伊豆パノラマパーク
伊豆パノラマパーク Izu Panorama Park | |
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施設情報 | |
事業主体 | 大日株式会社 |
来園者数 |
27万9千人 (2013年 - 2015年入込実績・年平均)[1] |
開園 |
1962年(昭和37年)5月3日 (伊豆長岡ロープウェイとして開業) |
所在地 |
〒410-2211 静岡県伊豆の国市長岡260-1 |
位置 | 北緯35度1分36.09秒 東経138度55分42.33秒 / 北緯35.0266917度 東経138.9284250度座標: 北緯35度1分36.09秒 東経138度55分42.33秒 / 北緯35.0266917度 東経138.9284250度 |
公式サイト | https://www.panoramapark.co.jp/ |
伊豆パノラマパーク(いずパノラマパーク)は、静岡県伊豆の国市にある標高452mの葛城山の山頂と北麓を利用した観光リゾート施設である。
傾斜長1,791.95m、最大高低差411.11m[2]のロープウェイ及び山頂の「碧テラス」、山麓エリアのイタリアンレストラン「トラットリア伊豆パラディーゾ」、売店エリア「ブルーマーケット」が主たる施設で、伊豆長岡温泉地区と、葛城山の山頂までを結ぶものである。山頂では富士山と駿河湾の望めるパノラマや、四季に応じた植物、特に春のツツジや、6月のアジサイが見物である。なお「360度の大パノラマ」と謳ってはいるが、東や南西方向の眺望はあまり開けていない。
沿革
[編集]かつては「伊豆長岡エイトランド」という名称であり、エイトボウルというボウリング場(2008年5月31日をもって閉館[3])も併設されていた。1992年(平成4年)10月4日に名称を「かつらぎ山パノラマパーク」と改称し、その後「伊豆の国パノラマパーク」となり[注釈 1]、2021年(令和3年)7月21日に「伊豆パノラマパーク」に改称した[5]。
ロープウェイの名称も、 1962年(昭和37年)の開業当時は「伊豆長岡ロープウェイ」と称していたが、後に「葛城山ロープウェイ」、「伊豆の国パノラマパークロープウェイ」に変更され、現在は「伊豆パノラマパークロープウェイ」と呼称している。
このロープウェイは、伊豆長岡温泉の旅館「小川家」経営者で、当時の伊豆長岡観光協会長であった杉山勝美[注釈 2]が主導して生まれたものである[7]。昭和30年代の初め、伊豆長岡温泉の目玉施設としてロープウェイを計画[7]。当初は夢のような計画で相手にされなかったが、旅館のだんな衆に訴え、伊豆長岡町を説得[7]。1960年(昭和35年)に伊豆長岡観光開発株式会社を発足し、有志が株を持ち合い5千万円を集めた[7]。
同年10月14日に運輸省から敷設免許が下りると直ちに工事に着工。工事を担当したのは日本ケーブルで、設計は中根設計研究所が担当した。三線自動循環式旅客索道方式が採用されたロープウェイは総工費3億円で工事が進められ、着工から1年半後に竣功した[8]。1962年(昭和37年)5月3日に開業し、「東洋一のゴンドラ」と話題を呼んだ[7]。当時のゴンドラ(搬器)は32両で、1両の定員はガイドを含めて10名。最大運搬能力は毎時上下540名、1時間に1,080名の輸送力で、開業当初は名古屋陸運局の指示でゴンドラ1台ごとにガイドが付き、片道15分掛かるものであった[9]。
推理作家・楠田匡介の開業式の記事によると、伊豆長岡ロープウェイの開業式祝賀会では、主賓として内閣総理大臣池田勇人の令嬢がゴンドラ始乗のテープカットを行い、ゴンドラの1号車に令嬢、静岡県知事(斎藤寿夫)、社長の杉山勝美、その他が乗り込んだとされる[10]。
開業後数年で4億円を越える負債を抱えてしまい[7]、伊豆箱根鉄道に経営を頼ったものの断られ、1969年(昭和44年)7月29日にロープウェイメーカーの日本ケーブルの子会社である伊豆長岡ケーブル株式会社に売却された[11]。1970年(昭和45年)8月31日に伊豆長岡ケーブル株式会社が大日株式会社へ社名変更し[12]、以降は大日株式会社が当施設を保有・運営している[13]。
年表
[編集]- 1960年(昭和35年)
- 1962年(昭和37年)
- 1969年(昭和44年)7月29日 - 伊豆長岡ロープウェイを伊豆長岡ケーブル株式会社に売却[11]。
- 1970年(昭和45年)8月31日 - 伊豆長岡ケーブル株式会社が大日株式会社へ社名変更[12]。
- 1971年(昭和46年)3月23日 - 伊豆長岡エイトボウルが開業[3]。
- 1992年(平成4年)10月4日 - 老朽化した施設を一新[7]。施設名を「伊豆長岡エイトランド」から「かつらぎ山パノラマパーク」へ改称。
