コンテンツにスキップ

英文维基 | 中文维基 | 日文维基 | 草榴社区

波号第百五潜水艦

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
波号第百五潜水艦
戦後撮影された波百一型潜水艦。左から順に波105、波106、波109。奥の大型艦は伊吹 (1945年11月2日、佐世保港)
戦後撮影された波百一型潜水艦。左から順に波105、波106波109。奥の大型艦は伊吹
(1945年11月2日、佐世保港
基本情報
建造所 進水まで川崎重工業泉州工場
進水後は川崎重工業艦船工場
運用者  大日本帝国海軍
艦種 潜水艦
級名 波百一型潜水艦
建造費 2,135,000円
艦歴
計画 マル戦計画
起工 1944年6月29日
進水 1944年10月31日
竣工 1945年2月19日[注釈 1]
最期 1946年4月1日海没処分
除籍 1945年11月30日
要目(竣工時)
基準排水量 370トン
水中排水量 493トン
全長 44.50m
垂線間長 42.20m
6.10m
吃水 4.04m
機関 中速400型ディーゼル1基
蓄電池 仮称一号二十一型120個
主電動機 特十型複巻直流電動機 150馬力 1基
推進 1軸
出力 水上 400bhp
水中 150shp
速力 水上 10ノット
水中 5ノット
燃料 重油25トン
航続距離 水上 3,000カイリ/10ノット
水中 46カイリ/2.3ノット
潜航深度 100m
乗員 定員26名
特修兵教員最大21名
搭載能力 貨物60トン
兵装 25mm機銃 単装1基
レーダー 13号電探1基
テンプレートを表示

波号第百五潜水艦[注釈 2](はごうだいひゃくごせんすいかん)は、日本海軍の潜水艦波百一型潜水艦の5番艦。太平洋戦争を生き延び、戦後海没処分された。

艦歴

[編集]

マル戦計画の輸送潜水艦小型、第4601号艦型の5番艦、仮称艦名第4605号艦として計画。1944年6月29日、川崎重工業泉州工場で仮称艦名第4603号艦と同時に起工。8月25日、波号第百五潜水艦と命名されて波百一型潜水艦の5番艦に定められ、本籍を呉鎮守府と仮定。10月20日、艤装員事務所を神戸川崎造船所内に設置し事務を開始。31日、進水。進水後の艤装は川崎重工業本社艦船工場で行う。

1945年2月19日竣工し、艤装員事務所を撤去[注釈 1]。本籍を呉鎮守府に定められ、第六艦隊第十一潜水戦隊に編入。同日、へ向け神戸発。21日呉着。25日、訓練のため伊予灘へ向け呉発。

3月7日、別府湾に帰投。9日から再び伊予灘で訓練に従事。19日の呉軍港空襲の際には長鯨波号第103潜水艦とともに対空戦闘を行う。撃墜戦果、損害ともになし。21日、波号第103潜水艦とともに呉に帰投し、22日から揚塔訓練を呉で行う。

4月9日から再び伊予灘で訓練に従事。15日、呉に帰投して防探塗料の塗布など、出撃前工事を行う。

5月7日から再び伊予灘で訓練に従事。17日、第六艦隊第十六潜水隊に編入。19日、第六艦隊の軍隊区分先遣部隊第一潜水部隊に編入。25日、天号作戦に参加するため呉を出撃し、沖縄東方海面で哨戒と偵察に従事。

6月、本艦をガソリン輸送潜水艦とすることが決定される。

7月1日、第十六潜水隊から削除され、第三十四潜水隊に編入。8月15日、第三十四潜水隊が解隊され、第十五潜水隊に編入。終戦時は呉に所在。11月30日、海軍省の廃止に伴い除籍。

1946年4月1日、五島列島キナイ島沖でアメリカ海軍により海没処分された。

潜水艦長

[編集]
艤装員長
  1. 木内哲朗 大尉:1944年11月6日 - 1945年2月19日
潜水艦長
  1. 木内哲朗 大尉:1945年2月19日 - 1945年11月29日

脚注

[編集]
注釈
  1. ^ a b 竣工日は呉鎮守府戦時日誌、第十一潜水戦隊戦時日誌、同日付施行の各令達と人事発令、丸スペシャル『日本の潜水艦III』p. 45による。世界の艦船『日本潜水艦史』(1993)p. 88、世界の艦船『日本潜水艦史』(2013)p. 106、丸スペシャル『日本の潜水艦I』p. 74、福井静夫『写真 日本海軍全艦艇史』資料篇p. 艦歴表18、明治百年史叢書『昭和造船史 第1巻』p. 827ではいずれも『(昭和)20年2月15日』としている。
  2. ^ 本来の艦名表記は波號第百五潛水艦。
脚注

参考文献

[編集]
  • 海軍省第二復員省
    • 昭和19年6月20日付 内令員第1062号。
    • 昭和19年8月25日付 達第279号、内令第992号、内令第1000号、内令員第1573号。
    • 昭和20年2月19日付 内令第155号、内令員第312号、内令員第313号。
    • 昭和20年5月17日付 内令第440号。
    • 昭和20年7月1日付 内令第586号。
    • 昭和20年8月15日付 内令第735号。
    • 昭和19年10月16日付 秘海軍公報 第4828号。
    • 昭和19年10月28日付 秘海軍公報 第4837号。
    • 昭和20年2月27日付 秘海軍公報 第4943号。
    • 昭和19年11月11日付 秘海軍辞令公報 甲 第1641号。
    • 昭和20年2月28日付 秘海軍辞令公報 甲 第1733号。
    • 昭和20年12月20日付 第二復員省辞令公報 甲 第17号。
    • 呉鎮守府戦時日誌。
    • 第十一潜水戦隊戦時日誌。
    • 第十六潜水隊戦時日誌。
    • 波号第百九潜水艦戦時日誌。
  • 世界の艦船 No. 469 増刊第37集 『日本潜水艦史』、海人社、1993年。
  • 世界の艦船 No. 791 増刊第114集 『日本潜水艦史』、海人社、2013年。
  • 福井静夫 『写真 日本海軍全艦艇史』、ベストセラーズ、1994年。ISBN 4-584-17054-1
  • 福井静夫 『昭和軍艦概史III 終戦と帝国艦艇 -わが海軍の終焉と艦艇の帰趨-』、出版共同社、1961年。
  • 防衛研修所戦史室 戦史叢書 第88巻 『海軍軍戦備(2) -開戦以後-』、朝雲新聞社、1975年。
  • 丸スペシャル No. 43 日本海軍艦艇シリーズ『日本の潜水艦III』、潮書房、1980年。
  • 丸スペシャル No. 132 日本海軍艦艇発達史『日本の潜水艦I』、潮書房、1988年。
  • 明治百年史叢書 第207巻 『昭和造船史 第1巻(戦前・戦時編)』、原書房、1977年。