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マネーボール (映画)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
マネーボール
Moneyball
監督 ベネット・ミラー
脚本 スティーヴン・ザイリアン
アーロン・ソーキン
原案 スタン・チャーヴィン英語版
原作 マイケル・ルイス
マネー・ボール
製作 マイケル・デ・ルカ
レイチェル・ホロヴィッツ英語版
ブラッド・ピット
製作総指揮 スコット・ルーディン
アンドリュー・S・カーシュ英語版
シドニー・キンメル英語版
マーク・バクシ
出演者 ブラッド・ピット
ジョナ・ヒル
フィリップ・シーモア・ホフマン
音楽 マイケル・ダナ
撮影 ウォーリー・フィスター
編集 クリストファー・テレフセン
製作会社 マイケル・デ・ルカ・プロダクションズ
スコット・ルーディン・プロダクションズ
スペシャルティ・フィルムズ
配給 アメリカ合衆国の旗 コロンビア ピクチャーズ
日本の旗 ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント
公開 アメリカ合衆国の旗 2011年9月23日
日本の旗 2011年11月11日
上映時間 133分
製作国 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
言語 英語
製作費 $50,000,000[1]
興行収入 世界の旗 $110,206,216[1]
アメリカ合衆国の旗 $75,605,492[1]
日本の旗 9億円[2]
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マネーボール』(Moneyball)は、2011年アメリカ合衆国の映画マイケル・ルイスによる『マネー・ボール 奇跡のチームをつくった男』を原作とし、オークランド・アスレチックスゼネラルマネージャー(GM)であるビリー・ビーンが、セイバーメトリクスを用い経営危機に瀕した球団を再建する姿を描く。ベネット・ミラーが監督し、ブラッド・ピットがビーンを演じた。第24回東京国際映画祭にて公式クロージング作品としてアジアプレミア上映[3]

あらすじ

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プロローグ
かつて超高校級選手としてニューヨーク・メッツから1980年のMLBドラフト1巡目指名を受けたスター候補生・ビリー・ビーンは、スカウトの言葉を信じ、名門スタンフォード大学奨学生の権利を蹴ってまでプロの道を選んだ。
しかし、野球の試合では大した結果を残せず、鳴かず飛ばずの日々を過ごし、さまざまな球団を転々としたのち現役を引退した。その後、ビーンはスカウトに転身し、第二の野球人生を歩み始める。
序盤
2001年ディビジョンシリーズで、オークランド・アスレチックスニューヨーク・ヤンキースに敗れ、オフにはスター選手であるジョニー・デイモンジェイソン・ジアンビジェイソン・イズリングハウゼンの3選手のフリーエージェント移籍が確定的となった。
この時アスレチックスのGMに就任していたビーンは、2002年シーズンに向けて戦力を整えるべく補強資金を求めるも、スモールマーケットのオークランドを本拠地とし、資金に余裕の無いオーナーの返事はつれない。
ある日、トレード交渉のためにクリーブランド・インディアンスのオフィスを訪れたビーンは、イエール大学卒業のスタッフ、ピーター・ブランドに出会う。彼は各種統計から選手を客観的に評価する『セイバーメトリクスを用いて、他のスカウトとは違う尺度で選手を評価していた。
ブランドの理論に興味を抱いたビーンは、その理論をあまり公にできず肩身の狭い思いをしていた彼を自身の補佐として引き抜き、他球団からは評価されていない埋もれた戦力を発掘し、低予算でチームを改革しようと試みる。
アート・ハウ監督がカルロス・ペーニャの起用を頑なに継続し、低年俸で獲得したスコット・ハッテバーグの出場機会が少ないことから、ビーンは監督と対立した。ビーンの意図した方針で試合に臨めないことからチームは一時首位から10ゲーム差を空けられてしまう。対話によってハッテバーグの起用を促すも、方針が変わることがなかったため、強行にカルロス・ペーニャを夏のトレード期限で放出した。
終盤
トレード期限を過ぎた8月以降は怒涛の追い上げでアメリカンリーグ史上初の20連勝を記録し、地区優勝を果たした。
ポストシーズンでは2002年のアメリカンリーグディビジョンシリーズミネソタ・ツインズと対戦するも、前年と同じ2勝3敗で敗退した。
ボストン・レッドソックスのオーナージョン・W・ヘンリー英語版から5年1250万ドルという破格の契約オファーを受けるも、それを断ってアスレチックスでの優勝を改めて目指すこととなる。レッドソックスは、ビーンの統計的な手法を取り入れて2004年のワールドシリーズで86年ぶりの優勝を果たした。

