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三人の人物のいる風景

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
『三人の人物のいる風景』
スペイン語: Paisaje con tres hombres
英語: Landscape with Three Figures
作者ニコラ・プッサン
製作年1648–1651年ごろ
種類キャンバス油彩
寸法120 cm × 187 cm (47 in × 74 in)
所蔵プラド美術館マドリード

三人の人物のいる風景』(さんにんのじんぶつのいるふうけい、西: Paisaje con tres hombres: Landscape with Three Figures)、または『建物のある風景』(たてもののあるふうけい、西: Paisaje con edificios: Landscape with Buildings)は、17世紀フランスの巨匠ニコラ・プッサンが1648-1651年ごろ、キャンバス上に油彩で制作した風景画である。作品は1746年にラ・グランハ宮殿フェリペ5世のコレクション目録に記載されているもので[1]、現在、マドリードプラド美術館に所蔵されている[1][2][3]

作品

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この絵画は牧歌的風景画であり、描かている3人の人物、および画中に見えるほかの人物は、最小限の重要性しか持っていない。プッサンは、1648年以降、この種の風景画を採りあげるようになった。それは、アカデミックな環境では高く評価されなかったからであり、また古典的なジャンルではなかったからである。本作は、大気が「空間における一つの物質であり、画面全体を満たし、それを一体とする」[4]風景に到達しており、17世紀絵画の達成したものが明らかに見て取れる。

本作の主役は、川の流れが生んだ広大な渓谷の風景である[2]。川岸にはいくつかの建物があり、渓谷は地平線上では樹々と山々に枠取られている。明るい色調から、バランスよく配置された様々な要素にいたるまで、すべてが静けさと調和を醸し出している。自然は理想化されている一方、建物や人物の衣服は古代のものを想起させる[2]

前景には、3人の座っている人物と、馬を連れた2人の人物が見える。この情景は、古代ギリシアにおける犬儒学派哲学 (やがてストア学派を生み出す) の祖ディオゲネス (紀元前413年ごろ-324年ごろ) [5]アテナイへの旅を表している可能性がある[1]。画面で唯一の色彩的なアクセントになっているのは、2人の旅人と言葉を交わす人物の衣服の赤色であるが、この人物をディオゲネスとする説がある[2]。ディオゲネスはすべての奢侈を放棄した人物で、通常、粗野なケープを纏っただけの姿で表される[1]。本作に表わされているのは、彼がスパルタとアテナイを往復していた際にどちらを好むかと質問された場面であると推測される[2]。ちなみに、プッサンは、『ディオゲネスのいる風景』 (ルーヴル美術館パリ) でもディオゲネスを描いている[5]

脚注

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  1. ^ a b c d Landscape with Three Figures”. プラド美術館公式サイト (英語). 2024年10月21日閲覧。
  2. ^ a b c d e 国立プラド美術館 2009, p. 388.
  3. ^ Andreas Prater, “El Barroco” en Los maestros de la pintura occidental, Taschen, 2005, pág. 245, ISBN 3-8228-4744-5
  4. ^ ARTEHISTORIA - Genios de la Pintura - Ficha Paisaje con tres hombres”. 25 August 2007時点のオリジナルよりアーカイブ。25 August 2007閲覧。
  5. ^ a b 辻邦生・高階秀爾・木村三郎、1984年、76-77頁。

参考文献

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外部リンク

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