京都大学大学院法学研究科・法学部
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(京都帝国大学法科大学から転送)
京都大学大学院法学研究科(きょうとだいがくだいがくいんほうがくけんきゅうか、英: Kyoto University Graduate School of Law)は、京都大学大学院に設置される研究科の一つである。また、京都大学法学部(きょうとだいがくほうがくぶ、英: Kyoto University Faculty of Law)は、京都大学に設置される学部の一つである。
概要
京都帝国大学開設の2年後の1899年に医科大学とともに法科大学が設置された。「自由の学風」で知られている。特徴として、法律学科・政治学科のような学科組織を持っていない。
沿革
- 1899年 - 京都帝国大学法科大学が開設される[1]。
- 1919年 - 分科大学制から学部制への変更に伴い、法科大学が法学部に改組される[1]。
- 1949年 - 新制京都大学法学部となる[1]。
- 1953年 - 大学院法学研究科を設置[1]。
- 2004年 - 法科大学院(専門職大学院)を設置[1]。
教育と研究
組織
法学部
学科組織はなく、以下4つの系統に分類される。
- 基礎法学系
- 公法学系
- 民刑事法系
- 政治学系
法学研究科
法学研究科は1992年(平成4年)に大学院重点化がなされた。従来39あった学部の講座を21の大講座に再編して研究組織を柔軟化した。2004年(平成16年)に法科大学院を設置し、2006年(平成18年)に公共政策大学院を設置したことに伴い現在の2専攻に再編された。
→公共政策大学院(専門職学位課程)については「京都大学大学院公共政策連携研究部・公共政策教育部」を参照
研究
- 2003年
- 社会科学[2]
- 「21世紀型法秩序形成プログラム」(法学研究科公法専攻)
司法試験合格率
京都大学法科大学院は、司法試験合格率79.93%、全国の法科大学院中、第2位(平成17年〜平成29年)[3]。
令和4年度司法試験では、合格率68.0%、全法科大学院中、第1位となった[4][5]。
歴代法学研究科長・法学部長
歴代法学研究科長・法学部長は以下の通り[6]。
代 | 氏名 | 在任時期 | 出身大学 | 専門分野 |
---|---|---|---|---|
初 代 | 木下廣次 | 明治32年 4月 - 明治34年 1月 | 司法省法学校 パリ大学 |
フランス法 |
第 | 2代織田萬 | 明治34年 2月 - 明治40年 5月 | 司法省法学校 | 行政法 |
第 | 3代井上密 | 明治40年 5月 - 明治42年 6月 | 帝国大学 | 憲法 |
第 | 4代田島錦治 | 明治42年 6月 - 明治44年 7月 | 帝国大学 | 経済理論・財政学 |
第 | 5代仁保亀松 | 明治44年 7月 - 大正 3年 5月 | 東京帝国大学 | 法理学・法史学・比較法学・民法 |
第 | 6代毛戸勝元 | 大正 3年 5月 - 大正 4年 7月 | 東京帝国大学 | 商法 |
第 | 7代跡部定治郎 | 大正 4年 7月 - 大正 5年 7月 | 国際私法 | |
第 | 8代中島玉吉 | 大正 5年 7月 - 大正 6年 7月 | 民法 | |
第 | 9代神戸正雄 | 大正 6年 7月 - 大正 7年 8月 | 東京帝国大学 | 租税法・行政法 |
第10代 | 雉本朗造 | 大正 7年 8月 - 大正 8年 6月 | 東京帝国大学 | 民事訴訟法 |
第11代 | 末広重雄 | 大正 8年 6月 - 大正10年 4月 | 東京帝国大学 | 国際法 |