キャスト

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役名 俳優 日本語吹替
ソフト版
ビリー・ビーン ブラッド・ピット 東地宏樹
ピーター・ブランド ジョナ・ヒル 桜井敏治
アート・ハウ フィリップ・シーモア・ホフマン 石住昭彦
シャロン ロビン・ライト 田中敦子
スコット・ハッテバーグ クリス・プラット T.ラック
デヴィッド・ジャスティス スティーヴン・ビショップ英語版 山口太郎
マーク・シャパイロ リード・ダイアモンド英語版 三上哲
ロン・ワシントン ブレント・ジェニングス英語版 中博史
グレイディ・フソン英語版 ケン・メドロック英語版 浦山迅
エリザベス・ハッテバーグ タミー・ブランチャード英語版
ジョン・ポロニ英語版 ジャック・マクギー英語版
クリス・ピッタロ英語版 ヴィト・ルギニス英語版
マット・キーオ ニック・サーシー
ロン・ホプキンス グレン・モーシャワー 玉野井直樹
チャド・ブラッドフォード ケイシー・ボンド英語版 岩田安宣
ジェレミー・ジアンビ ニック・ポラッツォ
ケイシー・ビーン ケリス・ドーシー英語版 宇山玲加
ジョン・ヘンリー英語版 アーリス・ハワード 堀内賢雄
若年期のビリー リード・トンプソン 岡本未来
ビリーの父 ジェームズ・シャンクリン
ビリーの母 ダイアン・ベーレンズ
スザンヌ タカヨ・フィッシャー英語版
マイク・マグナンテ デリン・エバート英語版
リカルド・リンコン ミゲル・メンドーザ
カルロス・ペーニャ ジェラルド・セラスコ英語版
エリック・チャベス アート・オーティズ
ミゲル・テハダ ロイス・クレイトン
テレンス・ロング マービン・ホーン
マーク・エリス ブレント・ドーリング 三上哲
アラン スパイク・ジョーンズ
スティーブン・ショット英語版 ロバート・コティック英語版[4] 井上和彦
役不明又はその他 高柳謙一
石井隆夫
佐々木省三
片貝薫
林和良
真矢野靖人
くまかつみ
水野千夏
かぬか光明
真田五郎
行成とあ
原聖
演出 乃坂守蔵
翻訳 宮川桜子
監修 KOTA
調整 北浦祥子
録音 ACスタジオ
制作担当 藤本直樹
(ACクリエイト)
日本語版制作 ACクリエイト

製作

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実話との相違点

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20連勝を達成した試合に関しては、試合展開も含めて事実に沿っているが、それ以外のシーンにおいては若干の脚色が見られる。

  • 主人公の ビリー・ビーンは妻と別れて一人娘がいる設定になっているが、実際には、既に幼馴染で2人目の妻のタラと1999年に再婚しており、翌年には双子が産まれている[10]
  • ビリー・ビーンの補佐役でイェール大学卒業となっているピーター・ブランドのモデルは、ポール・デポデスタでありハーバード大卒である。映画化にあたり、あまりに自分とは異なる外見の俳優がキャスティングされたこと、データおたくのようなキャラの描かれ方に納得できず、実名の使用を拒否している。
  • ジェレミー・ジアンビチャド・ブラッドフォードは映画序盤に他球団から獲得したように描かれているが、実際には映画序盤に相当する時期にはすでに在籍している[11]

評価

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本作は非常に高い評価を受けており、ロッテン・トマトでは95%の支持を得ている他、多くの批評家が2011年公開作の年間トップ10に選出した。

受賞・ノミネート一覧
映画祭・賞 発表日 部門 対象 結果
第84回アカデミー賞[12][13] 2012年2月26日 作品賞 マイケル・デ・ルカレイチェル・ホロヴィッツ英語版ブラッド・ピット ノミネート
主演男優賞 ブラッド・ピット ノミネート
助演男優賞 ジョナ・ヒル ノミネート
脚色賞 脚本: スティーヴン・ザイリアンアーロン・ソーキン
原案: スタン・チャーヴィン英語版
ノミネート
編集賞 クリストファー・テレフセン ノミネート
音響編集賞 デブ・アデア、ロン・ボーチャー、デイヴ・ジャンマルコ、エド・ノヴィック ノミネート

劇中曲

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ビリー・ビーンの娘ケイシーが劇中で披露したレンカによる原曲をカバーした楽曲。
2002年の開幕戦で、ギタリストのジョー・サトリアーニによるインストアレンジ・バージョン。サトリアーニ本人による演奏。

その他

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関連項目

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脚注・参考文献

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  1. ^ a b c Moneyball” (英語). Box Office Mojo. 2011年11月14日閲覧。
  2. ^ キネマ旬報」2012年2月下旬決算特別号 211頁
  3. ^ 一部報道によれば、ブラッド・ピットが東京国際映画祭に合わせて、来日を計画していたことがわかった。映画祭には、来日かなわなったが、11月上旬に来日予定。ベネット・ミラー監督映画祭来日。
  4. ^ ゲームソフト会社『アクティビジョン・ブリザード』のCEO。
  5. ^ Siegel, Tatiana (2008年10月16日). “Columbia pitches 'Moneyball' to Pitt” (英語). バラエティ. リード・ビジネス・インフォメーション. 2011年5月28日閲覧。
  6. ^ Fleming, Michael; Bart, Peter (2009年6月21日). “Sony scraps Soderbergh's 'Moneyball'” (英語). バラエティ. リード・ビジネス・インフォメーション. 2011年5月28日閲覧。
  7. ^ Fleming, Mike (2010年4月12日). “Finally, It's Batter Up For 'Moneyball'” (英語). Deadline.com. Mail.com Media. 2011年5月28日閲覧。
  8. ^ Slusser, Susan (2010年7月30日). “'Moneyball' shoot brings back memories” (英語). サンフランシスコ・クロニクル. ハースト・コーポレーション. 2011年5月28日閲覧。
  9. ^ “イチローVSブラッド・ピット”を演出 映画『マネーボール』ベネット・ミラー監督”. オリコン. ORICON STYLE (2011年11月9日). 2015年6月25日閲覧。
  10. ^ Billy Beane’s Wife Tara Beane - Mother of His Three Children” (英語). glamourpath.com (2019年8月23日). 2023年2月19日閲覧。
  11. ^ 「映画になった奇跡の実話」 鉄人ノンフィクション編集部
  12. ^ Oscar 2012 winners – The full list”. ガーディアン (2012年2月27日). 2012年2月29日閲覧。
  13. ^ Nominees and Winners for the 84th Academy Awards”. 映画芸術科学アカデミー(Oscars). 2012年2月21日閲覧。

外部リンク

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