コンテンツにスキップ

英文维基 | 中文维基 | 日文维基 | 草榴社区

日本とモルディブの関係

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
日本とモルディブの関係
JapanとMaldivesの位置を示した地図

日本

モルディブ

日本とモルディブの関係(にほんとモルディブのかんけい、英語: Japan–Maldives relations)は、日本モルディブの国際関係である。モルディブは1965年に独立したのち、1967年に日本との国交を樹立した[1]

歴史

[編集]
安倍晋三内閣総理大臣(左)とイブラヒム・モハメド・ソリ大統領、於・東京迎賓館赤坂離宮、2019年10月21日

1978年から2008年までモルディブ大統領を務めたマウムーン・アブドル・ガユームは1984年、1989年、1990年、2001年と4度来日した[1]。また、2013年にモルディブ大統領に就任したアブドゥラ・ヤミーンは2014年に東京内閣総理大臣安倍晋三と会見した[2]

駐日モルディブ大使館は2007年に開設され[3][1]在モルディブ日本国大使館は2016年1月に開設された[1]

2019年10月、イブラヒム・モハメド・ソリ大統領は今上天皇即位の礼に参列するため日本を訪問した。訪日中、ソリ大統領は安倍晋三首相とも会談している[4]

日本の政府開発援助(ODA)による津波防波堤

[編集]
マレの西海岸にある防波堤。この構造は、高潮や津波から低地を守るのに有効である。
2004年のスマトラ島沖地震による津波が襲った後のマレ市内

1987年、大規模な高潮が襲ってモルディブの大部分を浸水させた。この潰滅的な高潮はインド洋に浮かぶこの島国に多大な影響を及ぼし、特にマレのインフラは麻痺してしまい、推定6億米ドルと見られる被害総額が発生した[5]。そして、モルディブのGDPは前年度と比べて5.70%も減少、すなわち1986年の1億5800万ドルから1987年の1億4900万ドルへと減少した[6]。モルディブ政府は直ちに日本政府へ緊急援助および今後このような高潮が襲ったときのための防災支援を要請、日本政府はその要請を受け入れた。日本の政府開発援助(ODA)が支援する沿岸防護プロジェクトは年内のうちにすぐ始まり、2002年に6キロメートルの長さの防波堤で首都の周りを囲み終えた[5]

このプロジェクトが完了したわずか2年後の2004年マグニチュード9.1以上の大規模な海底地震が発生し、太平洋西部およびモルディブを含むインド洋ほぼ全域の沿岸部を津波が襲った(スマトラ島沖地震)。 この巨大な津波により、スリランカインドタイ王国マレーシアマダガスカルソマリアケニアタンザニア南アフリカ、そしてマレ島以外のモルディブで23万から28万人もの人々が亡くなった[7][8][9]。それにも関わらず、モルディブの場合、日本とモルディブの二国間共同プロジェクトにより構築された津波防波堤がマレに住んでいた人々を保護し、マレでは一人の死者も出さなかった[5][10]

東日本大震災に対する支援

[編集]

2011年3月11日東日本大震災に際し、モルディブ政府は救援物資として同国の特産品でもあるツナ缶の提供を決定した。缶詰は長期保存が効き、救援物資に適しているとの判断によるもので、政府からは8万6400個が提供された[11]。さらにテレビやラジオ等で支援キャンペーンが行われ、市民から義援金700万ルフィヤ(約4,600万円)とツナ缶約60万個が寄せられた[10]。モルディブの人口は約30万人であり、市民1人あたり缶詰2個を持ち寄った計算になる。持ち寄られた缶詰は、缶切りなしで開けられるよう同国内の加工業者がいったん引き取り、オイル漬にしてプルトップ缶に詰め替えた上で日本に送られた[11]

外交使節

[編集]

駐モルディブ日本大使

[編集]

駐日モルディブ大使

[編集]
  1. アブドゥル・ハミード・ザカリヤ(2008~2009年、信任状捧呈は3月11日[12]
  2. アハメド・カリール(臨時代理大使と同一人物、2009~2016年、信任状捧呈は2010年2月16日[13]
  3. モハメド・フセイン・シャリーフ(2016~2017年、信任状捧呈は2017年4月14日[14]
  4. イブラーヒム・ウェイス(2018~2022年、信任状捧呈は6月19日[15]
  5. ハッサン・ソービル(2022年~、信任状捧呈は9月7日[16]

脚注

[編集]
  1. ^ a b c d モルディブ基礎データ”. 日本外務省 (2016年11月28日). 2017年1月31日閲覧。
  2. ^ President Yameen announced a successful bilateral summit meeting”. Maldives Embassy (15 April 2014). 2014年9月17日時点のオリジナルよりアーカイブ。17 September 2014閲覧。
  3. ^ Opening reception Thursday, May 10, 2007 Embassy of Maldives”. Maldives Embassy (10 May 2007). 17 September 2014閲覧。
  4. ^ “President Solih meets Japanese Prime Minister Abe”. https://edition.mv/travel/13039 12 May 2021閲覧。 
  5. ^ a b c Highlighting JAPAN > 国際協力60周年: 大津波から首都を守った日本の防波堤(仮訳) | 内閣府 - 2014年8月
  6. ^ Maldives GDP (official exchange rate) - Economy
  7. ^ Earthquakes with 50,000 or More Deaths”. U.S. Geological Survey. 5 June 2013時点のオリジナルよりアーカイブ。19 April 2017閲覧。
  8. ^ “Indonesia quake toll jumps again”. BBC News. (25 January 2005). http://news.bbc.co.uk/1/hi/world/asia-pacific/4204385.stm 24 December 2012閲覧。 
  9. ^ Indian Ocean tsunami anniversary: Memorial events held”. BBC News (26 December 2014). 15 December 2016閲覧。
  10. ^ a b モルディブの大津波から住民を守った日本の防波堤”. 国際協力機構. 2019年9月16日閲覧。[リンク切れ]
  11. ^ a b 【モルディブ】「日本への恩返し」 特産のツナ缶60万個を提供”. 2019年9月16日閲覧。
  12. ^ 外務省: 初代駐日モルディブ大使の信任状捧呈 - 2008年3月10日
  13. ^ 外務省: 新任駐日モルディブ大使の信任状捧呈 - 2010年2月16日
  14. ^ 駐日モルディブ大使の信任状捧呈 | 外務省 - 2017年4月14日
  15. ^ 駐日モルディブ大使の信任状捧呈 | 外務省 - 2018年6月19日
  16. ^ 駐日モルディブ大使の信任状捧呈 | 外務省 - 2022年9月7日

関連項目

[編集]

外部リンク

[編集]