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日本とトリニダード・トバゴの関係

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
日本とトリニダード・トバゴの関係
JapanとTrinidad and Tobagoの位置を示した地図

日本

トリニダード・トバゴ

日本とトリニダード・トバゴの関係(にほんとトリニダード・トバゴのかんけい、英語: Japan–Trinidad and Tobago relations) では、日本トリニダード・トバゴの関係について概説する。

両国の比較

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トリニダード・トバゴの旗 トリニダード・トバゴ 日本の旗 日本 両国の差
人口 139万4973人(2019年)[1] 1億2626万人(2019年)[2] 日本トリニダード・トバゴの約90.5倍
国土面積 5130 km²[3] 37万7972 km²[4] 日本トリニダード・トバゴの約73.7倍
人口密度 297 人/km²(2023年)[5] 347 人/km²(2018年)[6] 日本トリニダード・トバゴの約1.3倍
首都 ポートオブスペイン 東京都
最大都市 サンフェルナンド 東京都区部
政体 立憲君主制 民主制議院内閣制[7]
公用語 英語 日本語事実上
通貨 トリニダード・トバゴ・ドル 日本円
国教 なし なし
人間開発指数 0.784[8] 0.919[8]
民主主義指数 7.16[9] 7.99[9]
GDP(名目) 242億6971万米ドル(2019年)[10] 5兆819億6954万米ドル(2019年)[11] 日本トリニダード・トバゴの約209.4倍
一人当たりGDP 17398.0米ドル(2019年)[12] 40246.9米ドル(2019年)[13] 日本トリニダード・トバゴの約2.3倍
経済成長率 0%(2019年)[14] 0.7%(2019年)[15]
軍事 1億6635万5244米ドル(2019年)[16] 476億902万米ドル(2019年)[17] 日本トリニダード・トバゴの約286.2倍
地図

歴史

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日本はトリニダード・トバゴを独立とともに国家承認し、1964年5月に外交関係が成立した。その後、1979年にポートオブスペイン在トリニダード・トバゴ日本国大使館が開設[3]。なお、トリニダード・トバゴドミニカ共和国以東のカリブ海諸国の中では人口規模・経済規模ともに大きく、同地域の指導国の一つである。そのことから、在トリニダード・トバゴ日本国大使館は、アンティグア・バーブーダガイアナスリナムグレナダセントルシアセントビンセント及びグレナディーン諸島セントクリストファー・ネイビスドミニカ国の8カ国を兼轄している[18]

一方、トリニダード・トバゴ側は1971年以来、在インドトリニダード・トバゴ高等弁務官事務所が日本を兼轄[3]

東日本大震災

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2011年3月11日、東北地方を中心とした東日本大震災が発生、日本は甚大な被害にみまわれた。これを受けトリニダード・トバゴ政府は、プレスリリースに声明を出し、支援を表明。トリニダード・トバゴの文化省と教育省が国内で追悼チャリティーコンサートを実施し、収益を赤十字に寄付した。また、西インド諸島大学の学生が日本に向けての募金活動を行い、同国の著名なミュージシャンは日本で被災地支援のためのチャリティ・コンサートを行うことを企画した[19]

邦人女性殺害事件

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2016年、カーニバルに参加する為に同国を訪問していた演奏家の邦人女性長木谷麻美英語版が殺害され、ポートオブスペインで遺体が発見されるという事件が発生した。長らく犯人は判明していなかったが、2021年3月、現地警察が複数の証拠によりデビッド・アレンという男性を容疑者と特定。ただし2016年12月の段階で容疑者はすでにカジノ強盗の末の警察との銃撃戦で死亡しており、捜査は終了した[20]

外交

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日本要人のトリニダード・トバゴ訪問

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日・トリニダード・トバゴ外相会談(2023年5月)。左は林芳正、右はエイマリー・ブラウン。

2014年7月、日カリコム首脳会合出席のために安倍晋三総理大臣として初めてトリニダード・トバゴを訪問し[21]トリニダード・トバゴ首相であるカムラ・パサード=ビセッサー首脳会談を実施した[22]。なお、当年は日本とトリニダード・トバゴの国交樹立50周年であった。

