場) | タイム (上り3F) |
タイム 差 |
勝ち馬/(2着馬) | |||
2008. | 4. | 26 | 福島 | 3歳未勝利 | 12 | 7.9 | (4人) | 2着 | 北村友一 | 55 | 芝2000m(良) | 2:03.5 (34.2) | 0.0 | ドリームエレメンツ | |
5. | 17 | 新潟 | 3歳未勝利 | 11 | 1.5 | (1人) | 5着 | 北村友一 | 55 | 芝2000m(良) | 2:02.8 (35.8) | 0.3 | エイデンダンス | ||
6. | 8 | 中京 | 3歳未勝利 | 18 | 3.2 | (1人) | 1着 | 北村友一 | 55 | 芝2000m(良) | 2:00.0 (35.6) | -0.7 | (ロードフラッシュ) | ||
6. | 21 | 阪神 | 生田特別 | 3歳上500万下 | 11 | 2.0 | (1人) | 1着 | 武豊 | 53 | 芝2400m(稍) | 2:28.0 (34.4) | 0.0 | (コパノジングー) | |
8. | 23 | 新潟 | 阿賀野川特別 | 3歳上1000万下 | 12 | 3.5 | (1人) | 1着 | 内田博幸 | 54 | 芝2200m(良) | 2:11.9 (34.1) | -0.4 | (デストラメンテ) | |
9. | 28 | 阪神 | 神戸新聞杯 | JpnII | 18 | 4.2 | (2人) | 3着 | 内田博幸 | 56 | 芝2400m(良) | 2:25.4 (34.5) | 0.1 | ディープスカイ | |
10. | 26 | 京都 | 菊花賞 | JpnI | 18 | 3.7 | (1人) | 1着 | 内田博幸 | 57 | 芝3000m(良) | 3:05.7 (34.8) | -0.2 | (フローテーション) | |
11. | 30 | 東京 | ジャパンC | GI | 17 | 7.3 | (4人) | 5着 | 内田博幸 | 55 | 芝2400m(良) | 2:25.8 (34.2) | 0.3 | スクリーンヒーロー | |
2009. | 3. | 22 | 阪神 | 阪神大賞典 | GII | 12 | 2.6 | (1人) | 7着 | 内田博幸 | 58 | 芝3000m(重) | 3:14.4 (39.5) | 1.2 | アサクサキングス |
10. | 11 | 京都 | 京都大賞典 | GII | 14 | 4.7 | (3人) | 1着 | 内田博幸 | 59 | 芝2400m(良) | 2:24.3 (34.1) | -0.1 | (スマートギア) | |
11. | 1 | 東京 | 天皇賞(秋) | GI | 18 | 8.0 | (3人) | 4着 | 内田博幸 | 58 | 芝2000m(良) | 1:58.0 (33.6) | 0.8 | カンパニー | |
11. | 29 | 東京 | ジャパンC | GI | 18 | 4.7 | (2人) | 2着 | 内田博幸 | 57 | 芝2400m(良) | 2.22.4 (34.1) | 0.0 | ウオッカ | |
2010. | 10. | 10 | 京都 | 京都大賞典 | GII | 11 | 3.3 | (1人) | 2着 | 内田博幸 | 58 | 芝2400m(良) | 2:25.1 (34.7) | 0.1 | メイショウベルーガ |
11. | 28 | 東京 | ジャパンC | GI | 18 | 15.8 | (6人) | 7着 | C.ルメール | 57 | 芝2400m(良) | 2:25.4 (33.8) | 0.2 | ローズキングダム | |
12. | 26 | 中山 | 有馬記念 | GI | 16 | 24.9 | (8人) | 11着 | 横山典弘 | 57 | 芝2500m(良) | 2:33.7 (35.4) | 1.1 | ヴィクトワールピサ | |
2011. | 2. | 13 | 京都 | 京都記念 | GII | 12 | 8.7 | (4人) | 7着 | 内田博幸 | 58 | 芝2200m(良) | 2:15.1 (35.2) | 1.2 | トゥザグローリー |
3. | 20 | 阪神 | 阪神大賞典 | GII | 13 | 4.9 | (2人) | 8着 | 浜中俊 | 58 | 芝3000m(良) | 3:05.4 (35.5) | 1.0 | ナムラクレセント | |
5. | 1 | 京都 | 天皇賞(春) | GI | 18 | 77.2 | (12人) | 10着 | 浜中俊 | 58 | 芝3200m(稍) | 3:21.9 (35.8) | 1.3 | ヒルノダムール | |
10. | 9 | 京都 | 京都大賞典 | GII | 8 | 6.6 | (3人) | 3着 | 浜中俊 | 58 | 芝2400m(良) | 2:24.3 (33.1) | 0.2 | ローズキングダム | |
11. | 6 | 東京 | アルゼンチン共和国杯 | GII | 18 | 4.3 | (1人) | 2着 | 田辺裕信 | 58.5 | 芝2500m(良) | 2:31.7 (35.1) | 0.2 | トレイルブレイザー | |
11. | 27 | 東京 | ジャパンC | GI | 16 | 46.0 | (12人) | 10着 | 蛯名正義 | 57 | 芝2400m(良) | 2:25.0 (33.8) | 0.8 | ブエナビスタ | |
