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京王杯スプリングカップ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
京王杯SCから転送)
京王杯スプリングカップ
Keio Hai Spring Cup[1]
第67回京王杯スプリングカップ(2022年5月14日)
優勝馬:メイケイエール(画像右手奥)
開催国 日本の旗 日本
主催者 日本中央競馬会
競馬場 東京競馬場
創設 1956年3月11日[2]
2024年の情報
距離 芝1400m
格付け GII
賞金 1着賞金5900万円
出走条件 サラ系4歳以上(国際)(指定)
負担重量 別定
出典 [3][4]
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京王杯スプリングカップ(けいおうはいスプリングカップ)は、日本中央競馬会(JRA)が東京競馬場で施行する中央競馬重賞競走GII)である。

寄贈賞を提供する京王電鉄は、東京都多摩市(1988年までは東京都新宿区)に本社を置き、東京競馬場最寄りの府中競馬正門前駅を含む京王線および競馬場線を運営する大手私鉄[5]

正賞は京王電鉄株式会社賞[3][4]

概要

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1956年に、5歳(現4歳)以上の馬による重賞として「スプリングハンデキャップ」の名称で創設[5][6]。本競走と対をなす形で、秋の東京開催で行われる『オータムハンデキャップ』(現・京成杯オータムハンデキャップ)も同時に創設された。1959年(昭和34年)、オータムハンデキャップに先に京王杯が寄贈され、翌1960年からは本競走にも京王杯が掛けられるようになって『京王杯スプリングハンデキャップ(けいおうはいスプリングハンデキャップ)』と改称[6]。1984年のグレード制導入時に現名称となった[5][6]

当初は2月下旬 - 3月上旬に芝1600mで行われた[5][6]が、施行時期は1972年より春季の東京開催で定着[6]。距離は幾度かの変更を経て、1981年から1400mで行われるようになった[5][6]。1984年のグレード制導入でGII[注 1]に格付けされ、安田記念の重要な前哨戦として位置づけられた[5][6]。2014年からは本競走の1着馬に、安田記念の優先出走権が与えられている[5][6]

外国産馬は1984年から、外国馬は1994年から、地方競馬所属馬は1995年からそれぞれ出走可能になった[2]

JRAで行われる沿線大手私鉄5社の冠競走に於いて、京王が寄贈賞を出している当競走と、秋の京王杯2歳ステークスのみGIIに格付けされている[注 2]。なお、東京競馬場近くに多摩川線是政駅を有する西武鉄道と、南武線府中本町駅を有する国鉄JR東日本は寄贈賞がない。

競走条件

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以下の内容は、2024年現在[3][4]のもの。

出走資格:サラ系4歳以上

  • JRA所属馬
  • 地方競馬所属馬(後述)
  • 外国調教馬(優先出走)

負担重量:別定

  • 57kg、牝馬2kg減
    • 2023年5月13日以降のGI競走(牝馬限定競走を除く)1着馬2kg増、牝馬限定GI競走またはGII競走(牝馬限定競走を除く)1着馬1kg増
    • 2023年5月12日以前のGI競走(牝馬限定競走を除く)1着馬1kg増(2歳時の成績を除く)

安田記念のステップ競走に指定されており、地方競馬所属馬は安田記念の出走候補馬(3頭まで)に出走資格が与えられる[7][8]。また、地方競馬所属馬は本競走で2着以内の成績を収めた馬に安田記念の優先出走権が与えられる[7][8]

賞金

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2024年の1着賞金は5900万円で、以下2着2400万円、3着1500万円、4着890万円、5着590万円[4]

歴史

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  • 1956年 - 5歳以上の馬による重賞競走として「スプリングハンデキャップ」の名称で創設、東京競馬場の芝1600mで施行[6]
  • 1960年 - 名称を「京王杯スプリングハンデキャップ」に変更[6]
  • 1984年
    • 名称を「京王杯スプリングカップ」に変更[6]
    • 混合競走に指定、外国産馬が出走可能になる[2]
    • グレード制施行によりGII[注 1]に格付け[6]
  • 1994年 - 国際競走に変更され、外国調教馬が5頭まで出走可能となる[2]
  • 1995年 - 指定交流競走となり、地方競馬所属馬が3頭まで出走可能となる[2]
  • 1996年 - 地方競馬所属馬の出走枠が3頭から2頭に縮小[2]
  • 2001年 - 馬齢表示の国際基準への変更に伴い、出走条件を「4歳以上」に変更[2]
  • 2002年 - 外国調教馬の出走枠が9頭に拡大[2]
  • 2014年 - この年から1着馬に安田記念の優先出走権を付与[6]
  • 2020年 - 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大防止のため、「無観客競馬」として実施[9]
  • 2025年 - 施行時期を従来より2週間繰り上げて実施する予定(この週の翌日は天皇賞(春)が実施される)。

