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九広鉄路SP1900形電車

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
MTR SP1900/SP1950/KRS991/1151形電車
SP1900形電車E215/E213編成
基本情報
製造所 近畿車輛川崎重工業日本
製造年 2001年 - 2017年
製造数
  • 364両(東鉄線60両5本・西鉄線264両33本・馬鞍山線/屯馬線一期40両5本・運用中)
  • 23両(転属工事改造中)
  • 5両(引退)
  • 1両(消防訓練車両[注釈 1]
運用開始
主要諸元
編成
  • 12両編成(東鉄線)(6M6T)(引退済み)
  • 8両編成(屯馬線)(4M4T)
軌間 1,435 mm(標準軌)
電気方式 交流 25,000 V 50 Hz
最高運転速度
  • 東鉄線:
  • (手動運転)115 km/h
  • (自動運転)110 km/h
  • 西鉄線:130 km/h
  • 馬鞍山線:110 km/h
  • 屯馬線一期:120 km/h
  • 屯馬線:140 km/h
設計最高速度 160 km/h
起動加速度
  • 東鉄線:
  • (手動運転)3.6 km/h/s
  • (自動運転)2.52 km/h/s
  • 西鉄線、馬鞍山線、屯馬線:
  • 3.6 km/h/s
減速度(常用) 3.6 km/h/s
減速度(非常) 4.86 km/h/s
車両重量 37 t(1両平均)
編成重量
  • D:39.2 t
  • P:48.7 t
  • M:47.4 t
  • C:35.3 t
  • H:37 t
全長
  • 25,280 mm(先頭車)
  • 24,136 mm(中間車)
  • 622 mm(整形)
  • 920 mm(通路)
全幅 3,100 mm
全高 3,990 mm
床面高さ 1,066.8 mm
台車
  • 近畿車輛:
  • KD312(電動車)
  • KD312A(付随車)
  • 川崎重工業:
  • KW-165(電動車)
  • KW-166(付随車)
主電動機 三菱電機製三相誘導電動機
MB-5084-A/A2
主電動機出力 240 kW
駆動方式 WN駆動
歯車比 86:15(5.73)
編成出力
  • 12両編成:5,760 kW
  • 8両編成:3,840 kW
制御方式 IGBT素子VVVFインバータ制御
制御装置 三菱電機製
MAP-242-A25V93/93A
制動装置 クノールブレムゼAG製
回生ブレーキ併用電気指令式空気ブレーキ
保安装置 Seltrac CBTC(ATP
備考
  • ドアの中心距離:3,800 mm
  • ドアの幅:1,400 mm
  • 11両編成(6M5T)・7両編成(4M3T)・4両編成(2M2T)運用中止
テンプレートを表示
SP1900形電車(旧KCRロゴマーク)

SP1900形電車(SP1900がたでんしゃ)は、香港香港鉄路(MTR)が保有する交流通勤形電車鉄道ファンからは「千九」、「千九五」、と呼ばれている。この電車は日本近畿車輛川崎重工業製である。同形車の1950形についても本項にて説明する。

