全日本プロレス (セガのゲーム)
全日本プロレス(ぜんにほんプロレス)は、セガより発売されたプロレスゲームのシリーズ。
本項では、同社から発売されたシリーズ3作品について記載する。
概要
[編集]それまで全日本プロレスの許諾を得たプロレスゲームは、メサイヤより同名のプロレスゲームが、スーパーファミコンにおいてシリーズ化されてきた。本シリーズは第5世代および第6世代のハード向けに開発されており、ポリゴンが用いられていることが特徴。
全作品、家庭用ゲーム機向けタイトルであると同時に、互換基板を利用したアーケードゲームとしても稼働している。
システム
[編集]下記のシステムは、シリーズ全作品で共通している。
- 攻撃
- 攻撃は打撃(ATTACKボタン)、つかみ(HOLDボタン)、投げ(THROWボタン)の3タイプに分けられる。これらは三すくみの関係にあり、打撃は投げに勝つがつかみに負け、つかみは打撃に勝つが投げに負け、投げはつかみに勝つが打撃に負ける。
- コンボ
- 特定の技を連続して出すことで、通常では出せない技が出せる。
- また、一部の投げ技は、THROWボタンを押しっぱなしにすることで、直接フォールに移行する。
- 闘気
- 体力のほかに「闘気」というパラメータが存在。基本的には、技を受けるごとに闘気ゲージが増える。強力な技は、闘気ゲージがある程度蓄積していなければ出せない。
- 闘気がMAXになると、体力にかかわらずフォールを跳ね返すことができる。また『GIANT GRAM』以降では、「バーニング状態」に移行できる(後述)。
- 負傷
- 首やヒザなど、特定箇所への攻撃を受けるとダメージが蓄積(ダメージは箇所毎にパーセントで示される)。ダメージが50%以上になると、その箇所への攻撃を受けたり、その箇所を使った攻撃後に一時的に行動不能となることがある。100%になると、その箇所を使った攻撃が不能となり、その箇所への関節技でギブアップしやすくなる。3箇所が100%になると、レフェリーストップで敗北する。
- REVERSAL
- 技を受ける特定のタイミングで「REVERSAL」という文字が表示され、その間にHOLDボタンを押すと、脱出や反撃が可能。
- 実況
- 家庭用ゲーム機版のみ、試合中に実況音声が流れる。実況のアナウンサーは作品ごとに異なるが、いずれも日本テレビ「全日本プロレス中継」の実況を当時担当していた、同局のアナウンサーが務めている。
シリーズ作品
[編集]全日本プロレス FEATURING VIRTUA
[編集]セガサターン用ソフトとして、1997年10月23日発売。同時期にアーケード版が、互換基板のST-Vで稼働している。全日本プロレスの創立25周年を記念した作品で、タイトルにも記念ロゴが描かれている。
全日本プロレス所属・参戦のプロレスラーが実名で登場するほか、同社の対戦型格闘ゲーム・バーチャファイターシリーズより、ウルフ・ホークフィールドとジェフリー・マクワイルドが参戦。
実況は平川健太郎。また東京スポーツの協力を得て、試合終了後に東スポ紙面風の画面で結果が表示される。
サターン版では、日本テレビより提供された映像が流れる。
本作とのコラボレーションとして、覆面レスラー「ザ・ラクロス」として全日本プロレスに参戦していたジム・スティールが、ウルフ・ホークフィールドに扮して活動した。
システム
[編集]- 試合はシングルマッチのみ。
- サターン版には、オリジナルレスラーを育成する「フィーチャリングモード」を搭載。
- サターン版のみ「ボルテージ」というパラメータが存在する。観客を盛り上げる行動をすると上昇、逆の行動をすると下降。1Pモードでは、ボルテージが一定量以上ないと三冠ヘビー級王座に挑戦できない。
GIANT GRAM 全日本プロレス2 in 日本武道館
[編集]ドリームキャスト用ソフトとして、1999年6月24日発売。同時期にアーケード版が、互換基板のNAOMIで稼働している。
前作に引き続き、バーチャファイターシリーズからウルフとジェフリーが参戦したほか、影丸も新たに登場。また、ジャイアント馬場は本作発売前に死去しているが、継続参戦している。
本作以降、一部の打撃技がヒットした際、バーチャファイターシリーズ同様の金属音が効果音として鳴るようになった。
ゲーム名のとおり、会場は日本武道館を再現している。実況は金子茂。
システム
[編集]- 新たに「MOVEボタン」が追加。リング内外への移動、およびタッグマッチにおけるタッチやカットプレーに使用する。
