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波号第百九潜水艦

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
波号第百九潜水艦
戦後撮影された波百一型潜水艦 左が波109、右は波111 (1945年10月16日、呉)
戦後撮影された波百一型潜水艦
左が波109、右は波111
(1945年10月16日、
基本情報
建造所 三菱重工業神戸造船所
運用者  大日本帝国海軍
艦種 潜水艦
級名 波百一型潜水艦
建造費 2,135,000円
艦歴
計画 マル戦計画
起工 1944年8月1日
進水 1945年1月10日
竣工 1945年3月10日[注釈 1]
最期 1946年4月1日海没処分
除籍 1945年11月30日
要目(竣工時)
基準排水量 370トン
水中排水量 493トン
全長 44.50m
垂線間長 42.20m
6.10m
吃水 4.04m
機関 中速400型ディーゼル1基
蓄電池 一号二十一型120個
主電動機 特十型複巻直流電動機 150馬力 1基
推進 1軸
出力 水上 400bhp
水中 150shp
速力 水上 10ノット
水中 5ノット
燃料 重油25トン
航続距離 水上 3,000カイリ/10ノット
水中 46カイリ/2.3ノット
潜航深度 100m
乗員 定員26名
特修兵教員最大21名
搭載能力 貨物60トン
兵装 25mm機銃 単装1基
レーダー 13号電探1基
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波号第百九潜水艦[注釈 2](はごうだいひゃくきゅうせんすいかん)は、日本海軍の潜水艦波百一型潜水艦の9番艦[注釈 3]太平洋戦争末期に竣工して特殊潜航艇隊の訓練に従事し、戦後海没処分された。

艦歴

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マル戦計画の輸送潜水艦小型、第4601号艦型の9番艦、仮称艦名第4609号艦として計画。1944年8月1日、三菱重工業神戸造船所で建造番号752番船として仮称艦名第4607号艦と同時に起工。9月1日、波号第百九潜水艦と命名されて波百一型潜水艦の8番艦に定められ[注釈 3]、本籍を呉鎮守府と仮定。12月11日、艤装員事務所を三菱神戸造船所内に設置し事務を開始。

1945年1月10日、進水。3月10日竣工し、艤装員事務所を撤去[注釈 1]。本籍を呉鎮守府に定められ、第六艦隊第十一潜水戦隊に編入。同日、へ向け神戸発。12日から呉に所在し訓練を行う。20日、連合艦隊附属第十特攻戦隊に編入。本艦は呉で訓練を継続。

4月14日から15日にかけて、呉で魚雷格納筒と魚雷を積載。18日、三崎へ回航。20日、蛟龍の曳航試験を実施し宿毛へ回航。22日呉へ回航し、潜水艦桟橋で整備を行う。

呉在泊中の5月4日、第十特攻戦隊司令官の将旗を呉潜水艦基地隊庁舎から本艦に移揚。7日、第十特攻戦隊の宿毛進出を支援するため呉発。三机を経由し、9日宿毛着。17日から18日にかけて呉沖で訓練に従事。21日、第百一突撃隊の宿毛進出を支援するため、大浦へ回航。以後呉-佐伯-宿毛間を移動して蛟龍の受領と回航、訓練目標艦、補給母艦としての行動や戦隊司令部の移動など、第十特攻戦隊の行動を支援した。

終戦時は宿毛に所在。11月30日、海軍省の廃止に伴い除籍。

1946年4月1日、五島列島キナイ島沖でアメリカ海軍により海没処分された。

潜水艦長

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艤装員長
  1. 伊藤年典 大尉:1945年1月20日 - 1945年3月5日
  2. 倉科康介 大尉:1945年3月5日 - 1945年3月10日
潜水艦長
  1. 倉科康介 大尉:1945年3月10日 - 1945年3月20日
  2. 國弘信治 大尉:1945年3月20日 - 1945年11月5日

脚注

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注釈
  1. ^ a b 竣工日は世界の艦船『日本潜水艦史』(1993)p. 88、世界の艦船『日本潜水艦史』(2013)p. 106、丸スペシャル『日本の潜水艦III』p. 45、丸スペシャル『日本の潜水艦I』p. 74、福井静夫『写真 日本海軍全艦艇史』資料篇 p. 艦歴表18、明治百年史叢書『昭和造船史 第1巻』p. 827、第十一潜水戦隊戦時日誌(昭和20年3月1日-31日)、同日付施行の各令達と人事発令による。『新三菱神戸造船所五十年史』附録 p. 40では「昭和20.3.11」としている。
  2. ^ 本来の艦名表記は波號第百九潛水艦。
  3. ^ a b 本艦が艦艇類別等級別表に登載された1944年9月1日時点で、波号第108潜水艦が同表未登載のため、1944年9月1日時点で法令上は8番艦、1944年10月5日に同表に登載された波号第108潜水艦を含めると通算で9番艦となる。
脚注

参考文献

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  • 海軍省
    • 昭和19年6月20日付 内令員第1062号。
    • 昭和19年9月1日付 達第288号、内令第1016号、内令第1019号、内令員第1652号。
    • 昭和19年10月5日付 内令第1148号。
    • 昭和20年3月10日付 内令第218号、内令員第483号、内令員第484号。
    • 昭和19年10月16日付 秘海軍公報 第4828号。
    • 昭和19年12月23日付 秘海軍公報 第4887号。
    • 昭和20年3月31日付 秘海軍公報 第4972号。
    • 昭和20年1月25日付 秘海軍辞令公報 甲 第1703号。
    • 昭和20年3月15日付 秘海軍辞令公報 甲 第1746号。
    • 昭和20年3月22日付 秘海軍辞令公報 甲 第1752号。
    • 昭和20年3月28日付 秘海軍辞令公報 甲 第1757号。
    • 昭和20年11月19日付 海軍辞令公報 甲 第1986号。
    • 第十一潜水戦隊戦時日誌。
    • 第十特攻戦隊戦時日誌。
    • 波号第百九潜水艦戦時日誌。
  • 『新三菱神戸造船所五十年史』、新三菱重工業株式会社神戸造船所、1957年。
  • 世界の艦船 No. 469 増刊第37集 『日本潜水艦史』、海人社、1993年。
  • 世界の艦船 No. 791 増刊第114集 『日本潜水艦史』、海人社、2013年。
  • 福井静夫 『写真 日本海軍全艦艇史』、ベストセラーズ、1994年。ISBN 4-584-17054-1
  • 福井静夫 『昭和軍艦概史III 終戦と帝国艦艇 -わが海軍の終焉と艦艇の帰趨-』、出版共同社、1961年。
  • 防衛研修所戦史室 戦史叢書 第88巻 『海軍軍戦備(2) -開戦以後-』、朝雲新聞社、1975年。
  • 丸スペシャル No. 43 日本海軍艦艇シリーズ『日本の潜水艦III』、潮書房、1980年。
  • 丸スペシャル No. 132 日本海軍艦艇発達史『日本の潜水艦I』、潮書房、1988年。
  • 明治百年史叢書 第207巻 『昭和造船史 第1巻(戦前・戦時編)』、原書房、1977年。