仙巌園駅
仙巌園駅 | |
---|---|
仙厳園駅建設予定地(2021年6月) | |
せんがんえん | |
所在地 | 鹿児島県鹿児島市吉野町 |
所属事業者 | 九州旅客鉄道(JR九州) |
所属路線 | ■日豊本線[1] |
キロ程 | 460.5 km(小倉起点) |
開業年月日 | 2025年3月開業予定 |
仙巌園駅(せんがんえんえき)は、鹿児島県鹿児島市吉野町に開業予定の九州旅客鉄道(JR九州)日豊本線の駅である[2][3]。
駅名は近隣にある仙巌園(国指定名勝)にちなむ。2025年3月15日開業予定[4]。
歴史
[編集]2017年(平成29年)に日豊本線竜ケ水駅から鹿児島駅の間にある仙巌園付近に「磯駅」の設置を検討する鹿児島市の協議会が設置された[5]。駅の設置目的としては交通手段に乏しい観光拠点である磯地区への交通手段の改善が挙げられており、経済効果は57億円との試算がなされた[6]。2018年(平成30年)11月28日に鹿児島市の協議会により新駅は設置可能との方針が示された[5]。2019年(平成31年・令和元年)に経済団体を中心とした「磯新駅設置推進協議会」が設立され[7]、同年12月には磯新駅設置推進協議会が鹿児島県知事に対して新駅設置要望書を提出した[8]。
2020年4月には新駅設置の事業主体として鹿児島経済同友会などの経済団体、鹿児島県、鹿児島市が参加する「磯新駅設置協議会」が設置された。施設整備費は主に民間が負担し、鹿児島県、鹿児島市も一部を負担する計画となった[9][10]。2021年(令和3年)3月31日付で磯新駅設置協議会とJR九州の間で覚書が交換された[1]。
磯新駅設置協議会は2023年(令和5年)10月に駅名の公募を実施し[11]、駅名候補の中から「仙巌園前」、「磯仙巌園」、「仙巌園」の3案について2月1日に九州旅客鉄道へ駅名案として提出した[12][13]。2024年(令和6年)3月26日に駅の名称を「仙巌園駅」とすることが決定され[2]、翌27日に発表された[3]。九州旅客鉄道の社長である古宮洋二は記者会見において「仙巌園が一番シンプルで、来る人にとってわかりやすい」と選定理由を述べた[14]。
年表
[編集]- 2021年(令和3年):3月31日付で磯新駅設置協議会とJR九州が覚書を交換[1]。当時の仮駅名は「磯新駅」であった。
- 2024年(令和6年)3月26日:駅名を決定[2]。翌27日に発表[3]。
- 2025年(令和7年)3月15日:開業予定[4]。
建築制限
[編集]仙厳園駅建設予定地は、文化財保護法での名勝である仙厳園と借景としての錦江湾および桜島の間に立地する景観保全地であり、世界遺産「明治日本の産業革命遺産 製鉄・製鋼、造船、石炭産業」の緩衝地帯(バッファゾーン)としての開発規制区域でもあることから、駅舎の外観デザインや配色については厳しく制限される。そのため完成予想図を文化庁やユネスコ世界遺産センターおよび世界遺産委員会へ提出し、承諾を得る必要がある。また、駅建設予定地は集成館に伴う周知の埋蔵文化財包蔵地であり、2022年に遺構の存在を確認する試掘調査を実施したところ、石造倉庫の地盤となる人工的に地固めした痕跡を検出したことから、駅建設に際しては地中の埋蔵文化財を傷めない基礎工事を行わなくてはならない[15]。
バス路線
[編集]駅予定地が現在の仙厳園前停留所(英名:Senganen Garden bus stop)に接していることから、その用地を取り込み、駅前にバス停を併設する計画であり、現在同停留所を発着する鹿児島交通・南国交通および鹿児島市交通局(市営バス)の路線バスがそのまま継続して乗り入れる予定となっている。
駅周辺
[編集]隣の駅
[編集]脚注
[編集]- ^ a b c d e f 『日豊本線 竜ヶ水〜鹿児島間の新駅設置に関する覚書の交換について』(PDF)(プレスリリース)九州旅客鉄道、2021年3月31日。オリジナルの2021年3月31日時点におけるアーカイブ 。2021年3月31日閲覧。
- ^ a b c “【独自】磯新駅の名前は「仙巌園駅」に決定 JR九州が27日午後発表へ”. 鹿児島讀賣テレビ (kyt-tv.com) (2024年3月26日). 2024年3月27日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年3月27日閲覧。
- ^ a b c d 日豊本線 新駅(竜ヶ水駅~鹿児島駅間)の名称を決定しました! - 九州旅客鉄道(2024年3月27日、同日閲覧)
- ^ a b “2025年春ダイヤ改正について”. 九州旅客鉄道 (2024年12月13日). 2024年12月15日閲覧。
- ^ a b “「磯地区の新駅設置は可能」鹿児島市の協議会”. 日本経済新聞 (2018年11月28日). 2020年5月14日閲覧。
- ^ “鹿児島)磯新駅、早期設置へ提言 57億円の経済波及”. 朝日新聞デジタル (2018年6月26日). 2020年5月14日閲覧。
- ^ “プロジェクトについて”. JR「磯新駅」設置プロジェクト. 2020年5月14日閲覧。
- ^ “12月19日(木曜日)磯新駅設置に関する要望をいただきました”. 鹿児島県 (2019年12月20日). 2020年5月14日閲覧。
- ^ “鹿児島市磯地区への新駅設置の事業主体、4月に発足”. 日本経済新聞社 (2020年2月3日). 2020年5月14日閲覧。
- ^ “【鹿児島】磯新駅4月事業主体設立/事業費3.9億 21年度にも基本設計”. 鹿児島建設新聞 (2020年2月3日). 2020年5月14日閲覧。
- ^ “鹿児島市磯地区にできる新しい駅の駅名案 来月30日まで募集”. 日本放送協会. (2023年10月25日) 2024年3月29日閲覧。
- ^ “鹿児島市磯地区に計画 日豊線の新駅名称 3案をJRに提出へ”. 日本放送協会. (2024年1月25日) 2024年3月29日閲覧。
- ^ “2024年度中に開業の磯新駅の名称、「仙巌園前」など3案に絞られる”. 南日本新聞. (2024年1月26日) 2024年3月29日閲覧。
- ^ “JR九州、新駅名「仙巌園駅」に 鹿児島の世界遺産の近く”. 日本経済新聞. (2024年3月28日) 2024年3月29日閲覧。
- ^ “旧集成館(エリア 2/構成資産 2-1)の緩衝地帯におけるJR鉄道駅の新設計画に関する進捗状況報告” (PDF). 内閣官房. 2024年3月27日閲覧。
- ^ a b “磯地区の新駅、計画始動 仙巌園前に25年3月開業目標”. 朝日新聞デジタル (asahi.com). 朝日新聞社 (2022年1月22日). 2024年3月27日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年3月27日閲覧。