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ドレスデン市電NGT DX DD形電車

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
フレキシティ > フレキシティ・クラシック > ドレスデン市電NGT DX DD形電車
ドレスデン市電NGT DX DD形電車
NGT DX DD(2901)(2022年撮影)
基本情報
運用者 ドレスデン交通企業体ドイツ語版
製造所 アルストム
製造年 2021年 -
製造数 片運転台 31両(2901 - 2931)(予定)
両運転台 9両(2981 - 2989)(予定)
運用開始 2022年
投入先 ドレスデン市電
主要諸元
編成 5車体連接車
軸配置 (Bo'Bo')2'(Bo'Bo')
軌間 1,450 mm
最高速度 70 km/h
起動加速度 1.5 m/s2
減速度(常用) 1.45 m/s2
減速度(非常) 3.08 m/s2
車両定員 片運転台 290人(着席97人)
両運転台 285人(着席96人)
(乗客密度4人/m2
車両重量 片運転台 53.5 t
両運転台 54.9 t
全長 43,290 mm
全幅 2,650 mm
床面高さ 325 mm(低床部分)
280 mm(乗降扉付近)
530 mm(動力台車上部)
(低床率65 %)
車輪径 600 mm
軸重 9.6 t
主電動機 誘導電動機
主電動機出力 95 kw
出力 760 kw
制御方式 VVVFインバータ制御
備考 主要数値は[1][2][3][4]に基づく。
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NGT DX DDは、ドイツ路面電車であるドレスデン市電に在籍する車両バリアフリーに適した超低床電車で、2022年から営業運転を開始した。形式名は「低床式連接電車(Niederflurgelenktriebwagen)・10軸(Drehgestell X)・ドレスデン向け車両(Typ Dresden)」を意味する[2][3]

概要

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ドレスデン市電では1995年以降バリアフリーに適した超低床電車の導入を継続的に進めていたが、2010年代後半になると初期に導入された車両の老朽化が進み、置き換えが課題となっていた。そこで、ドレスデン市電を運営するドレスデン交通企業体ドイツ語版2017年から新型車両導入に関するプロジェクトを進め、2019年8月ボンバルディア・トランスポーテーションとの契約を結んだ。これに基づき、ボンバルディア・トランスポーテーションおよび同社を吸収したアルストムによって開発・製造が実施されたのが「NGT DX DD」である。当初の契約分は30両であったが、後に10両分のオプション権を用い3両の追加発注が実施されている[2][3][5]

NGT DX DDは5車体連接式の車両で、運転台や乗降扉が片側のみに存在する片運転台車両に加え、工事や事故などでループ線が使用不可能な場合に対応した両運転台車両の導入も実施される。車幅は2,650 mmで、従来の超低床電車(2,300 mm)から拡大している。車内は機器のメンテナンスの容易さという観点から、動力台車が設置されている場所を除いた全体の65 %が床上高さを下げた低床構造になっており、車椅子ベビーカーに対応したフリースペースが4箇所設置されている。座席数は既存の超低床電車から減少した一方、座席はシートピッチが拡大し乗り心地の向上が図られている。車内照明には時間や季節に応じて色調が変化可能なLEDが採用されており、冷暖房双方に対応し車内の二酸化炭素含有量に応じて外部からの空気の供給量を調節する空調装置を含め、従来の車両と比べ空調や照明に使用される消費電力を15 %削減している[2]

最初の車両となった片運転台車両の2901は2020年から2021年にかけて製造が実施され、同年10月にドレスデン市電に納入された。そして試運転を経た後、2022年11月26日から利用客が多い2号線で営業運転を開始した[注釈 1]。以降は順次同系統に向けて導入が進められている他、最混雑系統である7号線を含めた他の系統についても車幅2,650 mmのNGT DX DDに対応した改良工事が完了次第、順次営業運転に投入される。更に2024年7月には、オプション権を用いて片運転台車両7両の増備が発表されており、これらは2026年から2027年にかけて製造され、NGT DX DDは合計40両が導入される事になっている。これによってドレスデン市電の輸送力が増強される他、高床式電車のタトラT4や初期の超低床電車であるNGT 6 DDの廃車が進められている[2][3][6][7]

また、NGT DX DDは車体や車内のデザイン性が高く評価され、2022年のiFデザイン賞の金賞を獲得している[8]

脚注

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注釈

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  1. ^ ただし営業運転開始当初は乗客を乗せた試運転という扱いであり、承認を経た本格的な営業運転開始は翌2023年5月からとなった。

出典

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  1. ^ Barrierefreie Straßenbahnen”. Dresdner Verkehrsbetriebe AG. 2024年7月25日閲覧。
  2. ^ a b c d e Neue Stadtbahnen für Dresden”. Dresdner Verkehrsbetriebe AG. 2024年7月25日閲覧。
  3. ^ a b c d Proměna drážďanské MHD. Nová tramvaj NGT DX DD začala jezdit s cestujícími”. ZDOPRAVY.CZ (2022年11月27日). 2024年7月25日閲覧。
  4. ^ 国際協力機構; 東京都交通局; アルメック VPI『添付資料 2 都市鉄道のシステム』(レポート)〈鉄道整備と都市・地域開発を連携させる開発のあり方に関する調査最終報告書〉2017年11月、27頁http://open_jicareport.jica.go.jp/pdf/12305538_02.pdf2024年7月25日閲覧 
  5. ^ Bombardier delivers 30 new trams to Dresden”. Urban Transport Magazine (2019年8月23日). 2024年7月25日閲覧。
  6. ^ Libor Hinčica (2024年8月12日). “Drážďany využily i zbylou část opce na tramvaje od Alstomu”. Československý Dopravák. 2024年8月13日閲覧。
  7. ^ Now 40 new trams for Dresden: Additional order for Alstom”. Urban Transport Magazine (2024年8月11日). 2024年8月13日閲覧。
  8. ^ City Tram Dresden - NGT DX DD”. iF Design Award. 2024年7月25日閲覧。