そのほか、日本の要人としてはビジネス交流促進のために外務大臣政務官山花郁夫が2010年トリニダード・トバゴを訪問[23]。2013年には同じく外務大臣政務官城内実がカリコム外交・共同体関係理事会(外相会合)の域外国として参加するためトリニダード・トバゴを訪問[24]。2015年には同じく外務大臣政務官宇都隆史トリニダード・トバゴを含むカリブ諸国を歴訪し、トリニダード・トバゴでは西インド諸島大学セント・オーガスティン校を訪問して両国の大学間交流の方途について意見交換がなされた[25]。2017年には、外務副大臣として初めて薗浦健太郎がトリニダード・トバゴを訪問し、北朝鮮核問題安保理改革で協力と理解を求めるなど、友好国としての関係が維持されている[26]

トリニダード・トバゴ要人の訪日

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トリニダード・トバゴ要人の訪日としては、1974年と1975年に、独立運動を指導した事から「トリニダード・トバゴの父」と称されるエリック・ウィリアムズが首相として訪日し、当時総理大臣であった三木武夫から歓迎を受けている[27]

経済交流

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日本はトリニダード・トバゴに対し、2017年までに30億円以上の経済援助を実施[3]。重点が置かれているのは防災分野で、トリニダード・トバゴでは気候変動による洪水被害が慢性化して農業生物多様性に影響を与えているため、喫緊の課題となっている。また、トリニダード・トバゴは従来から原油産出国であり一人当たりの二酸化炭素排出量が世界有数となっている[28]。そのことから、再生可能エネルギーへの転換支援も実施されている[29]

上記したようにトリニダード・トバゴは原油生産国であると同時に、天然ガスも産出する資源大国である。2003年から2006年にかけては日本の液化天然ガスの輸入相手国上位十か国であり[30]、現在では天然ガスから精製されるメタノールの製造工場が三菱商事三菱ガス化学によって建設され、2021年1月に稼働を開始した[31]

資源を日本に供給している背景から、2019年の対日貿易は輸出175億円に対して輸入69.5億円と、貿易黒字を確保している[3]

文化交流

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在トリニダード・トバゴ日本国大使館が折り紙剣道のイベントを開催して日本文化を発信[32]。近年ではアニメなどポップカルチャーの人気増加に伴って、日本語教育も浸透しつつある[33]

著名人としては、日本のシンガーソングライターであるMINMIは2006年と2007年に、トリニダード・トバゴのポピュラー音楽「ソカ」のカーニバルに出場。ソカモナーク世界大会では女性第3位を獲得するなど、日本とトリニダード・トバゴ両国で有名なソカ歌手である[34]

2020東京オリンピックでは高知県中土佐町が、トリニダード・トバゴ選手団のホストタウンに登録。大会に先んじて、音楽や食文化を通じた交流が計画された[35]鹿児島県大崎町もホストタウンに登録され、本大会前の事前合宿を誘致[36]