歴代優勝馬

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コース種別を表記していない距離は、芝コースを表す。

優勝馬の馬齢は、2000年以前も現行表記に揃えている。

外国馬の所属表記は出典が明記されているもののみ記載し、検証可能性を満たさないものは空欄とした。また、中央所属馬の表記は、すべて「JRA」に揃えている。

競走名は第4回まで「スプリングハンデキャップ」、第5回から第28回まで「京王杯スプリングハンデキャップ」[6]

回数 施行日 競馬場 距離 優勝馬 性齢 所属 タイム 優勝騎手 管理調教師 馬主
第1回 1956年3月11日 東京 1600m クリチカラ 牡6 JRA 1:38 2/5 森安弘明 尾形藤吉 栗林友二
第2回 1957年3月10日 東京 1600m ヒデホマレ 牡5 JRA 1:39 4/5 保田隆芳 田中康三 小川満枝
第3回 1958年3月2日 東京 1600m ブレツシング 牝6 JRA 1:37 2/5 保田隆芳 尾形藤吉 小野晃
第4回 1959年3月1日 東京 1600m クリペロ 牡4 JRA 1:39 2/5 森安弘明 尾形藤吉 栗林友二
第5回 1960年2月21日 東京 1600m スイートワン 牡4 JRA 1:39.3 野平祐二 野平省三 和田共弘
第6回 1961年2月26日 東京 ダート1600m シヨウザン 牡4 JRA 1:39.9 高橋英夫 鈴木清 渡部恵子
第7回 1962年2月18日 東京 1600m トリシン 牡4 JRA 1:36.8 丸目敏栄 荒木静雄 斎藤延次郎
第8回 1963年2月24日 東京 1800m スズホープ 牡4 JRA 1:49.5 野平好男 森末之助 鈴江チヨ
第9回 1964年3月22日 東京 1800m クリライト 牡4 JRA 1:51.9 郷原洋行 大久保房松 栗林友二
第10回 1965年2月21日 東京 1800m アサホコ 牡5 JRA 1:50.2 加賀武見 藤本冨良 手塚栄一
第11回 1966年2月20日 東京 1800m グレートヨルカ 牡6 JRA 1:49.1 保田隆芳 尾形藤吉 小野晃
第12回 1967年2月26日 東京 1800m ヒシマサヒデ 牡5 JRA 1:52.1 小野定夫 稗田敏男 阿部雅信
第13回 1968年2月25日 中山 ダート1800m メジロシンゲン 牡4 JRA 1:54.0 町田精生 大久保末吉 北野雄二
第14回 1969年2月16日 東京 1800m モンタサン 牡5 JRA 1:52.4 油木宣夫 矢野幸夫 古知政市
第15回 1970年2月22日 東京 1800m ミノル 牡4 JRA 1:48.8 保田隆芳 尾形藤吉 永田賢介
第16回 1971年2月14日 東京 ダート1700m タマミ 牝4 JRA 1:44.4 増沢末夫 坂本栄三郎 影山明
第17回 1972年5月3日 東京 1800m ダイセンプー 牡4 JRA 1:50.1 津田昭 野平富久 (有)イーデン産業
第18回 1973年4月22日 東京 1800m インターブレイン 牡4 JRA 1:49.5 野平祐二 野平省三 松岡正雄
第19回 1974年5月4日 東京 1800m タケクマヒカル 牡5 JRA 1:48.7 矢野照正 中村広 武隈水雄
第20回 1975年4月20日 東京 1800m キクノオー 牡4 JRA 1:48.6 横山富雄 山岡寿恵次 田中伊三郎
第21回 1976年4月25日 東京 1800m ヤマブキオー 牡6 JRA 1:48.9 徳吉一己 森末之助 清水一郎
第22回 1977年4月24日 東京 1800m ニッポーキング 牡4 JRA 1:47.9 郷原洋行 久保田金造 山石祐一
第23回 1978年4月23日 東京 1800m シービークイン 牝5 JRA 1:47.9 吉永正人 松山吉三郎 千明牧場
第24回 1979年4月22日 東京 1800m ゴールデンボート 牡4 JRA 1:47.9 石神富士雄 中村広 川俣トシエ
第25回 1980年4月27日 東京 1800m シーバードパーク 牝4 JRA 1:47.9 菅原泰夫 本郷重彦 ホースマンクラブ
第26回 1981年4月26日 東京 1400m シンボリフレンド 牡4 JRA 1:23.3 柴田政人 野平祐二 シンボリ牧場
第27回 1982年4月29日 東京 1400m エビスクラウン 牡5 JRA 1:23.7 郷原洋行 松山康久 内多晃
第28回 1983年5月1日 東京 1400m イーストボーイ 牡5 JRA 1:22.9 根本康広 橋本輝雄 加藤久枝
第29回 1984年4月22日 東京 1400m ハッピープログレス 牡6 JRA 1:23.8 田原成貴 山本正司 藤田晋
第30回 1985年4月21日 東京 1400m ニホンピロウイナー 牡5 JRA 1:23.0 河内洋 服部正利 小林百太郎
第31回 1986年4月20日 東京 1400m トーアファルコン 牡5 JRA 1:23.7 河内洋 服部正利 伊藤昭二
第32回 1987年4月26日 東京 1400m ニッポーテイオー 牡4 JRA 1:21.8 郷原洋行 久保田金造 山石祐一
第33回 1988年4月24日 東京 1400m ダイナアクトレス 牝5 JRA 1:21.4 岡部幸雄 矢野進 (有)社台レースホース
