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びわ湖大花火大会

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
びわ湖大花火大会
概要
開催時期 毎年8月6日 or 7日 or 8日
初回開催 1984年
会場・場所 滋賀県営大津港沖400 m一帯
打ち上げ数 約10,000発
主催 びわ湖大花火大会実行委員会
協賛
花火取扱 國友鉄砲火薬店
人出 約30万人(2023年)
最寄駅
外部リンク びわ湖大花火大会
備考
荒天及びその可能性がある場合は中止(延期なし)
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びわ湖大花火大会(びわこだいはなびたいかい)は、滋賀県大津市大津港沖一帯で毎年8月8日前後に開催される花火大会である。

概要

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琵琶湖で打ち上げられるため、水中スターマイン(海上自爆ならぬ湖上自爆)などが注目されている(尺玉:3 - 10号玉[1])。プログラムの内容は年ごとに異なり、過去にはポケモンの花火が打ち上げられたことがある[注 1]。なお、当花火大会の見どころは最大斜め30度まで傾けられた筒から打ち上げられる尺玉(10号玉)を含んだワイドスターマインである。

打ち上げ場所は大きく分けて2ヵ所で、びわ湖ホール沖と大津港沖約400 mである。打ち上げ本数や規模が大きいのは大津港沖で打ち上げられるものであり、大津港からにおの浜付近に設けられる[注 2][2]

会場周辺への影響

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一般道路

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会場付近を通る道路の一部が歩行者専用道路となり、一方通行の規制時間を延長する道路や指定方向外進行禁止となる交差点もある[注 3][3]。大津市と(琵琶湖の対岸に位置する)草津市を結ぶ近江大橋は橋上駐停車禁止、対岸を通る湖岸道路滋賀県道559号近江八幡大津線)の一部区間とそれに接続する道路の一部は駐車禁止となる[3]。なお、矢橋帰帆島の南北に架かる橋(帰帆南橋と帰帆北橋)は橋上立ち見と駐停車が禁止となる[3]

高速道路

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(会場周辺の)大津IC - 京都東IC間が例年渋滞する[注 4]。この渋滞を回避できる京滋バイパス迂回するようNEXCO西日本滋賀県警パンフレットハイウェイラジオで知らせている。
会場の最寄インターチェンジとなる大津ICは、会場へ向かう車で混雑する。2019年大津SAの入口を含む一部スペースを閉鎖し[4]2023年は店舗の営業休止も併せて行われた[5]

鉄道

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備考
  • 京阪電車は石山坂本線・京津線とも、通常時はワンマン運転[注 7]を行うが、当花火大会の開催時は、京阪本線から派遣された車掌が乗務するためツーマン運転となる。
  • 当花火大会の終了後は各駅(京阪電車の停留場を含む)で激しい混雑となるため、臨時きっぷ売り場の設置や分散乗車を行うことがある。
  • 当花火大会の開催時は膳所駅に新快速の一部列車が停車し、臨時列車(普通列車の延長運転を含む)の運転も行うため、JRでは一部の列車にのりば変更が発生する。のりば変更の案内は対象となる駅やその周辺の駅で行っているが、新快速の臨時停車に関する案内は市販の時刻表JR時刻表など)でも案内している[注 8][6]

バス

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船舶

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その他

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地元自治会の反対決議

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新型コロナウイルスの影響により2020年 - 2022年は開催中止となり、2023年に4年ぶりに開催することが決定した当花火大会は有料席を約5万席(前回比約1万席増[放送 1][新聞 1][新聞 2][新聞 3][新聞 4])設けて開催することとなったが、それに併せて(有料席と道路の境に)目隠しフェンスを設置することが発表された[新聞 1]。これは安全対策を目的としたものであり、観覧者の道路上の滞留防止や緊急車両の通行確保のために計画されたものである[新聞 1]

大会実行委員会はJR西日本の主要駅(京都駅大阪駅三ノ宮駅など)に設けたデジタルサイネージ[新聞 1][新聞 2]や滋賀県内にある大学(計14校)[放送 1][新聞 2]で「有料観覧席のチケットを持っていない方の来場はご遠慮ください」という旨の宣伝を行った[新聞 1][新聞 2]。同委員会の担当者は「雑踏事故を防ぐために宣伝した」とコメントした[新聞 2]

それに対し、地元の中央学区自治連合会[注 9]2023年7月20日[新聞 3]に開催反対の決議を賛成多数で承認し、翌日(21日)に大会実行委員会へ決議文を提出した[新聞 2][新聞 3][新聞 6]。なお、同連合会は開催反対の理由として「交通渋滞や混雑の悪化」・「住環境への悪影響」・「高額かつ長い有料観覧席と約4 mのシートによる壁の増設」の3つを挙げており[新聞 3][新聞 5]、この決議文には「有料席を購入できる人は限られ、公平性に欠ける」・「誰のための花火大会か、何の意味が花火大会にあるのか」と指摘した文言がある[新聞 2]