概要

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  • 1999年(平成11年)に、日本の伊藤忠商事・川崎重工業・近畿車輛3社連合(IKK-Consortium)が香港旧KCR(現香港MTR)から250両の生産を受注した鉄道車両である。形式はSP1900形で、そのうち96両(12両編成×8本)は東鉄(East Rail、今の東鉄線)の増備車として投入された。残りの154両(7両編成×22本)は2003年(平成15年)12月20日に開業した西鉄(West Rail、今の西鉄線)用である。
  • 2000年(平成12年)12月、旧KCRCは更に72両(4両編成×18本)の車両をIKKに発注した。形式は1900形に50をプラスしたSP1950形となり、2004年(平成16年)12月21日に開業した馬鞍山鉄路(Ma-On-Shan Rail、今の馬鞍山線)で使用されている。
  • 東鉄線用の編成は、全て1編成12両である。西鉄線線向けの編成は現在のところ1編成8両である。馬鞍山線用は、ホーム有効長は6両分であったものの、当初は1編成4両であった。沙田至中環線の建設に伴い、2両分のホーム延長工事を実施し、8両まで対応可能となった。
  • 2009年、西鉄線延伸区間(紅磡 - 南昌)が開業、7両編成6本が追加投入されている、このうち4本は近畿車輛の新製車であるが、2本は元馬鞍山線用のSP1950形電車4両編成に近畿車輛製の中間車3両を増結し、編成組み替えと改造を実施した。
  • 2014年、沙田至中環線の建設伴い、伊藤忠商事・川崎重工業・近畿車輛3社連合(IKK-Consortium)は香港MTRから348両車両改造(SP1900全列車、8両先頭車改造いない)ならびに36両の8両化増結車の供給契約を受注した。
  • 2015年、西鉄線ラッシュ時の混雑緩和および沙田至中環線の建設に伴い、東鉄線より1本が8両化改造のうえ転入した。改造車はドア上部および車端部にMTR初の液晶ディスプレイ(LCD)が設置され、ドア上部画面には次の駅・路線図・ドア開閉方向などを、車端部画面には次の駅・終点駅を表示する。2016年1月2日、西鉄線8両編成のSP1900/SP1950/KRS991形電車運行開始。
  • 2016年、馬鞍山線ラッシュ時の混雑緩和および沙田至中環線の建設に伴い、馬鞍山線用車両を8両化改造した。西鉄線に転入した編成と同様に、ドア上部および車端部に液晶ディスプレイ(LCD)が設置された。
  • 2017年1月15日、馬鞍山線8両編成のSP1900/SP1950形電車運行開始。
  • 2017年12月24日、馬鞍山線4両編成のSP1950形電車運用終了。
  • 2018年5月27日、西鉄線7両編成のSP1900/SP1950/KRS991形電車運用終了。
  • R-stock電車の導入に伴い、当初計画では(2018年12月)にSP1900/SP1950の全車が東鉄線から撤退する予定であった。
  • 東鉄線の電車で使用されている信号システムはTBL(ATP)、西鉄線および馬鞍山線ではSeltracとよばれる信号システムを用いる。そのため、ほぼ同じ構造の車両であるが、配属線区により乗務員室機器の配置と運転方法が少し異なる。
  • 車体構造はビードレス外板のオールステンレス軽量構体であり、車端にクラッシャブルゾーンを設けている。なお、側構体は、車両メーカー2社共同で同じ構造のものを製造するため特許の絡む2シート構造ではなく、縦横に骨・外板補強の入っている一般的な構造とされている。
  • 2021年2月5日、東鉄線12両編成のSP1900型電車運用終了。

車両編成

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東鉄線(East Rail Line)用編成

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全車両が近畿車輛製。

  • 備考
    • D 先頭車
    • H 簡易運転台付き車
    • M 電動車
    • T 付随車
    • C 交差車(電気線を前後で反転させる車両)
    • P パンタグラフ搭載車
    • W 車いす対応車
    • F 頭等車(一等車)

西鉄線(West Rail Line)用編成

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近畿車輛製と川崎重工業製が約半数ずつある。

馬鞍山線(Ma On Shan Line)用編成

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全車両が近畿車輛製。

増結工事・改番

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東鉄線置き換え

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  • D201/D203編成:2015年7月2日運用離脱[1]、2016年1月2日より西鉄線D357/D358編成として運用開始。
  • D209/D211編成:2015年12月21日運用離脱[2]、2017年1月15日より馬鞍山綫D361/D362編成として運用開始。
  • D221/D223編成:2018年5月1日運用離脱[3]、2019年6月24日より西鉄線D367/D368編成として運用開始。
  • D229/D231編成:2021年2月24日運用離脱[4]、2022年4月11日より屯馬線D373/D374編成として運用開始。
  • D205/D207編成:2021年3月17日運用離脱、2021年11月22日より屯馬線D379/380編成として運用開始。
  • D217/D219編成:2021年4月2日運用離脱、2022年6月15日より屯馬線D385/D386編成として運用開始。
  • D213/D215編成:2021年4月13日運用離脱、2022年8月30日より屯馬線D389/D390編成として運用開始。
  • D225/D227編成:2021年4月15日運用離脱、