- 2008年(平成20年)5月31日 - 伊豆長岡エイトボウルが閉館[3]。
- 2009年(平成21年)11月21日 - 山頂公園内に「絶景 富士見の足湯」がオープン[16]。
- 2010年(平成22年)
- 2016年(平成28年)7月26日 - ロープウェイ山頂エリア「空中公園」に「富士見テラス」を新設[20]。
- 2017年(平成29年)7月15日 - 富士見テラスに「デイベッドエリア」(プレミアムラウンジ)と「ソファーエリア」を設置[21][22]。
- 2018年(平成30年)12月20日 - 富士見テラスに葛城珈琲店オープン[23]。
- 2021年(令和3年)7月21日 - 施設名を伊豆パノラマパーク、山頂エリアの富士見テラスを「碧(あお)テラス」にそれぞれ名称変更[5]。
- 2024年(令和6年)11月28日 - 碧テラスに「フォレストウォーク」と「グランドループ」がオープン[24]。
ロープウェイ
[編集]- 山麓駅(北緯35度1分35.4秒 東経138度55分41.6秒 / 北緯35.026500度 東経138.928222度)
- 山頂駅(北緯35度0分44.6秒 東経138度55分16.2秒 / 北緯35.012389度 東経138.921167度)
路線データ
[編集]以下は公式サイトの「ロープウェイの豆知識公開中!」による[2]。
- 全長(傾斜長):1,791.95メートル
- 高低差:411.11m
- 最大勾配:36度06分
- 走行方式:単線自動循環式
- 運転速度:4m/s(通常時)、3m/s(減速運転時)
- 所要時間:7分30秒(通常時)、10分(減速運転時)
- 支柱数:19本
- 牽引動力:280kw原動機(モーター)
- ゴンドラ(搬器):スイスCWA社製
利用料金
[編集]ロープウェイ往復乗車料金(碧テラスの利用料含む)は以下の通り(2024年11月1日改定)。「大人」は中学生以上、「子ども」は小学生、「幼児」は3才以上。2才以下は無料[25]。
ハイキング等でロープウェイを利用しない場合でも「碧テラス」を利用する場合は、2024年(令和6年)11月1日より施設利用料金として大人(中学生以上)2,500円、子ども(小学生)1,400円、幼児(3才以上)700円が必要となる。
- 往復 前売オンラインチケット(平日)
- 大人:2500円、子ども:1400円、幼児:700円
- 往復 前売オンラインチケット(休日)
- 大人:3000円、子ども:1600円、幼児:800円
- 往復 当日窓口
- 大人:3500円、子ども:1800円、幼児:900円
- 片道 当日窓口(主にハイキング等で山歩きをする利用者向け)
- 大人:2500円、子ども:1400円、幼児:700円
施設
[編集]山麓駅側
[編集]- イタリアンレストラン「トラットリア伊豆パラディーゾ」
- 売店エリア「ブルーマーケット」
など
山頂駅側
[編集]- 空中公園
- 碧テラス(旧称:富士見テラス)
- 展望デッキ
- ザ・ウォーターラウンジ
- ソファーエリア
- 葛城珈琲店
- かつらぎ茶寮
- かつらぎ茶寮 プライベート ガゼボ(予約制デイベッド)
- フォレストウォーク(旧称:ボードウォーク)
- 恋人の鐘
- 富士見の足湯
- 山頂展望台
- 葛城神社
- 百体地蔵尊
- アスレチック
など
-
ロープウェイ(2010年5月)
-
山頂展望台
-
富士見の足湯
-
ボードウォーク
(現・フォレストウォーク)
交通
[編集]鉄道・バス
[編集]自動車
[編集]グループ施設
[編集]日本ケーブルのグループ子会社が運営する「アルピナリゾーツ」施設の一覧[26]。
脚注
[編集]注釈
[編集]出典
[編集]- ^ 『伊豆半島道路ネットワーク会議の取組 ―伊豆半島の道路網を評価する手法について』静岡県交通基盤部道路局道路企画課、2017年1月29日、8頁 。
- ^ a b “ロープウェイの豆知識公開中!”. 伊豆の国パノラマパーク (2021年5月30日). 2024年12月5日閲覧。
- ^ a b c “伊豆長岡 パノラマパーク-エイトボウル”. かつらぎ山パノラマパーク. 2008年5月13日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年12月5日閲覧。
- ^ “かつらぎ山パノラマパーク”. 大日 (2008年12月10日). 2008年12月10日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年12月5日閲覧。
- ^ a b 『施設名変更のお知らせ』(プレスリリース)伊豆パノラマパーク、2021年7月21日。オリジナルの2021年7月22日時点におけるアーカイブ 。2024年12月5日閲覧。
- ^ 伊豆長岡町文化財保護審議会 1993, p. 82.