第34回 1989年4月23日 東京 1400m リンドホシ 牡4 JRA 1:23.1 的場均 佐藤林次郎 (株)デルマークラブ
第35回 1990年4月22日 東京 1400m シンウインド 牝6 JRA 1:23.3 南井克巳 二分久男 林幸雄
第36回 1991年4月21日 東京 1400m ダイイチルビー 牝4 JRA 1:21.5 河内洋 伊藤雄二 辻本春雄
第37回 1992年4月25日 東京 1400m ダイナマイトダディ 牡4 JRA 1:21.6 加藤和宏 鈴木康弘 池谷誠一
第38回 1993年4月24日 東京 1400m ヤマニンゼファー 牡5 JRA 1:21.0 柴田善臣 栗田博憲 土井宏二
第39回 1994年4月23日 東京 1400m スキーパラダイス 牝4 FRA 1:21.4 武豊 A.ファーブル 吉田照哉
第40回 1995年4月22日 東京 1400m ドゥマーニ 牡4 UAE[10] 1:21.3 R.ヒルズ K.マクローリン ハムダン殿下 [注 3]
第41回 1996年5月11日 東京 1400m ハートレイク 牡5 UAE[10] 1:21.1 武豊 S.スルール ゴドルフィン
第42回 1997年5月10日 東京 1400m タイキブリザード 牡6 JRA 1:20.5 岡部幸雄 藤沢和雄 (有)大樹ファーム
第43回 1998年5月16日 東京 1400m タイキシャトル 牡4 JRA 1:20.1 岡部幸雄 藤沢和雄 (有)大樹ファーム
第44回 1999年5月15日 東京 1400m グラスワンダー 牡4 JRA 1:20.5 的場均 尾形充弘 半沢(有)
第45回 2000年5月14日 東京 1400m スティンガー 牝4 JRA 1:21.0 武豊 藤沢和雄 吉田照哉
第46回 2001年5月13日 東京 1400m スティンガー 牝5 JRA 1:20.1 岡部幸雄 藤沢和雄 吉田照哉
第47回 2002年5月12日 東京 1400m ゴッドオブチャンス 牡4 JRA 1:20.3 柴田善臣 和田正道 (有)ノースヒルズマネジメント
第48回 2003年5月18日 東京 1400m テレグノシス 牡4 JRA 1:21.0 勝浦正樹 杉浦宏昭 (有)社台レースホース
第49回 2004年5月16日 東京 1400m ウインラディウス 牡6 JRA 1:20.4 田中勝春 藤沢和雄 (株)ウイン
第50回 2005年5月15日 東京 1400m アサクサデンエン 牡6 JRA 1:20.3 後藤浩輝 河野通文 田原源一郎
第51回 2006年5月13日 東京 1400m オレハマッテルゼ 牡6 JRA 1:21.8 柴田善臣 音無秀孝 小田切有一
第52回 2007年5月12日 東京 1400m エイシンドーバー 牡5 JRA 1:20.0 福永祐一 小崎憲 平井豊光
第53回 2008年5月17日 東京 1400m スーパーホーネット 牡5 JRA 1:20.8 藤岡佑介 矢作芳人 森本悳男
第54回 2009年5月16日 東京 1400m スズカコーズウェイ 牡5 JRA 1:20.6 後藤浩輝 橋田満 永井啓弍
第55回 2010年5月15日 東京 1400m サンクスノート 牝5 JRA 1:19.8 蛯名正義 二ノ宮敬宇 下河邊行雄
第56回 2011年5月14日 東京 1400m ストロングリターン 牡5 JRA 1:20.2 石橋脩 堀宣行 吉田照哉
第57回 2012年5月12日 東京 1400m サダムパテック 牡4 JRA 1:20.1 C. ウィリアムズ 西園正都 大西定
第58回 2013年5月11日 東京 1400m ダイワマッジョーレ 牡4 JRA 1:20.6 蛯名正義 矢作芳人 大城敬三
第59回 2014年5月17日 東京 1400m レッドスパーダ 牡8 JRA 1:19.7 北村宏司 藤沢和雄 (株)東京ホースレーシング
第60回 2015年5月16日 東京 1400m サクラゴスペル 牡7 JRA 1:21.6 戸崎圭太 尾関知人 (株)さくらコマース
第61回 2016年5月14日 東京 1400m サトノアラジン 牡5 JRA 1:19.6 川田将雅 池江泰寿 里見治
第62回 2017年5月13日 東京 1400m レッドファルクス 牡6 JRA 1:23.2 M.デムーロ 尾関知人 (株)東京ホースレーシング
第63回 2018年5月12日 東京 1400m ムーンクエイク 騸5 JRA 1:19.5 C.ルメール 藤沢和雄 (有)キャロットファーム
第64回 2019年5月11日 東京 1400m タワーオブロンドン 牡4 JRA 1:19.4 D.レーン 藤沢和雄 ゴドルフィン
第65回 2020年5月16日 東京 1400m ダノンスマッシュ 牡5 JRA 1:19.8 D.レーン 安田隆行 (株)ダノックス
第66回 2021年5月15日 東京 1400m ラウダシオン 牡4 JRA 1:19.8 M.デムーロ 斉藤崇史 (有)シルクレーシング
第67回 2022年5月14日 東京 1400m メイケイエール 牝4 JRA 1:20.2 池添謙一 武英智 名古屋競馬(株)
第68回 2023年5月13日 東京 1400m レッドモンレーヴ 牡4 JRA 1:20.3 横山和生 蛯名正義 (株)東京ホースレーシング
第69回 2024年5月11日 東京 1400m ウインマーベル 牡5 JRA 1:19.7 松山弘平 深山雅史 (株)ウイン

