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ドレスデン市電NGT 6 DD形電車

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ドレスデン市電NGT 6 DD形電車
ドレスデン市電NGT 6 DD Z形電車
NGT 6DD Z(2006年撮影)
基本情報
運用者 ドレスデン交通企業体ドイツ語版
製造所 "ザクセントラム(SachsenTram)"
DWAドイツ語版シーメンスアドトランツデュワグ
製造年 1995年 - 1998年
製造数 NGT 6 DD 47両(2501 - 2547)
NGT 6 DD Z 13両(2581 - 2593)
運用開始 NGT 6 DD 1996年4月4日
NGT 6DD Z 1997年
投入先 ドレスデン市電
主要諸元
編成 5車体連接車
軸配置 Bo′+2′+Bo′
軌間 1,450 mm
最高速度 70.0 km/h
車両定員 NGT 6 DD 184人(着席88人)
NGT 6 DD Z 184人(着席72人)
車両重量 NGT 6 DD 33.4 t
NGT 6 DD Z 34.5 t
全長 30,280 mm
車体長 29,720 mm
全幅 2,300 mm
全高 3,475 mm
主電動機 かご形三相誘導電動機
主電動機出力 95 kW
出力 380 kW
制御方式 VVVFインバータ制御
備考 主要数値は[1][2][3][4][5][6]に基づく。
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NGT 6 DDは、ドイツの大都市・ドレスデン路面電車であるドレスデン市電で使用されている電車。ドレスデン市電で初となる、床下高さが低くバリアフリーに適した超低床電車で、1996年4月4日から営業運転を開始した。この項目では、両運転台構造の同型車両であるNGT 6 DD Zについても解説する[1][2][3][4]

概要・運行

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NGT 6 DDは中間に台車がないフローティング車体を挟んだ5車体連接車で、運転台や乗降扉は片側のみに存在する。車内は動力台車がある前後車体を除いた、全体の70 %が床下高さが低い低床構造となっており、乗降扉はフローティング車体に存在する。開発にあたっては、ドイツ・ワゴンバウ(DWA)ドイツ語版(現:ボンバルディア・トランスポーテーション)を中心にシーメンスアドトランツデュワグが参加したコンソーシアム「ザクセントラム(SachsenTram)」が設立され、デュワグがマンハイムルートヴィヒスハーフェン向けに製造した6MGTを基に設計が行われている[1][2][3][7][8]

主電動機は従来の直流電動機から小型化や信頼性の向上が実現したかご形三相誘導電動機が用いられ、制御装置や抵抗器など主要な電気機器は屋根上への搭載を前提とした設計となっている。これらの技術進歩も、超低床電車の開発が可能となった大きな要因となっている。台車は前後の動力台車が車軸付きのボギー台車となっている一方、中間の付随台車は車軸を持たない1軸台車(EEF台車)となっている[4][5]

製造は1995年から行われ、1998年までに47両(2501 - 2547)が導入された[1][2][3]

NGT 6 DD Z

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NGT 6 DD Z(2015年撮影)

延伸工事や保守工事などで折り返し用のループ線が使用不可能になる場合に備えて開発された5車体連接車。前後車体に運転台が設置されている両運転台車両となっているため、線路工事中の路面電車の運休や代行バスの運転の必要が無くなり、工事の行程の簡素化も実現している。乗降扉は中間のフローティング車体の両側面に4箇所づつ設置されているが、これにより座席数はNGT 6 DDから減少している。1997年から1998年にかけて13両(2581 - 2593)が導入された[1][2]

今後の予定

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ドレスデン市電には2022年以降新型超低床電車のNGT DX DDの増備が続いており、それに伴うNGT 6 DDの廃車が進められている。そのうち2024年に運用を離脱する10両については解体が実施される一方、一部部品は残存する車両の予備として残される[9][10][11]

関連形式

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脚注

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注釈

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出典

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  1. ^ a b c d e Barrierefreie Straßenbahnen”. Dresdner Verkehrsbetriebe AG. 2020年7月14日閲覧。
  2. ^ a b c d e “Niederflurstadtbahnwagen NGT 6 DD Z (Zweirichtungswagen)”. DVB Info (Dresdner Verkehrsbetriebe AG): 22. (2010 Heft 03). https://slub.qucosa.de/api/qucosa%3A1471/attachment/ATT-0/ 2020年7月14日閲覧。. 
  3. ^ a b c d e Ryszard Piech (2009年2月17日). “Tramwaje niskopodłogowe w Dreźnie”. Infotram. 2020年7月14日閲覧。
  4. ^ a b c Georg Kochan (2010 Heft 03). “3. Teil: 1986 - 1996 Antriebselektronik und Niederflur”. DVB Info (Dresdner Verkehrsbetriebe AG): 20-21. https://slub.qucosa.de/api/qucosa%3A1471/attachment/ATT-0/ 2020年7月14日閲覧。. 
  5. ^ a b 鹿島雅美「ドイツの路面電車全都市を巡る 2」『鉄道ファン』第46巻第1号、交友社、2006年1月1日、160-163頁。 
  6. ^ 国際協力機構東京都交通局、アルメック VPI『添付資料 2 都市鉄道のシステム (PDF)』(レポート)〈鉄道整備と都市・地域開発を連携させる開発のあり方に関する調査最終報告書〉、2017年11月、27頁。2020年7月14日閲覧
  7. ^ a b Neil Pulling (2017-4). “SYSTEMS FACTFILE No.118 Gent, Belgium”. Tramways & Urban Transit (LRTA) 956: 304-308. http://www.bowe.cc/techlib/pdf/Tramways__amp__Urban_Transit_vol80_no956_1528737050.pdf 2020年7月14日閲覧。. 
  8. ^ Mészáros Gergely (2011年7月31日). “Lejjebb a padlóval! - II. rész”. iho. 2020年7月14日閲覧。
  9. ^ Libor Hinčica (2024年8月12日). “Drážďany využily i zbylou část opce na tramvaje od Alstomu”. Československý Dopravák. 2024年8月13日閲覧。
  10. ^ Now 40 new trams for Dresden: Additional order for Alstom”. Urban Transport Magazine (2024年8月11日). 2024年8月13日閲覧。
  11. ^ Jahresbilanz: Ein Rück- und Ausblick”. Dresdner Verkehrsbetriebe AG (2024年1月10日). 2024年1月10日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年8月13日閲覧。
  12. ^ フランダースへの旅行”. ベルギー・フランダース政府観光局. 2020年7月14日閲覧。