波号第百九潜水艦
波号第百九潜水艦 | |
---|---|
基本情報 | |
建造所 | 三菱重工業神戸造船所 |
運用者 | 大日本帝国海軍 |
艦種 | 潜水艦 |
級名 | 波百一型潜水艦 |
建造費 | 2,135,000円 |
艦歴 | |
計画 | マル戦計画 |
起工 | 1944年8月1日 |
進水 | 1945年1月10日 |
竣工 | 1945年3月10日[注釈 1] |
最期 | 1946年4月1日海没処分 |
除籍 | 1945年11月30日 |
要目(竣工時) | |
基準排水量 | 370トン |
水中排水量 | 493トン |
全長 | 44.50m |
垂線間長 | 42.20m |
幅 | 6.10m |
吃水 | 4.04m |
機関 |
中速400型ディーゼル1基 蓄電池 一号二十一型120個 主電動機 特十型複巻直流電動機 150馬力 1基 |
推進 | 1軸 |
出力 |
水上 400bhp 水中 150shp |
速力 |
水上 10ノット 水中 5ノット |
燃料 | 重油25トン |
航続距離 |
水上 3,000カイリ/10ノット 水中 46カイリ/2.3ノット |
潜航深度 | 100m |
乗員 |
定員26名 特修兵教員最大21名 |
搭載能力 | 貨物60トン |
兵装 | 25mm機銃 単装1基 |
レーダー | 13号電探1基 |
波号第百九潜水艦[注釈 2](はごうだいひゃくきゅうせんすいかん)は、日本海軍の潜水艦。波百一型潜水艦の9番艦[注釈 3]。太平洋戦争末期に竣工して特殊潜航艇隊の訓練に従事し、戦後海没処分された。
艦歴
[編集]マル戦計画の輸送潜水艦小型、第4601号艦型の9番艦、仮称艦名第4609号艦として計画。1944年8月1日、三菱重工業神戸造船所で建造番号752番船として仮称艦名第4607号艦と同時に起工。9月1日、波号第百九潜水艦と命名されて波百一型潜水艦の8番艦に定められ[注釈 3]、本籍を呉鎮守府と仮定。12月11日、艤装員事務所を三菱神戸造船所内に設置し事務を開始。
1945年1月10日、進水。3月10日竣工し、艤装員事務所を撤去[注釈 1]。本籍を呉鎮守府に定められ、第六艦隊第十一潜水戦隊に編入。同日、呉へ向け神戸発。12日から呉に所在し訓練を行う。20日、連合艦隊附属第十特攻戦隊に編入。本艦は呉で訓練を継続。
4月14日から15日にかけて、呉で魚雷格納筒と魚雷を積載。18日、三崎へ回航。20日、蛟龍の曳航試験を実施し宿毛へ回航。22日呉へ回航し、潜水艦桟橋で整備を行う。
呉在泊中の5月4日、第十特攻戦隊司令官の将旗を呉潜水艦基地隊庁舎から本艦に移揚。7日、第十特攻戦隊の宿毛進出を支援するため呉発。三机を経由し、9日宿毛着。17日から18日にかけて呉沖で訓練に従事。21日、第百一突撃隊の宿毛進出を支援するため、大浦へ回航。以後呉-佐伯-宿毛間を移動して蛟龍の受領と回航、訓練目標艦、補給母艦としての行動や戦隊司令部の移動など、第十特攻戦隊の行動を支援した。
終戦時は宿毛に所在。11月30日、海軍省の廃止に伴い除籍。
1946年4月1日、五島列島キナイ島沖でアメリカ海軍により海没処分された。
潜水艦長
[編集]- 艤装員長
- 伊藤年典 大尉:1945年1月20日 - 1945年3月5日
- 倉科康介 大尉:1945年3月5日 - 1945年3月10日
- 潜水艦長
- 倉科康介 大尉:1945年3月10日 - 1945年3月20日
- 國弘信治 大尉:1945年3月20日 - 1945年11月5日
脚注
[編集]- 注釈
- ^ a b 竣工日は世界の艦船『日本潜水艦史』(1993)p. 88、世界の艦船『日本潜水艦史』(2013)p. 106、丸スペシャル『日本の潜水艦III』p. 45、丸スペシャル『日本の潜水艦I』p. 74、福井静夫『写真 日本海軍全艦艇史』資料篇 p. 艦歴表18、明治百年史叢書『昭和造船史 第1巻』p. 827、第十一潜水戦隊戦時日誌(昭和20年3月1日-31日)、同日付施行の各令達と人事発令による。『新三菱神戸造船所五十年史』附録 p. 40では「昭和20.3.11」としている。
- ^ 本来の艦名表記は波號第百九潛水艦。
- ^ a b 本艦が艦艇類別等級別表に登載された1944年9月1日時点で、波号第108潜水艦が同表未登載のため、1944年9月1日時点で法令上は8番艦、1944年10月5日に同表に登載された波号第108潜水艦を含めると通算で9番艦となる。
- 脚注
参考文献
[編集]- 海軍省
- 昭和19年6月20日付 内令員第1062号。
- 昭和19年9月1日付 達第288号、内令第1016号、内令第1019号、内令員第1652号。
- 昭和19年10月5日付 内令第1148号。
- 昭和20年3月10日付 内令第218号、内令員第483号、内令員第484号。
- 昭和19年10月16日付 秘海軍公報 第4828号。
- 昭和19年12月23日付 秘海軍公報 第4887号。
- 昭和20年3月31日付 秘海軍公報 第4972号。
- 昭和20年1月25日付 秘海軍辞令公報 甲 第1703号。
- 昭和20年3月15日付 秘海軍辞令公報 甲 第1746号。
- 昭和20年3月22日付 秘海軍辞令公報 甲 第1752号。
- 昭和20年3月28日付 秘海軍辞令公報 甲 第1757号。
- 昭和20年11月19日付 海軍辞令公報 甲 第1986号。
- 第十一潜水戦隊戦時日誌。
- 第十特攻戦隊戦時日誌。
- 波号第百九潜水艦戦時日誌。
- 『新三菱神戸造船所五十年史』、新三菱重工業株式会社神戸造船所、1957年。
- 世界の艦船 No. 469 増刊第37集 『日本潜水艦史』、海人社、1993年。
- 世界の艦船 No. 791 増刊第114集 『日本潜水艦史』、海人社、2013年。
- 福井静夫 『写真 日本海軍全艦艇史』、ベストセラーズ、1994年。ISBN 4-584-17054-1
- 福井静夫 『昭和軍艦概史III 終戦と帝国艦艇 -わが海軍の終焉と艦艇の帰趨-』、出版共同社、1961年。
- 防衛研修所戦史室 戦史叢書 第88巻 『海軍軍戦備(2) -開戦以後-』、朝雲新聞社、1975年。
- 丸スペシャル No. 43 日本海軍艦艇シリーズ『日本の潜水艦III』、潮書房、1980年。
- 丸スペシャル No. 132 日本海軍艦艇発達史『日本の潜水艦I』、潮書房、1988年。
- 明治百年史叢書 第207巻 『昭和造船史 第1巻(戦前・戦時編)』、原書房、1977年。