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根香寺

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
根香寺
本堂
本堂
所在地 香川県高松市中山町1506番地
位置 北緯34度20分40.2秒 東経133度57分38秒 / 北緯34.344500度 東経133.96056度 / 34.344500; 133.96056 (根香寺)座標: 北緯34度20分40.2秒 東経133度57分38秒 / 北緯34.344500度 東経133.96056度 / 34.344500; 133.96056 (根香寺)
山号 青峰山
院号 千手院
宗派 天台宗単立
本尊 千手観世音菩薩
創建年 (伝)弘仁年間(810年 – 824年
開基 (伝)空海(弘法大師)、円珍(智証大師)
正式名 青峰山 千手院 根香寺
札所等 四国八十八箇所82番
文化財 木造千手観音立像(重要文化財)
五大明王像(県文化財)
公式サイト 根香寺
法人番号 2470005000368 ウィキデータを編集
根香寺の位置(高松市内)
根香寺
根香寺
高松駅
高松駅
高松空港
高松空港
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根香寺(ねごろじ)は、香川県高松市中山町にある天台宗単立寺院。青峰山(あおみねさん)、千手院(せんじゅいん)と号す。本尊千手観世音菩薩四国八十八箇所第八十二番札所

  • 本尊真言:おん ばさら たらま きりく そわか
  • ご詠歌:宵のまの妙(たえ)ふる霜の消えぬれば あとこそ鉦(かね)の勤行(ごんぎょう)の声

五色台の青峰(標高449.3 m)の中腹(標高365 m付近)に位置し霊場中10番目の高さ。紅葉の名所で、その期間は駐車場が渋滞する。

歴史

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寺伝によれば、空海(弘法大師)が弘仁年間(810年 – 824年)にこの地を訪れ五色台の五つの峰に金剛界の五智如来を感得し密教の修行にふさわしい台地であるとし、その一つである青峰に一宇を建立し五大明王を祀り「花蔵院」と称し、衆生の末代済度を祈願する護摩供を修法をしたと伝えられている。その後、円珍(智証大師)が天長9年(832年)に訪れたさい、山の鎮守である市之瀬明神の化身の老翁に、蓮華谷の霊木で観音像を造り観音霊場の道場をつくるよう告げられた。すぐさま円珍は、千手観音像を彫像し「千手院」を建てて安置した。この霊木は香木で切り株から芳香を放ち続けたことから、この2院を総称して根香寺と呼ばれるようになったという[1]

後白河天皇から勅願所として帰依も厚く繁栄したが、寺記によると永正以来海賊が大蜂起し、伽藍ほか焼かれたとされる。しかし、慶長年間に高松城主・生駒一正が復興、さらに寛文4年(1664年)高松藩初代藩主松平頼重が再興した。なお、このとき真言宗から天台宗に改宗された。

牛鬼伝説

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牛鬼

江戸時代の初め頃、この地には牛鬼がいて人や家畜に危害を加えていた。そこで弓の名手であった山田蔵人高清[3]に退治を依頼した。高清は3本の弓で見事に牛鬼を退治した。高清は退治した牛鬼の角を切り取り、根香寺に奉納し菩提を弔ったと伝えられている。現在、根香寺にはその牛鬼の角と呼ばれるものと、牛鬼の姿が描かれた掛け軸が伝わっている[4]

境内

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白猴欅
  • 山門(仁王門)
  • 本堂 - 本尊は33年に一度開帳の秘仏、次回は令和18年(2036年)の予定。左脇陣は非公開の智証大師坐像、右脇陣は毘沙門天立像で拝観できる。
  • 大師堂 - 大師像を拝観できる。
  • 五大堂 - 五大尊の像を拝観できる。
  • 六角地蔵堂 - 延命地蔵石像を安置。昭和54年建立。
  • 龍宮地蔵堂 - 海中より網で引き揚げられた地蔵石像を安置。
  • 白猴欅(はっこうけやき) - 樹齢1,600年とも言われるケヤキの老木であり、香川県の天然記念物に指定されていたが枯死した。名の由来は智証大師が寺院創建の折にこの樹を伝って下りてきた白い猿が大師を手助けしたと言われる伝説に由来する。平成3年(1991年)に株を生えていた場所に置き、屋根を付け保存されている。
  • はらくわり地蔵(弘治2年・1556年)- 本堂後ろの山中より本堂回廊に移動。地蔵の周辺の木を伐採するとおなかが痛くなるという言い伝えあり[5]
  • 水かけ地蔵(青銅製) - 大正14年に安置。中興の龍海和尚200回忌記念。先代の陶器製牛鬼像はここに設置されていたといわれる。
  • 役の行者石像 - 昭和6年に安置。当寺に役の行者の直接的な謂れはない。、
  • 牛頭観音石像 - 昭和60年に安置。
  • 牛鬼像(青銅製)- 山門外左側の林の中に安置。
  • 松平頼重(高松松平初代藩主)の命日である「元禄八乙亥四月十二日」と刻まれた岩:同公の木像が岩の下に埋められていると云われている。大師堂の右を進むとある。