外国調教馬の成績

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脚注・出典

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参考文献

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  • 「京王杯スプリングカップ(GII)」『中央競馬全重賞競走成績集【古馬関東編】』日本中央競馬会、2006年、637-710頁。 

注釈

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  1. ^ a b 当時の格付表記は、JRAの独自グレード。
  2. ^ 京成杯(本杯・オータムハンデキャップ)・京阪杯阪急杯はGIII競走、名鉄杯リステッド競走(オープン特別)である。なお地方の競馬場で行われるダートグレード競走を含めた場合、京浜急行電鉄の寄贈賞がある大井競馬場の『京浜盃競走』が2024年からJpnIIに格付けされている。
  3. ^ JRAの公式記録では「ハムダン殿下」の表記になっている[2][11]

出典

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  1. ^ International Cataloguing Standards Book 2024 (Japan)”. 国際競馬統括機関連盟. 2024年4月29日閲覧。
  2. ^ a b c d e f g h i 中央競馬全重賞競走成績集【古馬関東編】
  3. ^ a b c 重賞競走一覧(レース別・関東)” (PDF). 日本中央競馬会. p. 17 (2024年). 2024年4月29日閲覧。
  4. ^ a b c d 2024年第2回東京競馬番組(第7日 - 第12日)” (PDF). 日本中央競馬会. 2024年4月29日閲覧。
  5. ^ a b c d e f g 2024年度第2回東京競馬特別レース名解説” (PDF). 日本中央競馬会. p. 5. 2024年4月29日閲覧。
  6. ^ a b c d e f g h i j k l m n 歴史・コース:京王杯スプリングカップ 今週の注目レース”. 日本中央競馬会. 2023年9月11日閲覧。
  7. ^ a b [地]が出走できるGI競走とそのステップ競走について【2024年度】” (PDF). 日本中央競馬会. 2024年4月29日閲覧。
  8. ^ a b 競馬番組一般事項 「V 出馬投票」” (PDF). 日本中央競馬会. p. 17 (2024年). 2024年4月29日閲覧。
  9. ^ 4月25日(土曜)から5月31日(日曜)までの中央競馬の開催等について”. 日本中央競馬会 (2020年4月23日). 2020年6月20日閲覧。
  10. ^ a b 『優駿』1997年5月号、日本中央競馬会、69頁
  11. ^ netkeiba 1995年京王杯SC2014年11月10日閲覧。

各回競走結果の出典

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外部リンク

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