- タッグマッチが可能となった。ツープラトン攻撃を仕掛けることも可能。ドリームキャスト版では4人同時プレイもできる。
- 闘気がMAXの際、フォールされてカウントを2.0以上で跳ね返すと、「バーニング状態」に移行。バーニング中はフォールを跳ね返しやすくなる、REVERSALが出しやすくなるなど有利になる。
- 前作の「ボルテージ」に類する、「観客動員数」と「人気度」というパラメータが存在。ただし、両方とも試合中には表示されない。
- 前作の「フィーチャリングモード」に相当する「育成モード」を搭載。本作では、「エディットしたレスラーで試合をし、受けた技を覚える」という仕組みになっている。
GIANT GRAM 2000 全日本プロレス3 栄光の勇者達
[編集]ドリームキャスト用ソフトとして、2000年8月10日発売。同時期にアーケード版が、互換基板のNAOMIで稼働している。開発はワウ エンターテイメント。
『GIANT GRAM』のバージョンアップ版。ジャイアント馬場をはじめ、力道山やザ・デストロイヤーといった往年の名レスラーが、存命・物故者問わず多数参戦している。一方、バーチャファイターシリーズからの参戦はなくなった(ジム・スティール版のウルフは継続参戦)。また前作同様、ドリームキャスト版の育成モードで育てたオリジナルのレスラーを、ビジュアルメモリを介してアーケード版で使用できる。
本作の発売前、全日本プロレスの所属選手・スタッフが大量離脱し、新団体「プロレスリング・ノア」を旗揚げする事態となった。しかし、本作はお蔵入りすることなく発売された[1]。
実況は若林健治。
システム
[編集]- 闘気がMAXであれば、いつでもバーニング状態に移行可能になった。
- バーニング中にのみ出せる「バーニング技」が追加。一部レスラーには、リング内のほか場外でのみ出せるバーニング技を持つ者もいる。
- ドリームキャスト版に「名勝負再現モード」が追加。過去の名勝負と同じ展開になるよう、特定のタイミングで指示された技を出していく。再現ノルマを規定値以上満たせばクリアし、ダイジェストムービーが閲覧できる。全ステージをクリアすると、「3本勝負モード」と「オールジャパンモード」が追加される。限られたステージをクリアするごとに、育成モードのショップに隠しコスチュームが追加される[2]。
- 「育成モード」において、前作になかった「覚えた技の消去」および「技の合成」の要素が追加。
出場レスラー
[編集]本作のオリジナルレスラー、エディットレスラーを除く。●はゲーム発売時点での物故者。
レスラー | 1作目 | 2作目 | 3作目 |
---|---|---|---|
ジャイアント馬場 | ○ | ● | ● |
三沢光晴 | ○ | ○ | ○ |
川田利明 | ○ | ○ | ○ |
田上明 | ○ | ○ | ○ |
小橋建太 | ○ | ○ | ○ |
秋山準 | ○ | ○ | ○ |
馳浩 | ○[3] | ○ | ○ |
小川良成 | ― | ― | ○ |
大森隆男 | ― | ― | ○ |
高山善廣 | ― | ― | ○ |
本田多聞 | ― | ― | ○ |
垣原賢人 | ― | ― | ○ |
志賀賢太郎 | ― | ― | ○ |
力道山 | ― | ― | ● |
ジャンボ鶴田 | ― | ― | ● |
スタン・ハンセン | ○ | ○ | ○ |
スティーブ・ウィリアムス | ○ | ○ | ○ |
ゲーリー・オブライト | ○ | ○ | ● |
ジョニー・エース | ○ | ○ | ○ |
ベイダー | ― | ○ | ○ |
ウルフ・ホークフィールド[4] | ― | ○ | ○ |
マイク・バートン | ― | ― | ○ |
ジョニー・スミス | ― | ― | ○ |
マウナケア・モスマン | ― | ― | ○ |
ザ・デストロイヤー | ― | ― | ○ |
ブルーザー・ブロディ | ― | ― | ● |
フリッツ・フォン・エリック | ― | ― | ● |
ボボ・ブラジル | ― | ― | ● |
ブルーノ・サンマルチノ | ― | ― | ○ |
ドン・レオ・ジョナサン | ― | ― | ○ |
ジン・キニスキー | ― | ― | ○ |
ウルフ・ホークフィールド[5] | ○ | ○ | ― |
ジェフリー・マクワイルド | ○ | ○ | ― |
影丸 | ― | ○ | ― |