西鉄線増結工事

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編成 増結工事開始 増結工事終了 再サービス日 備考
D301/D302 2018/1/21 2018/2/16 2018/2/23 再サービス日列車番号:015→030
D303/D304 2016/6/30 2016/7/17 2016/7/29[5] 再サービス日列車番号:001
D305/D306 2018/5/25 2018/7/7 2018/7/14 再サービス日列車番号:019→023
D307/D308 2016/11/27 2016/12/17 2016/12/28[6] 再サービス日列車番号:001
D309/D310 2016/7/30 2016/8/17[7] 2016/8/26[8] 再サービス日列車番号:001
D311/D312 2016/5/30 2016/6/17 2016/6/30[9] 再サービス日列車番号:001
D313/D314 2017/3/26 2017/4/20 2017/4/25 再サービス日列車番号:015→030
D315/D316 2017/11/16 2017/12/1 2017/12/15 再サービス日列車番号:015→030
D317/D318 2017/7/23 2017/8/8 2017/8/19 再サービス日列車番号:021
D319/D320 2016/9/29 2016/10/17 2016/10/28[10] 再サービス日列車番号:015→030
D321/D322 2016/10/29 2016/11/17 2016/11/29[11] 再サービス日列車番号:019→023
D323/D324 2017/10/15 2017/11/1 2017/11/15 再サービス日列車番号:015→030
D325/D326 2016/1/15 2016/3/6 2016/3/25[12] 再サービス日列車番号:006
新製中間車元番号H355
D327/D328 2016/12/29 2017/1/17 2017/1/25 再サービス日列車番号:015→030
D329/D330 2017/4/26 2017/5/17 2017/5/25 再サービス日列車番号:015
D331/D332 2016/8/27 2016/9/28 2016/9/28 再サービス日列車番号:001
D333/D334 2017/1/26 2017/2/23 2017/2/25[13] 再サービス日列車番号:019→023
D335/D336 2016/5/5 2016/5/17 2016/5/29 再サービス日列車番号:006
新製中間車元番号H317
D337/D338 2018/4/29 2018/5/18 2018/5/28 再サービス日列車番号:015
D339/D340 2017/2/26 2017/3/23 2017/3/25[14] 再サービス日列車番号:019
D341/D342 2017/5/26 2017/6/22 2017/6/24 再サービス日列車番号:021
D343/D344 2017/12/16 2018/1/11 2018/1/20 再サービス日列車番号:021
D345/D346 2018/2/24 2018/3/16 2018/3/29 再サービス日列車番号:015→030
D347/D348 2016/4/15 2016/4/29 2016/4/29[15] 再サービス日列車番号:001
新製中間車元番号H353
D349/D350 2018/3/30 2018/4/16 2018/4/28 再サービス日列車番号:019
D351/D352 2017/9/17 2017/10/5 2017/10/14 再サービス日列車番号:019
D353/D354 2017/8/20 2017/9/6 2017/9/16 再サービス日列車番号:019
D355/D356 2017/6/25 2017/7/15 2017/7/22 再サービス日列車番号:019

馬鞍山線置き換え

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  • D501/D502編成:2017年4月4日運用離脱,2017年8月6日より西鉄線D363/D364編成として運用開始。
  • D503/D504編成:2017年5月12日運用離脱[16],2017年11月14日より馬鞍山線D371/D372編成として運用開始。
  • D505/D506編成:2017年6月3日運用離脱,2017年8月6日より西鉄線D363/D364編成として運用開始。
  • D507/D508編成:2017年7月19日運用離脱,2017年11月19日より馬鞍山線D377/D378編成として運用開始。
  • D509/D510編成:2017年2月10日運用離脱,2017年8月5日より馬鞍山線D365/D366編成として運用開始。
  • D511/D512編成:2018年1月2日運用離脱,2024年1月15日より屯馬線D391/D392編成として運用開始。
  • D513/D514編成:2017年1月25日運用離脱,2017年8月5日より馬鞍山線D365/D366編成として運用開始。
  • D515/D516編成:2017年9月16日運用離脱,2019年6月24日より西鉄線D369/D370編成として運用開始。
  • D517/D518編成:2017年8月12日運用離脱[17],2018年1月13日より西鉄線D383/D384編成として運用開始。
  • D519/D520編成:2015年11月3日運用離脱[18],2017年1月15日より馬鞍山線D359/D360編成として運用開始。
  • D521/D522編成:2017年8月12日運用離脱[16],2018年1月13日より西鉄線D383/D384編成として運用開始。
  • D523/D524編成:2018年4月10日運用離脱, 2023年8月17日より屯馬線D395/D396編成として運用開始。
  • D525/D526編成:2017年12月28日運用離脱[19],2023年5月2日より屯馬線D381/D382編成として運用開始。
  • D527/D528編成:2017年12月28日運用離脱,
  • D529/D530編成:2017年7月29日運用離脱,2017年11月19日より馬鞍山線D377/D378編成として運用開始。
  • D531/D532編成:2018年1月2日運用離脱,2023年5月15日より屯馬線D387/D388編成として運用開始。
  • D533/D534編成:2007年9月20日運用離脱,2008年8月18日より西鉄線D353/D354編成として運用開始。
  • D535/D536編成:2007年9月20日運用離脱,2008年8月24日より西鉄線D355/D356編成として運用開始。

事故

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2007年2月14日9時13分(現地時間)西鉄線(West Rail Line)D305/D306(P306)トンネル内で列車火災を起こして緊急停車。約650人の乗客がトンネル内を約2キロ歩いて避難するという事故があった。煙を吸い込んだ乗客11人が病院に運ばれたが、死者や重傷者はなかった。火災は2回の爆発を伴ったという。現地報道では車両の屋根に取りつけられた変圧器(三菱製)からオイルが漏れ、それに引火したのが原因だとの見方が伝えられている。[20][21][22]

脚注

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注釈

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  1. ^ 第1世代のSP1900車両D201はKCRによって設計された。製造後、負荷試験は失敗し、使用できなくなり、香港消防救助学校の訓練車両になった。

出典

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関連項目

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外部リンク

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