- ^ a b c d e f g 『新狩野川紀行』静岡新聞社、1996年10月、68-70頁。ISBN 4-7838-0927-5。
- ^ a b 伊豆長岡町文化財保護審議会 1993, p. 80.
- ^ a b 伊豆長岡町文化財保護審議会 1993, p. 81.
- ^ 楠田匡介「長岡から吉奈へ」『温泉』第30巻第6号、日本温泉協会、1962年6月1日、15-16頁、doi:10.11501/4412359。
- ^ a b 伊豆長岡町文化財保護審議会 1993, pp. 82–85.
- ^ a b 伊豆長岡町文化財保護審議会 1993, p. 85.
- ^ “会社案内”. 伊豆パノラマパーク. 大日. 2024年12月5日閲覧。
- ^ 運輸省鉄道監督局監修『私鉄要覧』 昭和35年度版、日本法制資料出版社、1961年3月25日、250-251頁。doi:10.11501/2455721。
- ^ フジPRプロ編集部 編『静岡年鑑』 1964年版、フジPRプロ、1964年3月25日、244-245頁。doi:10.11501/2986736。
- ^ 『「絶景 富士見の足湯」オープン!!』(プレスリリース)伊豆の国パノラマパーク、2009年11月21日。オリジナルの2010年2月17日時点におけるアーカイブ 。2024年12月9日閲覧。
- ^ “恋人の聖地”. 伊豆の国パノラマパーク. 大日. 2020年10月25日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年12月9日閲覧。
- ^ “伊豆パノラマパーク/碧テラス”. 恋人の聖地プロジェクト. 2024年12月9日閲覧。
- ^ 『伊豆の国パノラマパーク グランドオープン!』(プレスリリース)伊豆の国パノラマパーク、2010年6月20日。オリジナルの2010年7月27日時点におけるアーカイブ 。2024年12月5日閲覧。
- ^ 『富士見テラスリニューアルオープン!』(プレスリリース)伊豆の国パノラマパーク、2016年7月16日。オリジナルの2016年7月30日時点におけるアーカイブ 。2024年12月5日閲覧。
- ^ 『デイベッドエリア・プレミアムラウンジご予約受付中!』(プレスリリース)伊豆の国パノラマパーク、2017年6月29日。オリジナルの2017年10月22日時点におけるアーカイブ 。2024年12月5日閲覧。
- ^ “富士見テラス”. 伊豆の国パノラマパーク. 大日. 2017年9月13日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年12月5日閲覧。
- ^ “富士見テラス”. 伊豆の国パノラマパーク. 大日. 2018年12月31日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年12月5日閲覧。
- ^ “2024.11 New area open 「フォレストウォーク」&「グランドループ」”. 伊豆パノラマパーク (2024年11月27日). 2024年12月9日閲覧。
- ^ “営業時間・料金”. 伊豆パノラマパーク. 大日. 2024年11月23日閲覧。
- ^ “施設紹介”. アルピナリゾートマネジメント. 2024年12月5日閲覧。
参考文献
[編集]- 伊豆長岡町文化財保護審議会 編『町史資料 第5集「温泉編」』伊豆長岡町教育委員会、1993年8月、80-85頁。doi:10.11501/9572189。
外部リンク
[編集]- 伊豆パノラマパーク - 公式ウェブサイト
- 伊豆パノラマパーク (@izupanoramapark) - X(旧Twitter)
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- 伊豆パノラマパーク (@izu_panoramapark) - Instagram
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