第12代 | 佐々木惣一 | 大正10年 4月 - 大正12年 4月 | 京都帝国大学 | 憲法・行政法 |
第13代 | 竹田省 | 大正12年 4月 - 大正14年 4月 | 京都帝国大学 | 商法 |
第14代 | 佐々木惣一 | 大正14年 4月 - 昭和 2年 5月 | 京都帝国大学 | 憲法・行政法 |
第15代 | 山田正三 | 昭和 2年 5月 - 昭和 4年 4月 | 京都帝国大学 | 民事訴訟法・民事執行法 |
第16代 | 烏賀陽然良 | 昭和 4年 5月 - 昭和 6年 4月 | 京都帝国大学 | 会社法 |
第17代 | 宮本英雄 | 昭和 6年 5月 - 昭和 8年 7月 | 英米法 | |
第18代 | 松井元興 | 昭和 8年 7月 | 東京帝国大学 | 分析化学 |
第19代 | 中島玉吉 | 昭和 8年 7月 - 昭和10年 1月 | 民法 | |
第20代 | 山田正三 | 昭和10年 1月 - 昭和12年 5月 | 民事訴訟法・民事執行法 | |
第21代 | 宮本英脩 | 昭和12年 6月 - 昭和14年 5月 | 東京帝国大学 | 刑法 |
第22代 | 石田文次郎 | 昭和14年 6月 - 昭和16年 5月 | 京都帝国大学 | 民法 |
第23代 | 牧健二 | 昭和16年 6月 - 昭和18年 2月 | 京都帝国大学 | 日本法制史 |
第24代 | 渡辺宗太郎 | 昭和18年 2月 - 昭和20年 2月 | 行政法 | |
第25代 | 黒田覚 | 昭和20年 2月 - 昭和21年 2月 | 京都帝国大学 | 憲法 |
第26代 | 瀧川幸辰 | 昭和21年 2月 - 昭和35年 5月 | 京都帝国大学 | 刑事法 |
第27代 | 田岡良一 | 昭和25年 5月 - 昭和25年 9月 | 京都帝国大学 | 国際法 |
第28代 | 田中周友 | 昭和25年10月 - 昭和27年 9月 | 京都帝国大学 | ローマ法 |
第29代 | 齋藤武生 | 昭和27年10月 - 昭和29年 9月 | 国際私法 | |
第30代 | 大隅健一郎 | 昭和29年10月 - 昭和31年 9月 | 京都帝国大学 | 商法 |
第31代 | 大石義雄 | 昭和31年10月 - 昭和33年12月 | 京都帝国大学 | 憲法 |
第32代 | 於保不二雄 | 昭和34年 1月 - 昭和35年12月 | 京都帝国大学 | 民法 |
第33代 | 大森忠夫 | 昭和36年 1月 - 昭和37年12月 | 京都帝国大学 | 保険法 |
第34代 | 中田淳一 | 昭和38年 1月 - 昭和39年12月 | 京都帝国大学 | 民事訴訟法 |
第35代 | 田畑茂二郎 | 昭和40年 1月 - 昭和41年12月 | 京都帝国大学 | 国際法 |
第36代 | 長濱政壽 | 昭和42年 1月 - 昭和43年12月 | 京都帝国大学 | 行政学 |
第37代 | 加藤新平 | 昭和44年 1月 - 昭和44年 3月 | 京都帝国大学 | 法理学 |
第38代 | 林良平 | 昭和44年 3月 - 昭和45年10月 | 京都帝国大学 | 財産法・金融法 |
第39代 | 平場安治 | 昭和45年10月 - 昭和47年10月 | 京都帝国大学 | 刑法 |
第40代 | 杉村敏正 | 昭和47年10月 - 昭和49年10月 | 京都帝国大学 | 行政法 |
第41代 | 上柳克郎 | 昭和49年10月 - 昭和51年10月 | 京都帝国大学 | 商法 |
第42代 | 福島徳壽郎 | 昭和51年10月 - 昭和53年10月 | 京都帝国大学 | 行政学 |