外交使節

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駐トリニダード・トバゴ日本大使

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駐日トリニダード・トバゴ大使

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脚注

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  1. ^ Population, total - Trinidad and Tobago世界銀行.最終閲覧日2021年3月19日
  2. ^ Population, total - Japan世界銀行.最終閲覧日2021年3月17日
  3. ^ a b c d e トリニダード・トバゴ共和国(Republic of Trinidad and Tobago)基礎データ外務省.最終閲覧日2021年3月19日
  4. ^ 日本の統計2016 第1章~第29章 | 総務省統計局.最終閲覧日2021年3月17日
  5. ^ Population density (people per sq. km of land area) - Trinidad and Tobago世界銀行.最終閲覧日2021年3月19日
  6. ^ Population density (people per sq. km of land area) - Japan世界銀行.最終閲覧日2021年3月17日
  7. ^ 日本国憲法で明確に定められている。
  8. ^ a b Human Development Report 2020国際連合開発計画.最終閲覧日2021年3月17日
  9. ^ a b Democracy Index 2020.最終閲覧日2021年3月17日
  10. ^ GDP (current US$) - Trinidad and Tobago世界銀行.最終閲覧日2021年3月17日
  11. ^ GDP (current US$) - Japan世界銀行.最終閲覧日2021年3月17日
  12. ^ GDP per capita (current US$) - Trinidad and Tobago世界銀行.最終閲覧日2021年3月19日
  13. ^ GDP per capita (current US$) - Japan世界銀行.最終閲覧日2021年3月17日
  14. ^ GDP growth (annual %) - Trinidad and Tobago世界銀行.最終閲覧日2021年3月19日
  15. ^ GDP growth (annual %) - Japan世界銀行.最終閲覧日2021年3月17日
  16. ^ Military expenditure (current USD) - Trinidad and Tobago世界銀行.最終閲覧日2021年3月19日
  17. ^ Military expenditure (current USD) - Japan世界銀行.最終閲覧日2021年3月17日
  18. ^ 在トリニダード・トバゴ日本国大使館‐大使館案内
  19. ^ 「がんばれ日本! 世界は日本と共にある」(世界各地でのエピソード集) 中南米(中米)外務省
  20. ^ 邦人女性殺害の容疑者を特定 トリニダード・トバゴ警察.朝日新聞.サンパウロ=岡田玄.2021年3月22日
  21. ^ 安倍総理のトリニダード・トバゴ訪問(概要と評価)外務省
  22. ^ 日・トリニダード・トバゴ首脳会談(概要)
  23. ^ 山花外務大臣政務官のトリニダード・トバゴ訪問外務省
  24. ^ 城内実外務大臣政務官のカリコム外交・共同体関係理事会出張(概要)外務省
  25. ^ 宇都外務大臣政務官のセントルシア,ガイアナ,トリニダード・トバゴ及びパナマ訪問外務省
  26. ^ 薗浦外務副大臣のトリニダード・トバゴ訪問(結果)外務省
  27. ^ 三木内閣総理大臣によるエリック・E・ウィリアムズ総理(トリニダットトバコ)歓迎晩餐会における挨拶データベース「世界と日本」
  28. ^ CO2 emissions (metric tons per capita) - Trinidad and Tobago世界銀行.最終閲覧日2021年3月19日
  29. ^ 対トリニダード・トバゴ国別開発協力方針
  30. ^ 日本の液化天然ガス輸入相手国上位10カ国の推移
  31. ^ 三菱商事・三菱ガス化学、カリブでメタノール生産日本経済新聞.2021年1月19日
  32. ^ 在トリニダード・トバゴ日本国大使館‐広報文化
  33. ^ 国際交流基金 - トリニダード・トバゴ(2019年度)
  34. ^ MINMI、カリブの音楽祭で女性部門3位に輝く
  35. ^ 中土佐町 五輪でトリニダード・トバゴと交流計画 ホストタウンに登録高知新聞
  36. ^ 2カ所目!大崎町で2020年東京オリンピック競技大会の事前合宿決定!‐大崎町
  37. ^ a b c d About History - The High Commission of the Republic of Trinidad and Tobago (英語)
  38. ^ 外務省情報文化局外務省公表集(昭和四十九年)』「六、儀典関係」「29 新任駐日トリニダッド・トバゴ大使の信任状捧呈について」
  39. ^ List of Official Mourners Representing Foreign Countries and International Organizations at the Funeral Ceremony of Emperor Showa | Diplomatic Bluebook 1989 (英語)
  40. ^ Foreign Representatives, Heads of Missions and Accompanying Persons at the Ceremony of the Enthronement of the Emperor at the Seiden | Diplomatic Bluebook 1991 (英語)
  41. ^ 信任状捧呈式(平成2年) - 宮内庁
  42. ^ 外務省: 新任駐日トリニダード・トバゴ共和国大使の信任状捧呈
  43. ^ 駐日非常駐大使就任当初はニューデリー常駐の高等弁務官だったが、駐日大使在任中の2014年3月に初代中国常駐大使に転任して2016年7月まで在中国大使を務めた。
  44. ^ 外務省: 新任駐日トリニダード・トバゴ共和国大使の信任状捧呈
  45. ^ 駐日トリニダード・トバゴ大使(インド常駐)の信任状捧呈 | 外務省

参考文献

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  • トリニダード・トバゴ共和国(Republic of Trinidad and Tobago)基礎データ 外務省

関連項目

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外部リンク

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