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三浦 碌郎(みうら ろくろう、1882年(明治15年)9月23日[1] - 1969年(昭和44年)12月16日[2])は、日本の内務・台湾総督府官僚、政治家。立川市長。
三浦覚の長男として京都府で生まれる[3]。第三高等学校を経て、1908年10月、東京帝国大学法科大学法律学科を卒業。1909年、内務省に入り警視庁警部となる。1911年11月、高等文官試験行政科試験に合格[1][3][4]。
以後、永代橋警察署長、警視庁警視、深川警察署長、扇橋警察署長、四谷警察署長、熊本県宇土郡長などを歴任[1][3]。
1919年6月、台湾総督府に転じ、同府警視兼同府警務官・監察官となる[1]。同府事務官・警務局衛生課長、同府州事務官・新竹州内務部長などを経て、1924年12月、高雄州知事に就任。1926年、本山文平の後任として、台中州知事となった後、1927年7月27日に吉岡荒造の後任として、1928年7月21日に依願免本官となるまで台湾台北地区で台北州の知事を担当した[1]。管轄は、今の台北市、新北市、宜蘭県と基隆市など。
1930年5月、関東庁内務局長に就任[1]。1932年1月29日、依願免本官となり退官した[5]。同年8月、満州国に転じ、吉林省公署理事官総務庁長に就任。以後、国務院嘱託を経て、1936年3月から同年8月まで満州拓殖 (株)監事を務めた。
その後帰国し、1937年10月から1940年2月まで国民精神総動員中央連盟幹事に在任[1]。1943年10月5日、立川市長に就任。臨戦体制の整備、立川消防署の設置などによる防災体制の整備に尽力。戦後は戦災からの復興、立川基地への米軍進駐などの対応に尽くし、1946年10月9日に市長を退任した[6]。
その後、公職追放となり[7]、追放解除後は立川市公民館長などを務めた[2]。
- ^ a b c d e f g 「三浦碌郎外一名東京都立川市長外一市長ニ任スルノ件」
- ^ a b 『朝日新聞』(東京本社発行)1969年12月18日朝刊、16頁。
- ^ a b c 『人事興信録』第9版、ミ10頁。
- ^ 『日本官僚制総合事典:1868 - 2000』200頁。
- ^ 『官報』第1523号、昭和7年1月30日。
- ^ 『日本の歴代市長』第1巻、950頁。
- ^ 公職追放の該当事項は「翼賛市支部長武徳会支所長」。(総理庁官房監査課 編『公職追放に関する覚書該当者名簿』日比谷政経会、1949年、349頁。NDLJP:1276156。 同書には「三浦綠郎」と記載。 )
- 劉寧顔著《重修台湾省通志》、台北市、台湾省文献委員会、1994年。
- 秦郁彦編『日本官僚制総合事典:1868 - 2000』東京大学出版会、2001年。
- 岡本真希子『植民地官僚の政治史 - 朝鮮・台湾総督府と帝国日本』三元社、2008年、443-442頁。
- 歴代知事編纂会編『日本の歴代市長』第1巻、歴代知事編纂会、1983年。
- 人事興信所編『人事興信録』第9版、1931年。
- 内閣「三浦碌郎外一名東京都立川市長外一市長ニ任スルノ件」昭和18年。国立公文書館 請求番号:本館-2A-021-00・任B03519100
- 総理庁官房監査課編『公職追放に関する覚書該当者名簿』日比谷政経会、1949年。
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五州三庁時代 |
- 冨島元治1920.9.1-1924.12.25
- 木村英俊1924.12.25-1924.12.28
- 三浦碌郎1924.12.28-1926.10.12
- 高橋親吉1926.10.12-1927.7.27
- 太田吾一1927.7.27-1931.1.20
- 平山泰1931.1.20-1931.9.12
- 野口敏治1931.9.12-1933.8.4
- 西沢義徴1933.8.4-1935.9.2
- 内海忠司1935.9.2-1939.1.28
- 赤堀鉄吉1939.1.28-1941.5.14
- 坂口主税1941.5.14-1943.11.13
- 高原逸人1943.11.13-1945.10.25
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五州三庁時代 |
- 加福豊次1920.9.1-1921.2.1
- 立川連1921.2.1-1922.5.15
- 常吉徳寿1922.5.15-1924.12.23
- 本山文平1924.12.25-1926.10.12
- 三浦碌郎1926.10.12-1927.7.27
- 佐藤続1927.7.27-1928.7.21
- 生駒高常1928.7.21-1929.7.9
- 水越幸一1929.7.9-1931.1.20
- 太田吾一1931.1.20-1932.3.15
- 竹下豊次1932.3.15-1935.1.15
- 日下辰太1935.1.15-1936.10.16
- 松岡一衛1936.10.16-1939.12.27
- 奥田達郎1939.12.27-1941.5.14
- 森田俊介1941.5.14-1944.3.20
- 清水七郎1944.3.20-1945.10.25
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カテゴリ |
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五州三庁時代 |
- 相賀照郷1920.9.1-1921.9.17
- 高田富蔵1921.9.17-1924.12.23
- 吉岡荒造1924.12.23-1927.7.27
- 三浦碌郎1927.7.27-1928.7.21
- 高橋親吉1928.7.21-1929.4.20
- 片山三郎1929.4.20-1931.5.8
- 宇賀四郎1931.5.8-1931.9.12
- 平山泰1931.9.12-1932.3.15
- 中瀬拙夫1932.3.15-1933.8.4
- 野口敏治1933.8.4-1936.2.26
- 今川淵1936.2.26-1936.10.16
- 藤田傊治郎1936.10.16-1939.1.28
- 戸水昇1939.1.28-1939.12.28
- 川村直岡1939.12.28-1941.5.14
- 三輪幸助1941.5.14-1942.7.3
- 梁井淳二1942.7.3-1943.11.13
- 坂口主税1943.11.13-1944.3.20
- 西村高兄1944.3.20-1945.5.23
- 高橋衛1945.5.23-1945.10.25
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