タールア駅
タールア駅 | |
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ท่าเรือ Tha Rua | |
◄バーンプルックラット (3.57 km) (6.05 km) バーンモー► | |
所在地 |
タイ王国 アユタヤ県タールア郡 |
駅番号 | 1039 |
所属事業者 | タイ国有鉄道 |
等級 | 一等駅 |
所属路線 | 北本線 |
キロ程 | 102.73 km(クルンテープ駅起点) |
電報略号 | ทร. |
駅構造 | 地上駅 |
ホーム | 2面2線 |
開業年月日 | 1901年4月1日 |
タールア駅(タールアえき、タイ語:สถานีรถไฟท่าเรือ)は、タイ王国中部 アユタヤ県 タールア郡にある、タイ国有鉄道 北本線の駅である。
概要
[編集]タールア駅はタイ王国中部アユタヤ県の、人口約5万人が暮らすタールア郡にある。タールアとは、タイ語で港を意味する。内陸部で「港」とは奇妙だが、パーサック川が当駅を包む様に「J」字形に流れており、水運しか輸送手段のなかった時代では重要な位置づけであった。クルンテープ駅(バンコク)からは102.73km地点に位置し、快速列車利用で2時間15分程度である。町の中心部に位置するため、利便性が良いが小さな町である。駅の正面側(西側)が、市街地である。
一等駅であるが、特急、急行は停車せず、1日当たり26列車(13往復)の発着があり、その内訳は快速4往復、普通9往復である。当駅を含むバーンパーチー分岐駅からロッブリー駅 までは、複線区間である[1]。
当駅で特筆すべきは、かつて当駅よりサラブリー県クンコローン町(当時)まで民営鉄道であるプラバート軌道が伸びていた点が挙げられる(後述)。
プラバート軌道
[編集]プラバート軌道[2]((泰)รถรางพระพุทธบาท ททุนจำกัด (英)Phra Phutthabat tram Co.,ltd [3]) は、当駅よりサラブリー県プラプットバート区(当時)[注釈 1]クンコローン町((泰)ขุนโขลน、(英)Khun Khlon)までを結ぶ全長19 kmの軽便鉄道である[4]。タイでは数少ない民営鉄道であり、その軌間は600 mmとされるが、写真の分析により約750 mmとする見解もある[3][5]。1901年に免許が交付され、1903年に完成した。その後タールア鉄道に継承され1942年に廃止された[6][注釈 2]。
歴史
[編集]1897年3月26日にタイ官営鉄道最初の区間が、クルンテープ駅 - アユタヤ駅間に開業した[7]。1900年12月21日に当初計画のナコンラチャシーマ駅まで完成した。この頃北本線のチエンマイ延長が決定し、1901年4月1日にロッブリー駅まで完成、それに伴い当駅も中間駅として開業した[8]。なお、当駅開業の約21年後の1922年1月1日に、北本線はチエンマイ駅まで全通完成した[9]。
- タイ国有鉄道 北本線
- 1897年3月26日 【開業】クルンテープ駅 - アユタヤ駅 (71.08 km)
- 1897年5月1日 【開業】アユタヤ駅 - バーンパーチー駅 (18.87 km)
- 1901年4月1日 【開業】バーンパーチー駅 - ロッブリー駅 (42.86 km)
- プラバート軌道
- 1903年 【開業】タールア駅 - プラプッタバート駅 (19 km)
- 1929年 【運休】(免許失効のため)[3]
- 1931年 3月31日【再開】タールア鉄道として運行再開[3]
- 1940年 6月24日 (パホンヨーティン通り 、サラブリー - ロッブリー間が延伸開業。以降、輸送量が激減)
- 1942年 【廃止】タールア駅 - プラプッタバート駅 (19 km)
駅構造
[編集]単式及び島式1面の複合型ホーム2面2線をもつ地上駅であり、駅舎はホームに面している。
- プラバート軌道の駅は国鉄駅の東側にあったとされている。
周辺
[編集]- ボーソック駅遺構 - 駅より約10 km、バーンポー郡タムボン・サンソック庁舎の敷地内。確認されている建物としては唯一の、現存するプラバート軌道遺構(2021年現在)であるが、どのような目的の構造物であるかは不明。
- ワット・プラプッタバート - 駅の北北東、約19 kmにある仏足跡で有名な寺院。プラバート軌道は国道3022号線沿いにこの付近まで伸びていた。サラブリー県の県章にも描かれている。なお現在の最寄り駅としては当駅よりもノーンドーン駅が近い。
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サラブリー県章
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ワット・プラプッタバート
注釈
[編集]脚注
[編集]- ^ 柿崎一郎 『王国の鉄路 タイ鉄道の歴史』 (京都大学学術出版会、2010年)p.295
- ^ 『王国の鉄路』による日本語表記に基づく。開業時の現地法人名を日本語に訳せば『プラプッタバート路面軌道株式会社』
- ^ a b c d สุนันทา เจริญปัญญายิ่ง. “ทางรถไฟสายท่าเรือ–พระพุทธบาท” (タイ語). สถาบันการขนส่ง จุฬาลงกรณ์มหาวิทยาลัย. チュラーロンコーン大学. 2018年11月3日閲覧。Archived 17-07-2019 at the Wayback Machine.
- ^ 柿崎一郎 『王国の鉄路 タイ鉄道の歴史』 (京都大学学術出版会、2010年)p.47
- ^ 『The Railways of Thailand』 p.183 White Lotus
- ^ 柿崎一郎 『王国の鉄路 タイ鉄道の歴史』 (京都大学学術出版会、2010年)p.163
- ^ 柿崎一郎 『王国の鉄路 タイ鉄道の歴史』 (京都大学学術出版会、2010年)p.25
- ^ 柿崎一郎 『王国の鉄路 タイ鉄道の歴史』 (京都大学学術出版会、2010年)p.26
- ^ 柿崎一郎 『王国の鉄路 タイ鉄道の歴史』 (京都大学学術出版会、2010年)p.25 - p.28
参考文献
[編集]- 柿崎一郎 『王国の鉄路 タイ鉄道の歴史』 (京都大学学術出版会、2010年)ISBN 978-4-87698-848-8
- バンコクの民営鉄道
- R.Ramaer 『The Railways of Thailand』 (White Lotus、2009年)ISBN 978-974-480-151-7