この問題に関し、中央学区自治連合会の会長(当時)は「毎年のように大会実行委に対し、要請文を出すなど要望してきたが、無かったことのようにされてきた」[新聞 5]と語った後、決議文の提出に至った経緯と当花火大会に関する課題を述べた。

「4 mのシートで花火を見えなくすることで、住民の拒否感が一気に増大したように感じた。生で見る楽しみをテレビに奪われたようなもの。観光も大切だが、地元も大切にしていただきたい。オーバーツーリズムという問題でもあり、現状のままでは小さい子供や高齢者は危ない。誰もが楽しめる花火大会実現のため、規模縮小なども含めもっと研究すべきではないか」 — 中央学区自治連合会 会長(当時)「目隠しフェンス」・「子供も危ない」を基に再構成、産経新聞『「びわ湖大花火大会」に異例の反対決議文 地元住民「誰もが楽しめるように」』[新聞 5]より

大会実行委員の会長(当時)は「地域住民の理解を得ることができず大変残念であり、重く受け止めている。2023年の大会は日も迫っているので、安全対策や地域への迷惑防止に万全を期して、予定通り実施したい」とコメントし[新聞 5]、来年(2024年)以降の開催については「地域住民をはじめ、関係機関の意見を聞いてどのようにするかを検討したい」とコメントした[新聞 3][新聞 5]

なお、この件に関しては中華民国台湾)の日刊紙、聯合報[新聞 7]や『羽鳥慎一モーニングショー』(テレビ朝日系列[放送 2]・『news zero』(日本テレビ系列[放送 3]・『情報7daysニュースキャスター』(TBS系列[放送 4]など、全国ネットで放送されるテレビ番組でも取り上げられた。ちなみに、2023年の来場者数は前回(2019年)より5万人少ない、約30万人となったことを実行委員会が発表している[新聞 4][新聞 8][新聞 9]

脚注

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注釈

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  1. ^ (2尺玉によるモンスターボールであるが、現在は2尺玉の打ち上げは行われていない)
  2. ^ (過去にはびわこ競艇場付近にも有料観覧席が設けられたことがあった)
  3. ^ (「逢坂一丁目交差点」を指す〈※2023年開催時の交通規制案内より引用〉)
  4. ^ (2019年は上下線とも、大津ICを先頭に約25 kmの渋滞が発生した。なお、2009年の開催日は平日であったがお盆の特例によりETC休日特別割引が適用される日時でもあったため、例年以上の渋滞が発生した)
  5. ^ 高槻方面 - 草津間を延長運行する列車が多いが、京都方面へ運行する一部列車は膳所始発で運行(※2023年開催分より引用)。ちなみに、2019年開催時は(それに該当する普通列車が)40本が運行された)
  6. ^ (草津方面は夕方から夜遅く(夜半頃に運行する列車を除く)に運行する新快速の全列車、京都方面は花火開催後に運行する新快速の全列車〈※ともに2023年開催分より引用〉)
  7. ^ (石山坂本線の朝ラッシュ時を除く(※詳細は京阪石山坂本線#運行形態を参照))
  8. ^ (有料座席「Aシート」の連結有無は問わない)
  9. ^ (自治会数:52、同会員世帯合計:2,074〈※ともに2023年当時〉[新聞 5]

出典

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本文

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  1. ^ 開催概要”. びわ湖大花火大会 公式サイト. びわ湖ビジターズビューロー (2023年). 2023年7月30日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年8月5日閲覧。
  2. ^ 2023びわ湖大花火大会 有料観覧席略図” (PDF). びわ湖ビジターズビューロー (2023年5月31日). 2023年8月5日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年8月5日閲覧。
  3. ^ a b c d 2023びわ湖大花火大会交通規制・船舶航行制限のお知らせ” (PDF). びわ湖ビジターズビューロー (2023年7月19日). 2023年7月22日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年8月5日閲覧。
  4. ^ 「2019びわ湖大花火大会」開催に伴い、E1名神高速道路 大津SAの入口を閉鎖いたします ― 閉鎖時も大津ICはご利用いただけます ―”. NEXCO西日本. お知らせ・ニュースリリース. 西日本高速道路. 2020年10月21日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年8月5日閲覧。
  5. ^ 「2023びわ湖大花火大会」開催に伴い E1名神高速道路 大津SA駐車場の入口を閉鎖いたします ― 閉鎖時も大津ICはご利用いただけます ―”. NEXCO西日本. 西日本高速道路. 2023年7月23日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年8月5日閲覧。
  6. ^ 時刻表編集部; 交通新聞社 (2024年7月24日). “時刻表8月号みどころ 補足(1) - 「びわ湖大花火大会」に伴う新快速の膳所駅臨時停車”. X(旧Twitter). 2024年8月10日閲覧。