2012. | 2. | 18 | 東京 | ダイヤモンドS | GIII | 16 | 6.2 | (3人) | 14着 | 田辺裕信 | 58.5 | 芝3400m(良) | 3:38.1 (35.3) | 1.3 | ケイアイドウソジン |
3. | 18 | 阪神 | 阪神大賞典 | GII | 12 | 72.5 | (7人) | 8着 | 安藤勝己 | 57 | 芝3000m(稍) | 3:14.4 (39.5) | 2.6 | ギュスターヴクライ | |
10. | 8 | 京都 | 京都大賞典 | GII | 13 | 24.1 | (7人) | 2着 | 浜中俊 | 57 | 芝2400m(良) | 2:23.4 (35.2) | 0.0 | メイショウカンパク | |
11. | 4 | 東京 | アルゼンチン共和国杯 | GII | 15 | 7.3 | (4人) | 7着 | 浜中俊 | 58 | 芝2500m(良) | 2:31.1 (34.9) | 1.2 | ルルーシュ | |
11. | 25 | 東京 | ジャパンC | GI | 17 | 207.8 | (17人) | 14着 | 浜中俊 | 57 | 芝2400m(良) | 2:24.9 (34.5) | 1.8 | ジェンティルドンナ | |
12. | 23 | 中山 | 有馬記念 | GI | 16 | 116.6 | (15人) | 14着 | 田辺裕信 | 57 | 芝2500m(良) | 2:34.4 (37.5) | 2.5 | ゴールドシップ |
血統表
オウケンブルースリの血統 | (血統表の出典)[§ 1] | |||
父系 | ゼダーン系(グレイソヴリン系) |
[§ 2] | ||
父 ジャングルポケット 1998 鹿毛 日本 |
父の父 *トニービンTony Bin 1983 鹿毛 アイルランド |
*カンパラ Kampala |
Kalamoun | |
State Pension | ||||
Severn Bridge | HornBeam | |||
Priddy Fair | ||||
父の母 *ダンスチャーマーDance Charmer 1990 黒鹿毛 アメリカ |
Nureyev | Northern Dancer | ||
Special | ||||
Skillful Joy | Nodouble | |||
Skillful Miss | ||||
母 *シルバージョイ Silver Joy 1993 栗毛 カナダ |
Silver Deputy 1985 鹿毛 カナダ |
Deputy Minister | Vice Regent | |
Mint Copy | ||||
Silver Valley | Mr. Prospector | |||
Seven Valleys | ||||
母の母 Joy of MyrtleWood1984 鹿毛 アメリカ |
Northern Jove | Northern Dancer | ||
Junonia | ||||
Myrtlewood Lass | Ribot | |||
Gold Digger F-No.13-c | ||||
母系(F-No.) | 13号族(FN:13-c) | [§ 3] | ||
5代内の近親交配 | Northern Dancer4×4×5、Gold Digger4×5 | [§ 4] | ||
出典 |
|
- 半姉アジアンリゾートの仔にカツゲキドラマ(プリンセス特別、園田プリンセスカップ)、ハイパーフォルテ(兵庫ダービー、楠賞)がいる。
- 曾祖母のMyrtlewood Lassの孫にチーフベアハート(ブリーダーズカップターフなど)がいる。
- 4代母Gold Diggerの産駒にMr. Prospectorがいる。
脚注
注釈
出典
- ^ “菊花賞、上がり馬オウケンブルースリが混戦制す”. netkeiba.com. 2017年8月8日閲覧。
- ^ “菊花賞アラカルト”. netkeiba.com. 2017年8月8日閲覧。
- ^ “有馬記念ファン投票、最終結果発表”. netkeiba.com. 2017年8月8日閲覧。
- ^ オウケンブルースリが有馬記念を回避 - 2008年12月11日 livedoorNEWS(2014年8月20日閲覧)
- ^ オウケンブルースリが春全休へ - 2009年4月7日 netkeiba.com(2014年8月20日閲覧)
- ^ “菊花賞馬オウケンブルースリが復活V/京都大賞典”. netkeiba.com. 2017年8月8日閲覧。
- ^ 2009年ジャパンカップ特集(有力馬紹介) - 2009年11月26日 Keiba@nifty(2014年8月26日閲覧)
- ^ 2009年ジャパンカップ特集(レース短評&関係者コメント) - 2009年11月29日 Keiba@nifty(2014年8月26日閲覧)
- ^ オウケンブルースリが引退 08年菊花賞馬 - 2012年12月24日 スポニチAnnex(2014年8月26日閲覧)
- ^ “08年の菊花賞馬、オウケンブルースリが競走馬登録を抹消”. netkeiba.com. 2017年8月8日閲覧。
- ^ “オウケンブルースリ”. JBIS. 2017年11月17日閲覧。
- ^ “オウケンブルースリ産駒がJRAで初勝利!”. イーストスタッド. 2017年9月4日閲覧。
- ^ “【共同通信杯】3連勝で重賞Vのオウケンムーン、クラシックの有力候補に”. スポーツ報知. 2018年2月11日閲覧。
外部リンク
- 競走馬成績と情報 netkeiba、スポーツナビ、JBISサーチ、Racing Post エラー:
|racingpostname=
が未定義です。(参照1・参照2) - オウケンブルースリ - 競走馬のふるさと案内所