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シティランナー (グラーツ市電)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
グラーツ市電650形電車
"シティランナー"
665(2007年撮影)
基本情報
製造所 ボンバルディア・トランスポーテーション
製造年 2000年 - 2001年
総数 18両(651 - 668)
運用開始 2001年
投入先 グラーツ市電
主要諸元
編成 連接車(5車体連接車)、片運転台
軸配置 Bo′+2′+Bo′
軌間 1,435 mm
電気方式 直流600 V
架空電車線方式
最高速度 70 km/h
起動加速度 1.2 m/s2
減速度(常用) 1.2 m/s2
減速度(非常) 2.8 m/s2
車両定員 141人(着席51人)+折り畳み座席3人分
(乗客密度4人/m2時)
車両重量 33.5 t
全長 27,000 mm
全幅 2,200 mm
全高 3,370 mm
床面高さ 350 mm(低床率100 %)
車輪径 715 mm
主電動機 キーペ英語版
主電動機出力 48 kW
出力 384 kW
制御方式 VVVFインバータ制御方式IGBT素子)
備考 主要数値は[1][2][3][4][5][6]に基づく。
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この項目では、ボンバルディア・トランスポーテーション(現:アルストム)が開発した路面電車車両ブランドのシティランナー(現:フレキシティ・アウトルック)のうち、オーストリアグラーツ市電へ導入された車両について解説する。「シティランナー」初の車両およびグラーツ市電初の本格的な超低床電車で、650番台の車両番号が与えられている[1][2][4][5]

概要

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1960年代に製造され老朽化が進行した旧型車両の置き換えやグラーツ市電全体のバリアフリー向上を目的に発注が行われた、グラーツ市電で初となる完全新造の超低床電車[注釈 1]右側通行に適した片運転台式の5車体連接車で、中間車体の一部は台車がないフローティング車体となっている。台車はグラーツに工場を有するシーメンスSGPが製造した車軸が存在しない独立車輪式台車が採用され、前後車体の台車にはキーペ英語版ウィーン工場で生産された主電動機が車輪の外側に1基づつ搭載されている(ハブモーター方式)。車体の幅は2,200 mmとなっている他、通過可能な曲線の最小半径も17 mに設定されており、グラーツ市電の線形条件に対応した構造になっている。車内はクロスシートが設置され、前後車体の乗降扉付近には車椅子用のリフトが搭載されている[1][3][2][4][5]

1998年に12両が発注された後、2000年にも追加発注が行われたため、合計18両(651 - 668)が導入される事となった。当初は同年に営業運転を開始する予定であったが、グラーツ市電の施設のバリアフリー対応工事の遅れを始めとした事情により遅れが生じ、実際に営業運転に投入されたのは2001年3月となった。2023年現在も全車がグラーツ市電の各系統で使用されているが、2020年代中盤以降に導入される予定の超低床電車による置き換えが検討されている[1][3][2][7][8][9]

ギャラリー

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脚注

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注釈

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  1. ^ グラーツ市電における初の低床構造を有する車両は、1999年に改造を受けた600形である。

出典

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  1. ^ a b c d Wolfgang Kaiser (2016年5-18). Straßenbahn in Österreich: Alle aktuellen und ehemaligen Betriebe Kindle Ausgabe. GeraMond Verlag. ISBN 978-3956130168. https://books.google.co.jp/books?id=iSrEDwAAQBAJ 2023年3月3日閲覧。 
  2. ^ a b c d Gelenktriebwagen, Reihe 650”. ÖPNV Strreich. 2023年3月3日閲覧。
  3. ^ a b c Street-Tram "Cityrunner" Graz, Österreich” (PDF). Bombardier. 2014年7月21日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年3月3日閲覧。
  4. ^ a b c Harry Hondius (2002-7-8). “Rozwój tramwajów i kolejek miejskich (2)”. TTS Technika Transportu Szynowego (Instytut Naukowo-Wydawniczy „SPATIUM” sp. z o.o): 38. http://yadda.icm.edu.pl/yadda/element/bwmeta1.element.baztech-article-BGPK-0379-2650/c/Hondius.pdf 2023年3月3日閲覧。. 
  5. ^ a b c FLEXITY Outlook - Graz, Austria”. Bombardier. 2017年11月1日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年9月1日閲覧。
  6. ^ Harry Hondius (2001年7年8日). “Rozwój niskoi średniopodłogowych pojazdów tramwajowych” (PDF). TTS Technika Transportu Szynowego (Instytut Naukowo-Wydawniczy „SPATIUM” sp. z o.o): 30. http://yadda.icm.edu.pl/yadda/element/bwmeta1.element.baztech-article-BGPK-0055-2036/c/Hondius.pdf 2023年3年3日閲覧。. 
  7. ^ Bombardier. Vorzüge der neuen Straßenbahn für Linz und des innovativen Wartungskonzeptes (PDF) (Report). p. 5. 2020年9月1日閲覧
  8. ^ Holding Graz (January 2023). BUS UND BIM FÜR ALLE (PDF) (Report). p. 171. 2023年3月3日閲覧
  9. ^ “19.Jahrestangung der Arbeitsgemeinshaft Historischer Nahverker”. Tramway Journal (グラーツ路面電車博物館ドイツ語版) 29. (2007). https://www.yumpu.com/de/document/read/34525127/egtw-serie-260-tramway-museum-graz 2023年3月3日閲覧。.