第43代 | 片岡曻 | 昭和53年10月 - 昭和55年10月 | 京都帝国大学 | 労働法 |
第44代 | 道田信一郎 | 昭和55年10月 - 昭和57年10月 | 京都大学 | 国際取引法 |
第45代 | 太寿堂鼎 | 昭和57年10月 - 昭和58年 3月 | 京都大学 | 国際法 |
第46代 | 奥田昌道 | 昭和58年 4月 - 昭和60年 3月 | 京都大学 | 民法 |
第47代 | 龍田節 | 昭和60年 4月 - 昭和62年 3月 | 京都大学 | 会社法 |
第48代 | 川又良也 | 昭和62年 4月 - 平成元年 3月 | 京都大学 | 商法 |
第49代 | 北川善太郎 | 平成元年 4月 - 平成 3年 3月 | 京都大学 | 民法 |
第50代 | 佐藤幸治 | 平成 3年 4月 - 平成 5年 3月 | 京都大学 | 憲法 |
第51代 | 鈴木茂嗣 | 平成 5年 4月 - 平成 7年 3月 | 京都大学 | 刑事訴訟法 |
第52代 | 村松岐夫 | 平成 7年 4月 - 平成 9年 3月 | 京都大学 | 行政学 |
第53代 | 田中成明 | 平成 9年 4月 - 平成11年 3月 | 京都大学 | 法理学 |
第54代 | 中森喜彦 | 平成11年 4月 - 平成13年 3月 | 京都大学 | 刑法 |
第55代 | 木村雅昭 | 平成13年 4月 - 平成15年 3月 | 京都大学 | 比較政治学 |
第56代 | 吉岡一男 | 平成15年 4月 - 平成17年 3月 | 京都大学 | 刑事学・犯罪学 |
第57代 | 森本滋 | 平成17年 4月 - 平成19年 3月 | 京都大学 | 商法 |
第58代 | 初宿正典 | 平成19年 4月 - 平成21年 3月 | 京都大学 | 憲法 |
第59代 | 林信夫 | 平成21年 4月 - 平成23年 3月 | 東北大学 | ローマ法 |
第60代 | 村中孝史 | 平成23年 4月 - 平成25年 3月 | 京都大学 | 労働法 |
第61代 | 山本克己 | 平成25年 4月 - 平成27年 3月 | 京都大学 | 民事訴訟法 |
第62代 | 潮見佳男 | 平成27年 4月 - 平成29年 3月 | 京都大学 | 民法 |
第63代 | 洲崎博史 | 平成29年 4月 - 平成31年 3月 | 京都大学 | 商法 |
第64代 | 山本敬三 | 平成31年 4月 - 令和 3年 3月 | 京都大学 | 民法 |
第65代 | 塩見淳 | 令和 3年 4月 - 令和 5年 3月 | 京都大学 | 刑法 |
第66代 | 唐渡晃弘 | 令和 5年 4月 - 現職 | 京都大学 | 政治史[7] |
同窓会
京都大学法学部の同窓会として「有信会」がある。
著名な出身者
→「京都大学の人物一覧」を参照
脚注
- ^ a b c d e “研究科の歴史”. 京都大学法学部・法学研究科. 2019年2月11日閲覧。
- ^ “平成15年度 21世紀COEプログラム 採択拠点【分野:社会科学】”. 日本学術振興会. 2019年5月18日閲覧。
- ^ 法科大学院別司法試験累計合格者数等(累計合格率順)|文部科学省
- ^ 2022年 法科大学院別 司法試験合格者率ランキング/2022年 法科大学院別 司法試験合格者数ランキング(スタディング司法試験・予備試験講座)
- ^ 令和4年司法試験法科大学院等別合格者数等(法務省)
- ^ 「歴代法学研究科長・法学部長」
- ^ “次期法学研究科長および法学部長に唐渡教授を選出しました”. 京都大学. (2022年12月16日). オリジナルの2023年2月13日時点におけるアーカイブ。