山門の左側の林の中に牛鬼像がある。山門をくぐり25段下り進むと今度は上りの石段があり、上がって行くと右に大師堂、左に納経所がある。さらに石段を上がり上り詰めると正面に本堂が見えるが左の薄暗い回廊の中を巡って合計135段上がると本堂に至る。

  • 宿坊:なし
  • 駐車場:山門の前にあり(無料)

文化財

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重要文化財
  • 木造千手観音立像 - 桜材の一木造りで漆箔、163.3 cm、平安時代の作。当寺の本尊で、33年に一度開扉の秘仏。昭和30年2月2日指定[6][7]
史跡
根香寺道 九丁あたり
  • 讃岐遍路道 根香寺道 - 白峯寺から根香寺へ向かう遍路道約5 kmのうち、以下の区間の総計2.234 km(そのうち約1.2 kmが坂出市)が対象。平成25年10月17日指定[8][9][10]
  1. 根香寺まで50丁の白峯寺本坊前から石組祠のある41丁まで
  2. 遍路道分岐の19丁から県道出合いの足尾大明神手前の14丁まで
  3. 県道出合いの9丁辺りから仁王門前上駐車場の1丁まで
序盤区間には摩尼輪塔や下乗石や白峯寺歴代住職墓地や石畳や毘沙門窟灯籠が、2丁辺りには根香寺歴代住職墓地が残っている[8][11]
香川県指定有形文化財
  • 五大明王像 - 向かって左より大威徳夜叉明王、金剛夜叉明王、大日大聖不動明王、降三世夜叉明王、軍荼利夜叉明王の5躯。不動明王は1286年(弘安9年)元寇調伏祈願のため造られる。他の4躯は1683年(天和3年)高松藩主が京都の仏師に造らせた。平成16年から20年にかけて修復される。昭和44年4月3日指定[12]
  • 木造智証大師坐像 - 本堂の向って左脇陣に安置。制作仏師は上野法橋政覚、彩色は大輔法橋隆心、元徳3年(1331年)作。平成25年3月29日指定[13]

交通アクセス

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鉄道
道路

奥の院

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鷲峰寺
鷲峰寺(じゅうぶじ)

前後の札所

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四国八十八箇所
81 白峯寺 --(5.0 km)-- 82 根香寺 -(11.9 km)-- 83 一宮寺

脚注

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  1. ^ 四国八十八ヶ所霊場会 編『先達教典』四国八十八ヶ所霊場会、2006年。 
  2. ^ 青峰山 千手院 根香寺”. 第一観光. 2015年4月26日閲覧。
  3. ^ 「山田蔵人徳兵衛」とも[2]
  4. ^ 人文社観光と旅編集部 編『郷土資料事典香川県・観光と旅 改訂新版』人文社〈県別シリーズ ; 37〉、1983年10月、25頁。全国書誌番号:85014198 
  5. ^ 現地説明看板より 「くわる」は方言で痛むこと
  6. ^ 木造千手観音立像(根香寺)”. 高松市 (2019年1月21日). 2023年7月16日閲覧。
  7. ^ 木造千手観音立像(本堂安置) - 国指定文化財等データベース(文化庁
  8. ^ a b 讃岐遍路道 根香寺道”. 坂出市 (2013年10月1日). 2023年7月16日閲覧。
  9. ^ 讃岐遍路道 - 文化遺産オンライン文化庁
  10. ^ 讃岐遍路道 - 国指定文化財等データベース(文化庁
  11. ^ 国指定史跡 讃岐遍路道-根香寺道” (PDF). 高松市 (2013年). 2023年7月16日閲覧。
  12. ^ 木造五大尊像”. 高松市 (2019年1月21日). 2023年7月16日閲覧。
  13. ^ 木造智証大師坐像”. 高松市 (2019年1月18日). 2023年7月16日閲覧。

参考文献

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  • 宮崎建樹『四国遍路ひとり歩き同行二人』 地図編(第8版)、へんろみち保存協力会、2007年。 

関連項目

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外部リンク

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