吉田茂賞
吉田茂賞(よしだしげるしょう)は、財団法人吉田茂国際基金が「国際的教養の豊かな前途有為の学者」に授与する学術賞であった。基金の前身である吉田茂記念事業財団が1971年に創設して以来、日本外交史、日中関係史、日米関係史等の分野で顕著な業績を上げた若手の研究者に贈られた。副賞の賞金は50万円。
吉田茂国際基金は、1995年に吉田茂記念事業財団(1971年 - 1995年)が解消され、吉田国際教育基金(1964年~1995年)に事業が継承されることにより、両者が合併して設立された。1963年に吉田茂が政界を引退するに際して、池田勇人・佐藤栄作とともに吉田国際教育基金の呼びかけ人となった小泉信三によれば、吉田茂は「政務の多忙の其間に在って、日を定めて学者の会合を求め、その説を聞いて百年の計を樹てることに腐心」してきたという。
こうした背景から、吉田茂賞は若手の研究者で、近代日本の歩みを左右した政治・外交問題に関する顕著な研究業績を挙げたと認められたものに贈られることになったと考えられる。2008年以降の選考委員は、戸部良一、波多野澄雄 、波多野敬雄、 北岡伸一が務めた。
吉田茂国際基金が2011年3月末で解散したため、2011年(平成23年度)が最後の授与となった。
受賞作
[編集]第1回
[編集]1971年度
第2回
[編集]1972年度
第3回
[編集]1973年度
第4回
[編集]1974年度
第5回
[編集]1975年度
第6回
[編集]1976年度
- 斎藤眞『アメリカ政治外交史』(東京大学出版会)
- 稲生典太郎『条約改正論の歴史的展開』(小峯書店)
第7回
[編集]1977年度
第8回
[編集]1978年度
- 細谷千博「外交官・吉田茂の夢と挫折」(『中央公論』1977年8月号)/同「ワシントン体制の性質と変容」(細谷千博・斎藤眞編『ワシントン体制と日米関係』(東京大学出版会)をふくむ今日までの外交史研究業績
第9回
[編集]1979年度
- 外務省外交史料館日本外交史辞典編集委員会(池井優・海野芳郎・大畑篤四郎・長岡新治郎・細谷千博)『日本外交史辞典』(大蔵省印刷局発行、政府刊行物サービスセンター発売)
- 波多野里望・筒井若水編『国際判例研究 領土国境紛争』(東京大学出版会)
第10回
[編集]1980年度
- 株式会社原書房「明治百年史叢書」とその他外交史書籍の出版にたいして
第11回
[編集]1981年度
- 栗原健・海野芳郎・馬場明『佐藤尚武の面目』(原書房)
第12回
[編集]1982年度
- 鹿島平和研究所編『日本外交主要文書・年表 第1巻 1941~1960』(原書房)
第13回
[編集]1983年度
第14回
[編集]1984年度
- 細谷千博『サンフランシスコ講和への道』(中央公論社)
第15回
[編集]1985年度
第16回
[編集]1986年度
第17回
[編集]1987年度
- 波多野澄雄編『終戦工作の記録』上下巻(講談社)
第18回
[編集]1988年度
- 馬場明『大東亜戦争と鈴木貫太郎』(原書房)
第19回
[編集]1989年度
第20回
[編集]1990年度
第21回
[編集]1991年度
- ケネス・パイル「現代日本のナショナリズムと世代差」(『日本の底流』第5号)他長年にわたる日本研究にたいして
- 波多野澄雄『幕僚たちの真珠湾』(朝日新聞社)
- 戸部良一『ピース・フィーラー―支那事変和平工作の群像』(論創社)
第22回
[編集]1992年度
第23回
[編集]1993年度
第24回
[編集]1994年度
- 該当者なし
第25回
[編集]1995年度
- ジュリア・ボイド『ハンナ・リデル―ハンセン病救済にささげた一生』(日本経済新聞社)
- 井上寿一『危機の中の協調外交―日中戦争に至る対外政策の形成と展開』(山川出版社)
- 松浦正孝『日中戦争における経済と政治―近衛文麿と池田成彬』(東京大学出版会)
第26回
[編集]1996年度
- 増田弘『公職追放―三大政治パージの研究』(東京大学出版会)
- 波多野澄雄『太平洋戦争とアジア外交』(東京大学出版会)
第27回
[編集]1997年度
- 伊藤隆(軍事史学会会長)・軍事史学会編『日中戦争の諸相』(錦正社)
第28回
[編集]1998年度
第29回
[編集]1999年度
第30回
[編集]2000年度
第31回
[編集]2001年度
- 服部龍二『東アジア国際環境の変動と日本外交1918-1931』(有斐閣)
- 中村仁(中央公論新社代表取締役社長)『日本の近代』全16巻シリーズ企画にたいして
第32回
[編集]2002年度
第33回
[編集]2003年度
第34回
[編集]2004年度
第35回
[編集]2005年度
第36回
[編集]2006年度
- 奈良岡聰智『加藤高明と政党政治』(山川出版社)
第37回
[編集]2007年度
- 該当者なし
第38回
[編集]2008年度
第39回
[編集]2009年度
第40回
[編集]2010年度