交通機関

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  1. ^ びわ湖大花火大会2023 臨時ダイヤ駅時刻表 石山坂本線 【坂本比叡山口方面】” (PDF). 京阪電気鉄道 (2023年). 2023年8月4日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年8月6日閲覧。
  2. ^ びわ湖大花火大会2023 臨時ダイヤ駅時刻表 石山坂本線 【石山寺方面】” (PDF). 京阪電気鉄道 (2023年). 2023年8月4日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年8月7日閲覧。
  3. ^ びわ湖大花火大会2023 臨時ダイヤ駅時刻表 京津線 【御陵・京都市役所前方面】” (PDF). 京阪電気鉄道 (2023年). 2023年8月4日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年8月7日閲覧。
  4. ^ びわ湖大花火大会2023 臨時ダイヤ駅時刻表 京津線 【びわ湖浜大津方面】” (PDF). 京阪電気鉄道 (2023年). 2023年8月4日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年8月7日閲覧。
  5. ^ a b びわ湖大花火大会に伴う地下鉄臨時ダイヤについて”. 京都市交通局. 京都市 (2023年8月4日). 2023年8月4日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年8月7日閲覧。
  6. ^ びわ湖大花火大会開催(8/8)に伴う浜大津線の交通規制時間帯の運行休止および、浜大津出札所の営業時間短縮につきまして”. 江若交通 (2023年7月14日). 2023年7月21日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年8月5日閲覧。
  7. ^ 8月8日 (火) 「びわ湖大花火大会」開催に伴う一部便の運行休止等について” (PDF). 京阪バス (2023年7月31日). 2023年7月31日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年8月5日閲覧。
  8. ^ a b 近江鉄道自動車部: “びわ湖大花火大会の開催に伴う迂回運行について”. 近江鉄道グループ (2023年7月25日). 2023年7月27日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年8月5日閲覧。

放送局

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  1. ^ a b びわ湖大花火大会 チケットない人来場控えてと異例呼びかけ”. 関西 NEWS WEB. NHK (2023年8月1日). 2023年8月1日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年8月7日閲覧。
  2. ^ 羽鳥慎一モーニングショー(2023年8月8日放送)”. TVでた蔵. ワイヤーアクション (2023年8月8日). 2023年8月11日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年8月9日閲覧。
  3. ^ news zero(2023年8月7日放送)”. TVでた蔵. ワイヤーアクション (2023年8月7日). 2023年8月11日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年8月9日閲覧。
  4. ^ 情報7daysニュースキャスター(2023年8月5日放送)”. TVでた蔵. ワイヤーアクション (2023年8月5日). 2023年8月10日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年8月9日閲覧。

新聞

[編集]
  1. ^ a b c d e 林華代「びわ湖大花火「有料観覧以外は来場自粛を」目張りで遮断…混雑対策に地元反発「開催に反対」」『読売新聞オンライン』2023年8月4日。オリジナルの2023年8月4日時点におけるアーカイブ。2023年8月5日閲覧。
  2. ^ a b c d e f g 林利香「びわ湖大花火に地元が反対決議 高く長い有料席は「公平性に欠ける」」『朝日新聞デジタル』2023年8月7日。オリジナルの2023年8月5日時点におけるアーカイブ。2023年8月5日閲覧。
  3. ^ a b c d e 飯塚りりん「「びわ湖大花火大会に反対」地元住民が決議 混雑・ごみ問題深刻」『毎日新聞』2023年7月31日。オリジナルの2023年7月31日時点におけるアーカイブ。2023年8月5日閲覧。
  4. ^ a b 4年ぶり「びわ湖大花火大会」、混雑防止用目隠しフェンスの隙間からスマホで撮影する姿」『読売新聞オンライン』2023年8月9日。オリジナルの2023年8月11日時点におけるアーカイブ。2023年8月9日閲覧。
  5. ^ a b c d e f 野瀬吉信「「びわ湖大花火大会」に異例の反対決議文 地元住民「誰もが楽しめるように」」『産経新聞』2023年7月27日。オリジナルの2023年7月31日時点におけるアーカイブ。2023年8月5日閲覧。
  6. ^ 8月8日の「びわ湖大花火大会」、大津の地元自治連合会が開催に反対の決議文」『京都新聞』2023年7月22日。オリジナルの2023年7月22日時点におけるアーカイブ。2023年8月6日閲覧。
  7. ^ 雷光涵「掛2公里長的布幕擋人 日本琵琶湖居民「看嘸免費花火大會」怒喊停辦」『聯合報』2023年8月4日。オリジナルの2023年8月5日時点におけるアーカイブ。2023年8月6日閲覧。
  8. ^ 鈴木洋和「4年ぶり「びわ湖大花火大会」に30万人 1万発が夜空を彩る」『朝日新聞デジタル』2023年8月9日。オリジナルの2023年8月12日時点におけるアーカイブ。2023年8月9日閲覧。
  9. ^ 4年ぶり、咲き戻る びわ湖大花火大会 /滋賀」『毎日新聞』2023年8月9日。オリジナルの2023年8月11日時点におけるアーカイブ。2023年8月9日閲覧。

関連項目

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外部リンク

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